今回から簪さんのIS開発に着手します。
「それとあの人も登場するんだよな」
「なんかカオスになる予感が・・・・・」
まあわかりますよ。なにせ彼女は天災ですからね・・・・・
それでは本編にいきましょう。
「本編どうぞ」
海水浴から帰ってきて数日後、ルミナは簪とともに新月研究所に来ていた。理由はもちろんかんざしのISを完成させるためにだ。
「ここが新月研究所・・・・・思ったよりも小さいんだね」
簪は目の前にある研究所を見上げながらいう。
新月研究所の大きさはおおよそ町のスーパーマーケット程度。ISの研究所というには確かに小さい部類であろう。
「まあ新月研は私営の研究所だからな。国の援助を受けていないから倉持技研とかの他の研究所に比べれば規模は小さい。だけど・・・・・新月研のスタッフは一流を超えた超一流ばかりだ。俺の知る限りIS関連の研究所では最優秀だよ」
「そんなに凄いんだ・・・・」
「ああ。特に所長の秋菜さんはIS研究においては束さんに次ぐ天才と言われているしな」
「そんな人が私のISを・・・・・」
「さて、立ち話はこの辺にして早く入ろう簪」
「わかったお義兄ちゃん」
話を終え、二人は新月研究所に入っていった。
「あ、お帰りなさいルミナくん」
「ただいま」
建物に入ったルミナは、研究所のスタッフと思われる女性と挨拶を交わす。
「秋菜さんは今どこにいますか?」
「所長は現在自室にいます。ただ・・・・」
「?どうしまし・・・・・」
「ル~く~ん!!」
ドガッ!
「!?」
ルミナの言葉を遮るかのように、ルミナに勢いよく抱きついてくる人物がいた。
その人物は・・・・
「た、束さん?」
「え?この人が・・・・?」
束であった。予想外の人物の登場にルミナと簪は驚きを隠せていない。
「やあやあ待っていたよルーくん!いや~ルーくんって抱き心地いいんだね~。ずっとこうしていたい気分だよ~」
驚いているルミナのことなどお構いなしにルミナに擦り寄る束。何とも無邪気である。
「束さん?どうしてあなたがここにいるんですか?」
「それはね~、秋菜ちゃんに興味があったからだよ~。秋菜ちゃんは私ほどじゃあないけどISに関しては間違いなく天才だからね~。色々と話してみたかったんだよ~」
どうやら束は秋菜に興味を持ったらしい。人嫌いの彼女がここまで言わしめるほどに秋菜は研究者として優れているようだ。
「そうなんですか・・・・・というかどうして俺が来たことがわかるんですか?」
「ふっふっふ・・・・・ルーくん。女の勘は時にカオス理論さえ超越するんだよ」
(いや、それ答えになってないんだけど・・・・・まあ仕方がないか)
束のいい加減な答えにルミナはゲンナリとする。しかし相手があの束なのだからしょうがないと強引に心の中で納得することにした。
「・・・・・ねえお義兄ちゃん」
「ん?なんだ簪?」
「それって・・・・・浮気?」
「・・・・・は?」
ルミナは一瞬簪の言っていることの意味が分からずに頭に『?』を浮かべた。だが・・・・・冷静になってみてどういうことなのか理解した。
現在ルミナは抱きついてくる束の肩と頭に手を乗せている。つまり傍目から見れば束を抱きとめて頭を撫でているように見えるのだ。
束の子供っぽさから殆ど無意識にやってしまったことであるが・・・・・簪のああ言われるのも仕方がないであろう。
「あ~・・・・・違うぞ簪。言い訳でしかないがこれはついやってしまったことで・・・・そういう下心は一切無い」
「・・・・・・本当に?」
「ああ。本当だ」
「・・・・・ならいいけど」
信用できないといったようにジト目をルミナに向けていた簪であったが、ルミナの目から嘘はついていないと判断したようだ。
しかし・・・・・
「・・・・・ねえルーくん?浮気って一体どういうことなのかな?」
今度は束がルミナに突っかかってきた。
「もしかして・・・・・こいつと付き合ってるの?」
束は簪を鋭く睨みつけながら尋ねる。簪はその迫力に威圧されて少々萎縮してしまっている。
ちなみにまだルミナに抱きついたままである。
「いいえ。簪とは付き合ってませんよ」
「・・・・『とは』ってことは誰かと付き合ってるんだね」
「ええ。簪のお姉さんの楯無っていう子と付き合ってます」
「ああ、だからそいつにお義兄ちゃんって呼ばれてたんだ・・・・」
(楯無・・・・・なんかそいつ凄くムカつくなぁ)
束は面白くないといったように表情を曇らせながらここにはいない楯無に怒りを抱く。
「・・・・・あの、束さん。そういうわけなんで離れてもらってもいいです?これじゃあ移動もままならないので」
「・・・・・うん。わかったよルーくん」
ルミナに言われて束は表情を笑顔に一変させてルミナから離れた。
「さて、それじゃあ秋菜さんのところに行くか簪」
「うん」
「あ、私も行くよ。まだ秋菜ちゃんとお話の途中だったし」
「わかりました。それでは一緒にいきましょう」
移動を始めるルミナ、簪、束の3人。
その様子を見ていたスタッフは・・・・
「・・・・・今のはなんだったんだろう?」
あまりの事態に少々混乱していた。
コンコン
秋菜の居る部屋の前に着いたルミナは部屋の扉をノックする。
「どちらですか?」
「ルミナです。入ってもいいですか秋菜さん」
「ええ。大丈夫ですよ」
「では失礼します」
秋菜の許可を得て、3人は部屋に入った。
「あ、束さんやっぱりルミナさんと一緒に居たんですね」
「うん。さっきは話の途中でごめんね秋菜ちゃん」
「いいえ、構いませんよ」
まるで長年連れ添った友人のように親しそうに会話をする束と秋菜。ここに千冬がいたのならば今の束を見て間違いなく驚いて言いたであろう。
「あ、あの・・・・・」
「はいなんでしょか?」
「えっと、あなたが新月秋菜さん・・・・ですか?」
簪は恐る恐ると秋菜に尋ねた。
「はい。そうですよ」
(一瞬子供かと思った・・・・・)
(簪・・・・・今秋菜さんを子供だと思ったな)
どうやら簪は秋菜の事を子供だと思ったようだ。まあ秋菜の容姿からしてそれは仕方がないことであるが。
「簪さん・・・・・大きくなりましたね」
「え?」
「やっぱり覚えていませんか・・・・・まあ10年以上も前のことですから仕方がありませんね」
秋菜は懐かしむように頬笑みを浮かべる。
「えっと・・・・・秋菜さん?昔簪と会ったことがあるんですか?」
「ええ。簪さんだけじゃなくてかた・・・・・今は楯無さんですね。楯無さんとは以前あった時はお話できませんでしたが」
「そうなんだ・・・・・でもどうして?」
「ふふっ。私は簪さんのお母さん・・・・・静葉と親友の間柄ですから」
「お母さんと・・・・親友?」
簪は秋菜の口から語られた事実に驚きを顕にする。
「はい。その縁で昔静葉にあなた達を紹介されたことがあるんです」
「そういえば静葉さん・・・・・今朝出発前に意味深な笑みを浮かべていた気がしたな」
「あれってこういう意味だったんだ・・・・・」
「その言いようだと静葉は変わりないようですね。まあちょくちょく連絡を取り合っていたので知ってはいましたが・・・・・ふふふっ」
秋菜は変わりのない親友の事を思い小さく笑い声を上げる。
「さて、それではそろそろ本題に入りましょう。いいですか簪さん?」
「よ、よろしくお願いします」
「ではまず確認しますけど簪さんのISは外装は完成しているけれどOSやシステムがまだなんですよね?」
「はい・・・・そこから先が上手くいかなくて」
「一応報告を受けてからこちらで一通り組み上げてみました。確認してみてください」
「わかりました」
秋菜は自分のパソコンを操作して、データを画面上に表示する。そのデータに簪、ルミナ、そして興味があるらしい束が目を通す。
「!?凄い。報告してからあまり日数がたってないのに・・・・・」
簪は表示されたデータを見て目を丸くする。データは簪の目標の完成系といっても差し支えないほどのものであった。
「・・・・・秋菜さん。ちなみにこれどれぐらいで組み上げたんですか?」
「えっと・・・・大体3日ぐらいですかね」
「3日って・・・・・」
「3日でこれか~。流石は秋菜ちゃんだね」
このデータを3日で完成させたと聞き、ルミナは驚愕し束は素直に賞賛した。
「まあ細かいところは実際にISに載せて試運転させながら調整させるとして・・・・もう一つ簪さんに見てもらいたいものがあります」
「それって・・・・武装のこと?」
「はい。簪さんのISに搭載してもらう武装ですが・・・・・こちらです」
秋菜はパソコンを操作して武装のデータを表示させた。
「"グラビティ・コア"・・・・・それがこの武装の名前です」
「・・・・・これまたとんでもないですね」
「なるほど。まさしくこれは
武装のデータを見たルミナはそのあまりの性能に苦笑いを浮かべずにいられなかった。簪もまた驚きを隠せずにいる。
束に至っては研究者としての血が騒いでいるのか目がキラキラと輝いていた。
"グラビティ・コア"、その武装の内容とは・・・・・まさに名前のとおり重力に関連している。
特殊な電磁場を形成することによって重力の強弱を変化させる・・・・それが『グラビティ・コア』の性能であった。
ちなみにこの武装はビット兵器として分類されており、搭載数は4基だ。
「これが・・・・・私のISに?」
「試験はもう済ませてありますので搭載すれば使えますよ」
「ただ・・・・・使いこなすのには骨が折れそうだな。通常のビット以上に繊細に操作する必要がある」
ビット兵器を使うルミナは"グラビティ・コア"の扱いづらさを見抜いているようであった。
「ともあれまずはISのセッティングからですね」
「そうですね。ルミナさん、手伝っていただけますか?」
「はい。もちろんです」
「私もできる限りの事はします。私のISだから」
「では始めましょう」
「あ。待って。私も手伝うよ」
ISのセッティングの為、行動を開始しようとする3人に束がそう申し出た。
「束さんも手伝ってくれるんですか?」
「うん。システムにも武装にも興味があるからね。天才の束さんが手伝ってあげるんだから感謝してね~」
「はい!ありがとうございます!」
あの束に手伝ってもらえるのがよほど光栄なのであろう。簪は少々興奮気味に感謝の言葉を述べた。
こうして簪のISのセッティングが始まった。
あとがき座談会のコーナー!INIS!!
今回のゲストは簪さんです!
「よろしく」
はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう!
「まさかここで束さんが登場するとはな・・・・予想外だ」
「私もびっくりした」
「あの人本当に神出鬼没だからな・・・・・俺はもう慣れたけど。それよりもルミナ。お前って本当によく頭撫でるよな」
「前世でよくナルミの姉にやっていたからな・・・・・完全に癖になってるようだ」
「自分のお姉ちゃんにそんなことしてたの?」
「その人の要望でな・・・・・結構子供っぽいところもあったから」
ナルミさんのお姉さんは本当に破天荒ですからね・・・・・詳しくはいすれ話すかもしれませんが。
「まあこの話は一旦終わりにして次にいこうか」
まあ色々と話したいことはありますがあまり時間がないので簪さんのISの新武装についてにしますか。
「"グラビティ・コア"・・・・・本当にすごい機能だね」
「そうなのか?俺にはよくわからないんだが・・・・・」
「重力なんて普段あまり気にするようなものじゃあないからそう思っても仕方がないといえば仕方がないな。だがあれを的確に操作できれば相手の動きをかなり制限することができる」
応用も効きますからね。直接的な攻撃能力はありませんが破格の性能を誇っていますよ。
「でもその分扱いはかなり難しそう。今の私には使いこなせないと思う」
まあ簪さんでなくても使いこなせる人はそうそういませんよ。ギリでルミナさんなら行けるかもしれませんが。
「いやいや、いくらなんでもあれは難しいぞ。慣れるのに相当時間がかかる」
「むしろ時間かければ慣れるのかよ・・・・・」
何はともあれ使いこなすには鍛錬あるのみですよ簪さん。
「うん。頑張る」
その意気です。
さて、今回はここで締めにしましょう。
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きてね)(きてください)!!」」」」