「なんというか・・・・・重いな」
「束さん・・・・」
・・・・とりあえず本編にいきましょう。
「本編どうぞ」
「えっと、ここをこうして・・・・・」
「ふふふ・・・・やっぱりこの武装すごいね~。流石は秋菜ちゃんだよ」
「す、凄い・・・・」
簪は調整を行っている秋菜と束を見て思わずそう呟いた。
まあ無理もないであろう。二人の処理速度は本当に人間なのかと疑うほどのスピードなのであるから。
「流石は束さんと秋菜さんだな。敵う気がしない」
「いや、お義兄ちゃんも大概だからね?」
ルミナもまた束や秋菜程ではににしろ猛スピードで作業を行っている。簪も十分に優秀なのだが人間離れした3人を前にして圧倒されてしまっていた。
ちなみに作業の分担は秋菜がOS、束が武装、ルミナが簪とともに一部システムの調整となっている。
「こちらはもう少しで終わりそうですがそちらはどうですか?」
「こっちはあと86秒で終わるよ」
「こっちは328秒程かかります」
秋菜の問いかけに束とルミナが答える。
秒単位で平然と答える辺り二人の異常さが垣間見える。
こうして簪のISは順調すぎるほどのペースで完成に近づいていたのであった。
「・・・・よし、一先ず完成ですね」
作業開始から2時間後、4人の目の前には簪のIS・・・・・『打鉄弐式・改』が堂々と鎮座されていた。
「これが・・・・私のIS」
「まあパーソナルデータは入れてても
「だったら早速・・・・・」
「いえ、今日は無理ですね」
簪が
「どうしてですか?」
「実はお二人が来る前までが実験のため試験場を使用していたのですが・・・・・まだその片付けが終わっていないんです」
「私もその実験見てたけど結構派手にやっちゃってたからね~」
((一体どんな実験をしてたんだろう?))
実験を見ていた束の満面な笑顔を前にして、ルミナと簪はどんな実験が行われていたのかが気になって仕方がなかった。
「うちは小さな研究所なので試験場は一つしかなくて・・・・・今職員が片付けを行っていますので明日には準備が出来ると思います。ですので明日まで待ってきてくれませんか?」
「・・・・・わかりました」
一刻も早くISを動かしたい簪であったが事情が事情であることから簪は納得して返事を返した。
「なら私は今日は一旦帰ろうかな?お義兄ちゃんはここに泊まって行くんだよね?」
「ああ」
ルミナは今日研究所に泊まることになっていた。
IS学園に入学する前まではこの研究所で暮らしていたのでルミナは秋菜をはじめとするここの職員とはそれなりに親しい。今日泊まるのは彼らに近況を報告するためであった。
その為、今日研究所に泊まる職員も多い。
「一応言っておくけど浮気したらダメだからね?」
「言われなくてもわかってるよ」
「ならいい。それじゃあまた明日」
ルミナに挨拶をして、簪は家へと帰って行った。
「さて、それじゃあ俺は荷物置いてきますね」
「はい。ルミナさんの部屋はそのままにしてありますからね」
「ありがとうございます。それでは失礼します」
「またあとでねルーくん」
「ええ。また」
秋菜、束と言葉を交わした後、ルミナは研究所内にある自分の部屋へと向かった。
「この部屋・・・・久しぶりだな」
研究所内にあるルミナの部屋。その部屋の内装は一言で言えば質素に尽きるであろう。机と椅子、ベッドに本棚といった自分にとって必要なものが置いてあるだけでインテリアの類のものは全く置いていない。
まあここはルミナの実家というわけではないのである意味当然ではあるが。
「それにしてもまさか束さんがいるなんて・・・・・時間があればこれを見てもらう機会があるかもな」
ルミナはUSBメモリを取り出しながらそう呟いた。
現在時刻は23時。数時間前までは研究所の職員を交えてまるで宴会のような夕食で盛り上がっていた。
研究所の職員は皆、ルミナの話を実に興味深そうに聞き、ルミナもまた彼等の話を聞いて楽しそうに過ごしていた。
そして現在、ルミナは自室のベッドで横になっているのだが・・・・・
「ふふふっ・・・・・寝てる寝てる♪」
その部屋にはルミナ以外の者が存在していた。
その者は迷うことなくルミナに近づいていく。そしてルミナの顔に触れようと手を伸ばしたその時・・・・・
「・・・・・何をしているんですか束さん?」
ルミナがその者・・・・・束の手を掴んだ。
「あれ?なんで起きてるのルーくん?」
束はルミナが起きていたことに驚いた様子を見せる。というのも実は束は・・・・ルミナの食べるものに睡眠薬を混ぜていたのだ。
「その言いようだとやっぱり料理に何か入れてたんですね。味が少しおかしかったのであまり食べずに食べた分はすぐにトイレにいって吐き出したんですよ」
「・・・・・流石だねルーくん。それも前世の経験の賜物なのかな?」
「まあそんなところですよ。ところで束さん・・・・・一応聞きますがあなたはなんでそんな格好で俺の部屋にいるんですか?」
ルミナはジト目を向けながら・・・・・かなり際どいネグリジェ姿の束に尋ねた。
「当然、夜這いのためだよ~♪」
「・・・・・やっぱりそうですか」
笑顔で返事を返した束に対して、ルミナは呆れたように頭を抱えた。
「ということでルーくん・・・・しよっか」
妖艶な笑みを浮かべてルミナの首に手を回し、口付けを交わそうとルミナに顔を近づける束。
だが・・・・・
「しません」
そんな束の口元に人差し指を置いて、ルミナは行為を阻んだ。
「え~?どうしてルーくん?」
「どうしてもなにも俺には楯無っていう大切な恋人がいるんです。その楯無を裏切るようなことできません」
「黙ってればわからないよ~」
「そういう問題じゃあないんですよ。とにかく離れてください束さん」
どうにかしてことに及ぼうとする束であるが、ルミナの意思が揺るぐことはなく、きっぱりと断り続ける。
「私結構スタイルいいでしょ?経験はないけど知識はあるし・・・・・きっと気持ちよくしてあげられるよ」
しかし束も決して引こうとはしない。妖艶な笑みを浮かべ、上目遣いを向けてルミナを誘惑し続ける。
「・・・・・俺は離れてくださいと言ったんです。いい加減にしないと・・・・本気で怒りますよ?」
ルミナはきっと束を睨みつける。その目からは確かな怒気が感じられる。
すると・・・・・束の様子が一変した。
「・・・・・そんなにそいつがいいの?」
「え?」
「そんなに・・・・・その楯無って奴のことがいいの?はっきり言って・・・・そんな奴より私の方がルーくんに相応しいよ」
束は神妙な面持ちでルミナに言う。
「私はルーくんのこと理解してあげるよ。私はルーくんの望みを叶えてあげるよ。私はルーくんの力になってあげるよ。例え何があっても・・・・・ルーくんと一緒に居てあげるしルーくんを愛してあげる。だから・・・・・私にしておきなよルーくん。そんな奴のことなんか忘れてさ」
「束さん・・・・・」
「一緒に居てよルーくん。はじめはただの興味でしかなかったけど・・・・今は違う。ルーくんの抱える闇を知って私は・・・・・・どうしようもなくルーくんに惹かれたんだ。多分こんなにも誰かを好きになるのはこの先一生無い。だから・・・・・・私を選んでよ。私の理解者になってよ。私の・・・・・私だけのものになってよ」
束はニッコリと笑顔を浮かべる。とても綺麗で可愛らしく・・・・・・狂気じみた笑顔を。
「ねえルーくん・・・・・世界に絶望した私にはもう君しかいないんだよ。君だけが私の希望。君だけが私の価値。いっくんやちーちゃん・・・・・・箒ちゃんでも晴らしてくれない私の絶望を打ち払ってくれる。君を私のものにできないっていうなら・・・・・・私は世界を壊さざるを得なくなる」
「・・・・・・」
「かつて・・・・・前世で絶望を味わった君ならわかるよね?だから・・・・・私を抱いて。今ここで・・・・ワタシヲダイテワタシダケノモノニナッテ?」
ルミナを強く抱きしめる束。
束は天才だ。それこそ歴史上で5本の指に入るほどといっても過言ではないほどの・・・・・
だがそれ故に束には・・・・・理解者が存在しなかった。
彼女の真意は幼馴染である千冬でさえ完全には理解できずにいる。
理解者がいないがゆえの孤独・・・・・それが束を狂気に染めた。
孤独が束に・・・・・・理解者を求めさせた。
ルミナは・・・・・・束がようやく見つけた理解者になり得る存在なのだ。
「・・・・・束さん」
ルミナは束の体をその腕で優しく包み込んだ。
あとがき座談会のコーナー!INIS!!
今回のゲストは束さんです!
「よろしくね~」
それでは進めていきましょう。
「えっと・・・・・束さん?あなた何をやってるんですか?」
「だから夜這いだよいっくん♪」
「いや、そんなにこやかに言うことじゃないですからねそれ」
また大胆な行動に出ましたね束さん。
「しょうがないじゃん。ルーくんのことが欲しかったんだもん」
「しょうがないことなのか?」
まあわからないこともないですがね。束さんですし。
「でも・・・・まさか束さんがあんな・・・・」
「軽蔑したいっくん?」
「・・・・いいえ。それだけ束さんが苦しんでいるっていうことですし・・・・」
天才故の孤独と絶望・・・・・ルミナさんならわかりますか?
「俺は別に天才ではないんだが・・・・・それでも絶望と孤独はわかるさ。俺も前世で嫌というほど味わったからな。それも尋常でないほどの・・・・」
故に束さんの理解者になり得るのはルミナさんのみなんですよね。
「ルミナ・・・・・お前はどうするつもりなんだ」
「それは・・・・・」
おっとそこまでです。それは次回になればわかることですからね。
「そうか・・・・わかった」
さて、少し早いですが今回はここまでにしましょう。
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きてください)!!」」」」