今回は千冬さんがメインになるのかな?
「という割には千冬姉が出るのは後半からだけどな」
「そうだな」
あはは・・・・では本編にいきましょう。
「本編どうぞ」
五反田食堂で昼食を取ったあと、夕食の買い出しをしたルミナと一夏。
その帰り道・・・・
「ルミナ・・・・・これはどういうことだ?」
「・・・・・正直申し訳ないと思ってる」
数人の不良に絡まれていた。
「久しぶりだなオーティス・・・・」
「オーティアスだ。微妙に間違えるな」
ルミナは明らかに不機嫌そうな声色で言う。
「うるせえ!そんなのどうでもいいんだよ!雪辱の恨みここで晴らしてやる!」
リーダ格と思われる一人がいうと不良たちはニヤニヤと笑いながら臨戦態勢に入った。
「ルミナ、とりあえず説明頼む」
「・・・・あいつらは俺と同じ中学の奴らだよ。んで昔絡まれた時に色々あってな・・・・」
「色々?」
「それは聞くな・・・・・説明するのも億劫だから」
「わかった。それでこいつらどうするんだ?」
「・・・・・どうすると思う?」
「・・・ま、大体想像はつくな」
ルミナが思わせぶりにニッと笑みを浮かべると、一夏は察したようで同じように笑う。
「何ごちゃごちゃ言ってんだ!やるぞてめえら!」
「「「おう!!」」」
一斉に襲いかかる不良達。
そんな彼らをルミナと一夏は・・・・スルーした。
「「「・・・・・え?」」」
何事もないように自分達の脇を通り抜けた二人を見て不良たちは呆気にとられる。
その隙にルミナと一夏はその場から走り去った。
「・・・・・はっ!な、何やってんだ!追うぞ!」
少しして不良たちは我に返ってルミナと一夏の後を追うが二人共普段からIS操縦の為に鍛えている身。不良達が全速力で走っても追いつける訳もなく、すぐに撒かれてしまった。
その後不良達は二人を・・・・というよりルミナを捜索するが、結局見つかることはなかった。
「悪かったな一夏。変なことに巻き込んじまって」
不良達を撒いて家に帰ってきたルミナが一夏に謝罪する。
「別に気にしてねえよ」
「そう言ってもらえると助かるよ。本当に面倒ったらありゃしない・・・・一々相手にしてられないな」
「ご愁傷様。そういや思ったんだが・・・・・」
「なんだ?」
「お前って中学ではどうだったんだ?確か去年の4月にこの世界に来たんだろ?」
一夏はルミナの中学時代のことが気になったようで尋ねた。
「どうって言われてもな・・・・・とにかく悪目立ちしていたよ。こんな見た目でこんな名前だったからな」
ルミナは当時のことを思い返して苦笑いを浮かべる。
髪の色はともかくとして瞳の色は紫、さらに容姿も平均を大きく超えるほどの美形であり日本ではまずありえない名前をしていたのだ。目立つのも無理はないであろう。
・・・・要するにモテたということだ。
「なんか大変だったんだな・・・・IS学園に同じ学校の奴はいないのか?」
「そういえば居たような・・・・・はっきりとは覚えていないけど」
「それ酷くないか?」
「仕方がないだろ。違うクラスだったし俺あの時は相当切羽詰ってたし」
「あ~・・・・・そういやそうか」
一夏は当時にことを思い返してげんなりした様子を見せる。
入試でISを動かしてしばらくからは世間からの注目を集めすぎてルミナも一夏も落ち着かなかったのだ。
「それはそうとそろそろ夕食の準備始めよう。千冬さん夕食前には帰ってくるんだろ?」
「ああ、それじゃあ千冬姉が帰ってくるまでに準備しとくか」
そういい二人はキッチンに入り夕食の準備を始めた。
ルミナと一夏が食事の準備を始めて30分ほどして、千冬が帰宅した。
「来ていたかルミナ」
なんでもないようにルミナに声を掛けた千冬。だが・・・・
(ふふっ・・・・ちゃんと来てくれたか♪)
(あ、千冬姉なんか嬉しそう)
実際はルミナがいることに心が弾むように喜んでおり、一夏はそれに気がついていた。
「お帰りなさい千冬さん。お勤めご苦労様です」
「全くだ。生徒と違って教師は夏休みでもやることが山積みだからな」
「心中お察ししますよ。夕食の準備にはまだ少し時間がかかるので先にお風呂に入っていてください。もう沸かしてありますから」
「そうさせてもらおう(今のやり取り・・・・・悪くないな)」
ルミナに言われて風呂に入りに向かう千冬。内心では今の夫婦のようなやり取り(一般的に男女が逆だが)にご満悦であった。
まあ無理もないであろう。
振られてしまったとはいえ、千冬は未だにルミナにぞっこんなのだから。
「ふむ、久しぶりに食べるがやはりルミナの料理は美味いな」
風呂から上がり、ルミナ(と一夏)の作った料理を食べながら千冬は満足げに笑みを浮かべる。ちなみに今日のメニューは千冬の好物ばかりだった。
「いえ、それほどでもありませんよ。俺なんてまだまだ・・・・俺より上手い人なんていくらでもいますし」
なお、この時ルミナが思い浮かべたのは刀奈だったりする。
「そりゃ上を見ればキリはないだろうけどルミナはもっと自分の料理の腕に自信を持ったらどうだ?お前の料理は実際美味いんだからさ」
「そうか・・・・わかったよ。ありがとな一夏」
「別に礼を言うようなことじゃないさ」
「ふっ・・・・と、そうだルミナ。お前に言っておかなければならないことがある」
「言っておかなければならないことですか?」
「ああ。実はな・・・・カナダ政府がお前と話がしたいと言っている」
「カナダ政府がルミナに?なんでまた?」
一夏はわけがわからないといった様子だ。
だがルミナの方は察しがついているらしく微妙な表情をしている。
「・・・・・代表候補生になって欲しいとかそういう類の話だろうな」
「おそらくな。お前は日本生まれ日本育ちだが生粋のカナダ人だからな」
「ああ・・・・そういやお前そういうややこしい設定だったな」
「設定言うな。だがまあ・・・・・正直少し面倒だな」
ルミナはうんざりしたように肩を落とした。
カナダ政府にしてみれば二人しかいない希少な男性操縦者のうちの一人を国の代表候補生として迎えたいと考えるのは当然のことである。
だがルミナはそういった国の事情というのを性格上あまり好まない。故に面倒だと思っているのだろう。
「本当に大変だなルミナ」
「あのな・・・・・人事っぽく言っているがお前だって無関係じゃないんだぞ?」
「え?どうしてだ?」
「お前だって俺と同じで希少な男性操縦者・・・・・日本の政府や企業はお前を獲得しようと躍起になってると思うぞ?」
「マジで!?」
一夏は予想もしていなかったという感じで驚いた。
「ルミナの言うとおりだな。IS委員会の最近の議題はお前の所属に関するものであるようだからな」
「そ、そうなのか・・・・」
「まあ今すぐに決めろとは言わないが将来のことを考えれば真剣に考えるべきことだと私は思うぞ」
面倒そうにするルミナをと一夏を千冬が諭した。その言葉は教師としてでたものであろう。
「わかっています。ちゃんと考えますよ」
「ああ・・・・俺も考えておく」
「ならいい」
一旦この話はここで区切りとなり、3人は食事に満喫することにした。
夕食後、ルミナは千冬に呼ばれ、千冬の部屋に訪れた。
「俺に何か用ですか千冬さん」
「ああ・・・・少し付き合え」
そう言いながら千冬はルミナに缶ビールを差し出してきた。
「未成年・・・・・しかも自分の生徒に酒を勧めるなんて教師としてどうなんですか?」
「硬いことをいうな。今はプライベートなのだからな」
「はあ・・・・・わかりました。では少しだけ付き合います」
ルミナは仕方がなしに千冬から缶ビールを受けとり口に含んだ。
「ほう、いい飲みっぷりだな」
「まあ前世ではそれなりに飲んでいましたからね。ルミナになってからは初めてですけど」
「そうか・・・・・ところでルミナ。お前に聞きたいことがある」
「なんですか?」
「お前・・・・・束と何かあったのか?」
千冬はいやに神妙な面持ちでルミナに尋ねた。
「まああったといえばありましたけど・・・・・どうしてそんな事きくんですか?」
「・・・・・先日束からお前と会ったと連絡があってな。様子がいつもと少し違っていたから気になっていたのだ」
「違っている・・・・というと?」
「なんというか・・・・・以前よりも話しやすくなったという感じがしてな」
束の幼馴染兼お気に入りである千冬は世界で最も束と親交が深い。しかしそれでも以前までは束との間に何か壁のようなものがあると千冬は感じていた。
しかし、先日の電話でその壁がなくなったように感じ気になってルミナに尋ねてみたのだ。
「そうですか・・・・・」
「それで?束と何があった?」
「詳しく話すと色々とややこしいので簡潔に言いますけど・・・・・束さんは前よりも人を信じてみようと思うようになったんですよ」
束の変化を嬉しく思うルミナは微笑みながら千冬に告げる。
「あの束がか・・・・・」
千冬にとっては信じられないようなことであったが、彼女もまた幼馴染の変化を嬉しく思っているようで笑みを浮かべている。
「と、そういえば束がお前をものにして見せると言っていたがそれはどういうことだ?」
「・・・・・文字通りですよ。どうやら俺は束さんに狙われてしまったようです。しかも楯無に宣戦布告して・・・・・おかげで頭が痛いですよ」
げんなりした様子で言うルミナ。今から二人が会った時のことを思うと気が気でないのであろう。
「なんというか・・・・・お前も大変だな」
「それはもう・・・・ね」
「だが・・・・・少し束が羨ましいな」
「・・・・どうしてですか?」
「私は・・・・もうルミナを諦めてしまったからな。お前のことを愛しているが・・・・それでも更識には勝てないと諦めてしまった」
千冬がルミナに向けた想い・・・・・それは間違いなく千冬にとって最愛と呼べるものであった。
他の誰よりもルミナを愛していた千冬・・・・それでも千冬はルミナを諦めてしまった。
それはルミナに振られてしまったからというのもあるが・・・・・同時に自分ではルミナを支えきれないと、ルミナを支えることができるのは楯無だけだと理解してしまったからだ。
それ故だろう。千冬は・・・・・ルミナをものにしようとしている束を羨ましく思うのだ。
「千冬さん・・・・俺は・・・・・」
「・・・・どうやら既に酔いが回ってしまっているようだな。今日はとことんまで付き合ってもらうから覚悟しろ」
申し訳なさそうに何かを言おうとしたルミナの言葉を遮るように、千冬はふっと笑みを浮かべながらルミナに次の缶ビールを差し出した。
「・・・・はい。俺でよければ喜んで」
そんな千冬の心中を察したのか、ルミナはその缶ビールを受け取る。
その日の酒宴は深夜遅くまで続いた。
あとがき座談会のコーナー!INIS!!
今回のゲストは千冬さんです!
「久しぶりに呼ばれたな」
まあ・・・・・ぶっちゃけると本編でもそこまで出番がなかったですからね。
「この小説は本当にキャラの出番が偏ってるよな」
「それは確かにな。特にここ最近はアニメ一期で登場したキャラの出番がかなり少ない」
・・・・・申し訳ないとは思っています。
「まあそれを言ってしまえばキリがない。ここまでにしておこう」
ありがとうございます千冬さん。
それでは今からは本編のことを話しましょう。
「そういやカナダ政府がルミナと接触したがっていたな」
「まあルミナの立場を考えれば遅かれ早かれそうなることはわかっていたがな」
それでぶっちゃけると代表候補生になるんですよね。
「隠す気無しか・・・・・まあ二年生編でもう公表されてるから隠す意味もないが」
「でも正直ルミナだったら代表候補どころか代表でもおかしくないだろ」
そこはまあ・・・・色々あるんですよ。
この話はここまでにして次の話にいきましょう。
「千冬姉・・・・未成年に酒飲ませるのはどうなんだ?」
「別に問題はないだろう。ルミナなのだから」
「その理由はどうなんですか?」
でもそう言われるとなんか納得できますよね。
それはそうと千冬さん・・・・やはりまだルミナさんに未練はありますか?
「ここでそれを聞くのか貴様は・・・・・・あるに決まっているだろ」
「千冬さん・・・・・すみま」
「謝るなルミナ。そこで謝られても・・・・・惨めになる」
「・・・・・わかりました」
「それにな・・・・未練はあるが納得はしているのだ。お前は・・・・更識でないとダメなのだろう?」
「・・・・はい」
「なら後ろめたく感じる必要はない。お前は・・・・お前にとって最善の選択をしたのだから」
「千冬さん・・・・・ありがとうございます」
・・・・・まあでも束さんは諦めてないんですけどね。
「空気壊すようなこと言うなよ主・・・・」
さて、今回はここまでにしましょう。
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(こい)(きてください)!!」」」」