今回で一夏さんの家での話は最後となります。
「とりあえずメインは料理の話になるのか?」
「料理描写ほぼ無しだけどな」
そんな描写私に出来るわけないじゃないですか。
「自虐るなよ・・・・」
それでは本編にいきましょう。
「本編どうぞ」
「・・・・・・なあ一夏」
「・・・・・・なんだルミナ?」
「その・・・・・・今更感がすごいんだが一言言っておきたいことがある」
嫌に神妙な表情を浮かべるルミナ。その視線の先には・・・・・・・
「まだですわ。まだ赤色が足りませんわ・・・・」
「ちょ、ちょっとセシリア、それ以上入れたら味がおかしく・・・・・」
「大丈夫ですわ。私の料理は最後で挽回いたしますから。ふふふ・・・・・・」
「挽回って・・・・・料理はそういうのじゃないんだけど」
どこかイってしまっている笑顔を浮かべながら大量のタバスコをかけているセシリアとそれを見てドン引きしているシャルロットがいた。
「・・・・・ごめん一夏。超ごめん」
「・・・・・いいんだ。わかってくれれば」
今更ながら一夏を料理対決の審査員に勝手に決めてしまったことを申し訳なく感じるルミナ。対する一夏はというと乾いた笑みを浮かべながら焦点の合っていない目で虚空を見つめるのであった。
「と、とりあえず俺が常備している胃薬やるから。よく効くぞ?」
「・・・・・食あたりにもか?」
「・・・・・あ」
ルミナは思い出した。自分が持つ胃薬に食あたりに対する効能などないということに。
「おい、『あ』ってなんだよ『あ』って?まさかその胃薬食あたりには効果ないのか?」
「・・・・・大丈夫だ。薬なんて思い込みで効き目が変わるものだから」
「それ気休めってことだろ!?」
「大丈夫だって・・・・・・多分」
「最後ボソっていったの聞こえてるからな!?」
哀れ一夏。冥福を祈るばかりである。
「・・・・・はあ」
「一夏よ、いつまでため息を吐いているのだ」
「そうよ。男なら覚悟を決めなさい」
先ほど見たセシリアの奇行が頭から離れないらしくため息をはく一夏。そんな一夏を箒と鈴が叱咤する。
「わかってるさ。だけど・・・・・どんなものを食べさせられるのかを考えただけで頭が痛くなる」
「・・・・・まあ気持ちはわかる」
「セシリア・・・・・本当に一体何を作る気なのよ」
「はあ・・・・・俺の味覚多分今日で死ぬんだろうな。ははははは・・・・・」
(ま、まずいわねこれは・・・・)
(一夏がイってしまっている。どうにかしなければ)
明らかにやばい状態に陥ってしまっている一夏を見て、どうにかしなければと考えを巡らせる箒と鈴。
「そ、それにしてもあんた相変わらず料理上手ね!」
「そ、そうだな!先程から見事な手際だ!」
二人は考えた末にひとまず料理の話をして話題をそらすことにした。実際意気消沈してため息を吐きながらも一夏の料理をする手は止まることなく、手際よく作業を進めている。
「まああれよね!今時は男も料理する時代だし!料理ができるのはステーテスの一つよ!」
「ああ!流石は一夏だ!時代の先を行っている!」
「そ、そうか?そう言ってもらえると悪い気はしないな。でも・・・・・」
二人に褒められて嬉しそうにする一夏であったがそれは僅かの間。再び一夏の顔を曇ってしまった。
「ど、どうしたのよ一夏?」
「何を暗くなっている?」
「その・・・・・俺が料理できるようになって理由って千冬姉がまったくできないからなんだよな。昔千冬姉の手料理食べて・・・・口の中で花火が爆発してるんじゃないかってぐらい愉快なことになったことがあってそれで俺ができるようにならなきゃってな・・・・」
「「・・・・・ごめんなさい」」
決して箒と鈴が何か悪いことをしたわけではない。だがこんな切ない状態の一夏を見てしまえば謝ってしまいたくなるのも仕方がないことであろう。
何ともいたたまれない空気が3人の間で流れ始めたその時・・・・・
ドカンッ!!
「「「!?」」」
突然3人の耳に爆音が聞こえてきた。
「な、なんだ今の?」
3人が音のした方へと振り返るとそこには・・・・・
「あら?鍋が焦げてしまいましたわ」
「当たり前だよ!レーザーで加熱するなんて無茶だよ!」
・・・・・ブルーティアーズのビットのレーザーで鍋を焦がしてしまったセシリアと、その光景に唖然としているシャルロットの姿があった。
「レ、レーザーで加熱って・・・・・何をやってるのだセシリア・・・・」
「無茶がすぎるだろ・・・・・」
「料理音痴ってレベルじゃないわね・・・・」
流石にこの事態は予測できず呆れかえる3人。まあこんなの予測など不可能であるが。
「ま、まあ前向きに考えましょ一夏。鍋は犠牲になったけどこれでセシリアの料理を食べずにすんだわよ」
「鈴の言うとおりだな。あの料理を食べずに済んだのだ。鍋の一つや二つ安いものであろう!」
「そうだな。本当に助かった」
セシリアのとんでも料理を食べずにすんだことに安堵する一夏。
鍋よ・・・・・お前の尊い犠牲は無駄にはならないぞ。
「セシリア・・・・・一体なにやってるんだよ」
鍋を焦がした・・・・というより破壊したセシリアを見てルミナは一夏達と同じように呆れていた。
「いくらなんでも無茶がすぎる・・・・・後で説教が必要か?」
「お兄ちゃん!」
何やら物騒なことを考えているルミナに、ラウラが声をかけてきた。
「ん?どうしたラウラ?」
「私の料理ができました!是非見てもらえないでしょうか?」
「お?もう出来たのか?どれどれ・・・・・って、は?」
ラウラの料理を見たルミナは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
ラウラの作った料理・・・・・それはおでんだった。それも某コンビニエンスストアで売られているチ○太のおでんを彷彿とさせる串にささったおでんだ。
「えっと・・・・・ラウラ?これは・・・・」
「おでんです!」
「いや、まあそれはわかってるんだが・・・・・なぜおでん?」
「なぜって・・・・おでんは日本を代表する料理でしょう?嫁に食べてもらうのですから日本食にしたのですが?」
「いやいやいやいや・・・・・マジで?」
コテンと首を傾けながらさも当然のように言うラウラ。そんなラウラの言動を前にしては、流石のルミナも戸惑っていた。
「・・・・・なあラウラよ、確か日本のことは副官に教わっているって言ったよな?」
「はい。我が隊でもっとも日本に精通して、クラリッサには本当によく助けられています。いつかお兄ちゃんにも会わせてあげたいと思います」
「うん、そうして。色々と言いたいことがあるから」
「了解しました!」
ビシッと敬礼しながら返事を返すラウラ。その一方でルミナはクラリッサにどうやって正しい日本の知識を叩き込んでやろうかと考えを巡らせるのであった。
「「「・・・・・・」」」
「いや、そんなに見られると食べにくいんだが・・・・・」
そうこうしているうちに皆の料理が完成。審査員である一夏による食べ比べが始まった。
ちなみに作られた料理は
箒 鰈の煮付け
鈴 肉じゃが
シャルロット 唐揚げ
ラウラ おでん
ルミナ フルーツタルト
セシリア 焦げた鍋
となっている。日本食ばかりになってるのは審査する一夏に合わせてのことであろう。
「というかなんでルミナはデザートなんだ?」
「まあ一品くらいデザートあったほうがいいかなと思ってな」
「なるほどな」
「それよりも一夏、早く食べて判定を頼む」
「とっ、わかった。それじゃあ・・・・・」
ルミナに急かされ、一夏は一つ一つの料理を口にしていく。
「・・・・・どうだ一夏?」
「誰のが一番美味しかった?」
恐る恐ると箒と鈴が尋ね、他のものも固唾を飲んで見守っている。
「そうだな・・・・・この中だったら箒のかな?」
「本当か!?」
「「「そ、そんな・・・・・・」」」
選ばれた箒は驚きながらも嬉しそうな表情を顕にし、鈴、ラウラ、セシリアの3人は目に見えて落ち込んでいる。
・・・・・・まあセシリアまで落ち込んでいるのはいかがなものかと思うが。
「な、なんで箒のが一番美味しかったのよ!」
「そうですわ!理由をお聞かせ願います!」
「どういうことだ嫁!」
「いや、どうって言われてもな・・・・他の皆の料理も単純に俺の好みに合ったとしか言えないんだが?」
詰め寄る鈴、セシリア、ラウラの3人に対して、一夏は気圧されながらも答えた。
「私の料理が一夏の好みに・・・・それならばこれからはその・・・・たまにだが私がお前に料理を・・・・」
「作ってくれるのか?サンキュ箒」
たどたどしく囁くような小声であったが、一夏の耳にはしっかりと聞こえていたようで一夏は笑顔で箒に礼を言う。
「う、嬉しいのか?私に料理を作ってもらえるのが?」
「ああ!当然だろ!」
「そ、そうか」
屈託のない笑顔を直視できずに頬を紅く染めながら顔を逸らす箒。その光景を鈴、ラウラ、セシリアの3人が羨望の目で見ている。
(これは・・・・いい感じだな)
箒のことを応援しているルミナとしてはこの展開は喜ばしいものであるようで、クスリと微笑みを浮かべていた。
「さて、それじゃあ一夏の判定も終わったし僕達もそろそろご飯にしよっか」
「そうだな。ほらそこの3人もしょぼくれてないで夕食にしよう」
「お、お兄ちゃん!?」
「別にしょぼくれてなんかないわよ!」
「そうですわ!私は・・・・・」
「はいはい。そういうのいいから」
「「「あしらいが雑!?」」」
ルミナが抗議する3人をあしらい、ようやく本格的に夕食に移るのであった。
7人が食事を楽しんでいると、電話の音が鳴り響いた。
「と、悪い俺だ」
電話の持ち主はルミナのようだ。
「ちょっと出てくるな」
そう言ってルミナは電話に出るために席を外した。
「あの電話・・・・・楯無先輩かな?」
「なんでわかるのですかシャルロットさん?」
「え?だってルミナ嬉しそうだったし」
「俺にはわからなかったが・・・・」
「確かにルミナはあれで結構ポーカーフェイスだからわかりにくいだろうけど間違いなく喜んでたよ。ルミナがあんな風に喜ぶ電話相手は楯無先輩ぐらいだから」
シャルロットはルミナが去った方向を見ながら言った。
「もしもし」
皆から少し離れたところで、ルミナは通話ボタンを押して電話に出た。
『こんばんはルミナ。ご機嫌はいかがかしら?』
「まずまずだよ。ただまあ・・・・・刀奈に会えないから少し寂しいかな?」
『・・・・・随分と恥ずかしいことを堂々というのね』
「事実だからな。そういう刀奈は俺と会えなくても寂しくないのか?」
『そんなの・・・・・寂しいに決まってるでしょ。大好きな貴方に会えないんだから』
「あ、今ちょっと恥ずかしがったろ?」
『なっ!?そういうことは言わなくていいの!!』
ルミナがからかうように言うと、刀奈は声を荒げる。どうやら図星であったようだ。
「はははっ!ごめんごめん」
『全くもう・・・・それよりも今は何してるのかしら?』
「今は食事中だったよ。シャルロット達が来てて少し盛り上がってた」
『シャルロットちゃん達って・・・・あの5人ってこと?それは賑やかね』
「おかげで退屈しなくていいけどな。と、そういえば刀奈、明々後日何か予定あるか?」
『明々後日?特に予定はないけれどその日がどうかしたの?』
「ああ。一夏から聞いたんだけど・・・・・」
ルミナはどこか楽しそうに説明し始めた。
『・・・・いいわねそれ。オッケーよ』
説明を聞いた刀奈は嬉しそうにそれを了承した。
『簪ちゃん達にも話しておく?』
「そうだな。頼むよ」
『了解。それじゃあまたねルミナ』
「またな」
話を終えて、ルミナは電話を切る。
そして一夏達の下へと戻っていった。
あとがき座談会のコーナー!INIS!!
今回は箒さんをゲストにお招きしております。
「よろしく頼む」
それでは進めていきましょう。
「とりあえず・・・・料理対決で勝ててよかったな箒」
「ああ。本当に嬉しかった」
「そんなにか?箒は料理が好きなんだな」
「いや、料理が好きだからというか・・・・一夏に選ばれたからな」
「え?俺が?どういうことだよ?」
・・・・・安定の鈍感さですね。
「一夏、お前な・・・・」
「・・・・はあ」
「え?なんでルミナと主は呆れてるんだよ?なんか箒はため息吐いてるし」
「・・・・気にするな」
「まあそれはさておきセシリアの料理を食べることにならずにすんでよかったな」
「ああ。鍋は犠牲になったが・・・・・良かったと思う」
「なんだかセシリアに失礼な気もしますが・・・・まああれを見てしまえば仕方がないか」
私昔罰ゲームでタバスコ50滴掛けたピザ食べさせられたことありますが・・・・舌をアイスコーヒーで冷やす羽目になりましたね。
「50滴でそれなら・・・・・あれは舌が死ぬな」
「だろうな。本当に恐ろしい」
誰かセシリアさんに本格的に料理教えたほうがいいと思います。
「ならルミナだな」
「うむ。そうだな」
「いやいやいやいや・・・・なんで俺だよ?」
一番教えるのに向いてるからでしょう。頑張れ皆のお兄さん!
「頼むから勘弁してくれよ・・・・」
「まあこの話はここまでにしようぜ」
ですね。では次に楯無さんとの電話の内容に関してですが・・・・
「一体何を話したんだルミナ?」
「まあちょっとな。二人にも無関係じゃないことだ」
「一夏はともかく私にもだと?」
まあそうですね。次回からあの話なわけですし。
「一体なんのはなしなのだ主?」
それは内緒ですよ。
「内緒って言われると気になるな」
「まあ次回わかるからいいだろ」
そうですよ。
さて、今回はここまでにしましょう。
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」」