IS~存在しない者の戦い~   作:shin-Ex-

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第89話!

今回でフランスでのお話は終わりです!

「残ってるのは・・・・・アンヌさんのお墓参りか。正直俺本当に言っていいのか?」

「そこは言うなって」

それでは本編に参りましょう。

「本編どうぞ」




第89話

「そう・・・・・予想はしていたけれどやっぱり亡国の手の者だったのね」

 

「ああ」

 

デュノアの客間にて、一通りの処理を終えたルミナは事の顛末を刀奈に報告していた。

 

「その室長から企業の情報は引き出せそう?」

 

「無理だろうな。奴らにとって室長は捨て石・・・・・・大した情報は得られないだろう」

 

「まあ、そうでしょうね・・・・・でも、そんな捨て石の為にわざわざ見張りを用意するなんて随分念を入れてるじゃない」

 

「あの女か・・・・・立ち居振る舞いからしておそらく幹部クラス。はっきりとは言えないが実力は刀奈以上と見ていい」

 

「・・・・・・それはちょっと悔しいわね」

 

恋人であるルミナに自分以上だと言われてしまい、刀奈は少しムッとした。

 

「ははっ、まあ刀奈だってまだ発展途上なんだ。修行すればもっと上にいけるさ」

 

「わかったわ・・・・・だったら付き合ってもらうけどいいわよね?」

 

「もちろん。俺でよければ。それはそうと・・・・・・もう一つ話しておくことがある」

 

「なにかしら?」

 

「おそらくなんだが・・・・・・フェニスさんは亡国にいる」

 

「フェニスが?」

 

フェニスの名を聞いて刀奈の声のトーンが落ちる。

 

フェニス・・・・・彼女はルミナを求め、ルミナを愛し、ルミナを我が物にしようとしている元女神。ルミナは彼女が亡国にいると睨み、実際例の女はそれを肯定するような言動をしていた為間違いないであろう。

 

「それって相当厄介よね?」

 

「ああ。フェニスさんは元女神・・・・・千冬さん以上の身体能力に束さん以上の頭脳を兼ね備えているとみて間違いない。亡国に手を貸しているとなると・・・・・脅威は跳ね上がっているだろう」

 

「覚悟はしておいたほうがいいということね」

 

「そうだな。俺さえフェニスさんの下に行けば最悪どうにかなるかもしれないが・・・・」

 

「そんなのダメよ。絶対に嫌」

 

ルミナを失うなど刀奈にとっては考えられないのであろう。きっぱりと言い放った。

 

「わかってるさ。そうならないために色々と考えてるんだからな。もっとも、刀奈や一夏達も巻き込むことになるかもしれない」

 

「それはもう覚悟の上よ。皆あなたを受け入れているんだから」

 

「・・・・・本当に感謝してもしきれないな。頼もしいよ」

 

「それは何よりね。ともかく、亡国の動きには今後注意を払っておくわ。水面下とはいえ最近どうも行動が活発化しているみたいだから」

 

亡国の動きが活発になっているということは、何か大きなことを起こす前準備と見てもいいであろう。それなんにせよ、ルミナ達がそれに巻き込まれる可能性は0ではない。

 

「それは知ってる。とにかく今は情報収集が先決だろう・・・・・俺の方でも独自に調査は進める」

 

「何かわかったらすぐに教えてちょうだいよ?」

 

「わかってるさ。さて、必要なことは話したしそろそろ切るぞ?連日のIS調整で少し疲れてさ」

 

「いいわよ。お疲れ様ルミナ」

 

刀奈は疲れているというルミナに、優しい声で労いの言葉を送る。

 

「ありがとう。明後日には帰るからその時は・・・・・・会えなかった分たっぷり愛してやるから覚悟しろよ?」

 

「・・・・・・了解」

 

ルミナから愛される自分を想像したのか、刀奈の声は恥ずかしさから小声になっていた。

 

「それじゃあまたな刀奈」

 

「ええ、また」

 

挨拶を交わした後、二人は電話を切る。

 

「・・・・・これからは本腰入れないとな」

 

そう呟いた後、ルミナはベッドに横になり眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本へと帰国する前日、ルミナはシャルロット、クロード夫妻と共にシャルロットの母親・・・・アンヌの墓に訪れていた。

 

墓にはシャルロットの用意した花が添えられている。

 

「お母さん・・・・・久しぶり」

 

穏やかな微笑みを浮かべ、シャルロットは墓標に優しく語りかける。

 

「私は・・・・元気だよ。色々と不安なことや苦しいことも一杯あったけど今は大丈夫。友達はたくさんできたし何より・・・・・お父さんとも分かり合えた」

 

「シャルロット・・・・・」

 

この場において初めてクロードを父と呼ぶシャルロット。それに感激したのか、クロードの目には涙が浮かんでいた。

 

「まだまだ大変なことも多いけど・・・・・それでもはっきり言える。私は今幸せだよ」

 

自分は大丈夫だと、幸せだと報告するシャルロット。それは偽りのない本心であった。

 

「ほら、お父さんも話したいことあるんだよね?」

 

「・・・・ああ」

 

シャルロットに促され、クロードは墓前に立つ。

 

「アンヌ・・・・・君と共に入れなかった私の事を今更許してくれとは言わない」

 

慈しむような瞳で墓標を見つめながら、クロードは心内を吐露しはじめる。

 

「ただ・・・・・どうか私達の娘であるシャルロットの幸せを守り続けることは認めて欲しい。私はシャルロットを・・・・・家族として愛しているから」

 

今まで辛い思いをさせてしまったぶん、今のシャルロットの幸せは守りたい。それは父親としての責務・・・・・クロードの願いであった。

 

「・・・・・・アンヌさん。私は正直未だにあなたに対して嫉妬しています」

 

次に言葉を紡ぎ出すのはジャネットだ。

 

「あなたはクロードが一番愛した女・・・・それは決して変えることのできない事実。だからこそ羨ましくもあり・・・・・・妬ましくもある」

 

ジャネットからすれば夫が一番に愛したアンヌの存在はそう簡単には受け入れられないのだろう。ジャネットは自分の中に妬みがあると口にした。

 

「ですが・・・・・それでも同じ男を愛した女としてあなたの気持ちは少しは理解できます。過去はどうあれ・・・・・あなたがどう思おうと私は夫であるクロードを支え続けます。それだけは・・・・・約束しますから」

 

同じ男を愛した女として・・・・・・・シャルロットやクロードとは違う思いを抱くジャネット。そこには妬みがあったとしても決して後ろ向きな思いではない。

 

ジャネットはジャネットなりに・・・・・・アンヌのことを受け入れているのだ。

 

「・・・・・ルミナ。ルミナも何か言ってあげて」

 

「いいのか?はっきり言って俺にそんな資格はないと思うんだが?」

 

「そんなことないよ。今こうして父さん達とここにいられるのはルミナのおかげだから」

 

「私からもお願いするよオーティアスくん。さあ・・・・」

 

「・・・・・わかりました」

 

シャルロットとクロードに促され、ルミナは墓標の前に立つ。

 

「はじめましてアンヌさん。俺はルミナ・オーティアス・・・・・シャルロットの友達です」

 

「・・・・・」

 

友達という言葉にシャルロットは少し悲しそうな表情をするがそれは一瞬のこと。すぐに何もなかったように表情を戻す。

 

「その・・・・・俺は少なからずシャルロットの人生を変えました。そのことは自覚しています。関わったからには一応の責任は取るつもりですし・・・・・これからもシャルロットとの絆は紡ぎ続けるように努めます」

 

ルミナは間違いなくシャルロットの人生の分岐点となった存在だ。だからこそ、ルミナはその事に対して責任は持とうと思っているのだ。

 

「ですから・・・・・俺なんかが言っていいのかはわかりませんがどうか安心してシャルロットを見守ってあげてください」

 

最後に、シャルロットを見守って欲しいと告げ、ルミナは一歩下がった。

 

「ありがとうルミナ」

 

「・・・・・どういたしまして」

 

感謝の言葉を述べるシャルロットに、ルミナは返事を返す。

 

「さて、そろそろ行こうか・・・・・」

 

「うんお父さん・・・・・それじゃあまたねお母さん」

 

墓参りを終えて、一同はその場をあとにした。




今回はあとがき座談会はお休みいたします。

それでは次回もまたお楽しみに!
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