IS~存在しない者の戦い~   作:shin-Ex-

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第92話!

今回からまた舞台はIS学園に戻ります。

そして今回のメインはルミナVS一夏&箒の模擬戦です。

それでは本編どうぞ!


第二部 ~存在証明~
第92話


あと数日で夏休みが終わるというある日の午前、IS学園のアリーナの一つにて、模擬戦が繰り広げられていた。

 

片や一夏と箒のタッグ。それに対するはルミナ一人だ。

 

「はああああああっ!」

 

「ははっ。いい斬撃だな箒」

 

両手に持った刀型のブレードをルミナに振るう箒。右左上下と手数の多い斬撃・・・・・それをルミナは両手のダブルセイバーを振り回して弾いていた。

 

「ここだ!」

 

「おっと・・・・マジか」

 

ここぞとばかりにより一層強い斬撃を放つ箒。その一撃はあまりにも強力であり、ルミナの左手のダブルセイバーは弾き飛ばされてしまった。

 

「もらった!」

 

ルミナの武器を一つ奪ったことにより好機と見た箒は一気に決めようと刀を振るう。

 

しかし、そう簡単にはいかなかった。ルミナは右手に持ったダブルセイバーの柄を切り離して双剣に変え、再び箒の斬撃を受け止めてみせたのだ。

 

「なんだと!?」

 

「隙ありだ」

 

ほんの僅かな動揺・・・・だが、ルミナはそれを見逃さずに箒の刀を弾き、逆に斬撃を叩き込もうとする。

 

間もなく箒に斬撃が当たるというその瞬間・・・・箒はふっ笑みを浮かべていた。その視線の先には、ルミナを背後から切り裂こうとしている一夏の姿がある。

 

これこそ一夏と箒の作戦だった。箒が囮となってルミナの動きを封じて、好きができた瞬間に一夏がルミナを仕留める。

 

一夏の武器であるブレード、雪片弐型は相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えることができる単一仕様能力(ワン・オフ・アビリティ)『零落白夜』を備えているためその攻撃力は絶大。耐久性能の低いルミナのイクリプスに一撃でも直撃が入れば勝負は決してしまうだろう。

 

まあ・・・・・あくまでも当たればの話であるが。

 

「・・・・甘いぞ一夏」

 

「うぐっ!?」

 

ルミナは箒に斬撃を食らわせるのとほとんど同時に、一夏の斬撃を身体を逸らして回避。そしてそのまま一夏の身体を蹴り飛ばした。

 

「くっそ・・・・・これでも決まらないのかよ」

 

「当然だ。IS装着時は360度視界が広がっている。見逃すはずがないだろう?それとも箒の相手をしていたから気にする余裕はないとでも思ったか?」

 

「・・・・・舐められたものだな。私程度なら意識を集中させずとも捌けるということか?」

 

「悪く言えばそうなるな。剣道の影響か箒の斬撃は少々型に嵌りすぎている・・・・・今後の課題だな。あと一夏も一夏だ。真っ直ぐに突っ込みすぎ。白式・・・・・いや、今は雪羅か。そいつのスピードを活かそうとするのはいいんだが単純な突進は決まれば強力だが回避が容易だ。もう少し工夫したほうがいい。わかったか二人とも?」

 

「「・・・・・肝に銘じます」」

 

「よろしい」

 

ルミナの指摘にぐぅの音もでない二人は素直に聞き入れた。実際、この二人はセンスはともかくとして戦闘技術はまだまだ未熟な面がある。それを自覚しているがゆえに、ルミナのアドバイスは骨身にしみるのであろう。

 

「それじゃあ、二人とも理解してくれたところで・・・・・そろそろ決めさせてもらう」

 

ルミナは武器を月架から双銃の陽乱に換装してそれぞれの照準を一夏と箒に合わせる。

 

銃口を向けられた瞬間に、箒は回避行動を取り、一夏は二次移行(セカンドシフト)した際に新たに加わった左腕の兵装、雪羅をシールドモードにして防御しようとする。

 

しかし・・・・・二人の目論見は残念ながら甘い。

 

「うぐっ!?」

 

「箒!大丈・・・がっ!?」

 

箒は回避行動を取った瞬間ルミナのビット兵器による斬撃を受けてしまい動きが止まってしまった。そしてその隙に・・・・・ルミナの右手の銃から放たれたエネルギー弾の直撃を受けてしまう。

 

そして箒の身を案じ、叫んだ一夏もまた弾丸を受けてしまった。そう、雪羅で防御しているにもかかわらずだ。雪羅のシールドは零落白夜と同質のものであり、エネルギーを無力することができる強力なシールドだ。しかし、無効にできるのはあくまでもエネルギーのみ。ルミナの左手の銃から放たれたのは実弾であった為、シールドが意味をなさずにダメージを受けてしまったのだ。

 

数多の弾丸が一夏と箒を捉える。二人の機体は元々、燃費が非常に悪いこともあってか・・・・・すぐさまシールドエネルギーが尽きてしまい、勝敗が決してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、まあ・・・・はっきり言ってまだまだだな」

 

「「うぅ・・・・・」」

 

模擬戦を終えて、アリーナの中央で反省会を始める3人。そして開幕のルミナのこの一言で二人とも落ち込んでしまった。

 

「反省点についてはさっき模擬戦中に言った事の他にも色々とある。まず第一に二人とも視野が狭い。ISの視界は360度対応しているにも関わらずまだ慣れてないせいか二人とも活かしきれてないな」

 

「視野が狭いか・・・・わかってつもりではいるんだが・・・・」

 

「いかんせん生身の感覚で戦ってしまってどうも・・・・な」

 

「そこについては剣道経験が妨げになってる可能性はあるな。剣道は面の影響で視界が狭くてその感覚に慣れすぎてしまってるんだろう。特に長い期間剣道に身を置いていた箒はその傾向が顕著だ。本当は他の行動がおろそかになる可能性があるからあまり勧めたくはないがまずは視界の広さに慣れるために意識して行動したほうがいい。そのうち意識しなくてもよくなると思うからな」

 

「うむ・・・・・わかった」

 

「・・・・俺も気を付けよう」

 

ルミナからの指摘を受け、一夏と箒はしっかりとそれを頭に叩き込む。

 

「それと他には・・・・・二人とも情報収集を怠りすぎだ。思い当たる節はあるな?」

 

「・・・・・まさかダブルセイバーが分割して双剣になるとは思わなかった」

 

「あの銃って・・・・・エネルギー弾だけじゃなくて実弾も撃てるんだな」

 

「その二つの機能は今日まで二人に見せてはいなかった。だが、その機能はどっちもイクリプスの公開情報に記載されているんだ。調べようと思えばいくらでも調べられる。情報は時としてどんな兵器をも上回る武器になるんだ。特に一夏はそれを散々思い知ってるはずだが?」

 

「うっ・・・・・」

 

一夏の脳裏によぎるのはこれまでの数多の戦闘。今更ながら初めてセシリアや鈴と戦ったときは確かに一切の情報を持ち合わせていなかったことが苦戦を助長させていたように一夏は思う。

 

「と、まあ偉そうなこと二人に言っては見たものの・・・・俺の方も反省すべきことはあるけどな。ナーヴ・リンクによる神経同調率を落としたせいで思うように動けない」

 

「「あれだけやっておいて!?」」

 

よもやあれだけの動きをしていて思うようにいかないとは信じられず、一夏と箒は思わず叫んでしまった。と、同時に、その状態のルミナ相手に手玉に取られたのかと思うと・・・・・心境は酷く悲しいものがあるだろう。

 

「正直このままじゃこの先の戦いきついな・・・・・イクリプスはともかくとしてマヴロス・ヘリオは・・・・・早めに慣れないと」

 

「マヴロス・ヘリオってトランスシステム使って変形する機体だよな?」

 

「そんなに扱いが難しいのか?」

 

「難しいというかピーキーなんだよ。広域殲滅タイプだから攻撃能力は現行ISの中でもトップクラスだが防御性能と燃費が悪すぎる。それこそお前達の雪羅や紅椿並にな。一撃受けたら即終了の可能性もあるからもっと動けるようにならないと・・・・・そのためにももっと模擬戦を重ねないとな」

 

「それなら俺も付き合うぜ。俺ももっと戦闘経験が必要だからな」

 

「私からもぜひ頼む」

 

「サンキュ二人とも。さて、模擬戦といえば向こうはどうなって・・・・」

 

「ル~ミナ!」

 

ガバッと、ルミナは背後から思い切り抱きしめられた。首を回してその人物を確認すると・・・・・そこには楯無の姿があった。

 

「楯無、そっちも終わったのか?」

 

「ええ。さっき終わったわよ」

 

「結果は?」

 

「ルミナ・・・・・私を誰だと思ってるの?IS学園最強の生徒会長よ?」

 

むふふっと誇るような笑みを浮かべる楯無。そしてそんな楯無の後ろには落ち込み気味のシャルロット、ラウラ、鈴の姿があった。

 

この4人は別のアリーナで模擬戦をしていた。形式は楯無一人対シャルロット、ラウラ、鈴の3人チーム。そして結果は・・・・・3人の落ち込みようからして楯無の勝ちで終わったようだ。

 

「よくもまああの3人相手に勝てたものだな」

 

「3人とも筋はいいけどまだまだチーム戦に慣れていなかったから。それと要となるオールラウンダーのシャルロットちゃんはまだ新しいISに慣れてないみたいだし」

 

「・・・・慣れるのにはまだまだ時間がかかりそうだよ。正直さっきの模擬戦では僕が一番足引っ張ってた」

 

一年の代表候補生の中でもシャルロットの技量は中々に高い方であるが、それでもいかんせん新たなIS、ラファールメテオールは高性能な分扱いづらい。そのせいもあってか模擬戦ではイマイチな働きとなっていたようだ。

 

「いや、あれはフォローしきれなかった私達にも非はある。シャルロットが気に病むことはない」

 

「それに・・・・・正直3対1だからって舐めてかかってたっていうのもあったわ。IS学園最強があそこまでだなんて・・・・」

 

シャルロットだけではなく、自分達にも敗因はあるとフォローを入れるラウラと鈴。先の戦いでの反省点はしっかりとわきまえているようだ。

 

「ふふふっ。まだまだ最強の座は譲らないわよ」

 

「なら今度俺とやるか?」

 

「ごめん。ルミナ相手だと流石に微妙としか言えないわ。正直勝てるかどうか・・・・」

 

(((むしろルミナ相手でも微妙って言えるだけでも感服です)))

 

ルミナと楯無以外の気持ちが一つになった瞬間であった。

 

「ところでルミナ、簪ちゃん達はまだこっちに来てないのかしら?」

 

「ああ。よほど熱心に訓練しているのだろう」

 

簪は現在別のアリーナでセシリアの指導のもとビット兵器の扱い方を学んでいた。ビット兵器を多用するセシリアは、簪にとっていい先生となっているようだ。

 

なお、本音と虚はそのフォローに回っている。

 

「それじゃあ簪ちゃん達を迎えに行ってお昼にしましょうか」

 

「そうだな。ほら、皆行くぞ。あ、昼食の時により細かい反省会を一緒にするからな」

 

「「「「・・・・・はい」」」」

 

反省会の事を思いながら少し落ち込み気味になる一夏達をつれて、ルミナと楯無は簪達を迎えに行った。

 

なお、その後行われた反省会ではしょんぼりする代表候補生達の姿があったそうだ。

 

 

 

 




今回の座談会はおやすみです。

というより色々とリハビリしていかないと執筆がきつくなる・・・・・

次回もまたきてくださいね!
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