つばマリの同棲(恋愛感情一切なし)   作:東山恭一

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つばマリと書きましたがクリスも出ます。年長組のこう言うやり取りが見たいよねって話


つばマリの愛してるゲーム

「ずっと…ずっとモヤモヤしていた…」

 

テーブルを挟んで椅子に座っている翼とマリア。神妙な顔で話している翼にマリアは真剣な面持ちで聞いていた。

 

「少し前から抱いていたこの気持ちはなんなのだと分からなかった…いや、本当は分かりたくなかった。この感情に素直になってこの平穏が崩れてしまうと思うと怖かった…だが…ッ!」

 

翼は覚悟を決めたように表情を引き締めてマリアを見据えた。

 

「覚悟を決めた。私は、風鳴翼はお前を愛しているッ!」

 

翼がそう強く言うとそれを受けたマリアは少し俯いて考えた後答えた。

 

「…ダメね」

「なっ…!?どうして…」

「それは…」

 

マリアは言い淀んだ風にそう答える。

 

「クッ…」

 

翼は悔しそうに机に伏せってしまう。それを見てマリアは困惑したまま続けた。

 

「にしても…進まないわねこれ」

 

だがその口から出た言葉はこの雰囲気に似つかわしくない言葉であった、しかし翼も伏せったまま同調する。

 

「ああ…暁から教えてもらったこの「愛してるゲーム」とやら、暇つぶしに始めたは良いが私もマリアも全く照れず…」

「挙句シチュまで付けて告白のようにしてみても全く変わらず30分経過…ね。切歌はすぐ終わるって言ってたけどどう言うことかしら」

 

翼は起き上がり困ったような顔で話し始めた。

 

「マリアから求愛されても特に何も感じないと言うか…決して嫌いというわけではないのだが何故だろうな」

「奇遇ね、私もよ。変な話ね」

「全くだ、これでは終わらぬではないか」

「このまま終わるのも締まらないし…」

「そうだ」

 

翼はおもむろに立ち上がり携帯を取り出して少し操作した後誰かと話し始めた。

 

「もしもし、今暇か?そうか。ならば今から来れるか?分かった、待っている。ああ、ではな」

 

翼が通話を切った後マリアに言った。

 

「雪音を呼んだ、これで多少なり進展が望めるかもしれん」

「面白いわね、じゃあ来た瞬間に不意打ちって言うのはどうかしら」

「良いな、たまのいたずらだ。雪音も許してくれるだろう」

「じゃあ私がやるわ」

「承知した」

 

二人がそう言ってクスリと笑う。しばらくしてクリスがやって来た。

 

「邪魔するぜ。で?なんだよ先輩、急に呼び出したりして」

「実はマリアが雪音に話したいことがあるそうだ」

「マリアが?あたしに?」

「ああ、とりあえず上がってくれ」

「おう」

 

二人がリビングに入るとマリアが真剣な表情で椅子に座っていた。

 

「ああ、いらっしゃいクリス」

「おう。で?なんだよ話って。次S.O.N.G.であった時とかじゃダメなのか?」

「ちょっと込み入った話なの」

「そうかよ、じゃあキッチリ聞かせてもらおうか」

 

クリスはそう言ってマリアの対面に座る。マリアは本題に入る前に翼に言った。

 

「翼、少し外してくれるかしら」

「ああ、承知した」

 

翼はそう言うと自分の部屋に入って行った、その様子を訝しんだクリスはマリアに聞いた。

 

「おいおい、先輩も外させるってどう言うことだよ。そんなに人に聞かせたくないってことか?」

「ええ…今から話す事はちょっと…ね」

「…お前がそんな顔するって事は相当なんだな。聞かせてみろ」

「実はね…」

 

マリアは神妙な面持ちで話し始めた。

 

「私ね…おかしくなっちゃったみたいなの」

「何だ?病気か?それだったらあたしじゃなくて病院に…」

「違うの」

「はぁ?どう言う事だよ」

「最近あなたといると胸がザワついたり締め付けられるような感覚になるの」

「え…おいそれって」

 

クリスは目に見えて慌て始める、マリアは構わず続ける。

 

「ええ…そう言うことよ、あなたを愛してしまっているみたい。おかしいわよね、こんなの」

 

マリアは自虐的に少し笑う。クリスは俯いたまま動かなかったが覚悟を決めると顔を上げた。

 

「そんな事…ッ!」

 

顔を上げたクリスの目に入ったのはいたずらっぽく笑うマリアと後ろで「ドッキリ大成功」の看板を掲げた翼だった。それを見たクリスは机を叩いて顔を赤らめた。

 

「お前らァ〜〜〜〜〜!!!」

「ほらクリスアレよ、最近はやりの愛してるゲームってやつよ」

「にしても雰囲気出すぎだろ!そんな浮っついたゲームに本気出すんじゃねえよ暇人歌姫!」

「暇人とは失敬な、これでも貴重なオフなのだぞ」

「だったら尚のことだろうが!」

 

翼とマリアはクリスを宥めた後二人で提案した。

 

「よし雪音、お前もやってみろ」

「はぁ?何であたしが。やだっての恥ずかしい」

「じゃあ私達を照れさせたらラーメンおごってあげるわ」

「う…ラーメンか…現金でちょいと悔しいがやってやるよこんにゃろッ!」

 

クリスは決意を固めるもののまだ顔は赤くモジモジしていた。だがしばらく逡巡したあとキッと翼達の方を向いた。

 

「あ…!」

 

そこまで言うとやはり恥ずかしくなったのか蚊の鳴くような声で言い直した。

 

「あ…愛してる…」

 

それを見た二人は自分たちまではずかしくなってしまったのか少し顔を赤らめた。

 

「雪音、ちょっとずるくないか…?」

「可愛すぎよアンタ…」

「は…はぁ!?なんだよ!お前らがやれって言ったんだろ!…とにかく!お前ら照れてんだから貰うもんは貰うからな!」

「約束は約束だからな、良いだろう。大盛りでも全部乗せでもどんと来いだ」

「えぇ、世界の歌姫の財力をナメてもらっては困るわね」

「随分と庶民的な世界の歌姫だなオイ…まあ良いや、行くぞ」

 

道中、ふと翼が切り出した。

 

「あの雪音の顔、写真に撮って立花達に送っても良かったかもしれんな」

「あぁ…それもそうね、惜しいことをしたわ」

「テメェらぁ…」

 

クリスはわなわなと震えたあと大声で叫んだ。

 

「良い加減にしやがれェッ!」

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