寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第12話 悲劇のヒロイン

これぞ一晩考え抜いた名案

 仮にだが連邦に勝ったとしてザビ家内部で権力争いが勃発するのは必定。

 そうなれば頭パーンである。

 奇跡で妹と仲良くなったとしても、今度はダイクン派。

 ダイクン派を粛正すれば、シャアが。

 内部に敵を抱えすぎだろジオン。戦争する以前の問題だろ。

 それらを解決する名案。

 それはザビ家とダイクン家の血を引くものに後を任せること。

 戦争に勝った暁にはガルマとセイラの結婚を発表。

 その子にジオンを譲ると言えば万事オーケー。その子ならキシリアもダイクン派もシャアも喜んで協力するだろう。

 俺はまあ退職金を一杯貰ってハーレムでも作ってどっかのコロニーで平穏に暮らそう。

 正直勝った後の世界、非道なことはしてないので人口も100億以上いるし、こんなの地球が潰れるに決まってるだろ。それを導いていくなんて、鉄仮面のように狂ってみせるしかどうしようもないじゃないか。そんなのシャアにでも任せよ。

 まあこの計画で一番わりを食うのはガルマだろうが、あいつは地球に行かさない。行かなければ運命の出会いも無いのだから文句を言うことも無いだろう。まあ怖い嫁さん貰って尻に敷かれるのは確実だが、親友に裏切られて死ぬ運命よりはマシだろう。

「けだもの」

「へっ」

 思考に耽っていると今までの人生で言われたことの無い罵声が響いた。

「私の体を弄ぶつもりですか、ギレン」

 セイラさんが俺をゴミを見るような目で見てくる。

「このロリコン」

 ぐさっと心に刺さったが、勘違いしていることも分かった。

 そうかあの会話の流れでは俺がセイラさんと結婚すると思われても仕方が無い。早く誤解を解かないと。ガルマはお坊ちゃんで性格いいしイケメン、ハッキリ言って政治家には向かないけど、いい恋人いい夫にはなる。

「なにか・・・」

「だがそれしか平和をもたらす方法が無いというなら、この身を差し出しましょう。この体を自由にするがいいわ」

 あっセイラさんのあの顔、悲劇のヒロインに酔っている。

「ですが私が欲しいというなら、まずは勝って見せなさいギレン」

 悲劇のヒロインに酔った上で高飛車に出るとは流石セイラさん。

 今更ガルマとは言い出しにくくなってきたぞ。

 なんだろうね~自分を男なら求めてくるとナチュラルに思い上がれる思考。流石ガンダム界きってのくっころ姫。下手に言えばセイラさんの面子を潰してしまい、折角その気になっているのに臍を曲げてしまう。

「いいだろう。地球連邦如き直ぐにでも下して見せよう。

 その時お前は世界の指導者の妻となるのだ」

 あ~あ言っちゃった。どうしよ。

 まっ勝ってから考えるか。

 兎に角これでシャアに対する切り札は握った。

 


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