寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第14話 打ち上げ花火 見上げるか見下ろすか

「これより次期主力モビルスーツ開発会議を始める。

 ですがなぜこの会議に総帥自らが?」

 技術士官が困惑気味に俺に尋ねる。そしてこの会議室を埋める技官達も俺に困惑の視線を向けてくる。

「モビルスーツこそ我がジオンの力の源泉。その開発会議とも成れば私が出席するのは当然であろう」

 くっくっく、後はラプラスを奪取してくるのを待つだけ。それさえ奪取すればセイラとセットで全コロニーに発表。連邦の不正を徹底的に糾弾することで、今は日和っているコロニーもこちらに、いや違うかコロニーの代表はあくまで地球連邦から派遣された犬、味方することは無いだろう。だが市民は違う。上がどう頑張ろうが市民全てが決起すれば政権はひっくり返る。そもそもその蓋をすべきコロニー駐在軍は壊滅させてやったからな、後は点火さえさせてやればいいのだ。

 つまり果報は寝て待て。ルナツーに手を出すなんて危ない橋を渡る必要は無い。

 危ない橋を渡らないなら、暇が出来る。

 暇が出来たらガンオタがすることなど一つ、折角モビルスーツがある世界に来たんだ。堪能させて貰おうじゃ無いかMS開発という奴を。

 実は俺量産機好きなんだよね~。これぞ技術者魂が震える、俺こういうのが好きで元の世界じゃ理系だったんだ。

 やっちょうよ。国家予算使ったガンプラ作りだよ。

「分かりました。

 ではザクⅡですが、早くも性能限界を露呈し始めました。軍よりそれの改善を求められていますが、方針は二つ。

① 既存のザクのバージョンアップで対応していく。

② 全く新型モビルスーツを開発する。

 当然両方進めては行きますが、やはり予算は限られています。どちらのプランに予算と人員を重点的に投入すべきか、皆様の意見を伺いたい」

「新型機開発の目処は付いているのかね?」

「それがコンセプトすら見えない状態でして」

 まあ元々長期戦は予定してなかったのだ仕方ない。ファーストもガンダムが出たことで開発競争に火が付いた感じだったしな。

「ならば対モビルスーツをコンセプトに開発してみてはどうかね」

「対モビルスーツですか」

「うむ。今はジオンのみにモビルスーツがあるとはいえ、いずれ連邦も開発してくるだろう」

 本来ならグフになるのが陸戦はする気が無いので、ギャンになるのだろうか? グフ好きなんだけどな~いっそリック・グフとかどうだろうか。提案してみるか。

「流石慧眼です」

「おだてるな。しかしそれも新型のジェネレーター開発がうまくいってのことだ。そちらはどうなっている?」

「ミノフスキー博士の下順調に進んでいるとのことです」

「そうか」

 くっく、虐殺をしなければミノフスキー博士にジオンが見限られることはない。これでジェネレーターに関しては連邦に大きく差を付けられる。

「ならばそれを搭載した新型対モビルスーツ用モビルスーツ楽しみにしているぞ」

「はっ閣下の期待に応えて見せます」

 しかしこの流れだと開発系統からグフ、イフリート、ドム、水泳部が削除され。ザク系統、ギャン、ゲルググのみとなるのか。少し寂しいが仕方ない。せめてリック・ドムくらいは開発しておくべきなのだろうか。

 まあいい寂しい分はガンダムシリーズで埋めよう。これでも前回の反省からジョギングをしているんだ。きっと今度はスムーズにモビルスーツを動かせるさ。

 俺が悦に浸っている時会議室のドアがノックも無しに開けられ、セシリアが慌てて入ってきた。この人がこんなに慌てているなんて何があったんだ?

「総帥、大変です。至急執務室までお願いします」

 ここでは話せないと言うことか。

「分かった」

 

 戻った執務室で俺は輝きを見た。

 執務室のスクリーンには地球が映し出され、その地球の各所から打ち上げ花火のように瞬く。打ち上げ花火、見上げるか見下ろすかなんて風流に浸れればどれだけ良かったか。地球が輝くたびに、サラミスがマゼランが打ち上げられてくる。

 舐めていた。コロニー落としをされなかった地球の工業力はここまでだというのか。ルウムで葬った地球連邦艦隊が今再建された。

 どうやらルナ2攻略、危ない橋を渡す必要があるようだな。

 


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