寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第19話 光る宇宙

「連邦艦隊、こちらに縦陣で向かってきます」

 先行させていたザク強行偵察型改からの情報である。

 ミノフスキーによってレーダーが効かない戦場において目は戦国時代並みに重要である。

 そこでヤマトの連携を念頭に置いてザク強行偵察型を改造することにした。長時間の作戦行動を可能にするためにプロペタントを増設。ハード的情報処理能力の向上が限界に達している為、ならばソフト的にと複座型に改造。情報処理専門のパイロットを配属することで情報収集能力を向上させることに成功した。そしてレーザー通信装置を増設してヤマトにミノスフキー下でも遅滞なく情報を送れるようにした。

 ヤマト直属部隊として八機が随伴艦のパプアに配備されている。

 そのザク強行偵察型改六機を六方向に先行させ、その六機から来る情報で連邦艦隊の陣形が手に取るように分かる。 

 レーダーが使えない戦場において、これだけの敵の位置を把握出来るアドバンテージは計り知れない。

 ふむ、連邦は艦隊による突撃戦をお望みか。まあ、下手に横綱相撲の横陣で対応するとMSの餌食になる。それよりは一気呵成に突撃してこのギレンの首を取る気か。

 ならばその血気逆手に取らせて貰う。

「波動砲発射準備」

「ハイパーメガ粒子砲です」

 俺の格好いい命令を直ぐさまセイラさんが訂正してくる。

 チラッと横目で睨んでも澄ました顔を崩さない。

「了解です。

 えっとあっと、ハイパー波動砲準備」

 俺とセイラさんの間に視線を漂わせていたヤマト副艦長ことドレンが折衷案で復唱する。

 俺は艦隊運営をせねばならず、実質的ヤマトの艦長として俺が招いた。此奴の太い神経なら総帥ことギレンがいても仕事をやり遂げられるだろう。

「良く狙えよ、敵の出鼻を挫く」

 突撃してくる艦隊にとって長距離から砲撃してくるヤマトの波動砲は驚異だろう。

 驚異は恐怖となる。

 恐怖を植え付けられたら、足が鈍るか、やぶれかぶれになるか。

 どっちにしろ、このギレンにとって手玉に取りやすくなる。

「連邦艦隊ミサイルを一斉射してきました」

 エネルギー充填の隙を狙い連邦に先手を取られたか。

 だが間合いが遠い。焦ったか連邦。

 いや、ビーム攪乱膜なのか? だとしたら突撃してくる艦隊の迎撃に支障が出る。

 エネルギーの充填率100%に達してないが、行くべきか?

「小賢しい、薙ぎ払え」

「了解。発射」

 ヤマト艦首より、波動砲ことハイパーメガ粒子砲が発射される。威力はマゼランだろうが貫通する。しかし本家ヤマトの波動砲やコロニーレーザーと違い、敵艦隊を飲み込めるほどの広がりはなく、一発で艦隊全滅とはいかないのが現実。

 だがミサイルなど直撃しなくてもその余波だけで破壊出来る。

 光線がミサイルの間を通過したとき、宇宙が光に包まれた。


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