寝オチしたらギレンになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
「閣下、失望したとは」
「言葉の通りだ。
なんだこの戦略は、核による先制攻撃、後にコロニー落とし。
これでは仮に勝ったとしても、ジオンは千年悪魔の帝国と呼ばれるぞ」
まあ勝てば官軍、勝てればどうにでも成るけどね。
でもここまでやっても勝てないのは歴史が示しているからね、却下。
「しっしかし、つい先日までは閣下も賛成していたでは無いですか」
くっく、それに対する反論も用意してある。しかし流石ギレンの頭脳、ぽんぽん言葉が紡がれていくぞ。
「あれは演技だ。このような悪魔の所行誰かが止めるかと思って期待していたのだがな」
「でっではこれ以外どうやって国力差を覆すと」
正直言えば、この国力差で戦争を仕掛ける時点でクレイジーなんだよ。
幾らモビルスーツが多少現行兵器より強くても無敵じゃ無い。モビルスーツがスーパーロボットだったら勝ち目はあるかもしれないが、現行兵器の攻撃が通用する時点で数に潰される。
さもなきゃ徹底的に悪に徹して初戦でもういきなり逆襲のシャアでもやれば勝てるかも知れない、νガンもサイコフレームもなければ止めようがあるまい。まあ、現代日本の倫理観を持つ俺としてはそこまでは踏み切れないけどね。そもそもこれじゃ逆襲のギレンになってしまうが、その場合キシリアが敵になるのか?
「王道だ」
「王道ですと」
高官の顔は驚きと言うより呆れている。
「いつの時代も人は英雄を求めるのだよ」
「はあ」
「ふんっ。
今日はここまで、各自もう一度良く考えろ」
こうして俺はガノタ仲間とどうすればジオンは連邦に勝てるかと議論して暖めていた作戦を実行すべく動き出すのであった。
後日、再び戦略会議。
「では諸君、これが我が秘策だ」
居並ぶジオン高官の前に、ジオン軍服を可愛くアレンジした服を纏う少女達が表れた。
クスコ・アル
ララァ・スン
マリオン・ウェルチ
いずれ劣らぬ美少女達を前にしてジオン高官達に動揺が走る。
「こっこれは」
「どうだ、ジオン公国が誇る美少女達だ。彼女達にはアイドルユニット『ジオンガールズ』を結成してもらう」
「ここは戦略会議ですぞ。ふっざけているのですかっ」
高官の一人が激高したが、取り敢えずスルー。
「兄上、とうとう色ボケしましたか」
この冷たいばばあの声は、キシリア。こいつだジオン最大の戦犯キシリア、このばばあさえいなければジオンはア・バオア・クーで勝っていたというのがガノタの間での定説。
この女を生かしておくといつ何時頭パーンされるか分かったものじゃ無いので、即刻処刑したいところだが、理由もなくそんなこと独裁者と言われるギレンでも出来るわけが無い。
まあ処刑できないのなら、仲良くするしか無い。
「まあ落ち着け、愛する妹よ」
「はあ、今なんと言いました?」
キシリアは顔を?にして混乱した。今のうちに話を進める。
「まず、プロデューサーはこのギレン。特別アドバイザーとしてフラナガン博士」
「!?」
フラナガンの名に一部の高官達の顔が引き締まった。
「ふっふ、一部のめざとい者達には分かったようだな」
「もっもしかしてその少女達は、・・・・。しかしニュータイプなど、オカルト」
「彼女たちには戦場において『悪代官連邦なんてやっつけろを』歌って貰う」
「それにどのような意味が」
「この歌を聴いたものは、正義に目覚める。
名付けて『エンジェル・アタック』」
ハッキリ言ってマ○ロスのミンメ○アタックとVガンダムのエンジェルハイロゥのパクリです。
巨人は文化に触れて動揺したが、連邦の兵士はニュータイプである少女達のニュータイプ能力に共感してしまい、連邦を裏切るという寸法。まあ其処までうまくいかなくても、自分の思考にいきなり他人の思考が入ってきたら混乱はする。まあ、メ○パニ攻撃と言ってもいい。
ちなみにニュータイプ能力の高いハマーン様は除外しました。はい今は可愛い少女ですが、すぐにおっかない女に成って寝首搔かれそうなので。
巫山戯た作戦に思えるが、これの為にニュータイプ少女を見いだしたと言っては連れてこさせ、一流のコーチを付けてボイストレーニングとダンスのレッスンをさせつつ、一流の作曲家に歌も作らせた。
更に日の目を見ないでやさぐれていたフラナガン博士を煽てて引っ張り込んだ。
更に更には試作サイコミューを搭載させた試作エルメスを特急で作らせたりと、軽くばれたらやばいくらいの予算をつぎ込んだ。これで失敗したらキシリアにパーンされる。
だがこれこそが、核もコロニー落としもしないで戦争に勝つ秘策だ。
「彼女たちの初ライブに合わせ宣戦を布告する。
敢えて言おう、これで勝てる」