寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク
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第29話 かすがい

 会議は白熱した。当然だジオンの未来を決める二択だからな。

 そして喧々囂々の果てB案が採用された。理由として最終防衛戦で敵を殲滅しても結局は連邦は折れないで同じ事の繰り返しに成る恐れがあったからだ。だったら、体力がありザクの優位がある内に勝負に出るべきとなった。尤もらしい理由だが、どうもジオンは民族的に血の気が多い体育会系の傾向があるので結論は決まっていたような気がする。まあそうでなければ原作で負けてからも国に帰らないで何年も戦い続けたりしないよな。

 決まれば話が早くジャブロー攻略戦の総指揮は俺ことギレンが執り、降下した陸戦隊はドズルが指揮を執ることになった。

 ジオンの一応王族二人が最前線という逆シャアのシャアを笑えない配置だが、ジオンはここまでして士気を上げなければならないほど余裕が無い。

 なぜジオンにはどこかの無敗の魔術師と呼ばれるような名将がいないのだ。弱小ジオンにこそ必要で、いたらもうどこぞの同盟軍のトップのように足を引っ張らないで全面バックアップするというのに、どうしてこうエースエースエースとエースばかりが雨後の竹の子のように湧いてくる。

 愚痴ってもしょうがないか。

「ドズルたまには一緒に夕飯でもどうだ?」

「兄貴が珍しいな」

 兄弟仲良くしないとな。原作ジオンはそれで自滅したようなものだし。それにドズルは顔は怖いが部下思いの苦労人だし、なんとなく元サラリーマンの俺とは気が合う。 

「そんな気分にもなる」

「なら俺の家に来ないかミネバにも会ってやってくれ」

 どうだろうこんな眉無しオールバックが来たら奥さん嫌がらないかな~いや絶対嫌がるだろ、顔は下手すればドズルより怖いし偉そうだし。でもまあ下手をすればこれが最後になるかも知れないし、多少ゼナに嫌な顔されてもお邪魔するか。

「お邪魔させて貰うか」

 俺とドズルが連れだって会議室を立ち去ろうとすると背後から声が掛かった。

「待って兄さん」

「ん?」

 振り返ればガルマがいた。

「どうした? お前も夕飯を一緒にしたいのか?」

「違うよっ」

「!!!」

 ガルマに怒鳴られてしまった。でもなぜか子犬に吼えられたようで腹も立たない。弟というのも案外可愛いものかもな。

「兄さん、僕にも何か仕事をさせて下さい」

「急にどうした?」

 ガルマにはジオン広報部隊隊長兼アイドルとして、女性国民の戦意高揚を計るという重要な仕事を任せているというのに。

 ちなみにこの安全な仕事はデギン公王もご満悦。俺が最前線に行っても心配そうな顔一つしないというのに、偉い贔屓だ。だからギレンはぐれたんだな。

「ギレン兄さんもドズル兄さんも最前線で戦うというのに僕一人後方でぬくぬくなんかしてられないよ」

 そうか?

 俺なら喜んで後方でゴロゴロさせて貰うけどな。最前線に出るのはあくまでそうしなければ頭パーンだからだ。

「何か何か僕にも仕事をさせてよ」

 そういえばガルマはこういう奴だったな。

 お坊ちゃんで甘甘なのに前に出たがる。親の七光りをなんとしたいと思う気持ちは立派だと思うけどな~。七光りに胡座を搔くドラ息子だったら、ガルマもあんな最後は遂げなかっただろうに。

「ガルマ、今度の戦いはジオンの命運を分ける決戦だ」

 一体ジオンは何回命運を分ける決戦をすればいいんだろうな。いい加減うんざりする。そしてトップがこう思うんだ、下も嫌気が差していても可笑しくない。早めに何とかしないと士気が決壊してしまうかもな。

「最悪俺とドズル二人とも戦死する場合もある。その時ジオンを背負って立つのはお前しかいないんだぞ。お前は後方で控えていることこそ重要な仕事なんだ」

 正直ガルマに死なれるとザビ家は家庭不和で崩壊するので、君は生きているだけで役に立っていると言ってら、もっと怒るんだろうな。

 だがガルマが生きていればデギンもやる気を失わないので、俺とドズルがいなくなったら上手く連邦と停戦するだろう。

「そんな僕は飾りじゃ無い」

「だから飾りじゃ無いと・・・」

「兄貴、ガルマの気持ちも分からないでも無い。何か仕事は無いのか?」

 弟に甘甘のドズルが助け船を出してくるが、その優しさがガルマを死に追いやったんだぞ。

「分かった。お前はキシリアのサポートをしろ」

 キシリアならガルマを悪いようにはすまい。

「キシリア姉さんの」

「そうだ。サイド2にいる艦隊を抑える重要な仕事だ。キシリアの傍にいれば色々と学ぶこともあるだろう。頼んだぞ」

「分かったよ、兄さん。

 早速キシリア姉さんの所に行くよ」

 ちょうどいい監視役だ。キシリアもガルマがいてはあまり悪巧みも出来まい。

 本当に役に立つよ、ガルマ。








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