寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク
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第3話 一週間戦争

 宇宙に衝撃が走った。

「我がジオン公国は地球連邦に対して宣戦を布告する」

 全チャンネルでギレンこと俺のシンプルで力強い宣言が流れた。

 元の俺には全くこういった能力は無いが、ギレンに成った俺には悪魔的カリスマも手に入れたようで、この宣言にジオンの兵士達は感服している。

 

サイド1 ザーン

その首都

「ギレンはとうとうトチ狂ったか」

「ですがこれは好都合、中央とジオンの戦争うまくすれば我々にも利が」

「そうだな。うまくいけば地球に返り咲ける。こんな宇宙の辺境で終わってたまるか。だが焦りは禁物。まずはギレンのお手並み拝見と行くか」

 とギレンの宣戦布告の放送を見て捕らぬ狸の皮算よで高笑いとしていた高官達であったが、その部屋に慌ただしく官吏が入ってきた。

「たっ大変です」

「ノックも無しにどうした」

「ミノフスキー粒子が戦闘濃度で散布されました。目下、各コロニーとの連絡が途絶しました」

「なんだとっ。ジオンなのか? ギレンめいきなりここを襲撃するとは。直ぐさま連邦のコロニー駐留艦隊を出すように要請しろっ」

「はっ」

「それと万が一に備え私の脱出艇の準備を」

「はあ」

 官吏は呆れた顔で答えるのあった。

 

 一方駐留艦隊

 官僚に言われるまでもなくミノフスキー粒子が散布された時点で出向の準備を進められていた。

 駐留艦隊旗艦マゼランの艦橋。

「急げ、このままじゃ戦うまでも無く撃墜されるぞ」

「はっ」

「それと他のコロニーにいる艦隊の動きは分かるか?」

「駄目です通信が完全途絶確かめられません」

 初のミノフスキー粒子を散布され通信が途絶された宇宙戦争。対応が後手後手になるのは仕方が無い。後年に成ればレーザー通信などが使われるようになるが、今はまだ無線に頼るのが普通なのであった。

「くそっ。だが対応してくれると信じるしか無いか」

「うあっ」

「どうした?」

 クルーの一人が突然頭を抱えて俯いたので艦隊司令が尋ねた。

「うわーーーー地球連邦軍は悪、ジオンこそ栄光あれ」

「何を言って、うっあっ頭の中に声が響く。

 悪代官地球連邦軍をやっつけろ。いけいけ、ゴーゴージオン軍♪」

 艦隊司令も突然拳を振り上げ踊り出した。

 

「ギレン様。本日ザーンにて行われました戦闘結果です」

 秘書のセシリアが俺に報告する。

 う~ん、スタイル良し顔良し、なのに何でこの人はタマネギヘアーなんだろう。

 非常に残念な美人さんだ。

「何か」

「いやなんでも無い。続けてくれ」

「ミノフスキー粒子の散布による艦艇間の連携の遮断。更にジオンガールズによる精神攻撃により連邦艦隊はまともな抵抗どころか出向すら出来ずに壊滅しました。ジオン軍の被害は軽微です。

 閣下大勝です。流石閣下です」

 新機動兵器モビルスーツとニュータイプによる精神攻撃のミックス。どちらか一方だけでも圧倒的アドバンテージだというのに二つ同時攻撃、予想以上に嵌まった。

 問題は対策が取られる前にどれだけ勝ち進めるかだな。

「そんなことは当たり前だ。それよりも、厳重注意したことは守られたのか?」

「はっ。閣下の厳命通り、コロニーの港には被害が出ましたがコロニー本体には傷一つ付けていません。また駐留艦隊壊滅後、軍は占領すること無く退却しました」

「うむ」

 ガノタの定説。ジオンはスペースノイドなのに自分たちの大地であるコロニーを破壊したから負けた。その負けフラグを一つ回避できた。

「しかし閣下、占領しなくて良かったのでしょうか?」

「ふん、宇宙は広い。各コロニーを占領してたら幾ら兵がいても足りない。

 今は宇宙の同志に地球連邦に逆らえる牙があることを示せれば良い。

 愚民共への啓蒙は焦ってはいけない」

 焦ってはいけない。ジオン対地球連邦で無く、スペースノイド対地球連邦の流れに持っていかなくては勝ち目はない。

 人口の半分はスペースノイドだ、味方に出来れば互角じゃないか。

 綺麗な一週間戦争はその第一歩に過ぎない。

「流石です閣下。それでは失礼します」

 セシリアが引き締まったいいケツを振りながら退室していく。

 うん今度機会がったら髪型変えてと頼んでみよ。

 さて賽は投げられた。

 悪役フラグを全てへし折って、頭ぱーんを回避してみせる。

 その為にも次の一手を打たねば。








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