寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク
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第32 キュベレイ殺し

 ザクマシンガンが唸るがジオは構うこことなく突っ込んで来る。

 カンカン跳ね返されるザクマシンガンの砲弾、完全に堅牢な装甲に頼り切った強引な戦法だが、時にはテクニックより強引な戦法が功を奏す。

 一閃。抜き放たれたビームサーベル。

「冗談じゃない」

 辛うじて致命傷を避け腕一本と引き替えに蹴りをジオに叩き込んだのは、流石シャアというべきか。

 蹴り飛ばされたジオだが、各部スラスターを適切に噴射させあっという間に立て直した。並みのパイロットならくるくる回ってお星様になっても可笑しくないクリティカルだったというのに、此方も流石天才シロッコ。

「天才を前にして平伏せ凡夫」

 立て直すと同時に、バルカンキャノンビームライフルの一斉射フルバースト。

「なんとおー」

 シャアは芸術的操縦でまたまた致命傷は避けるが両足をもぎ取られてしまう。

 原作では百式でジオ、キュベレイの猛攻を凌いだ実績があるシャア。片腕がまだ残っているこの程度まだまだ慌てるような状況じゃない。

 だが、モニターで戦いを見ていたブリッジクルーは違う。エースが手も足も出ず達磨にされていく様子に言葉を失う。

「兄さんっ!!」

 隣でセイラさんが悲痛な叫びを上げる。くっころ姫セイラさんもシャアの前ではただの妹。

「大丈夫だよ、シャアの勝ちだ」

 俺は戦闘が始まってからスタートさせていたストップウォッチを見て告げる。

 一方的に攻めるシロッコだが、やはり実戦経験が足りない。才能に任せ調子に乗りすぎた。後年自分で作成したMSならまだしも、このMS黎明期では致命的な弱点を晒す。

 

 誰もが足すら失ったシャアザクにジオが止めを刺すと思った瞬間、ジオは反転して引き返し始めた。

「どういうこと?」

 セイラさんが胸をなで下ろしながらも、どういうことかと俺に問うてくる。

「燃料切れだ。あんな高機動を長く続けられるわけがない」

 重い装甲を無理矢理スラスターで高機動させる。誰もが思い付く凄いMSだが、そんなことをすれば当然燃料を馬鹿食いすることになるのは当然の帰結。

 シャアは俺の期待通りにジオをガス欠一歩手前まで追い込んだのだ。本当にガス欠まで追い込めれば最高だったが、そこまでシロッコも迂闊じゃない。ギリギリ帰還までの燃料を見切って現状連邦唯一MSの運用が出来るホワイトベースに戻っていく。再度補給して戦場に戻るつもりだろうが、ギレンの野望でキュベレイ潰しを習得した俺がそんなことをさせるわけがない。

「白狼隊、今こそその牙を獲物に突き立てるときだ。

 発進せよ」

 俺の命令を受け待機していたパプアから、白い狼共が解き放たれる。

 そのスピードシャアザクよりも早く高機動MAビグロに匹敵する。ビグロの早期開発に成功かと言えばそんなことはない。タネは簡単、一年戦争時にはポピュラーではなかったが技術的には大したことは無いゲタ(宇宙用SFS)を作っただけのこと。

 兎に角スピード重視で作成させたゲタにザクを搭載させただけ。ゲタが使い捨てで費用は掛かるが可変MSのような技術力はいらず効果は抜群。あっという間に帰還中のジオを捕らえる。

「小賢しい、落ちろカトンボ」

 シロッコの一撃は並みのパイロットでは捕らえられない高速体であろうと正確に撃ち抜いた。白狼隊5機の内1機が早くも撃墜されたのは計算外だが、その1機が撃破された内に白狼隊はジオに追い付き追い抜いた。

「なに!?」

 驚くシロッコなど無視して白狼隊はシロッコを迎えに来ていたホワイトベースにゲタを操り肉薄していく。

「弾幕薄いよっ」と幻聴が聞こえるほどに対空砲火で応戦してくるが、チキンレースの如く白狼隊は必死にゲタに操りホワイトベースに一直線に向かって行く。

 ドゴンッ、また1機が対空砲火で撃墜されたが、残る3機はギリギリまで耐え目を瞑っても当たる距離まで来ると迫るとゲタから離脱していった。

 この誘導が聞かないミノフスキー戦闘下で超高速ミサイルの攻撃に晒されたようなホワイトベースはもはや避けきることが出来ず2機のゲタの直撃を左舷に喰らい爆炎を盛大に上るのであった。








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