寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク
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第33話 ザク捕獲隊

「馬鹿な」

 驚愕するシロッコに追撃してきたザク捕獲隊が襲い掛かる。

 ザクハンマー、ザクメイス、ザクモーニングスター、ザクサスマタと捕縛用の特殊装備を備えたザク4機、ジャブローに戦力の大半を回す中で何とか捻りだした数。ルナチタニウムの装甲を貫けないなら衝撃を内部に伝えるザクハンマー、ザクメイス、ザクモーニングスターの打撃武器を装備させた。中世において甲冑に身を固めた騎士には剣より有効だったことからMSでも効果は期待出来る。堅い装甲でも衝撃は逃がせない。これらの武器でジオを弱らせた後にザクサスマタで捕らえる連携プレイを想定している。

 これでジオと何よりシロッコが手に入る。シロッコに正義の為とか地球の為とかの強い政治信条は無い。天才とでも煽ててMSの開発でもさせてやれば喜んで味方に成ると踏んでいる。ただ天才故の驕りで人に使われるのを良しとせず、隙を見せれば裏切るのは明白だが、逆に言えば隙を見せなければ大丈夫。キシリアみたいな馬鹿な裏切りはしないと信頼している。

 

「なんとっ」

 シロッコは、振り回されるザクハンマーのハンマー部だけで無く鎖にも絡まないようにジオのスラスターを活かして避ける。だがその隙に迫ったザクメイスがジオに向かって振り降ろされるがビームライフルがあっさりとザクを貫き爆散する。

 そして投げ捨てられるビームライフル。とうとう弾が切れたか。そもそもビームライフル、キャノンと残弾が豊富ならザク捕獲隊が格闘戦の距離まで近寄ることも出来なかっただろう。今のは追い込まれて放たれた最後の一発とみていい。

 遠距離武器は無いと大胆に攻めるザクモーニングスターが唸りを上げるが、まだ躱す。だが続くザクハンマーは躱せなかった。直撃こそ避けたが鎖が腕に絡みついた。

 くっく、推進剤も底を着いたようだ。

 ここぞ好機。一般兵とは言え捕獲隊に選ばれるほどには優秀なパイロットが攻め時を見逃すはずが無い。

 捕獲隊の止め役、ザクサスマタが作戦通りジオを捕獲しようと襲い掛かる。

 もはや武器も無く迎撃は出来ない。

 推進剤が無く振り切れない。

 鎖に自由を奪われ碌に腕も振るえない。

「勝ったな」

 俺は柄にも無くガッツポーズをして立ち上がって勝利を確信した瞬間、シロッコが吼える。

「天才を舐めるな」

 襲い掛かったザクサスマタ装備のザクが吹っ飛ばされた。

「なんだと、彼奴はウッソ並みだというのか?」

 なんとガンキャノン・オーバーのAパーツを吹っ飛ばし、襲い掛かるザクにぶつけたのだ。

 誰もが唖然とする瞬間、Bパーツから切り離されたコアファイターがスラスターを全開にして逃げていく。ザク捕獲隊に遠距離武器はない。捕獲に特化させたのがここに来て裏目に出た。もはや全力で逃げていくコアファイターを追撃出来ない。

 俺は椅子にどかっと力無く落ちた。

 ここまで追い詰めて逃げられたというのか。今回の経験を糧に次に会った時にはシロッコは更に手強くなっているだろう。

 勝てるのか?

「総帥兵士が見ています」

 セイラさんに囁かれ俺は姿勢を正した。

「うむっ」

 偉そうに頷き。

「すまないありがとう」

 小声で礼を言い、セイラさんもどう致しましてと微笑みを返してくれる。

 俺は負けても落胆してはいけない、ギレンは総帥なのだから。

「これで五月蠅い邪魔者は追っ払った。

 この宙域を脅かすものはもういない。ジャブロー攻略戦に集中する。

 陣形を立て直せ」

 そうだ。ジャブローを落としてしまえばシロッコがいようがいまいが関係ない。

 ここで勝ちきって、終わらせてやる。








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