寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第9話 演説

「元々は地球上に人が増えすぎ、地球はその重みに耐えられなくなった故の宇宙移民であり、地球環境改善が目的であった。

 だがそれは新天地への旅立ちにより人への革新を促すことになった。

 そう、かのジオン・ダイクンが提唱したニュータイプである。

 このように宇宙移民は母なる地球からの人類の自立なのである。

 けっして棄民では無い。

 だが地球の魂に惹かれた旧人類は新人類を恐れ、自分たちは地球の元でぬくぬくと暮らし、スペースノイドを搾取の対象と見なすようになった。

 こんな事許せるか、いや断じて許せない。許してはいけないのである。

 だが、今までは地球連邦の強力な軍の前に正義の人は口を紡ぐしか無かった。

 しかし、それは今日をもって終わったと宣言する。

 そう我々は勝ったのである。

 ルウムにおいて六倍もの戦力差を覆し、我々は勝ったのである。

 さあ、正義の人々よ、もう口を噤む必要は無い、暴力に恐れることはない。

 我々は牙がある。

 さあ、人類の革新たるスペースノイドの同士達よ。

 今こそ立ち上がれ、今こそジオンと共に、にっくきアースノイドに鉄槌を下そう」

 

 このルウムでの勝利後に俺は全世界に向けて演説を行った。

 これにより、ジオンの泣き所である「ジオンに兵なし」を克服する優秀な人材が集まることを期待してのことである。

 

「閣下、素晴らしい演説でした。これでジオンに呼応するコロニーも出てくるでしょう」

「そうか」

 髪型をポニーテールに変えてくれたセシリアからタオルを受け取る。

「それで連邦の残存艦隊は?」

「ルナツーに集結しているようです」

「そうか」

「どうなさいますか閣下」

 本来ならここで南極条約だが、人類の半数が減っても降伏しなかった連邦が、たかが一戦に敗れた程度で降伏するわけ無い。

 それに残念ながらレビルは生きている。高級将校の捕虜は取る必要なしと命令したら、捕まえるどころか、いつの間にか逃げていた。歴史の修正力恐ろし。

 以上からするだけ無駄。

 まあ、ある程度此方の優位が固まったら結ぶ気ではあるけどね。

 今は優先すべき事がある。

「まずは例の極秘作戦は?」

「はっ隠密部隊が動いていますが、本当に・・・」

「この件に関して反論は許さない」

「すいませんでした。必ずや遂行して見せます」

 セシリアに頼んだのはジオンの行く末を左右する重要作戦。

 アムロ・レイ、セイラ・マス 誘拐作戦である。

 未来を知っているガノタで無ければ立案できない作戦、果たして吉と出るか凶と出るか、神のみぞ知る。


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