Afterglow 〜夕日に焦がれし恋心〜   作:山本イツキ

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どうもっ! 山本 イツキです!

今は甲子園を見ながら、自分の高校時代を思い出しています笑
それでも、数年前のことなんですけどね笑

本編としては、ひまりが中心のお話となっています!
それでは、本編スタートです!


第15曲 机の上の 薄くて白い難敵

 「今週の金曜日から中間考査があります。みなさん、しっかり勉強して臨みましょう」

 

 終礼に、担任の先生から告げられたその一言。学生たちにとって、避けては通れない道……試験の告知だ。

 

 今日は月曜日。お泊まり会から約1週間が経過しているが…楽器の試し弾きや父さんとの稽古などをしていたりと、あまり机に向かえていない。中学までは授業中にちゃんと起きて、ノートをとっていればテストは何とかなった。でも…高校ともなればそれだけじゃ通用しない。

 決してそれらを言い訳にするつもりはないけど……追試ともなれば、父さんからバンドの活動停止を告げられることもあり得る。

 

 「ねぇ葵…あたしちょっとやばいかも…」

 

 「まぁあれだけ遊んでたらね…みんなも同じ感じだと思うよ」

 

 「今日の放課後、うちで勉強会開く?」

 

 「いや、うちじゃあ楽器触りたくなる症候群が出て勉強に集中できないのが関の山だと思うよ」

 

 「それじゃあ…羽沢喫茶店?」

 

 「つぐみちゃんに聞いてみないとわからないけど…そこがベストだと思うよ」

 

 「B組の終礼が終わったら聞いてみようか?」

 

 「うん! 蘭、お願い!」

 

 ーーそして、帰り道。

 

 「え? うちのお店で勉強会??」

 

 「そう、頼めないかな……?」

 

 「ううん! 大丈夫だよ!お父さんには伝えとくね」

 

 「やった〜! つぐのお店でお茶しながら勉強できる〜!!」

 

 「ひまり、本業を忘れちゃいけないぞ」

 

 「モカちゃんやっちゃうよ〜」

 

 その後、つぐみちゃんのお父さんから連絡が入り、勉強会ができるようになった。

 

 〜羽沢喫茶店〜

 今日もお客さんが少なく、のどかな雰囲気が心地よい。また、コーヒーや焼き菓子の香りが漂いボクたちの腹の虫が鳴る。

 

 「えぇっと…お菓子は勉強終わってから出すからね!」

 

 「やった〜!! わたし勉強頑張る〜!!」

 

 ひまりちゃんは、勉強が苦手で集中力に欠けるけどこうやって甘いお菓子などを用意するとやる気を出す。

 つぐみちゃんはこれを分かっていて、新作のお菓子をひまりちゃんにタダで提供する代わりに、感想を貰って指摘点を改善していつている。…なんと商売上手なんだろうか。

 

 「みんなは何の教科が苦手なんだ?」

 

 「あたしは…理数系全般かな」

 

 「私は英語かなぁ」

 

 「モカちゃんは〜、特にない〜」

 

 「わ、わたしは英語以外全部!」

 

 「ボクも特にはないかな。ここの英語難しいって感じることはあるけど…」

 

 「よしっ! それじゃあ、お互いが得意教科を教えあって苦手教科を補って行くか!」

 

 巴ちゃんの提案により、Afterglowの6人で3つのグループができた。

 

 1.巴ちゃん&蘭

 2.つぐみちゃん&モカちゃん

 3.ひまりちゃん&ボク

 

 巴ちゃんは理数系が得意だけど、文系全般が苦手。蘭は文系全般が得意だけど、理数系が苦手。

 

 つぐみちゃんは英語が少し苦手。モカちゃんは…普段からやる気を出さないで寝てばかりいるけど、苦手教科はない。

 

 ひまりちゃんは英語が大の得意だけど、他が壊滅的にできない。ボクは、モカちゃんと同じで苦手科目はないけど、英語に少し不安がある。

 

 それぞれが教える先生であり、教えられる生徒である。こういうやり方が一番効率的で、理にかなっている。

 

 巴ちゃんは、人のことを考え行動できる姉御肌。みんなが納得できて、みんなの為になる行動取ることができる。

 今回のグループ分けもそういうことを配慮したのかな……彼女を見習うとこは山ほどありそうだ。

 

 

 ひまりside

 「葵くーん!! ここわからない〜!!」

 

 恥ずかしくて仕方ないけど、早速葵くんに助けを求める。

 

 「どうしたのひまりちゃん? これは……数学だね」

 

 「この因数分解、難しすぎ〜!!」

 

 「なるほど…確かに、一つの式が長くて難しそうに見えるけど……最初の問題見てみて」

 

 「最初の…問題……??」

 

 「式が長くなってると言っても、一つ目のカッコの式はさっきまでやってた小問題が重なってできているんだよ」

 

 「どついうこと??」

 

 「式の左側からさっきの問1のように解いていく。そうすると4つの解が出たよね?」

 

 「あ! ホントだ!!」

 

 「この解を全部足すと……」

 

 「「答えが出る!!」」

 

 「アハハッ! こんなに簡単だったんだ!」

 

 「うん! 一つ一つ丁寧に、自分がわかりやすいように区切って解くと長い式でも楽に解くことができるよ!」

 

 ま…眩しい……葵くんのその笑顔は反則だよ〜!!

 それはまさしく……キラースマイル!!

 

 「どうしたの? ひまりちゃん??」

 

 「いや、何でもないよ!続き教えて〜!!」

 

 「うん!ボクでよければ!ちなみに次の問題はね……」

 

 葵くんのワンツーマンの指導のおかげで、不安だった教科全部が分かるようになってきた。これで中間考査も大丈夫……

 

 「そういえば葵くん!? 自分の勉強は!?!?」

 

 「ボク? 普段から授業をちゃんと聞いてたら難しい問題以外は解けるよ!」

 

 「うっ……授業中はちょっと……」

 

 「ハハハッ、それでも家で15分ぐらい復習するだけでテストは何とかなるものだよ?」

 

 「その15分を他のことに使っちゃうの…」

 

 「それじゃあ、この試験が終わってから取り組んでみようよ!ひまりちゃんは飲み込みが早いし、授業さえ頑張ったらテストぐらいヘッチャラだよ!」

 

 「あ、葵くんがそういうなら…頑張ってみようかな……??」

 

 「よしっ! そのいきだよ!ひまりちゃん!!」

 

 「なんか燃えて来た〜!それじゃあ〜頑張るぞ〜! えい、えい、お〜!」

 

 「お〜!」

 

 葵くんはわたしと同じように右手を上げポーズを取ってくれる。

 何だろう…すごく可愛い。

 

 「そんなことやってないで、早く片付けて帰るよ」

 

 そこに、蘭が止めに入る。他のみんなも、自分の満足がいくまで勉強ができた様子だった。

 

 「あ、ごめんね蘭。すぐ片付ける!!」

 

 葵くんとの二人きりの時間はあっという間だったけど、すごい新鮮な気がした。

 こんなに女の子がいっぱいいたら、二人きりなんて滅多にないもんね。蘭なんかずっと一緒にいるし……。

 

 優しくて、正義感が強くて、頼りがいがある男の子。わたしはそんな君の事が………。

 

 

 勉強会から数日後、中間考査が開始されたーー。

 教科数も、中学に比べたら倍の数ある。最初は不安で仕方なかったけど今は違う。

 わたしには葵くんが付いてくれている……あれだけ教えてくれたんだから、きっと大丈夫だよね!!

 

 一教科目は数学。

 中学から苦手なこの教科は、授業中ももちろん爆睡している。……どうしても、数字と友達になれそうにない。

 

 (……ちょっと待って!? この問題って……??)

 

 なんと、葵くんに教わったところが重点的に出題されている。今回はいける…いけるぞわたし……!!!

 

 次の教科も、その次の教科も、わたしは全く手を止める事なくスラスラと問題を解いていく。

 

 休みを挟んだ次の日の試験も同じような現象が起きた。今までのテストとは出来が違う。赤点どころか、全部が平均点数以上もあり得る解きっぷりだったのだ。

 

 

 ……運命のテスト返却では、一教科以外…英語以外は全部平均点越え。数学に至ってはクラスで3番目の点数だったらしい。

 英語は……他に比べて手を抜いていたからちょっとだけ点数が下がってしまったけど…それでも大前進である。

 

 「……ひまりがこんなにいい点数取るなんて」

 

 「わ、わたしだってやる時はやるよ!!」

 

 「モカはどうだったんだ?」

 

 「全教科80越え〜。イェ〜イ」

 

 「葵くんはどうだったの??」

 

 「ボクはいつも通りかな。でも、バンドはなんとか続けていけそうだよ!」

 

 「今週はなんか疲れた〜! 今日はあたし家でゆっくりするね〜!」

 

 「そうだね、今日は各自で休むことにしよっか。それじゃあ…みんな来週ね。」

 

 「ちょっと……耳引っ張らなくても……痛いってば〜!!」

 

 「アタシたちも帰るとするか!それじゃあ、みんな来週な〜!」

 

 今日は各自で休息をとることになり、それぞれが自分の家に帰宅する。

 

 〜ひまり家〜

 「お母さんただいま〜…今日は疲れたから部屋で寝てるね〜……」

 

 お母さんにはテストのことを聞かれ、点数のことを言うと「よく頑張ったね!」と褒めてくれた。

 ……テストの点数で褒められたの初めてかも。

 

 ーーあたしは部屋に入るなり、すぐにベッドに飛び込む。

 

 「はぁ……今日も疲れた〜……」

 

 そこでわたしは、中学の頃に撮った写真を入れた写真立てを手に取る。

 

 「ふふふっ、今日もかっこよかったなぁ…葵くん……」

 

 不意に出た一言…でもそれは、いつも家に帰って部屋に入ってから言う一言。

 写真立てには、わたしと葵くんの2ショット。体育祭の時に撮った写真だ。

 

 「やっぱりわたし、自分の気持ちが抑えられない……伝えたくても、今はどうしても勇気が出ないなぁ……」

 

 一呼吸置いて、写真立てにこう呟いた。

 

 「葵くん…わたしはずっと葵くんの事が…好きなんだよ……」

 

 

 わたしは写真立てにそう呟いて、深い眠りにつく。

 

 

 

 

 

  

 

 




いかがだったでしょうか?

ひまりちゃんの片思い…葵くんは気づいているのかな?笑笑

これからも作者自身、ワクワクしながら書いていきます!

次回もお楽しみに〜
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