Afterglow 〜夕日に焦がれし恋心〜   作:山本イツキ

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どうもっ! お久しぶりです、山本 イツキです!

色々ありましたが執筆を無事終えました!

今回はあるキャラが、本性を現します!

それでは、本編スタートです!


第28曲 世界が獣耳(けもみみ)に包まれたなら 〜犬耳 後編〜

 みんなと漫画の話をした次の日の朝。ボクたちの両親は昨日から仕事で京都に出かけており、家にはボクと蘭しかいない。

 

 今日は休日ということもあり、何時まで寝ていても誰にも文句を言われることはない。主にその恩恵を受けるのは蘭だけど……。

 

 時刻は7時……普通の高校生に比べたら早起きしてる方だろう。

 

 そんなことよりも、今日はなんだか体が軽いような気がする……。こういう日は外でランニングをするに限るが、昨日母さんから朝昼晩のご飯を作るように頼まれてる……少し古いが、『なんて日だ!』と言いたくなる。

 

 寝間着のまま部屋を出て、キッチンで朝食を作ろうと階段を降りようとしたその時ーーー。

 

 「うわぁ〜〜っ!? な、何これ!?」

 

 ボクの隣の部屋から、本来ならまだ寝てるであろう蘭の悲鳴が家中に響き渡った。

 悲鳴のする部屋へ全力で向かい、ノックもせず扉を開ける。

 

 「蘭!? 一体どうし………」

 

 そこには手鏡を右手に持ち、左手で頭についている黒色のモフモフした何かを触れている蘭の姿があった。

 

 「あ、葵……!? 頭……!?」

 

 「これは……なんの動物の耳かな……? 昨日はこんなの無かったよね?」

 

 「違う……! 葵の頭も……ほらっ!?」

 

 そう言い蘭は持っていた手鏡をボクに投げて渡す。難なくそれをキャッチし、自分の頭を確認するーーー。

 

 「な、なんだこれ〜〜っ!?」

 

 

 

 

 

 昨日のボクたちには無かった、何かが頭から生えている。()()()()()のではない、()()()()()のだ。

 

 思いっきり引っ張ってみると神経につながっているかのように、痛みを感じる。ヘッドホンをしても音楽が聴こえ、聴覚もある。正真正銘、本物の獣耳だ。

 逆に、元々ついている人間の耳を同じように引っ張っても痛みがなく、音楽もまるで聞こえない。痛覚も聴覚もすべて、この獣耳(みみ)に奪われたかのようにーーー。

 

 「さて、この獣耳の正体はなんなんだろうね……」

 

 「正体も何も、どうみても獣耳でしょ……」

 

 「テレビでも、携帯のニュースでも、このことを一切報じてないし……どうなっているのかな?」

 

 「父さんと母さんがいなくてホントよかった……こんな格好見られたくないし」

 

 「外を歩いている人も見当たらないし、情報を仕入れる手段が全くないね」

 

 2人で腕を組んで悩んでいると、Afterglowのグループチャットにメッセージが入る。

 互いに携帯を見ると、差出人はひまりちゃんからだった。

 

 『みんな!? 頭についてるこれ何!?』

 

 そのメッセージと共に添えられた写真には、ピンク色のふわふわとした獣耳がついたひまりちゃんが写っていた。

 

 「……あたしたちだけじゃなさそうだね」

 

 「うん……とりあえず返信返そうか」

 

 『あたしと葵も同じ状態だよ』

 

 『うそっ!? 写真見たい! 送って〜!』

 

 『あとでうちに来る時見れるから、その時ね! 他の3人はまだ寝てるのかな?』

 

 『あたしたち朝ごはん作って来るから、しばらく抜けるね』

 

 ひまりちゃんから了解のスタンプが送られ、既読をつけたところでボクたちは朝ごはんの支度をする。

 

 

 

 

 

 早々に朝食を作り終えグループチャットを確認すると、50件を超える通知が来ていた。全員が起床して、自分の姿に驚いてる様子だった。

 

 「クラスの子からも来てたから、羽丘学園の生徒全員が同じ状態かも……」

 

 「うん、それは間違いないだろうね。父さんと母さんから連絡が来ないってことは、2人は大丈夫ってことだと思うけど……」

 

 「はやくご飯食べて、今後の事をみんなと相談しないとね」

 

 早々に作った朝食を味わう事もなく、数十分で平らげ片付けを2人で済ませたあと、すぐにみんなに返信を返す。

 

 『みんなお待たせ。朝ごはん食べ終えた』

 

 『おはよ、蘭ちゃん!』

 

 『休日の朝からホント嫌になるよなぁ……』

 

 軽く挨拶を済ませてみんなのトーク履歴を見てみると、それぞれの写真が載せられていた。

 茶色の獣耳のつぐみちゃん。

 赤色の獣耳の巴ちゃん。

 銀色の獣耳のモカちゃん。

 

 モカちゃんに至っては尻尾まで付けていてノリノリの様子。……その尻尾の末端はどこに入っているの? いや、怖くて本人に聞けない、聞きたくない。

 

 しばらくやりとりしていると、ひまりちゃんと巴ちゃんから衝撃の事実を知らされる。

 

 『そういえば、お母さんは何ともなかったな……わたしたちみたいな獣耳なんかついてなかったよ』

 

 『アタシのとこも、あこは獣耳がついていたのに父さんと母さんは何もついてなかったな』

 

 『その事はまたあとで詳しく聞きたい!もしよかったら、今からボクたちの家に来れるかな? みんなと直接話したい!父さんと母さんはしばらく帰って来ないから大丈夫だよ!』

 

 全員から了承を得て、大急ぎで掃除機をかけ家の片付けを行う。

 その途中、蘭からある疑問を投げかけられる。

 

 「ねぇ、葵。なんであたしたちだけがこんな状態になったの?」

 

 「……わからない、誰の仕業とかも含めてね。あと十数分もしたらみんなが来るから、その時に詳しく話そう」

 

 「……わかった。二階の片付けやっとくね」

 

 みんなが来る直前に、ボクたちが普段使う場所の清掃を終えることができた。

 

 

 ピンポーン

 

 

 それと同時に家のチャイムが鳴り、みんなが来たことを告げられる。

 急いで玄関に向かい扉を開けると案の定、みんなは帽子を被るなりして頭の獣耳を隠していた。

 ただ、1人を除いてーーー。

 

 「やっほ〜! モカちゃん、到着〜」

 

 「あはは、モカちゃんはその獣耳を隠す気は全くないんだね」

 

 「葵くんも蘭も黒色なんだね! 2人ともお揃いで可愛い〜♡ モフモフさせて〜!」

 

 「う、うん。ほどほどにね?」

 

 ひまりちゃんに獣耳をモフモフされてる隣で、蘭はモカちゃんにある部分の疑問をぶつける。

 

 「モカ……尻尾はつけたままなの?」

 

 「まぁ、耳がこんなんだし〜? なんなら揃えちゃお〜みたいな?」

 

 「わ、わたしは絶対外でこんなの晒せない……」

 

 「アタシも流石にな……」

 

 「お店でこういうコスプレあるけど、私も恥ずかしくて着れないかな……」

 

 各々が話しながら廊下を渡り、いつもの居間に着き座布団に腰を下ろす。

 蘭が先陣を切り、口を開く。

 

 「それじゃあ、さっきグループチャットで言っていた2人の話を詳しく聞かせて?」

 

 「うん、私から話すね? 歩いてる途中もそうだったんだけど、お年寄りとか大人の人にはわたしたちみたいな獣耳はついてなかったの」

 

 「でも、あこには付いていたな。これらの事から言えるのは……」

 

 「この現象は、子供たちだけってこと?」

 

 「つぐみちゃんのいう通りだろうね。この事についての報道がないから、今日一日様子を見ようか」

 

 この現象についての結論が早々に出たところで、今日の本題に入る。

 ひまりちゃんが先陣を切り口を開く。

 

 「そういえば、昨日考えた漫画の事で今日集まったんだよね?」

 

 「あっ、そういえばそうだった!まさか、ボクたちが考えた世界がそのまま現実になるんだからビックリしたよ……」

 

 「モカちゃんはすごく幸せだよ〜? モカちゃんたちは今、漫画の主人公になりきれてるんだからねぇ〜♪」

 

 「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないぞ?」

 

 巴ちゃんの一言に、全員が笑顔で満たされる。そこで、つぐみちゃんが話を戻す。

 

 「昨日は物語のネタは決まって、詳しい内容はまだだったよね? 」

 

 「内容か……やっぱり、バトルがメインになるのかな?」

 

 「主人公には恋愛もして欲しい!」

 

 「主人公の親友が6人いて〜、一緒に冒険するとか〜?」

 

 「ライバルとか登場させたらあつくなるし、面白いかもなぁ!」

 

 漫画の主人公と同じ目線になることで、昨日でなかったアイデアが次々と溢れ出て来た。みんなの意見を、つぐみちゃんがノートに記し丁寧にまとめる。生徒会で培った力は伊達じゃない。

 

 夕方を迎えた現在では物語の構成を完璧に練り上げ、後は絵にするだけという段階に来ていた。

 

 「なんとかここまで来たね!」

 

 「絵はつぐみちゃん、ひまりちゃん、モカちゃんに任せるよ!」

 

 「葵くん、そこで相談なんだけどいいかな……?」

 

 主人公の絵を担当する事になったひまりちゃんがボクにある提案を持ちかける。

 

 「主人公の姿が全く頭に思い浮かばないから、葵くんをモデルにしてもいいかな?」

 

 「えっ!? ボクなんかでいいの?」

 

 「うん! これは葵くんにしか頼めないから……お願い!」

 

 ひまりちゃんはボクに両手を合わせ、必死に頭を下げてくれている。

 

 「それじゃあ……ボクでよかったらお願いしようかな?」

 

 「ありがと、葵くん! それでもしよかったら……ポーズとかとってもらって、何枚か写真に収めたいなぁって思ってるんだけど……いいかな?」

 

 「そ、それはちょっと……」

 

 「何言ってるの、葵?手伝うって言ったからにはちゃんと最後まで尽くさないとダメ」

 

 「そうだよ〜? あ、モカちゃんとお揃いの尻尾つけてあげるね〜?」

 

 「あっはは、モテモテだなぁ、葵〜」

 

 「あ、葵くん! ファイトッ!」

 

 「勘弁してよ〜! みんな〜!」

 

 それからボクは、あんな姿やこんな姿の写真を撮られることとなった。

 最後には全員で集合写真を撮り、この貴重な体験の締めくくりをし解散となった。

 

 今日撮られた写真は瞬時にAfterglowのグループチャットに送信され、ボクは辱めを受けることとなった。

 

 次の日になると頭にあった獣耳が綺麗さっぱり無くなり、元々あった耳に聴覚と痛覚が元に戻った。

 この獣耳化現象の真相を知るのは、まだ先の話ーーー。

 

 

 

 

 

 モカside

 

 今日一日の疲れを癒すべく、家に帰るとすぐに部屋に入り布団に飛び込む。

 

 「はぁ〜……今日もあーくん、面白かったなぁ〜」

 

 モカちゃんがやりたいことを実現し、みんなと一緒に同じことをやる。こんなに自由で楽しいことはそう無いんだろうなぁ……。

 

 ひーちゃんから送られた写真をふと覗いてみる。そこには、Afterglow全員の写真。そして、モカちゃんの尻尾をつけたあーくんの写真が数多くある。

 

 「可愛いねぇ〜♪ 思わず、ギュ〜ッてしたくなるよねぇ〜♪」

 

 これは恋愛とは別の感情だと思う。

 自分では分からないけど、あーくんに抱いているひーちゃんの想いとは少し異なる気がする。

 

 「ワンちゃんみたいに首輪つけて〜♪ 今日みたいに、獣耳とか尻尾とかつけて可愛がってみたいなぁ〜♪」

 

 

 そう、あたしがあーくんに抱いてる感情。それはーーー。

 

 

 「今すぐあーくん(きみ)を……飼い慣らし(しつけ)たい……♪」




いかがだったでしょうか?

モカちゃんのこの設定はかなり前から考えていて、ヤンデレアニメを見ていくうちに実装しようと決意する事にしました。

それでも、本人はヤンデレと自覚してませんが……。
モカ好きの方はごめんなさい!

次回もお楽しみに〜
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