私事が重なり、投稿が遅れて本当にすみません! しばらくは週一で執筆になりそうです……
そして、総UA数40000回を突破しました! ご愛読の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです!これからもよろしくお願いします!
長くなりましたが、本編スタートです!
高校生活が始まり半年以上が過ぎた。
季節は秋から冬に差し掛かり、中間服だった制服が完全に冬服へと移り変わった。3年生たちは大学の受験勉強で必死になっている頃だろう。
時は同じく、Afterglow全員で描いた漫画は入賞することもなく終わりを迎えた。残念そうにしているみんなをよそに、考案者であるモカちゃんは何だか嬉しそうだった。
少し疑問だったので本人に聞いてみた。
「……え〜、なんでって〜? う〜ん、そうだね〜……」
モカちゃんはしばらく考えた後、満面の笑顔で答えてくれた。
「
モカちゃんが満足してるなら良かった、とボクたちは一安心。
『みんなと何か同じことをする』というのは、随分久しぶりな気がする。モカちゃんもそれを察して、今回のマンガ制作を提案したのかもしれないーーー。
「1週間後には文化祭が始まります。もうすぐですので、早め早めの行動を心かげてください」
羽丘学園の文化祭は、模擬店からステージ演出まで非常に本格的だ。
各クラス1つのみ出店及び出演できる模擬店・ステージ演出の総合点で優勝を決め、優勝クラスには豪華商品が送られるからだ。
模擬店やステージ出演……いやらしいまでの集客力、経営手腕を見せる生徒も珍しくない。
クラス全体で模擬店とステージ演出をこなすのも可能だが、時間と労力が限りなく浪費する為これを実行するクラスは滅多にない。
模擬店を全員でやり、ステージ演出をクラスの代表何名かでやるのがセオリーだ。
ボクたちA組は後者のやり方を取り、甘味処の出店を決めた。理由は……自分で言うのもなんだけど、クラスのみんながボクと蘭の和服姿が見たいかららしい。
今日は一日中、文化祭の準備に使える日となっている。今は調理室を借りて、ボクと蘭が中心となり和菓子作りを行なっている。
甘味処で提供する和菓子も、看板も、テントもまだまだ未完成。
急がなくてはーーー。
「美竹くん! 生八つ橋の作り方教えて!」
「私はぜんざいの作り方教えて!」
「はーい!すぐ行くからちょっと待ってて!」
クラスの女の子たちに断りを入れて、チラチラとこっちを見てる蘭のもとに駆け寄る。
「ねぇ、蘭。ステージでやるダンスのことなんだけど……」
「昼休みに体育館のステージで練習でしょ? ……あんまり無理したらダメだよ」
「う、うん。それと……昨日はごめんね」
「あたしは大丈夫、気にしないで。むしろ指摘してくれて嬉しかったんだし……ね?」
実は、昨日ボクはテーブルの上に置いてあった蘭が作った和菓子を勝手に食べてしまった。おまけに、その和菓子の食べた感想を蘭に聞かれてしまった。
相当の自信作だったのだろうか……取り繕ったような笑みを浮かべて、感想を言ったお礼をされたけど……。お互い、決して心地よいものではない。
「美竹くん〜? まだ〜??」
「呼んでるみたいだし、ボクは向こうを手伝ってくるね!」
「あたしは教室の看板作りの方を見てくる。和菓子作りの方は、葵に任せるね」
蘭はそうボクに告げ、エプロンを脱ぎ1年A組の教室に向かった。
その後ろ姿に、いつもの勇ましさが全く感じられなかったーーー。
あれから数時間が経過し、和菓子作りがひと段落ついた。
教室の様子を見に行こうと廊下を歩いていると、文化祭で使うであろう衣装をまとったモカちゃんとバッタリ遭遇した。
「あ〜、あーくんだ〜。やっほ〜♪」
「どうしたの、モカちゃん? こんなところで」
モカちゃんは顎に手を置きしばらく考えた後、満面の笑みで答えた。
「ん〜とね、あーくんにお願いがあってきました〜」
「ボクにお願い? 演劇の練習の手伝いかな?」
「せいか〜い♪ モカちゃんはね、犬の飼い主役になったから、あーくんに犬の役やってほしいなぁと思って」
「……ボクに拒否権はないの?」
「ん〜とね……モカちゃんの犬にそんな権限な〜い♪」
ボクは半ば呆れ気味に承諾し、ボクたちは誰もいない屋上に移動した。
「具体的には、ボクはどんな台詞があるの?」
「ん〜とね、『ワンッ!』って元気よく吠えるだけ〜♪」
「まぁ犬だからね……そんなことより、ボクが犬のコスプレする意味はあるの?」
それは先月発生した、獣耳化現象を彷彿させるかのような衣装……正直、モカちゃんからは悪意しか感じられない。
「まずは形から入らないとね〜♪それじゃあいくよ〜。あーくん、お手!」
「ワ、ワンッ(断ればよかったな……)」
「よくできました〜♪ じゃあ次に、こっちおいで〜!」
「ワ、ワンワンッ(早く終わりたい……)」
「偉いね〜♪ じゃあ最後にあーくん、キス!」
「ワ……え?」
「こら〜、あーくんはモカちゃんの犬なんだから、ご主人様の言うこと聞く〜」
モカちゃんは自分の腰に手を当て、むぅ〜っと頬を膨らませている。モカちゃんは昔からこうなったら、蘭並みに頑固になる。
ボクが近付くと、モカちゃんは元の顔に戻り膨らませていた頬をボクに差し出した。とりあえず、ふりでこの場を凌いだ。
「あーくん、ちゃんとキスしてない〜。まぁ、ひーちゃんがいるし仕方ないか〜……」
「はぁ、やっと解放される……」
「じゃあこれが本当の最後ね♪ あーくん、
「それだけは絶対ヤダ!!!」
ボクはつけられていた耳と尻尾を外し、一目散にモカちゃんから距離を取る。
「あーくん、逃げちゃった〜……まぁ、あーくんをちょっとだけ飼いならすことができたしいいや〜♪」
モカちゃんは満面の笑みを浮かべ、こう告げた。
「練習付き合ってくれてありがと、あーくん♡」
こうして、モカちゃんは屋上を出る。
この後すぐに巴ちゃんに、モカちゃんのことを話すと犬を飼う人間の役なんて出てこないらしい。
モカちゃんの考えてることは、一体何なんだろうかーーー。
それからあっという間に1週間が過ぎ、羽丘学園文化祭が開催された。
ボクと蘭は、みんなの希望通り家から着物を持って来てそれを着用する。
A組から歓喜の声が上がり、それが他クラス、他学年にもボクたちの噂は流れていった。
ーーーA組の甘味処は、たちまち大盛況。
ボクたち2人の着物姿を見ようと、お客様が殺到。また、美竹家の本格的な和菓子を含めて話題を呼んだ。
「ひまりちゃん、参上〜☆」
「葵〜、蘭〜、食べに来たぜ!」
「モカちゃん、到着〜」
「2人ともお疲れ様!すごいお客さんだね!」
開店してしばらくすると、Afterglowの面々も来てくれた。午後からやる、ステージ演出の演劇で使う衣装を着てのご来店だった。
「みんな、いらっしゃい!」
「キャ〜〜♡ 葵くんカッコいい!!写メ撮らせて〜!!」
「じゃあ〜、モカちゃんは蘭と撮る〜♪」
「ちょっと、モカ!? 近いからもっと離れて……!
その後も、全員で写真を撮るなどをして演劇の準備へと向かった。
数分すると、少し意外なお客様が来店した。
「美竹さん、美竹くん、調子はどうかしら?」
「湊さん……! 来てくれたんですか?」
「雄樹夜さんも……! ご来店ありがとうございます!」
「すごい噂だったからな、お互い興味が湧いて来てみた。ほかのRoseliaメンバーも、もうじきくるはずだぜ」
「それは感激です! ボクたちが作った和菓子、気に入っていただけると嬉しいです」
雄樹夜さんはうっすらと笑みを浮かべ、オススメの生八ツ橋を購入してくれた。
友希那さんも同じものを買ってくれ、喜んで食べてくれていた。
午前の部が終了し、ボクたちの甘味処は全体で暫定2位。しかし、1位の3年生とは僅差。まだまだ逆転の可能性は残されている。
勝負は午後から始まるステージ演出だーーー。
いかがだったでしょうか?
すごい中途半端に終わったのは、次が30話なのでキリがいいかなぁと……思っただけです笑
次回、文化祭を通して蘭に異変が……??
次回もお楽しみに〜