Afterglow 〜夕日に焦がれし恋心〜   作:山本イツキ

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本当にお久しぶりです、山本イツキです!

私事でなかなか執筆できず、本当に申し訳ありませんでした……

そして総UA数45000回、お気に入り数350を突破しました!

これからもご愛読、よろしくお願いします!


第30話 仲良し姉弟の おこちゃま大戦争

 ボクたちA組の甘味処は大盛況の甲斐があって、全ての品を完売し全学年合わせて暫定2位。

 校内放送でこの事が告げられ、ボクたちは歓喜と達成感で満たされた。

 体育祭でのリベンジを果たすべく、午後からのステージ演出に挑むーーー。

 

 

 

 

 

 「大変長らくお待たせしました!文化祭第2部、全学年生徒によるステージ演出の始まりです!」

 

 体育祭と同じアナウンスの人がステージ演出の開催を告げる。

 

 羽丘学園の体育館で行われるステージ演出は、この文化祭の目玉ということもあり非常に注目されている。

 羽丘学園の全生徒に加え、今日来場したお客様全員をこの体育館が埋め尽くす。

 

 ステージ演出の内容としては

 1.学年及びクラス別の出し物

 2.ミス・ハネオカ

 3.結果発表

 となっており、13時から始まり16時には終了する予定だ。

 1年生からステージ演出が始まり、2年生、3年生と続きクジ引きでクラスの発表順は決まっている。ボクたちA組は5番目、モカちゃんたちB組は1番目となっている。

 

 「それではまず、一年生の部から参ります! 初陣を飾るのは1年B組の演劇です!」

 

 ステージの幕が上がり演劇が始まる。

 劇の内容としては、"塔の上のラ◯ンツェル" を少しアレンジしてミュージカルのように仕上げている。

 

 役としてはつぐみちゃんがナレーション。

 

 「誰もいない森の奥。そこにそびえ立つ塔に、桃色の髪をした少女がいました。その女の子の髪には不思議な力が込められておりーーー」

 

 長いセリフも、全く噛むことなく語り切る。喫茶店での接客や生徒会の活動で、ますます『話す能力』が磨かれていた。

 

 主人公役はひまりちゃん。

 

 「明日はわたしの誕生日……一度でいいからこの塔を出てみたい……」

 

 健気で、か弱い女の子を表現するその演技力は観客の心を魅了する。

 髪も本来と同じく仕様になっていて、自分でその髪に足を滑らすことが多々あり、笑いに包まれることもあった。その時に見せるひまりちゃんの笑顔はなんというか……素直に可愛い。

 

 主人公の義母役のモカちゃん。

 

 「ふっふっふ〜、ひーちゃ……ラ◯ンツェル! あなたはこの塔から一生出られないのだ〜」

 

 どんな役を演じようと、モカちゃんはモカちゃんだった。途中、モカちゃんが歌うシーンがあり、カラオケで聞いた真剣な歌声でミュージカルを作り上げていた。

 観客も、本来と違うのんびりとした義母から発せられたその歌声に驚きの声が湧き上がった。

 

 主人公のプリンス役の巴ちゃん。

 

 「あっはは、男には所詮、嘘の評判だけしか無いことを覚えときな。お嬢ちゃん」

 

 元から男口調な上に、性格もイケメンなのでまさにピッタリな役と言える。おまけに、身体に抵抗がない……と言ったら蘭以上の鉄拳が飛んできそうなのでこれ以上はよそう。

 最後のキスシーンも……振りだろうが、舞台裏にいる僕の方に目線を向け謝罪の意を示していた。大きなお世話だ、全く。

 

 無事に演劇が終わり、幕が降りるーーー。

 舞台から降りてきた4人にボクと蘭は激励の言葉をかけに行く。

 

 「みんな、おつかれっ」

 

 「凄かったよ! ボク、すごく感動した!」

 

 「モカちゃんにかかればこんなもんだよ〜」

 

 「な、なんとか噛まずにナレーションできたよ」

 

 「わたしも! 髪長いからすっごく大変だったよ!」

 

 各々がさっきの演劇の感想を言ってる中、王子様役をしていた巴ちゃんが遠慮気味にボクを見ていた。

 

 「……なぁ、葵。怒って……ないかな?」

 

 「え? なんで?? 巴ちゃんにしか務まらない役をよくこなしてたと思うよ!」

 

 「そうじゃなくてさ……その……」

 

 巴ちゃんの言葉を察したのか、モカちゃんが切り込んできた。

 

 「あ〜、さてはトモちん。ひーちゃんとのキスシーンで謝りたいのですな〜?」

 

 「え!? そうなの!?」

 

 「まぁそうなんだけどな……あれはフリじゃなくて結構ガチなんだよ」

 

 「フリじゃなかったの!?」

 

 「わたしもビックリしたよ! 台本にはフリだって書いてたのに急にさ〜っ!」

 

 「あれはつい……な。この通りだ! 許してくれ!」

 

 巴ちゃんは両手を合わせ、頭を下げている。

 

 「ひまりちゃんに謝ったほうがいいと思うけど……?」

 

 「ひまりには、今日の帰りにコンビニスイーツ奢ることで手を打ったぜ?」

 

 「あ、そうなんだ……。まぁひまりちゃんがいいならいいんだけど」

 

 「ホントか!? ありがとな、葵!」

 

 巴ちゃんはキラキラと輝く満面の笑みを見せ、B組のみんなと共に客席に戻ったーーー。

 

 

 

 

 

 次々と一年生のステージ演出を終え、ボクたちの出番が近くなった。

 更衣室で着替えを済ませ、出演者待機室で蘭を待つ。ほんの数分したら、更衣室から蘭が衣装をまとい出てきた。

 

 「おまたせ、葵。……似合ってるじゃん」

 

 「蘭もだよ!この衣装を作ってくれた子に感謝だね!」

 

 ボクたちは、着物からクラスの子たちが作ってくれた衣装にチェンジした。

 某人気ボーカロイドの衣装を真似て作ってくれたのだが……その完成度は非常に高い。

 ボクたちの前のクラスのステージ演出が終わり、アナウンスがかけられた。

 

 「それじゃあ、A組のみんなの期待に応えられるように」

 

 「体育祭の借りを返せるように」

 

 「「いつも通りいこう!」」

 

 二人で顔を合わせて笑みを浮かべた後、ステージに立ちスタンバイするーーー。

 

 

 

 

 

 「一年生の部で最後のステージ演出となります! 1年A組の美竹姉弟による双子ダンスです!」

 

 ステージの幕が上がり、照明がボクたちをパッと照らす。

 直後、体育館は歓声に包まれた。衣装の完成度に驚く人。ボクたちの格好に驚く人。

 人それぞれだが、出だしは好調。あとはミスせずに演じきるだけだ。

 

 「1年A組の美竹 葵です! 歌いながら踊るので多少のミスが生じると思うので、温かい目で見てください!それでは、音楽お願いします」

 

 紹介が終わり、ボクたちが踊る曲「おこちゃま戦争」が流れる。

 今回の双子ダンスを提案したのは他でもない、蘭である。クラスのみんなに深々と頭を下げ、体育祭の借りを返したいという蘭の思いが伝わり、満場一致で決定した。

 

 約1ヶ月半の猛練習を経て、ボクと蘭はステージを華麗に演出するーーー。

 

 この曲には終盤になると、兄弟でそれぞれの愚痴を言い合う歌詞がある。本来なら、原曲通りの予定だったが直前に蘭から「オリジナルでいこう」という提案があった。

 

 1番、2番と差し掛かり終盤にまでもつれ込みボクたちのオリジナル歌詞を披露する。

 

 「蘭はいつも頑なに自分の主張をぶつけるから父さんと揉めるんだよボクがいつも仲裁に入っていることにもう少し感謝してほしいよ家事も全部ボクに任せてもういっそのことボクが今日から兄だからね」

 

 「葵はそうやっていつもいつも一人でなんでもやろうとするからあたしはいつも心配してるんだよあとあたしは姉として言ってるだけだからそれだけだからモカたちも言ってたよもう少し頼ってほしいって」

 

 「「あ゛ーもう!うるさい!(決定! 絶対決定!)」」

 

 そう言い終わった後に、蘭はマイクから口を離しボクだけに聞こえるようにそっとあることを告げる。

 

 「それでも……あたしは葵のこと大好きだよ……/// これからもよろしくね」

 

 あまりに唐突だったので何も返事をすることはできなかったが、後で自分の気持ちを伝えようと思う。日頃の感謝を込めてーーー。

 

 

 

 

 

 「それでは結果発表を行います! 栄えある第1位は……1年A組です!!」

 

 そのアナウンスと共に、ボクたちA組は歓喜に包まれた。ボクと蘭もなんとか使命を果たすことができ一安心。他クラスの人からも祝福を受け、蘭と共に賞状とトロフィーを受け取った。景品は放課後のお楽しみ……。

 

 同時に、ミス・ハネオカの結果発表も行われた。模擬店、ステージ演出での合計点と関係ないが、個人賞として貰える景品の価値はクラスの優勝で貰える景品以上の代物だという噂がある。

 ボクの知り合いで出場したのは、Roseliaのベース担当のリサ先輩と我らがAfterglowのベース担当ひまりちゃん。

 

 結果は他の女子を差し置いて、リサ先輩がぶっちぎりで2年連続の1位となった。リサ先輩らしい明るい色合いで整えられた服装は、会場の人の心を鷲掴みにした。

 ひまりちゃんも負けじと、ピンクと黒を基調とした服で挑んだが結果は3位。本人は悔しそうにしていたが、上級生相手に大健闘したと言えるだろう。

 

 文化祭後の帰り道ーーー。

 

 「わたし、ちゃんとコーディネート出来てた? 葵くん?」

 

 「うん! 誰がなんと言おうと、ひまりちゃんが1番だったとボクは思うよ!」

 

 「ホントに!? よ〜っし、来年は絶対リサ先輩に勝つぞ〜!!」

 

 「ヒューヒュー、二人共、みんなの前でおあついですな〜」

 

 「そうだぞ、モカ? 桃色の髪のお姫様が困ってるだろ?」

 

 「可愛かったよ、ひまりちゃん!」

 

 「ちょっと!? 茶化さないでよ〜!」

 

 四人のやりとりをしてる横で、ボクは蘭に近づいた。

 

 「ねぇ、蘭? ちょっといいかな?」

 

 「……なに? どうしたの?」

 

 文化祭のステージ演出で蘭がやったように、蘭にだけ聞こえるようにボクの気持ちを伝えた。

 

 「いつもボクの事を支えてくれてありがと! ボクも蘭のこと、大好きだよ/// 」

 

 蘭にそう告げ、みんなの会話に混ざる。

 

 「あーくん、蘭となに話してたの〜??」

 

 モカちゃんの質問に対しボクは、金色に輝く夕日をバックに満面の笑みで答えた。

 

 「二人だけの秘密♪」

 

 ボクはみんなにそう告げたが、特にひまりちゃんから質問責めにあった。

 その後ろで何も言わずに歩いている蘭の顔は、今出ている夕日よりも赤かった。

 そして、ふと目が合うと蘭は、その夕日よりもキラキラと輝く笑顔をボクだけに見せてくれたーーー。

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

久々の執筆であんまりまとまってないかも……感想等、聞かせていただけると幸いです!

次回は、ひまりちゃんと……!?

それでは、お楽しみに〜
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