Afterglow 〜夕日に焦がれし恋心〜   作:山本イツキ

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どうもっ! 山本イツキです!

オリジナル設定のタグをつけてなくて、皆さんには多大なるご迷惑をおかけしました…。

今更ですが、この話はオリジナル展開が多く含まれています!
原作とは少し違いますがオリジナルなので、気にせず読んでいただけると嬉しいです!

本編では、新章開幕でいよいよ蘭たちが高校入学です!

友希那先輩も少しだけ登場します!

長々となりましたが、本編スタートです!


第2ステージ 新たな出会いとの始まりを告げる 魂の音楽
第8曲 始まりを告げる蕾 咲き乱れる桜


 桜が咲き乱れる並木道。雲一つない空から照らす陽の光は、まるでボクたちの高校入学を祝福するかのようだ。

 

 「蘭、ちゃんと荷物持った〜?」

 

 「持ったって言ってるでしょ。母さんと同じこと聞かないで…」

 

 ーーあれは数十分前。

 最近の蘭は、生活習慣が改善され以前より体調がよさそうに見える。

 入学式の準備を済ませ、家を出ようとしたその時、母さんが慌てて駆け出してくる。

 

 「蘭! 葵! 忘れ物はない?」

 

 「大丈夫だよ、母さん。昨日、葵と準備済ませたから」

 

 「ならいいのよ、でも二人のことだから何かありそうで…」

 

 「そんなに心配しなくても、ボクたちもう高校生だよ?」

 

 「お母さんにとったら、二人はまだまだ子供なの!」

 

 母さんに続き、父さんも玄関にやってくる。

 

 「入学式には行ってやれんが、美竹家の人間として恥のないように振る舞いなさい」

 

 「わかってるよ、お父さん。それじゃあ行ってきます」

 

 「お昼には帰るから、それじゃ」

 

 二人に背を向け、ボクたちはみんなとの集合場所である羽丘神社へ向かう。

 

 ーー時は戻り現在。

 

 「母さんって、たまに過保護になる時あるよね。父さんはいつもだけど」

 

 「ほんとっ、もう子供じゃないのに」

 

 「それもそうだね!それでも、父さんたちはボクたちのことを大事に育ててくれてるんだよ?」

 

 「それは分かってるけどさ…もう少し信用してくれてもいいんじゃないかなって思う」

 

 「まだまだボクたちは危なっかしいからね。特に蘭が」

 

 「ちょっと! 私だけじゃないでしょ!」

 

 拳を握り、また殴られると思いきや蘭は急に笑い出した。

 

 「……何がおかしいの?」

 

 「いや…なんか、このやり取りが面白くてさ」

 

 ここ最近の蘭は、自然と笑みを浮かべることが多くなった。

 蘭自身、高校の3年間が楽しみで仕方ないように見える。それは、" Afterglow "としてみんなとバンドができる事が一番の要因だろう。

 

 近所の小さな公園を通り過ぎようとした時、同じ高校の制服を着た女子高生がベンチに腰掛けていた。

 淡い紫色の長い髪を春風になびかせるその姿は、蘭と似た可憐さを感じる。

 

 「…すごい綺麗な人」

 

 普段は人の容姿を気にしない蘭も、彼女の姿に見惚れているような顔をしている。

 

 するとそこに、一匹の野良猫が茂みの中から出てきた。白をベースとした体毛に茶色の模様を浮かべたその猫は、ベンチに腰掛けいた女子生徒の膝の上でくつろぎ出した。

 

 「…どうしたの? にゃーん……ふふっ、にゃーんちゃん可愛いね」

 

 「「……か、可愛い」」

 

 二人とも、心の中で思っていた事をつい口に出してしまう。それほど驚いた出来事だったのだ。

 ボクたちの声に気づいたのか、膝の上にいた猫を抱いてその女子高生は近づいてきた。

 

 「あなた達は…新入生?」

 

 「はい! 中学から羽丘に通ってました、美竹 葵と言います。双子の弟です!」

 

 「同じく、双子の姉の美竹 蘭です」

 

 「あなた達は双子なの? 通りで似てると思ったわ。私も似たような人がいるから…」

 

 「似たような人って?」

 

 「…生まれた頃から育った、義理の家族。同い年なんだけどね」

 

 「なるほど…これ以上は聞かないようにします。お兄さんも羽丘高校に?」

 

 「えぇ、男子が少ないっていつも嘆いているわ」

 

 「確かにそうですよね! ボクの学年も5人しかいないですし…まだ、女子校だったって言うイメージが強いんでしょうね……」

 

 「確かにそうね…あ、もうこんな時間。友達をまたしてるからここで失礼するわ。遅くなってしまったけど、入学おめでとう」

 

 「はい! ありがとうございます!」

 

 彼女は猫を抱えたまま、その友達が待つ場所へと向かう。

 …まさか、学校まで連れて行くつもりではあるまいか?

 

 「そういえば、あの人の名前聞いてなかったね」

 

 「まぁ、同じ学校なんだしきっとまた会えるよ! 」

 

 ボクたちは、新しい出会いへの喜びを噛み締めながら、みんなが待つ羽丘神社前まで駆けていく。

 

 

 ボクと蘭が着く頃には、他のメンバーが集合済みだった。

 …またひまりちゃんに何があったか問いただされたが、蘭の準備が遅れたと言う事で許してもらった。(ごめん…蘭)

 

 神社前から徒歩で20分程の羽丘学園までの道のり。

 ボクたちは、新たな出会いとの学校生活が楽しみで仕方がない。

 

 ーー入学式という看板が目立つ正門。

 桜が満開に咲いている中庭。

 遠くから見ても分かる、綺麗に清掃された校舎の外装。

 

 

 ボクたちの高校生活が今始まるーーー。

 

 

 中学から知っている人が多いとはいえ、かなりの大人数。外部から受験して来た人もいるため、知らない人も当然いる。

 1クラス40人でAからEクラスまである為、新入生だけで200人。上級生たちも入学式と同時刻に、別の体育館で始業式がある為、全体で約600人。

 

 ……そして、先程も言ったようにこの学校は男子の数が圧倒的に少ない。ボクが小学6年生の時に共学に変わった。それは、近年問題となっている少子化の影響だろう。

 

 「うわ〜すごい人の数…。みんな、迷子にならないでねぇ〜!」

 

 「全員で手をつないでいけば迷子になることはないと思うぞ?」

 

 「え…!? それは流石に、ボクは恥ずかしいよ〜……」

 「あーくん、覚悟を決めるのです〜」

 

 ボクはモカちゃんに引っ張られるように。そして、みんな手を離すことなくクラス発表されてる巨大な紙の前まで辿り着いた。

 

 「えぇ〜っと、アタシのクラスは…B組だな。お! ひまりと一緒じゃん!」

 

 「ホントだ! モカとつぐも一緒だよ!」

 

 「良かったぁ〜…知ってる人と同じクラスになれて…」

 

 「モカちゃんもだよ〜」

 

 「あたしは…葵と一緒なんだね。ほら、A組」

 

 「ホントだ! 蘭と同じクラスなんて初めてだなぁ!」

 

 「双子ってよくクラス外れるのに、すごい運だね! 二人とも!」

 

 こうして、ボクたちは各々のクラスに行くため一旦解散する。

 ボクの席はと言うと…校舎側の窓が一番近い一番後ろの席。男子は…クラスでボク一人……。

 蘭は、ボクの席4つ前。何やら憂鬱そうに何も書かれていない黒板を眺めている。

 

 しばらくすると、担任の女の先生が教室に入ってきて入学式の説明を簡単に行う。

 入学式自体、校歌を斉唱して、名前を呼ばれたら起立して元気に返事をする。最後に在校生と新入生の挨拶という内容だったので割愛させてもらう。

 

 あっという間に入学式も終わり全員が教室に戻った後、時間が余ったとのことで自己紹介することになった。

 苗字が、あ行の人から始まり数十分後に蘭の出番が来た。

 

 「えっと…美竹 蘭です。羽丘中でした。最近友達とバンド始めました。その…よろしくお願いします」

 

 クラスのみんなが「カッコいい!」とか「すごいな〜!」などを言ってる中、蘭は一切表情を変えない。……学校ではいつもこうだ。

 蘭の後の3人が自己紹介した後、最後であるボクの番が来た。

 何やら緊張してる様子に見えたが、何も動じずに振る舞う。

 

 「美竹 葵です!羽丘中で、サッカー部のキャプテンやってました!趣味はファッション誌のチェックです! ちなみに、4つ前に座ってる美竹 蘭はボクの双子の姉です!短い間ですがよろしくお願いします!」

 

 元気にハキハキと、美竹家の名に恥じない自己紹介を自分でもできたと思う。

 クラス内では、「凄い似てる!」とか「ファッション誌のチェックって可愛い!」とかいろんな意味で歓声が上がっている。

 これでボクは、男子がいなくてもこのクラスでやっていけそうだ。

 

 時間はあっという間に過ぎ、昼前に学校が終わった。同時刻に、B組のみんなが出て来て一緒に廊下を渡る。

 

 「自己紹介キンチョーしたな!」

 

 「巴ちゃん、堂々としてたよ! 私は少し噛んじゃったけど…」

 

 「つぐ〜、面白かったよ〜」

 

 「わたしも、何人か友達できたから満足〜!」

 

 思いの外、みんなも大丈夫そうだ。一番の不安は蘭ただ一人…クラスに馴染めそうな雰囲気が全くない。

 

 「蘭はどうだったんだ? 新しいクラス」

 

 「……ん、いつも通りかな」

 

 「少しは愛想よくしたほうがいいよ? 蘭は勘違いされやすいからね」

 

 「そこは、ボクがカバーしたから大丈夫!」

 

 「あたしたちが双子って言っただけじゃん」

 

 「二人とも暗い性格の持ち主とか思われたくないじゃん!蘭ももう少し、人前で笑えたら変われると思うよ! ほら、笑って!」

 

 「……みんなの前以外では笑わない」

 

 「全く…蘭は頑固だよなぁ」

 

 巴ちゃんの一言で全員が笑い出す。

 こんなに素敵に笑えるのに、なんでそんなにクラスの中では孤立したがるの……蘭??

 

 「明日も早く学校終わるし、みんなで楽器屋行かないか? せっかくバンド始めるんだし、見ておく必要があるだろ?」

 

 「うん! それ賛成! それじゃあ、学校終わってご飯食べたらどこかで待ち合わせて行こっか!」

 

 「それもそうだね、巴ナイスアイデア」

 

 「明日は喫茶店のお仕事ないから行けるよ!」

 

 「モカちゃんも行きたい〜。あーくんも来るよね〜?」

 

 「もちろん!ボクも " Afterglow " の一員だからね!」

 

 こうして、明日もいつも通りみんなと集まる約束をして校舎を出る。

 

 降り注ぐ陽の光を浴びて、友情という結晶は今日も一段と輝きを増す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

友希那先輩は少し特殊な設定にしてます。また、キャラの設定を活動報告で出すので見ていただけたら嬉しいです!

蘭も中学時代に何があったんだろうね…今回は少し、謎が残る回になりました。

次回は、少しだけバンドの活動をします!
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