早速ですが、2月に提出の入学のための課題があるので2月頭まで投稿ができません。
首を長くしてお待ちください。
FGOが2部で終わりFGO2が始まる!!憶測が流れていますが、バンドにならなければおけ。
”フォレス・ガロ”の移住区画。
今回の”ギフトゲーム”に参加する四人、ジン=ラッセル、久遠飛鳥、春日部耀、織田信長は準備を万端に終え送られてきた”ギフトゲーム”のルールに目を通していた。
ギフトゲーム名”ハンティング”
・プレイヤー一欄 織田 信長
久遠 飛鳥
春日部 耀
ジン=ラッセル
・クリア条件 本拠地にいるガルド=ガスパーの討伐。
・クリア方法 ホスト側が指定した特定の武具でのみ討伐可能。指定武具以外は”
敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
指定武具 ゲームテリトリーにて配置。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗をホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。”フォレス・ガロ”印
参加者含め全員が目を通したところで信長の口からため息が出る。
「指定武具のぅ・・・自分の命を絶対的に守るとはアッパレじゃな」
「なっ、何をそんな悠長な事を!これは十六夜様のような強大な力であっても、参加者であるのならば破ることの出来ない”
黒うさぎはうさ耳を真っ赤に染めながら激昴していた。
それも仕方がない、
今回の”ギフトゲーム”では、ガルド自身の命がゲームを終わらせる唯一の方法にして、そのガルドを倒せるのは指定武具のみ。春日部耀の他の動物の力も、信長の銃の力も致命傷どころか傷すら付ける事は出来ない。
こちらがどんな策を用意していたとしても簡単に打ち砕く事のできる最善の一手であるが、逆に最悪の一手でもある諸刃の剣であった。
もし、万が一ガルドが討伐された場合それこそ彼の指揮していたコミュニティは、統率者を失い崩壊するだろう。だからこそ彼は負けられない、慢心も一つもない強敵であろう。
そんな中一人疑問に思っている者がいた。
(おかしい、あのガルドが自分の命を危険に晒す?昔の彼であればあるいはあったかもしれないけど、今は精々幹部の命ぐらいのはず・・・第三者の介入があった?となると、このゲーム一筋縄じゃいかない。昨日の十六夜さんの件もあるんだ負ける訳にはいかない)
この決戦の一日前、女子組がお風呂でイチャイチャしている中”フォレス・ガロ”のメンバーから襲撃があった。早期に発見した十六夜とその戦闘音を聞きつけたジンの手により収拾は付けたが、十六夜の発言が絶対に負けないと覚悟を決めさせていた。
『今回のゲーム負けたらコミュニティ抜けるわ』
千載一遇をかけて異世界から呼び出し、蛇神を容易く倒してしまう圧倒的な力を持つ逆廻十六夜。
この傾いた”ノーネーム”であろうと彼がいれば間違いなく持ち直せる。それどころか本当に魔王から名と旗印を取り戻せるかもしれないと期待してしまう程の力の持ち主。
そんな十六夜がもし抜けるような事があったら、今後”ノーネーム”は茨の道を進む事になってしまう。
それだけは絶対に阻止したいジンは以下にして指定武具の特定と入手をするかに思考を巡らせ始める。
(指定武具。候補としては弓や剣・・・他にも槍などもあるけど、指定武具にするにしては違う気がする。ゲームとして見れば分かるような武具のはず・・・となると剣が一番ありえるのかな)
ジンの考えついた答えは信長も同じであった。
(ふむ、指定武具の詳しい特徴なしか、獣を狩る武具であるならば刀一択。こちらの世界で言うならば剣だったな)
残るはその入手方法になるのだが、さすがにそこまでをノーヒントで捻りだせなど無理に等しい。
なので、その他の事は初めて探索をしてから決めようと脳内での意見は二人共大体まとまった。
参加社四人は門を潜り問題児達の初”ギフトゲーム”の幕が上がった。
ゲーム開始から数十分が経過していた。その間完全に退路の塞がれた移住区画では、大木のなぎ倒される音と獣の雄叫びだけが木霊している。
「死ぬぅ!それは死ぬぅっぁァぁ!」
走りながら身体を捻る。小さい身体のお陰で最小の捻りであっても獣の右腕の剛腕を紙一重で回避出来ている。
これが先程から何度も繰り返されていて四足歩行の白き虎──ガルド=ガスパーは苛立ちを吠える。
「GEYYAAAAAAAAA!!」
「ちっ、何度やってもやはり効かんか」
雄叫びにかまけている獣に銃弾を注ぐのだがやはりどこを狙ってもかすり傷一つつかない。信長の攻撃を手段は先程から一向にダメージを与えられず、逆にこちらの方が走り続けるなど限界が見え始めている。
とは言え足を止める訳には行かない。それこそ足を止めれば獣のエサになるのは目に見えている。
すぐに切り替え足を動かす。木々と木々の影に身を隠す事で小休憩をこまめに取りながら回避を続けるも、獣の嗅覚までは誤魔化せずすぐにバレてしまう。
「ならばする事はひとーつ!ふん、ほっ、やっ、てぇ!」
窮地に陥った信長に電流走る。逃げ道が無いならば作ればいいと。
銃を生成。それを階段のように空中に段差をつけて並べて足場を作り、一気に駆け上がる。
大体十〇m程地上から離れ、ガルドの一撃は届くワケもなく、空に駆け上がった信長を睨むように見上げる。
「くっはははは!ばーかばーか、獣ちゃんには来れないだろ?ぷぷぷ、来れるものなら来てみろぉ!まぁ、無理じゃよね是非もナイ」
安全地帯に逃げ込めた信長は下のガルドを煽りに煽る。現代においては絶対にやってはいけない煽り運転に近しい物を感じる。
上へ駆け上がるための足場は既に消去済みなので空へ上がる方法はガルドには無いはず、そう思い込んでしまった信長のミスだった
。
ガルドは姿勢を深く構え四本の足全ての筋肉が躍動する。
一瞬土煙が上がったと思うと上昇気流のような突発的な風が発生。足場が僅かにぐらつき、落ちないようにしゃがんだ瞬間──それら目の前に居た。
黄色く鋭い獲物を狙う瞳。全身を覆う白く怪しげな体毛。獲物を引き裂くため、狩り殺すため、嬲り殺すために研がれた爪。ガルド=ガスパーがそこに居た。
「うそーん」
「GEYYYAAAAAAAAA」
「緊急離脱!」
体重をかけていた足場を消す事で身体を重力に従い落とすが、すでに繰り出された攻撃は確かに信長を捉える。
自然落下より早く落ちるは銃をクッションにするために、空を見上げる体制を取り壊れやすい部分を背後に大量に生成する。
背中に銃の破片や砕いた時の痛みがあるが、何の準備もなく落ちるよりはマシと耐え続け、地面へ足をつける頃には背中の衣類は破け赤い鮮血がその白い柔肌に流れている。
すぐに虎は降りてくる。休む暇なく身体を翻し森へと駆けながら、こんな事になった理由を思い出す。