第六天魔王が異世界で暴れるようですよ   作:たこ焼き屋さん

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本当は後編で終わるはずだったんだ......

そんな事より八時三〇分より、レイド戦ですね。バルバトスの二の前にならないことを祈ります。


ギフトゲーム前夜【中編】

 平行世界またの名を『パラレルワールド』それは【もしも(if)】の数だけ世界が無数に広がっていることを示している。

 

 たとえば、世界を支配しようと画策する王を倒すか倒さないか、もっと分かりやすく言えば織田信長が本能寺で死んだか死ななかったのか、この事柄によって後の世界は変化していく。

 

 一つの世界を選べばもう一つの世界に干渉は出来ず、選んだ世界で生きていく他にない。過去にした選択は二度と消す事は出来ない。

 

 しかし、″箱庭″に″平行世界″(パラレルワールド)ではなく″立体交差並行世界論(パラレルワールド)″なので、交わるはずのない世界は交わり合い江戸時代の武将、紛争時代のご令嬢、人間とは不釣り合いの力を持たされてしまった高校生、父からギフトを授けられた少女。

 

 四人とも時代は別々でありながらここ″箱庭″にて交わってしまう。

 

 

 

「なるほどな...ぱらそるわーるどか」

 

「パラレルワールドです」

 

「横文字は些か苦手じゃ。もっと分かりやすく説明せい」

 

「次からはそうします」

 

 

 

 現在ジンと信長の二人は着替えを終わらせたと同時に大急ぎで黒うさぎ達との合流を目指している。

 

 なんでも″ギフトゲーム″前には絶対に自分の力について鑑定しておいた方がいいとの事だ。戦国時代に生きていた時にはあんな奇天烈な銃を取り出す力など持っていなかった。その事もあり拒否することなくしぶしぶ鑑定をすると決めた。

 

 だが、弱小コミュニティの″ノーネーム″にすぐに鑑定するすべはなく、色々世話になっている彼女に頼る他にない。

 

 

 

「して、そやつは何なのだ」

 

「白夜叉様、白夜王なんて昔は呼ばれていた元魔王です。自身の権能をいくつか封印して、今の安定した地位を確立していますがそれでも実力は東側の最強。そのため、東側の″階層支配者(フロアマスター)″をしています」

 

 

 

 曰く、白夜の精霊であり、夜叉の神霊。

 

 ″白き夜の魔王″と恐れられ太陽と白夜の精霊。産まれながらの魔王であり、その身には人類が乗り越えるべき″人類最終試練(ラストエンブリオ)天動説″である。

 

 過去三度敗れ、一度目の敗北で世界に昼と夜が産まれ、二度目の敗北で太陽の区分が三つに分かれ、三度目の敗北で″天動説″の霊格そのものが砕かれたとされている。

 

 人類は″天動説″とは別の″地動説″を作り上げた事により、その霊格は縮小している。が、人類から観測できる中での否定であり真の意味で否定出来たわけではない。

 

 

 

「ならば神というわけか」

 

 

 

 知識としては知っていても教えるにはまだまだ早いジンの拙い説明であってもその結論を導き出す。

 

 白夜叉は太陽を司る太陽神にほかならない。現に太陽の主権を十四個保持している。

 

 神である。神なのである。空想上と馬鹿にしコケにし信じて来なかった神との対面が出来るのだ。

 

 誰しもが一度は考えた事はあるだろう。神がいるならば一度は会ってみたいと、信長も同じく会ってみたいと考えていた。『神を殺す』が後に付くことになるが。

 

 必然的に駆ける足の速度はどんどん上がっていく。早く会いたい、早く逢いたい。砂埃を大きく巻き上げ進む──

 

 

 

「そっちじゃないです」

 

「くぅ早く言わんか!ワシが迷ったみたいでダサいではないか!」

 

「そんな速度で移動されたら注意も遅れますよ」

 

 

 

 いきなり出鼻をくじかれる結果になったが大きな支障はないと思いたい。

 

 

 

 

 

 かなり急いだおかげかそう時間はかからずに″サウザンドアイズ″の東区店にたどり着いた。

 

 信長からしたら時期外れの桜が咲いている街路に大きな川。建物は三階建ての木造建築と、どこか生きていた時代に似ている箇所があり安堵感に近い何かがある。

 

 

 

「はぁ...はぁ...もう無理...じゃ......死ぬぅ」

 

 

 

 あの後も結局五回道を間違え無駄な体力を大量に浪費した。そのおかげで息は乱れに乱れ深呼吸で落ち着かせるのにも一苦労である。

 

 隣でへたり込むジンも同じようで汗だくになりながら必死に酸素を取り入れている。

 

 

 

「.........帰っていいですか」

 

「ダメじゃ!」

 

「ダメです!」

 

「ですよね...はぁ、既に御四方は入られてますのでどうぞこちらへ」

 

 

 

 休憩をとるまもなくせっせと建物の中へと押し込まれていく。

 

 中はと言うとどこか日本的な要素が多く見られる。店員の来ている和服や掛け軸に障子などなど、外観もそうであったが内装を見て懐かしと思う。

 

 久々の自国の面影に鑑賞──する余裕すらない。店員は無愛想にどんどん進んでいき、案内と言うよりは道を先行しているのに近い。

 

 後ろから切りつけてもいいが、あいにく手持ちに刀が無いので諦めて大人しく後をついて行く。

 

 

 

「おろ?そやつらは...黒うさぎの言っていた織田信長じゃの」

 

 

 

 タイミング良くなのか引き戸から現れた浴衣幼女に声をかけられる。

 

 

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