ほら、FGOでメインストーリ出たじゃないそのせい──すみません私が悪いです。
余談終わり、タイトルを見ると次がギフトゲームみたいですが違います。
次は皆さんお楽しみのお風呂回です、お楽しみに。
「かかかっ!なるほどなこやつがあの織田信長か、性別が違っているのにはおどろいたが、外の世界では偉人が女体かなど日常茶飯事なのだろ?ならば問題なし!」
そう豪語するのは白髪の幼女である。信長から見れば全く同じ体型をしているので気に入らない。
幼女が来ているのは和服に近いがかなり改造されていて、洋と和が混ざりあった代物である。袖の端々は白いフリルがあしらわれている。その上膝下でばっさり切れていて女子が切るにしても露出が多すぎる。
「ほうこやつが白夜叉か……最強と言うからにはいかに強いやつかと思ってきたが、警戒にすらあたらんな。こんな子供にワシは負けん」
「その言葉はそのまま折菓子付きで突き返すぞ……織田信長」
まだ出会って数分なのにも関わらず仲が悪いのはバチバチと火花を散らしている。
東区画最強の白夜叉と睨み合う最弱のコミュニティノーネームの一人織田信長。場違いにも程があるが信長にとってそんな事は些細であり気に病むことではない。それに──
(ジンの言ってる事が本当ならばこやつが神か)
まだ天下統一を目指していた当時には信じていなかった神が目の前にいる。初めての遇である。
宗教における崇めるべき神達。この世界を作りし創造神。人を、生命を、惑星を完成させた神。科学ではその存在が否定されていて信長自身もそんな物信じる気は無かった。
箱庭に来たばかりの信長はまだその存在について聞いてはいたが半信半疑。一朝一夕で今までの数十年分の思想が変わる訳もないが、いざ目の前にすると改めて肌を通じて感じていた。
武田信玄と戦った時よりも痛く。
上杉謙信を見た時より冷たく。
炎に包まれた時より熱い。
摩訶不思議な感覚。ここまで生きてきたがそのような感覚になった事など一度もなく、白夜叉と呼ばれるものが自身よりも圧倒的強者である事を感じていた。
「して、確か宣戦布告をしたのはお主との事だな……それはまことか?」
「あの犬の事か?それならばそうだ」
「ふむ…………それはノーネームの置かれている状況を知った上での行動だと聞いているが、なぜそのような行動を取った。ここに来たばかりのお主がなぜそのような強気に出れた」
信長を見つめる目は至って冷静で、何かしらの挙動一つ見逃すこと無いように目を見張っている。
白夜叉の聞いた見た織田信長は目の前の幼女とはかけ離れていた思考をしていた。
都合の邪魔だから殺した。逆らったから殺した。目障りだから殺した。天下統一をするために皆殺しにした。
常人とはかけ離れた思考回路。もしそれが目の前の信長も同じであれば自ずと辿る道は一つ。魔王になり暴虐の限りを尽くすだろう。
そんな危険な因子をここでミスミス逃す訳にも行かないが、ノーネームに所属しているので直接手出しをするのはその真意を聞いてからと決めていた。もし、思考が同じであれば一切の躊躇無く殺すと。
「さぁワシにも分からん」
「「は?」」
「気に食わんと言うかなんと言うか……まぁ飯の邪魔だったから喧嘩を売ったのか?」
「理由がない……と」
魔王織田信長と同じ思考であると結論づけた。
そこからの行動は迅速で持っていた扇を力強く握りしめ横へ一閃──
「ジンを馬鹿にされたからが一番妥当じゃな」
「ほう」
「ワシはこやつのコミュニティに入ると即決していたのでな、となればもう仲間だ。その仲間を馬鹿にして黙っているのはワシの性分に合わん」
その答えは満点とはいかなくても赤点にはならない。仲間のための行動であったと、決して自身の欲望のためではなく。
性別の変化は今まで過ごしてきた過程も変わってきたのだろう、そうなれば魔王織田信長に比べて思考回路も若干の変化があってもおかしくない。
その変化がどのような変化であるのかこの先を見て判断を決めると考えを改めた。それに現在のノーネームは弱小がすぎる。少しでも強い者をそれこそ魔王だとしても必要である。
攻撃の手を止め扇を机に置き茶を啜る。小休憩を挟み思考をその間にまとめ上げ決断を告げる。
「そうか、ならばお主の不始末はお主自身の手で処理するといい。ホレ、これをくれてやる」
服の合間から人差し指と中指の二本だけで挟み上げ、手首のスナップを効かせ信長の髪色と同じ黒色のカードを投擲する。
飛んできたカードを不思議がりながら掴んで受け取り表裏を確認して余計に首を傾げる。
「なんじゃこれ?」
「ギフトカードだ」
「え?ぎふ……くらぶかーど?」
「ギフトカードですよ信長様!」
正式名称を”ラプラスの紙片”と呼ばれている。
カードには所属しているコミュニティの名と旗印が刻まれていて、自身の所有するギフトも収納し何時でも何処でも顕現させる事が可能な特別な代物だ。
上位のコミュニティ、魔王と戦うコミュニティ達には必須のアイテムであり、これがあるか無いかで生存率が大きく変わる。
本来ならばこんな高級品を提供するなど滅多な事でもありえないが、ノーネームに再建してもらうには必須のアイテムなので渡す事にした。先に来ていた十六夜、耀、飛鳥、の三人は既に受け取り済みである。
ちなみに本来は名と旗印が触れた瞬間浮かぶのだが、名と旗印のないノーネームは残念ながら浮かぶべき物が何一つない。
「なるほどな……うむうむ。全くわからん!どうせワシには関係ない事だし良いか」
「けどこれで信長様の所持しているギフトが何か分かったんですから、戦いやすくなりましたよ」
「ジンがそう言うなら大人しく貰っておこう……ではもういいな、帰るぞ少し疲れた」
「ちょっ、早いですって信長様」
貰う物を貰いもう用はないのだが、それでも世間話ぐらいと言うか圧倒的格上の存在に対して礼の一つもしなければこちらが無礼である。
信長はすでに部屋を飛び出していてどんどん歩いているので、ジンは立ち上がると軽く一礼してから方向音痴の信長の元へとかけていく。
「和室を走るなと言うのに……まぁよいか。それよりも監視の目を強めなければいかんな」
白夜叉は問題児四人の手によってこの箱庭は掻き乱され、何かしら大きな事件が発生するだろうなと未来の出来事を思いながら深いため息を吐いた。
織田信長ギフトカード内容
”魔王の因子”
”天下布武・革新”
”三千世界”
”??????”