やはり俺が315プロにいるのはまちがっている。   作:Hoffnung

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今回は番外編です、エタってた間にちょこっと書いてたネタを完成させました、本小説の宣材写真回である第八話について八幡達が悩むシーンも無くあっさりと終わってしまったのでそれの補完って感じですね実はこんな事がありましたよーっていう
後、この話では他マスのアイドルが出ます(名前だけ)ので越境苦手な方はごめんなさい、ではどうぞ


番外編 宣材写真

初めての宣材写真の撮影が終わり俺たちを含めた全ユニットが宣材写真の出来に納得出来ず結局撮り直しすることになったが正直なところ宣材写真をどう撮るか、なんて良く解らない。

なんせ、自分で言うのもあれだが俺は写真を撮る機会が無いに等しい

一緒に写真を撮る友達なんていない、学校の行事での撮影でも存在感の薄さからなのかカメラマンにも気付かれず碌に撮られて無かったしましてや自分で撮る所謂自撮りなんてのも生まれてこの方した事も無い。

別に写真なんて無くても良いやなんて考えすら浮かんでいた気もするが実際写ってなくても支障なんて無かったしな。

自分は"どんな人物か"を伝えて、自分を売り込む為の宣材写真等解る訳も無かった。

 

だがこんな俺でも、この様子だと非常に不味い事は理解している。

人は見た目で判断するという研究結果があるように大抵の人間はまず容姿で判断するという事が多い。

大事なのは中身、性格だ!なんて主張する人間もいるが馬鹿じゃないのかと思う、確かに中身ってのは大事だ。

外見だけの薄っぺらいスカスカの人間なんて幾らでも見てきたし、俺もそういう風に思ってる。

 

だが、良く考えて欲しい、簡単で有りがちな、シチュエーションを思い浮かべてみよう、読者の諸君も是非、想像して欲しい。

 

 

朝、遅刻しそうになり走っていたら道の角からパンを加えた女の子とぶつかった、お互いにぶつかった事に謝り別れる。

あの子は恐らく同じ学校の制服だった、どんな子なんだろう気になるな…

 

 

 

 

ハイ、ストップ

 

 

ここまで漫画でありそうなシチュエーションを頭に思い浮かべて想像して出てきた女の子の容姿はどうだった?十中八九可愛い子、最低でも普通よりちょっと上ぐらいの容姿をしていたんじゃないだろうか。

 

 

これが所謂ブス、と呼ばれる人種だったらどうだろうか?

 

自分が遅刻しそうになってたら何故かパンを咥えて走って来て、前方不注意で自分にぶつかって来たブス。

 

…これで性格が気になるか?あの子は一体どんな子なんだろうと気になるか?まぁ、まず気にならないだろうな、もしかしたら憤りすら覚えそうだ。

 

だがしかし、これが美少女だったらどうだ?このシーンがまるで運命の出会いかの様なキラキラした物に早変わりだ。

一目惚れだってするかもしれない、だがブスにはそれが無い。

美男美女は一瞬で好きになる事が出来るが不細工はゆっくりと時間をかけて好きになる、そんな工程が必要なのだ。

 

こ◯亀の両さんだって言ってるだろ?シンデレラは美人だからこそ物語が成立するって。

 

わかったらもう二度と人は見た目じゃ無いよ!なんてほざくなよ。

 

……長々と語ったが要するに人ってのはまず見た目で判断する、第一印象が悪ければその後の行動がよっぽどの事じゃ無い限り受けた評価は覆すことは無い。

 

つまり、あのコスプレ大会の様な宣材写真を使ってしまえば最初の印象はそれで固定されちまう、それだけは避けたい。

俺たちのユニットは無難な服装でまだ問題は無かったが、パンチが弱い、というより個性が無いそうだ。

 

如何に相手に好印象を抱く様に宣材写真を撮ってもらうか、これを次回の再撮影までに考えてこなくちゃいけない。

 

「はぁ…ハードル高くね?」

 

「ん?なんの事だ?」

 

宣材写真の事ですよ、と一緒に帰路の道を共にしている同ユニットメンバーである神波さんにそう返す。

因みにちゃんと真丈さんも一緒だ、何やら調べ物をしているようでさっきからちょこちょこ検索を掛けているようだが。

 

「あーさっきの撮影の事な、確かにまた考えろなんて言われても困るよなぁ実際」

 

「今回ばかりは同感ですね…」

 

「おい、そりゃどう言う意味だ」

 

おっと、口が滑った

 

「…実は私もさっきからそれの事を模索しててね、ちょっと話したいから座れる所に行かないかい?時間も時間だし夕食がてらに、近場のレストランでも行こうじゃないか」

 

今まで黙っていた真丈さんが口を開いた、どうやら食事をするついでにさっきの宣材写真の事について話があるらしい。

 

「へ?レストランっすか、…まぁ俺は別に良いぜ、腹も減ってたしな」

 

「俺も良いですよ、付き合います」

 

撮影が終わったら速攻で帰ってゴロゴロする予定だったが仕事に直結するというなら無視は出来ない、再撮影するというのならどうせなら前回よりもクオリティを上げときたいしな(宣材写真が原因で変な仕事でも持って来られたらそれこそ困る)

 

3人とも意見が一致したので目的を変えてレストランに向かった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

……俺は今非常に機嫌が悪い。

 

「で、では、ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さいませ…」

 

「ありがとう、なるべく早く呼ぶ用にするよ」

 

「い、いえ!そんなとんでもない!では失礼します…!」

 

 

レストランについて早々に空席があってスムーズに座れたのは良かったが案内した恐らく俺とそう年齢が変わらないであろうバイトのウェイトスさんは真丈さんにメロメロって感じだ、真丈さんはそれを自覚してるのかどうかは知らないがまた甘いマスクを振り撒くもんだからもうウェイトレスさんは顔真っ赤のまま去っていった。

なんでこんな光景ご飯食べに来たついでに見せられなきゃいけねぇんだ、爆ぜろ

 

「おっとすまないね、少しお手洗いの方に行かせて貰うよ、先にメニュー見といてくれないかい?」

 

「「うっす」」

 

「ん、じゃあ失礼するよ」

 

ウェイトレスさんが去って早々にトイレの方に向かってしまった、真丈さんの言葉に従ってテーブルにあるメニューを開いた。

パスタとかでいっか、特に拘りも無いし。

 

「おい、八幡」

 

「なんですか?」

 

「お前ぇ…さっきの、どう思う?」

 

メニューを開いた矢先に神波さんが問いかけてきた、さっきの、とは多分真丈さんとウェイトレスさんの事を言ってるんだろう。

 

「どうって…爆ぜろとしか」

 

「だよなぁ!?あんなの許される訳ねーべ!甘いマスク振りまいていてあのウェイトレス骨抜きにしてたじゃん!!?男なら許せねぇって!」

 

「わかりみが深い」

 

どうやら神波さんも俺と同じような心境だったみたいだ。

あんな甘いマスクを無自覚に振りまけるか?いや無い、即ちギルティ

 

「なぁ、ここはちょうど拓哉さんもいねぇんだ、更にこのテーブルにはタバスコが置いてある…後はわかるな?」

 

「…真丈さんの口にする物に入れると?」

 

「その通ーり!少しぐらい痛い目に合ってるとこ見て笑うぐらいの権利、俺たちにはあるだろ?」

 

メニューの近くにあったタバスコの瓶を弄びながら神波さんは活き活きとした表情で語る、どうやら俺の心境とは別にこれを口実にただ単に悪戯したいだけらしい、なんだ期待して損した。

後半の言い分には若干同意するが

 

「何があるんだい?」

 

「「おわっ!?」」

 

突然後ろの方から話しかけられて思わず驚いてしまった、どうやら戻って来たらしい。

声を掛けつつテーブルに戻り俺と神波さんの向かいの席に座る。

因みに今の俺たちは

 

俺 神波さん

[テーブル]

真丈さん

 

こんな配置だ。

 

「どうしたんだい?タバスコなんか弄ってるけど」

 

「あーいや、これはその…そうそう!ピザ食べたいなーみたいな話してたんですけど俺はタバスコかける派だから八幡はどうなんだ?って話してただけなんすよー」

 

「…あ、俺もタバスコは別にいけるんで何のピザにするかって相談してただけなんで安心してください。」

 

「あ、そうなのかい?仲が良いね、ピザか…私はシンプルなやつの方が好きだなぁ」

 

真丈さんが手元にあるメニューをペラペラとめくりながら話を終わらせてくれたのでなんとかバレずに済んだ。

神波さんの機転は助かったな…てか俺は安心して下さいってなんだよ、これからなにかするみてぇじゃねぇか。

 

「…うん、私も決まったし店員さんを呼んでも良いかな?」

 

「え、あ、ちょっと待って下さい、俺まだ決めてねーんすよ、な?八幡も決まって無いよな?」

 

「俺はさっきメニュー開いた時に決めましたよ。」

 

「え!?早くね?マジかよ、決めて無いの俺だけだったのか…ちょっと待って、直ぐ選ぶわ。」

 

「フフフ、そんなに急がなくても大丈夫だよ。」

 

この後、程なくして全員分の注文を頼んだ、真丈さんが気を利かせてくれてピザを2枚も奢ってくれるそうだ、マジ太っ腹

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「…さて注文も頼んだ事だし本題に入ろう、宣材写真における格好の事だが私の考え…というより先人達の知恵とでも言おうか?それを参考にしようと思ってるんだ。」

 

「先人達の知恵って…なんかすげぇ感じするな…」

 

「いや神波君、それ程対したことでは無いさ、ただ此処は無理にインパクトを与え過ぎないようにってね。」

 

そういうと真丈さんは自身の荷物を少し探るとiPadを取り出し画面を見せて来た、俺と神波さんが一緒に覗き込むとそこには

"346プロ全アイドル表"

なんて書かれたタイトルがある、良く見てみるとどうやら346プロって所のアイドル達の情報を紹介しているホームページの様だ。

346プロ…俺でも聞いたことあるな、大企業じゃねぇかあそこアイドル事務所もやってたんだな。

 

「346プロ…?なんで別事務所のアイドル表なんすか?」

 

「いや、宣材写真をどうするかと考えていた時、私達315プロダクションにはある特徴があるだろう?そう、前職の有無だ。」

 

「…あぁ、何と無くわかった気がする。」

 

「お、比企谷君察しが早いね恐らく君が思ってる事と同じ事を言おうとしてるんだ。」

 

真丈さんから前職の有無という言葉が出た時に何と無く察したのだ、あぁそう言えば315プロって無理に魅せようとせずとも注目を浴びつつ印象を与えられる材料あるじゃんって。

それは前職だ、高学歴な職業が揃っているDRAMATIC STARSや、元はバイトしていたBeit、元高校教師のS.E.Mが代表例だろう。

High&JokerやJupiterは前職と呼んでいいかわからないがまぁ似た様なものだろう。

1番訳わからないのはDRAMATIC STARSだ、なんだよ弁護士、外科医、パイロットって勝ち組じゃねぇか普通にそっちの方が安定だろ。

 

「前職の有無って…ああ!そういう事か!確かにそれ方面で売り出した方がわかりやすいよなぁ」

 

「お、神波君も気づいたみたいだね、今日の撮影では皆んな色んな格好をしていたけれども前職に纏わる服装を来た方がシンプルかつ分かりやすいんじゃないかなって思ってね、それにほら」

 

真丈さんが手元に表示されている画面をスクロールし、アイドルを1人1人紹介していく。

 

「346プロは人材が豊富って聞いたから調べてみたらビンゴだったよ、例えば元CAの相馬夏美さん、元OLの三船美優さん、元保育士の持田亜里沙さん、ここには書いてないけど噂じゃ元は秘書をしてたっていう和久井留美さんとかね、彼女達それぞれ割と前職の特徴がある宣材写真だろう?」

 

「確かに…実際に見ると本当に解りやすいな…」

 

「はぁーまさかこんな単純な事とはなぁ、あーなんだっけ?灯台なんちゃら…「灯台下暗し」あ、そうそうそれだ!サンキュ八幡。」

 

これでも俺は国語だけで見れば学年3位だ、舐めんな。

真丈さんは俺たち見せていたiPadの電源を切り、自身の荷物に仕舞い込むと話しを続けた。

 

「そう、単純なんだ、別にそこまで難しく考える必要も無いしお手軽だからね、かと言って与えられる効果は十分に期待できる…先程の彼女たちの様にね、どうだろうか?これが私が話したかったことなんだけど…」

 

「俺は賛成ですわ、八幡は?」

 

「文句無しって感じです、これ以上の最適解を出せなんて言われたら正直時間足りねぇ。」

 

俺も神波さんも真丈さんの考えに賛同した、何もそこまで難しく考える必要となかったのだ。

学ぶ事とは真似ることなんてのは良く言ったものだ、実際にこれで成功しているのだからアイドルとして素人の俺たちが無駄に凝って受けるかどうかに賭けるよりも効果は期待出来る。

そう理解すると肩の荷が降りたようだった、なんだよ真面目に考えてた俺が馬鹿みたいじゃねぇか。

 

「お待たせしました、ご注文の品をお持ちしました。」

 

「お!待ってました!あ、そのハンバーグ俺のっす。」

 

どうやら話している間に料理は出来たらしい、話しも一区切りついた事だしグットタイミングである。

俺の目の前にパスタが置かれ、真丈さんの所にも料理が置かれる。

ピザも程なくして到着した。

 

「じゃあ後は食事を楽しむとしようじゃないか、Jupiterのライブ見学もあるし忙しくなるよ、では…」

 

いただきます、そう3人で言って食事始めた。

因みに真丈さん辛いの全然イケるらしくタバスコ作戦はそこまで功を成さなかった。




如何でしたでしょうか?作者としては書き溜めてたネタをようやく解放出来てスッキリとした気分です。

感想、評価絶賛募集中です誤字指摘など大変助かるのでよろしければお気軽にご指摘くださいませ

オリキャラどっちが好き?

  • 真丈拓哉(元マジシャン)
  • 神波狩人(元ストリートダンサー)

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