やはり俺が315プロにいるのはまちがっている。   作:Hoffnung

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やっと出来ました…体調不良でここ最近寝込んでまして更新出来なくてすいません

さて、今回の話は待ちに待った八幡達のライブ回前半になります、そこそこボリュームある内容になったと思いますのでご期待ください!


第十二話

「へー315プロの皆さまって過去に前職を持っていた方が多いんですねぇ、奇抜と言いますか...面白い事務所なんですね」

 

「ははは、私もそう思いますよ、色んな方達がいて毎日が楽しいです」

 

「まぁそれだけバラエティに富んでいる事務所ですから退屈とかしなさそうですよねぇ」

 

「ええ、前職ならではの豆知識を教えてくれる時もあるんですよ」

 

「ほほう?例えばどのような豆知識でしょうか?」

 

「そうですね、この前元パイロットの柏木さんに____」

 

真丈さんがいつも俺達に向けるような自然な笑顔でトークを返して会話のドッチボールがどんどんと形成されていく、そこには俺から見ても場慣れしているというか全くもって緊張していないように見えた。

司会の人(俺でも知ってるような大御所の人だ)と真丈さんの軽快なトークにスタジオにいる観客や、俺達と同じ出演者達は時折感嘆の声、又は笑い声が上がるが俺はそれどころじゃない、いつ会話の矛先がこっちに向くか、会話を振られてもちゃんと話せるか、いま現段階で変に思われていないか、そんな不安と緊張で心臓はバクバクだ。

もう既にバクバクを越えて心臓が締め付けられるように痛い、締め付けられ過ぎて潰れるんじゃないかと軽い錯覚さえ覚えそうだ、出来るもんなら今すぐにでもここから逃げ出して家に帰りたい。

できるだけ平静を取り繕いながら不自然じゃないように横にいる神波さんの様子を確認っといや何ともなさげに呑気にトーク内容について笑いだしたぞ、鉄か!あんたのメンタルは鉄か!

相変わらずこの人は何と言うか...心臓に毛でも生えてるんじゃないかと最近思ってきた。

 

 

「___では、Fantastic Dreamersの皆さんのCDが販売されるそうですのでよろしくお願いします!」

 

「はい!ではさせて頂きます!...比企谷君、神波君いくよ(ボソッ)」

 

やべ、変な事を考えてる内に出番が回ってきたぞ、真丈さんが横にいる俺達にだけに聞こえるような声で合図を出してきた、大丈夫だから落ち着け、本番前に配られた台本と打ち合わせの通りにやれば問題なんてねぇ、頼むから噛んで全国のお茶の間の笑いのネタになるだなんて展開にはなってくれるなよ。

 

「えー315プロダクションから新しくデビューします、私たちFntastic DreamersのCDが明後日から全国のCDショップ等で発売することが決定いたしました!」

 

「収録内容といたしましては、俺達の曲が2曲と当事務所の課題曲が1曲、更にCD購入者だけが聞ける俺達のボーナストラックが2つの豪華5本立てです」

 

「そして!初回限定生産盤には、CDのお渡し会とトークショーイベントに参加できるシリアルコードと俺等3人の内誰かのオリジナルカードが付属してるんでぜってぇ買ってくれよな!」

 

「是非皆さんのお手元に大切に保管していただいて、沢山聞いてもらったら嬉しいです!よろしくお願いします」

 

「はい、ありがとうございました!」

 

 

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

 

観客席や同じひな壇に座っている出演者達から大きな拍手が送られてきた、どうやら何事もなく上手く宣伝出来たらしい。

宣伝する為に手に持っていたサンプルのCDを座っている席の横にしまい込みながらほぅ、と軽く息を吐いた。

たったこれだけのことだが俺が生きてきた短い人生の中でもトップクラスの緊張を味わった気がする、小中高と学生生活の中で様々な黒歴史を作ってきて多少は耐性がついているだなんて思ってはいたがやはりと言うべきか全国で放送される大型番組に出演していると意識していると俺が今まで経験してきた物が紙くずのように思えるほどの重圧がのしかかってきて吐きそうだった、こんなにも胃薬が欲しいと思った事は初めてだ。

 

因みに明後日に発売と言っていたが実際には今日から二週間以上の話だ、どうやらこの番組は二週間前に収録を行って放送するらしい。

真丈さん→俺→神波さん→真丈さんの順番にやったCDの宣伝は、後で編集して発売日のテロップを出したりバックで俺達の曲を流してより分かり易くするとプロデューサーが言っていた。

その分実際にやる俺達はカメラに向かって無音の中でやらなきゃいけないので思いのほかシュールだったとだけ言っておく。

だがシュールだろうがなかろうがそんな事は言っていられない、今現在撮影されているこれはリハーサルでもない紛れもなく本番なのだから。

 

そう、俺、いや俺達Fantastic Dreamersは遂に収録本番を迎えてしまっている。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「っっっっはぁぁぁぁああああ、すっげぇ疲れた...もう帰りてぇ…」

 

「お疲れ様でした、…大丈夫ですか比企谷さん?」

 

「クッソでけぇ溜息吐いてねんなぁ、そんなに緊張する程の事でも無かったろ?」

 

「誰もが神波さんみたいなメンタル持ってるとは思わんでくださいませんかね」

 

あの後、トークパートの撮影が一通り終了して今は俺達の控え室にいる。

新人という事もあってかかなり質素な部屋だが差し入れの飲み物や、設置してあるテーブルにお菓子がいくつかあったりと他にも様々な気遣いを感じられるものがあり、流石は大型番組の控え室だと実感していた。

部屋に入るなりデカイ溜息を吐いて弱音を言う俺に舞台袖で控えて一緒に付いてきていたプロデューサーが気遣う言葉とともに飲み物を差し出して来た、それを受け取りながら神波さんの軽口を若干の皮肉を含めながら返す。

 

だって仕方ないじゃん、あんなの普通にいられる方がおかしいって、若干俺達に対して面白くないって感じの視線も感じたし。

早速ペットボトルのキャップを開けてお茶を喉に流し込むが、あんな環境にいた為なのか普通のお茶の筈なのに随分と美味く感じる。

これが俺がこよなく愛する千葉のソウルドリンクことMAXコーヒー、通称マッカンならば文句無しなのだがどうやらこのTV局には置いてないらしい、何故あのソウルドリンクが置いていないのか俺には到底理解できない。

もうそろそろ法律で全国のあらゆる施設にMAXコーヒーを設置する事を定めたほうがいいんじゃないだろうか、これが一部の地域の人しか飲めないとか人類の損失だろ。

 

 

「そうカッカすんなって、ちゃんと出来てたんだしオールオッケーっしょ、な、プロデューサー?」

 

「はい、後はライブパートを収録して終わりですから頑張って下さいね?舞台袖で控えめながら応援致しますので」

 

「控えめなんか言わずにもっとはしゃいだっていいんだぜ?ま、ばっちし決めてやかっら期待していてくれよ?」

 

「勿論です!」

 

プロデューサーの返事に気を良くした神波さんがケハハハハといつのも様子で笑うとガシャリと控え室のドアの開く音がした。

 

「お待たせ、話は終わったよ、番組プロデューサーも期待してるってさ、2人とも問題無いかい?」

 

部屋に入って来たのは真丈さんだった、真丈さんは控え室に戻る前に番組プロデューサーに呼び止められたみたいだったが言葉から察するにただの世間話らしい。

俺は平気ですと簡単な返事だけ返し、神波さんは俺に続いて右に同じく、と真丈さんに向けて返答した。

 

「ふふふ、それは良かった、本番は今から約45分後、結構時間があるから自由に過ごして構わないそうだ」

 

「まじけ?そんなにあるんすか?じゃ、なんか適当な物でも買って腹ごなしとしますかねーっと」

 

「腹ごなしって...もう少しで歌って踊るんだよ?吐いたりしないかい?」

 

「平気っすよ拓哉さん、リハーサル前にカツカレー食ってましたけど大丈夫だったんで多分いけますって」

 

「神波君、君カツカレーなんて食べてたのかい...」

 

神波さんの衝撃発言に真丈さんは呆然とした、今からやる曲結構ダンス激しいんだぞ、カツカレー食うとか馬鹿かよ。

あ、馬鹿だったわこの人、馬鹿じゃなかったらそんな状況でカツカレーなんて食わねぇわ。

 

「比企谷君はどうするんだい?このまま待機?」

 

「俺はそうしたかったんですけど...妹からサイン貰ってこいってお願いされてるんでね、ダメ元でサインの交渉に行くつもりです」

 

「あ、ダメ元なんだね」

 

「押して駄目なら諦めるが座右の銘なもんで」

 

鞄から先日購入しておいたサイン色紙を取り出しながら真丈さんにそう返した、俺だって待機していたいがマイシスターこと小町から収録するついでに小町の好きなアーティストのサインを貰ってきて欲しいとお願いされたのだ。

俺は絶対にめんどくさいだろうと思って最初は拒否の体制を貫いていたが、どうやらよっぽど好きなアーティストらしくしつこく粘ってきたのだ。

最終的には泣き落としに発展したのでそれに落ちてここに来る前に色紙を購入したのだ。

マイスウィートエンジェルである小町にあそこまでされたら受けるしかないよね、やっだー八幡ってばちょろい。

 

「比企谷さん、僕もついていったほうがいいでしょうか?」

 

「大丈夫っすプロデューサー、本番前にはちゃんと戻るんで」

 

じゃ、っとそれだけ返して俺は部屋を出た、やるんだったらとっとと済ますに限る。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

結果からいうとサインは貰えた。

しかもかなりあっさりと。

 

てっきりガードがめちゃくちゃ固くて貰えるもんじゃないだなんて想像してたが中々気さくな人ですんなりサインを貰えたのだ。

小町に貰えかった時用の謝罪文も一応考えてあったがその必要が無くなって万々歳である。

ただ1つ気になるのがサインに『比企谷小町さんへ♡』と書いてあることだ、ハートだ、ハートである。

 

我が妹にハートなんぞ付けて媚を売るなんざ許せん!

…まぁ気の良い人だったので小町に良い土産話も出来たしチャラにしてやろう。

 

 

しかしまぁ、ついでにTV局内を散策しているが…

 

「やっぱないか…」

 

恐らくこのTV局内の最後の売店内でそう呟く。

 

ない、とは俺が先程も言っていたマッカンの事だ。

淡い期待を込めて探していたがやはり見つからない、飲み物コーナーを3往復程うろちょろするがやはりあの黄色をベースにした愛しのソウルドリンクの姿は見えなかった。

店内に設置してある時計を見るとサインを貰うのがスムーズに済んだ為かサクサク進めてたとはいえ散策しても部屋を出てから15分程過ぎたぐらいしか時間が過ぎていなかった。

 

後30分弱、部屋で体と心を休めるのには充分な時間だろう。

とっとと戻って大人しく待機でもしていようと思いながら売店から速やかに退店し少し長めの廊下の端っこを歩く。

とてもじゃないか真ん中なんて歩けたもんじゃない、学校ですら端っこに歩いていてカースト上位集団からしたら更に壁に張り付くレベルで道を譲るのに。

 

と、そんな事を考えていると向こうから複数人の話し声が聞こえてきた。

遠くて何を話しているかは聞き取れはしなかったが全員男性だということは直ぐにわかった、見えた姿は黒を基調としたラフな衣装。

6人程で形成されているあのグループは確か同じ番組に出演していた今売り出し中の若手ダンスグループじゃなかっただろうか。

 

見るからにわかるイケイケ感、ここが学校であるならば確実にカースト上位に属している集団だ。

似たようなのが同じユニットに所属してはいるが複数人で来られると完全に俺のキャパシティを超えている。

オーバーキルも良いところだ、なるべく視線を合わせない様に、そして更に壁によりながら歩く。

ステルスヒッキーという一種のスキルまで習得している俺だ、相手に感知されるまでも無く終わるだろう。

 

そう思いながら彼らを横切ろうとしたが____

 

「っ!いってぇなおい、おい!お前何してくれてんだよ!」

 

「あぁ!こりゃひでぇわ、お前さぁ今日のパフォーマンスに支障が出たらどうしてくれんの?」

 

「お前同じ番組に出演してたよな?…ちょっと来いよ」

 

「あ、わかってると思うけど逃げんなや?」

 

「……は?」

 

あまりの超展開にそんな間抜けな声を出すのがやっとだった、彼らに半強制的に体を引っ張られて場所を変える為に移動させられる。

どうやら肩同士がぶつかってそれに怒ってるって感じだったが冗談じゃない。

 

ぶつかって来たのは明らかにこいつらだ、俺がわざわざ端っこに寄って歩いてたのに何故かグループにいた端の奴がいきなり肩を横切りざまにぶつけてきたのだ、それも間違いなくわざとだろう。

それを種に逃げないようにと1人に肩を掴まれて拘束されてしまった、半強制的に移動しながら見たこいつらの顔は笑っていた。

 

やってやった、これからこいつで遊ぶのが楽しみだと言わんばかりの顔をしていたのだ、どう見ても怒ってるって顔じゃない。

 

(…フラグ回収早くないっすか?)

 

そんな事を考えながら俺はこいつらに連れ去られた。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「なーんでこんな陰キャがアイドルなんだよ」

 

「ゾンビみたいな目できめえったらありゃしねぇわ」

 

「明らかに場違い過ぎんだろ、対してルックスも良くねぇし」

 

「粋がるなよ雑魚」

 

「こんな奴がアイドルにとか笑うわ、ギャグかよ」

 

連れ去られて少し経つがさっきからずっとこんな感じだ、最初は肩がぶつかった事に対しての言葉だったがヒートアップして最早俺を只々野次るだけになっている。

人通りの少ない端だが距離はそこまで無かった筈だ、ここから解放されたとしても控え室まではダッシュすれば充分時間までに間に合う。

 

で、何故ここまで俺を責め立てるのか最初はわからなかったが…こいつらの言動から大体の目星は付いた。

 

「俺達は全然選ばれなかったのにさぁ、なんでお前みたいな陰キャが選ばられる訳?」

 

「3年かかってようやく俺達は出れたんだぞ?そこんとこわかってんの?ん?」

 

何がわかってんの?だよ、はい!凄いです!とか返せばいいのか?

…大体の目星が付いたとはいったがそれはどういう事かというとどうやらこいつらは新人である俺、いや俺達Fantastic Dreamersがこの番組に出演してる事がたいそう気に食わないらしい。

 

さて、これを読んでる皆さんも薄々思ってはいなかっただろうか?

なぜライブもした事もない、デビューシングルすら発売していない新人アイドルである俺達が大型の番組に出演することが出来たのか。

実は俺が今出演しているこの番組には『新人枠』という物がある。

 

『新人枠』とは、この番組内でまだデビューして間もない新人を紹介して盛り上げよう!なんて企画らしいが毎週ゴールデンタイムに放送されていて大物アーティストだって毎週の様に出るこの番組に新人枠として出演する事は下手なCM1本作るよりも宣伝効果が高いらしい。

 

それも当然だろう、こんな大型番組なら毎週これを楽しみにしている人は沢山いる上に、放送中のSNSの加速度は驚異的な速度を誇る。

番組の#(ハッシュタグ)がついた呟き達で、トレンド1位なんてさも当然の様に獲得する。

そんな番組の中で出演し結果を残せればSNSが普及したこのご時世、拡散力が高い人が拡散してしまえば宣伝効果はうなぎのぼり、実際、この番組に新人枠として出演したグループと出演しなかったグループのデビューシングルの売り上げの初動を見ると雲泥の差とも言わんばかりに開く事も多々あるようだ。

 

当然の様にこの番組に出演する事を目的とした新人達は星の数ほどいるらしく、そして大抵が出演出来ていない。

番組プロデューサーが滅多にOKを出さないからだ、俺達のプロデューサーはこの番組にJupiterが出演出来るように営業をかけていた時に物のついでと言わんばかりに口説き落として俺達にこの仕事を持ってきたのだ。

あのプロデューサーは薄々仕事が出来る人だなとは感じていた物のまさかここまでやってくるとは思わなかったので最初に仕事を持って来た時はあの真丈さんですら軽く呆然としたものだ。

プロデューサーはトーク担当の真丈さんに出来れば315プロダクションの話題を出して宣伝して欲しいと頼んでいたが真丈さんはそれを見事に遂行していたのは先程の収録の様子で明白だった。

 

とまぁこれが俺達が番組に新人枠として出演出来ている理由なのだが…

 

「あの、俺も色々準備があるんで控え室に行かなきゃならないんですけど」

 

「は?いやそれ俺らも同じだからww新人なんだし碌な準備ないから平気っしょww」

 

「それにさぁ、お前新人、俺ら先輩、お判り?」

 

解りたくもねぇわ、さっきから適当に頭も下げたり色々試みてはいるが全くもって相手にしてくれない。

強行突破で逃げようにも周囲を囲まれてて例え今ここで俺が走ったとしても直ぐに捕まるだろう。

にしてもさっきからこいつらの言動は中々支離滅裂なんだけど、日本語話してるのに日本語通じねぇとかなんなの?

 

何か録音出来る物があれば録音でもしときたいが直ぐに戻ろうと思ってたので鞄の中に入れっぱなしの携帯がこの上なく恋しい。

こんな現場を抑えれば充分こいつらの抑止力にはなるのだが…そうする手段が現時点で無いのでこいつらの気の済むまでか、それともこいつらの出番の時間が近づいて自ずと辞めざるを得なくなるまで待つの二択ぐらいしかない。

どっちも時間が過ぎれば解決する、こいつらの言葉を適当に聞き流しとけばその内終わるだろ。

 

「おい、お前ほんとにわかってんのか?あぁ!?」

 

「うぉ!?」

 

どうやら俺がさっきから聞き流している姿勢がわかったらしく激情して俺の胸ぐらを突然掴んで来た。

 

ちょ、服が伸びる!これ、センスが無い俺の為に小町が選んでくれた一張羅なんだぞ!

 

胸ぐらを掴んでいた奴が割と直ぐに手を離すもんだからその拍子に俺は思わず尻餅を突いてしまう…この感にもダセェやら馬鹿にする声が投げつけられたが無視だ、無視。

 

「ッチ、あーこいつマジでウザいわー、もう何発かやっちゃっても良いんじゃね?」

 

「やっちまえよww俺もこいつウザいって思ってたしww」

 

「賛成ー顔はやめとけよ、勘づかれる可能性あっからww」

 

「あ、言っとくけどチクったらどうなるかわかるよな?」

 

1人が言いだした事を良い事に流れに便乗してどうやら俺に暴力を加える流れになってしまったようだ。

…まずい事になった、体格は完全にこいつらの方が上だ、俺が抵抗してやり返したとしてもそれを良い事に更にヒートアップして苛烈になる可能性の方が高い。

2人がかりで俺を無理矢理立たせてもう1人は殴る準備だと言わんばかりにシャドーボクシングし始めた、残りの奴は観戦に洒落込むって感じだ。

 

…殴られるなんて随分と久しぶりだが、精々耐えるとするか

 

「んじゃ、一発m「待てや、こらボケども」ぇぇ!……え?」

 

俺を殴りかかろうとして振りかぶった腕が止まった、俺を含めこの場にいる全員が硬直した。

 

それは威圧感のある声だった、いざ俺を殴ろうとしたこいつが動きを思わず止めるぐらいの。

 

その声はとても聞き覚えがあった、ここ最近毎日の様に聞いている声だ。

 

そして、その声は途轍もないぐらいの怒気が感じられる声だった。

 

声の発生源に俺を含め全員が注目した、身長は180前半はある長身だ、髪型を編み込んでツーブロックで決めている長身の男が青筋を立てながら目を見開いていたのだ。

この長身の男を俺は良く知っている。

 

「…神波さん」

 

「よう、探したぜ」

 

俺の声にいつもの調子で軽く笑みを浮かべ返事に答えた、だがその笑みは直ぐに消えてまた怒気を孕んだ顔に変貌した。

 

「八幡…ちょっと待ってな、直ぐにこいつら…」

 

"全員お前に頭下げさせるから"

 

そう俺に付け足すように言葉発したこの男は

 

同じユニットメンバーの神波狩人その人だった。

 




前半が終了いたしましたが、少し長くなりそうなのでもしかしたら中半も入るかもしれないです…

後、ちょっとしたアンケートを活動報告にていたしておりますのでよろしければ作者のページにアクセスして下さいませ。

感想、評価どちらも絶賛募集中です!
次回もお楽しみに

オリキャラどっちが好き?

  • 真丈拓哉(元マジシャン)
  • 神波狩人(元ストリートダンサー)
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