四月は君の嘘 〜重ねた嘘〜   作:アンベルゼ

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第1話

「人は嘘をつく。 子供は自分を守る嘘。 大人は他人を守る嘘。」

 

真夜中の夜道を走る車の中で彼は語りかけるように呟いた。

 

「もし俺が家族を持ったとしたら、

奥さんや子供には心配かけないように嘘をつく瞬間はあるだろうな。

子供を守る為の嘘なら尚更つくだろう。」

 

街灯も少ない景色もよく見えない外を見つめながら彼は言った。

 

「嘘をついてはいけませんってのは、

子供んときだけだ。

ん?

じゃあ俺たちはいつ大人になったんだ?」

 

「知りませんよ!」

 

急にこちらを向いてよくわからない疑問を投げかけてきた。

本当によくわからない人だ。

 

ただ、その言葉の真実を知るのはそんなに先の事じゃなかった。

 

「なんだ有馬、寝れないのか?」

 

「そうですね、、、」

 

「この楽しい旅も、

もう少しで終わりを迎えると思い

感傷に浸ってんだな?」

 

「こんな糞暑い中でクーラーも効かないオンボロのバンに

男6人詰め込んで熟睡出来るほど強く出来てませんよ。」

 

ニヤニヤしながらこちらを覗きこんできた彼を

振り払うように言った

 

「まぁ、そりゃそうだわな!

でも楽しくないことはなかっただろ?」

 

「、、、そうですね。

良い経験はさせていただきました。」

 

「そんな短い旅ももうすぐ終わりだ。

そして俺たちはまた新しい船出に出る」

 

多分彼は高校3年、

今年で卒業の年だ。

新しい船出とはそれを意味しているのだろう。

 

「なんで最終が長野っていうルートなんですか?

普通なら地元でやった方が

皆んな集まって盛り上がるでしょ?」

 

何言ってんだお前?

バカじゃないの?

という顔を彼はしていた

 

「この時期だとまだ涼しい方じゃん?

美味しい物も多い!」

 

彼は生き生きしながら語り出した

 

「蕎麦、おやき、馬刺し、

知ってるか?

長野はラムも有名なんだ!

後はねー、、、」

 

、、、長くなりそうなので寝たふりをした。

 

 

「なんだよ!

人が楽しくなったら寝るのかよ!?」

 

ここは無視だ。

反応したら負けだ。

 

「寝たと思って話すから

こっからは独り言だからな。」

 

彼は前置きして語り出した

 

「有馬が有馬で良かったよ。

出会えて良かった。

お前は世界に羽ばたいていくんだろう。

無理矢理付き合わせて悪かったな。

でもお前にとってのこの寄り道が、

大切な財産になってくれることを願うよ。」

 

真っ暗な外を見ながら

彼は独り言を呟いた。

出会ってまだ半年も経っていないけど、

彼という人物と過ごした時間は

とっても大切な時間に

なるんだろうなと僕も感じている

 

出会いから本当につかみどころの無い人だったけど、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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