放課後
「やっと終わった~」
授業が終わり机に突っ伏す。勉強自体はそれほど苦ではないが、ずっと机に座っているのも疲れる。シルフィは頭の上で寝ていた。
「春池。」
「ん?吹寄、どうした?なんかあったのか、」
こいつは吹寄制理。このクラスの委員長だ。
またの名を美人なのに色っぽくない鉄壁の女とも言うらしい。彼女らしいっちゃ、彼女らしい。
「今日は暇か?」
「すまん、先約がある。何かあったのか?」
「いや、か、買い物に付き合って欲しかっただけだ、別に深い意味は無い!」
そのまま彼女は席に戻っていった。少し顔も赤かったようだがどうしたんだ?
「ちょっ、あの鉄壁の女がむっちゃ可愛くなってるんですけど!?」
「対カミジョ-属性完全ガードの女をガードゆるゆるにするとは・・・」
「青ピーはどう思う?」
「かみやんのフラグ構築能力もすごいけど、実際やばいのははるやんやね。フラグ立ててる女子はみんなレベルが高い、今日の予定も巨乳クール系美女との約束と見た!」
「とりあえず、尾行して調査すべきでは!?」
「・・・おーい。」
「ん、かみやん。どうしたんだにゃ-?」
「春池はもう居ないぞ。」
「「「「「しまった!?」」」」」
直感的にやばそうだったので教室からとっとと出ていって待ち合わせ場所に向かう。
『ソラはフラグを立てるね~』
「フラグ?旗なんか立てた覚えはないんだが・・・」
『・・・・・これを落とすのは大変だよね~』
なんかシルフィが呆れているようだがわからん。
待ち合わせ場所のファミレスに入ると入り口から固法の姿が見えたのでその座席に向かう。
「固法、今日はどうしたんだ?」
「・・・相変わらず呼び捨てね。一応こっちのほうが歳上なんだからもうちょっと考えたら?」
「1つ2つ位の差じゃ変える必要はない。そう思うけど?」
「は~・・・春くんも相変わらずね。」
何でため息つかれるんだ?
「そういえば一人なのか?だれか紹介したいって言ってなかった?」
「少し遅れて来るって言っていたわよ。・・・ところで昨日銀行強盗倒していたわね?」
「何で知って・・・・ああ、そっか。風紀委員だったな。」
昨日の出来事の映像データくらい残っているか。
「あの後急に帰ったりするから調書取るの大変だったらしいわよ。」
「あれ明らかに調書取るだけで終わらんだろ?」
「違うと思うけど・・・たぶん。」
「たぶんってつけた時点でダメだと思うぞ。」
固法は苦笑いしている。
「そうそう、今日って何か用事あるの?」
「いや、今日は何もないよ、これが終わったあと買い物に行くくらい。」
「それじゃあちょっと来て欲しいところがあるから、お願いね?」
「・・・・・・色々と連れ回すのはやめてくれよ?」
「む~、頼んだのはそっちじゃない。」
「・・・最初頼んだのは携帯だけのはずだったのにいつの間にか俺をきせかえ人形にしたのは誰だったかな?」
じと~、と見るが目をそらされた。
「それで、今日紹介したい奴って?」
とりあえず話題を変えよう
「ああ、私の後輩よ、風紀委員の。」
それを聞いた途端俺は嫌な予感がした。立ち上がり動こうとするが固法に襟を捕まれ止められる。
「・・・トイレに行きたいんだけど。」
「方向は逆よ。」
「・・・嫌な予感がする。帰りたいんだけどダメか?」
「ダメよ。」
いい笑顔だなおい。
「はぁ~」
俺は逃げることを諦め席に戻る。なんか最近こういうことに対する直感が鈍ってるな。
はぁ・・・
「そんなに手間取らせることじゃないわよ。」
「ふーん・・・ま、いいよ。結構世話になってるし。」
「ありがとう。」
~~♪
「ん?ケータイ鳴ってる。」
「何かしら?・・・・ごめん予定変更。」
メールを見た途端立ち上がる固法。
「話はまた今度、また連絡するから。」
そのまま風紀委員の腕章をつけ走りだした。
「あ、おい!?・・・ったく!」
俺は店員を呼び、代金を渡し固法を追いかけた。
店を出て固法に追いつき並走しながら話しかける。いつの間にか固法は透明な盾を持っていた。
「おい、いきなり何があったんだよ?」
「・・・近くのコンビニに重力子の爆発的な加速が観測されたらしいわ。」
「具体的には何が起こる?」
「爆弾が爆発するってことよ」
「わかりやすい説明だな!?」
そう話している間に目的の店に着く。
「春君は此処にいて。私が様子見てくるわ。」
「アホ!お前は店の人に説明して避難させろ!」
そう言ってズカズカと入っていく、何か言っているがそれは無視。
俺は店の奥の方に気配があるのに気づく。そこに行くと女生徒が座り込んでいた。
「!大丈夫か?」
「あ、はい。でも足をくじいちゃって・・・」
肩を貸し店の入口の方に向かうが、商品棚の下にうさぎのぬいぐるみが見えた。
その瞬間嫌な感覚襲われた。
「!!」
直感的に固法の方に女生徒を突き飛ばす。ぬいぐるみはメキメキと変形していく。
「爆弾だ!!」
俺は叫ぶ。その直後爆発した。
春くんに突き飛ばされた女の子を受け止めると、春くんの言葉で反射的に持っていた盾で女の子をかばっていた。そして起こる爆発。爆風が吹き荒れ、店の中はボロボロになっている。煙で春くんがいたところの状況がわからない。
「春くん!大丈夫!?返事して!」
あの爆発に巻き込まれて無事であるはずがないのはわかっている。だけどそれを信じたくない。私の中で渦巻くのは後悔。此処に連れてこなければ・・・
「あー・・・大丈夫だぞー。」
煙から出てきたのは何故か苦笑いした彼だった。
安心したのと同時に私の中でキレる音がした
爆弾が爆発する瞬間、俺は風の力によって爆弾を壁まで吹き飛ばす。
しかし距離が足りない。爆発に巻き込まれるのは避けられない。だったら風で爆風をそらす!
『まかせて!ウインドプレス!!』「え?」
俺が風で爆風をそらそうとする前にシルフィは自分の判断で思いっきり風を爆弾にぶつけまくる。その結果・・・
「あ~・・・・」
爆風よりもシルフィによって作られた風の方が強すぎて壁に押しこむような形になってしまった。そのせいで爆発のエネルギーは空の方向には向かわず、壁にすべてぶつける形となってしまい大きなクレーターが壁にできてしまっていた。
『あ~、久しぶりに力が使えると思ったらこんだけか~・・・ま、ソラが無事だったからいっか!』
うん、そうだな。ただ勝手に使うのはやめてくれ本当に驚くから。
よく考えたらあの女の子を連れて逃げておけばよかったと思う。ここらへんの判断は反省だな。
そう考えていると固法の心配そうな声が聞こえてきたので俺はそっちに向かうことにした。
煙がだんだん晴れてきて固法の心配するような顔が見えた。
「あー・・・・・大丈夫だぞー。」
そんな心配しなくてもいいのにと思いつつ無事であることを報告する。
しかし固法は黙ってこっちに近づいてくる。・・・・・ヤバイ、逃げたほうがいいかも。
そう思うが、行動する前に目の前に来ていきなり胸ぐらを掴まれた。
「あなたねぇ・・・自分が何をしたと思ってるの!!」
「ちょ、ちょっと落ち着け。」『揺れる、ゆれる~』
おもいっきり頭を揺らされ気持ち悪くなってきた。シルフィ、お前楽しんでるだろ!?
「ついてくるだけならまだしも、何で自分から危険なことに首突っ込むのよ!!これは私の仕事なの!だからあなたが危険な目にあう必要はないのよ!?」
「・・・いや、なんとなく大丈夫かなって・・・直感で。」
「それでも!あなたは一般人に変わりないのよ!?」
「いや、・・・・なんかさ、あんまり許せなくて・・・」
「何が!?」
揺らすのをやめ、話を聞こうとする固法。やっと止まった。
「目の前でさ、何もできずに女が傷つくのが許せねえんだよ。」
「う、でも。」
動揺したのか胸から手を離した。
「嫁入り前の体に、傷をつけるわけにはいかないだろ。」
そう言って頭にポンっと手を乗せる
「ま、そういうことだから諦めてくれ。多分治らないし、治すつもりはないから。」
そう言って俺は店から出ていった。
「・・・・・バカ。」
『は~、本当にどうしようもないね。・・・咲夜お姉ちゃんになんて言えばいいんだろ?』
「ん?なんか言ったか?」
『なんでもないよ~。』