デレステ二次創作   作:華無月

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第2話

『橘ありす SS』

 

「はい!今日はここまで。明日はもっと厳しく行くからそのつもりで」

 

「はぁ、はぁ」

 

「みんなお疲れ様。はいスポドリ」

 

ここはこのプロダクションの所有する建物内にあるトレーニングルームの一室。そこにはベテラントレーナーさんを指導者として五人のアイドル達が特訓、ライブの調整を行っていた。

とは言うものの今しがた終わったところで、プロデューサーである彼は休憩を取っているアイドル達に冷たい飲み物を配っている。

 

「ありがとう………ございます」

 

夏の暑さが本格化し熱中症などの単語をよく見かけるこの時期、いかに温度調節の取れた部屋でこまめに休憩を挟んでいたとしても対策してやりすぎなものではないだろう。

そんな気遣いを受け取りつつ、プロデューサーは五人のアイドル達にこの後のスケジュールを伝え

 

「んじゃ、今日はこれからオフだからってあんま羽目はずすなよー。ライブも近いんだから体調崩さないようにな」

 

とそんな事はないと分かっているが釘をを指しておく。

 

「それじゃありすと桃華はこれからドラマの撮影があるから………十三時に車に来てくれ」

 

「了解です」

 

「了解ですわ」

 

特訓を受けたアイドルの中にドラマの撮影が被っていた者がいるので追加で話しておいて、プロデューサーはその場を後にした。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

「でしたら私は………」

 

「それじゃ私が………」

 

トレーニングルームを出た後、各々軽食を済ましプロデューサーの車に乗り現場に向かう。それから現場について、メイク等を済ませたあと撮影に移る。

 

「はい!カットォ!!」

 

ありすも桃華も真面目なタイプで台本の内容通りに進めていく。

 

「二人共焦らない焦らない。ほら女の子は………」

 

基本的に台本通りに進めていくのだが台本にないセリフを言うこともある。役者によるアドリブだ。良くも悪くもその採用は監督次第ではあるが、こういう時二人の違いが良く分かる。

 

「それは貴方も同じではなくて?」

 

「…………です。ずるいです」

 

桃華の方はアドリブに役が抜けて素で返してしまうことがあるのがたまに傷だが基本的に真面目で柔軟性が高い。逆にありすの方は最近ではかなり柔らかくなって来てはいるのだがどうにも台本にないセリフが来ると一泊遅れる節がある。

とはいえそれがいい味出していると監督に言われるわけなのだが。

 

「では今日は終了です。お疲れ様でした」

 

とそんな感じでつつがなく進行して気づけば時計は撮影終了予定の十八時を回った頃に終了した。

 

「さてお疲れ様。えっと………少し事務所に寄りたいんだがいいか?」

 

「ありすさんはどうですか?」

 

「問題ありません」

 

こうして撮影を終えた一同は事務所に向かったのだった。その際桃華のプロデューサーはミラー越しにアイコンタクトを撮っていたのだが、ありすは気づかなかった。

 

―――――――――――――――――――――――

 

「それにしても事務所に何の用事があったんですかね?」

 

「どうでしょう……それよりありすさん今日の撮影は…………」

 

「桃華さんこそ…………」

 

会社の自販機のあるフリースペースでなんとなしに呟くありす。その横には桃華がお茶を飲んでいる。

少し時間がかかるからとプロデューサーから車から降りているように言われてやることも無かったのでここに来た二人。そんな二人が今日の撮影に関して意見を出し合っていると

 

「あら?偶然ね二人共。お疲れ様」

 

東の方から同じくアイドルの速水奏がこちらに気づいて歩いて生きていることが分かる。二人は軽く挨拶して、ありすの「こんな時間に珍しいですね」から始まってちょっとした世間話や先程てまで出し合っていた撮影の感想について意見を求めたりして…………気がつけば一時間は立っていた。

 

「………遅いです」

 

それだけの時間が経てば流石に疑問が湧いてくる。いくら送っていくとはいえ担当アイドルをこの時間に事務所にほったらかすのは如何なものかと。

 

「ちょっとプロデューサーの様子見てきます」

 

ありすがプロデューサーの元へと向かうために歩を進めようと立ち上がったのを見て、桃華は奏の方を見る。すると奏はウインクとついでに小さく頷く。桃華はそれを見て、仕込みは完了ということを理解したので、特にありすを止めることはせず、その後を追ったのだった。

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

(よく分からない人です)

 

橘ありすはプロデューサーのいる場所へと向かう。

 

(信頼をおける人だというのは分かりますが、時折抜けているのは人としてどうなんでしょう)

 

心の中で悪態をつきつつも、プロデューサーの元へ向かい部屋の扉をノックする。プロデューサーの「いいよ」という言葉に何か一言文句を言ってやろうと意気込んで部屋に入ろうとするありすだったが扉を開けると、

 

パァん!!

 

「お誕生日おめでとう!!」

 

突然大きな音とともに、プロデューサーを初めとした部屋の中にあつまっていたみんなから言われる。

 

突然の事に戸惑いを隠せないありすの背中を優しく押して行くように促す奏。ありすは冷静になってから恥ずかしさで赤くなった頬を隠そうと努力をしつつ、今度は自分の誕生日くらいしっかり覚えておいて今度は驚かないように覚悟しておこう………と心に決め

 

「ありがとう………ございます」

 

パーティーに参加したのだった。

 

 

 

「丸くなった………というより大人に近づいて良く見えるようになった………喜ばしい事だけど………まぁいい。今は 」

 

プロデューサーはありすの成長を少し複雑な気持ちで喜びつつ、ありすをいわぅたのだった。

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