【完結】私は脳無、インブローリオ。ヴィラン連合の敵。   作:hige2902

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第三話 美女と野獣(少女)

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 アバンタイトル

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 ありていに書くならば一人暮らしのOLの部屋で、にまぁ~と、携帯端末の短い動画を見る一人の女性がいた。名を岳山、職業ヒーロー、ヒーロー名はMt.レディ。

 かれこれ10分ほどリピート再生をしているその内容は自身が出演したCMだ。ヒーローのCM出演は一種のステータスであり、新米の彼女が抜擢されたのはなかなか例を見ない。

 

 ではなぜオファーされたかと言うと、特筆すべき点があった。東洋問わず力の源とされる言い伝えが多く残る、髪という秀でた点が。

 自慢の髪質だった。子供の頃、よくデカ尻女と『巨大化』の個性をからかわれていた。嫌な身体だと泣く事もあった。それでも髪だけは巨大化しても変わらず綺麗だった。それが支えだった。

 

 ちらと時計に目をやり、天界に流れるせせらぎのようなブロンドの長髪を翻して玄関を出た。

 予約していた美容院へと向かう。もちろんある程度髪型を変え、目深に帽子を被る。ヒーロー活動時は目出しアイマスクをしているとはいえ、一応は有名人なのだから。

 

 自宅のマンションを出ると、背後から声を投げ掛けられた。

 

「あれ、岳ちゃん?」

 

 振り向くとどこかで見た顔だ。なんとか記憶の糸を手繰ろうとする。

 

「あれ? あの、ぼっかけ理髪店の……あー」

「あ、覚えててくれた? そうそう、緒辰 貝(おだつ がい)。いやーおっきくなったね。北海道ぶりかな?」

 

 言われて「ああ」と合点をいかせる。

 実家が田舎で、他に選択肢が無くしぶしぶ通っていた理髪店の店長だ。

 

「懐かしいなぁ、思い出すよ。岳ちゃん、よくうちで髪を切ってくれたよね」

「あー、まあ。はい。お久しぶりです。旅行か何かですか」

 

 おっちゃんね、と緒辰は少し涙ぐんで言った。

 

「岳ちゃんが小っちゃい頃さ、どこか都会で店を出すのが夢って言ったら応援してくれたじゃない。それで勇気を貰えたからこうしてここで……本当にありがとう」

 

 言ったか? 悪い人では無さそうなのと、狭い社会なのでほどほどに愛想よくしていた思い出しかない。

 

「あ、じゃあ……夢がかなったんですか」

「うんあそこ」

 

 そう言って顔を向けた先に岳山も視線をやるがお店らしきものは無い。自宅の向かいには二階建てのアパートがあるだけだ。しかしどこか違和感がある。ん? と目を凝らすと、一室の玄関横の壁に、小さなサインポール(赤白青のくるくる回るアレ)が取りつけられていた。

 

「お店……ですか?」

「流石にテナントで店をやる資金が無くてさ。まあ、東京ってああいう隠れ家的なレストランがあるみたいじゃない」

「はあ」

「いや~それにしてもびっくりしたよ。何年振りかなあ。急に北海道離れるんだもの。まさかヒーローになっ」

「あすみませーん。ちょっと行かなきゃいけないところがあるので」

 

 長くなりそうだったので岳山は往来の歯に衣着せぬ物言いで会話をぶった切ると、そそくさとその場を後にした。

 後姿に揺れる髪を、緒辰はじっと見つめていた。

 

 

 

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 Aパート

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「いいかげん諦めろデカ女!」

「待てこのッ! ちょこまかするな!」

 

 田等院駅から少し離れた通り、夏至を近くに感じられる日の下で、今日もまたヴィランを追うヒーローがいた。

 追われるヴィランは手足が短く、胴は鳥の卵のようにポテッとしていた。ギョロリとした丸い目が道行く給与人やサボり大学生を把握し、その間をするすると縫うように走り抜ける。

 

 追うヒーローは、流れるような黄金の稲穂色の長髪を翻した女性だった。肉置きのよさを際立たせるタイトなヒーローコスチュームに身を包んだ、背丈20メートルほどの巨大な女性。器用に駅前のバスターミナルやタクシー乗り場の車両や人を避けて走り抜ける。

 

 おー、Mt.レディだ。と、道行く人々はスマホで撮影した。バズーカ砲のようにながーいカメラを構える集団も、どこからともなく発生する。

 

「彼女の家に怪しいやつが近づかないか見張ってただけだ!」

「接近禁止令が出てるだろ!」

 

 ヴィランは『ヤモリ』の個性を発現させ、ぺたぺたとオフィスビルの壁を這いあがり三階の窓を破って侵入した。そのフロアで事務仕事をしていた給与人が突然の闖入者にどよめく。

 

「大切な愛する人の家を守って何が悪い!」

 

 振り返って勝ち誇った。Mt.レディの個性は『巨大化』という変形型。こういった室内に逃げ込んでしまえば……と、内心でほくそ笑む。決して俺と彼女の蜜月の邪魔はさせない。彼女の勤務先の昼休憩まで体内時計で24分。なんとかこのヒーローを撒いて、二人のランチに間に合わせなければ(彼女が好物のアボカドとローストチキンのサンドイッチを食べる姿を目に焼き付けながら食事をする意)。

 そして退勤後の夜道は危ないから送ってあげて(同じ電車車両に乗り)、帰ったら一緒にユーチューブを見て(コメント欄で絡む)、お喋りしながら(ブロックされないようにツイッターでいいねを押す)夜を共にする(日本時間の夜を同時刻に経験する)んだ!

 

 熱い思いを馳せるヴィランとは裏腹に、給与人はざわめいた。Mt.レディはまったく減速せずに突っ込んで来る。

 

「彼女はあんたを愛してないっつーの!」

 

「いやいやいやちょちょちょっと」

 

 ヴィランはすぐに背を向けてフロアから飛び降りた。ワンテンポ遅れて、Mt.レディはビルめがけて軽く跳ねる。フロア中の市民が目を閉じ、身体を強張らせた。

 あわや大惨事寸前、空中で『巨大化』を解除。どこにでもいる女性のサイズに戻り、そのままヴィランが破った窓に続いてするりと侵入した。

 流れる動作で前転して着地の衝撃を四肢で拡散させると、「お仕事中すみませーん」と言ってそのまま追って行った。

 

 すげえ、と誰かが口をあんぐりさせる。

 

 個性制御、という概念がある。

 発動、変形、異形の3つの型に大別される個性に共通した要素で、それは生まれ持った才能でもあり、努力して伸ばせる技術だ。

 

 例えば手から『爆発』を起こす個性使いが自らの掌に火傷を負わないのは、発動型の個性制御がうまく働いていると言える。個性制御が上達すればするほど発動するまでの時間は減るし、その威力も増大する。

 逆に『サメ』になれる個性使いが水中で呼吸困難になる場合は、変形型の個性制御がうまく働いてないと言える。口呼吸とエラ呼吸の違い、呼吸器官の差異に対しての意識、あるいは無意識的に個性制御を働かせない限りは、例え魚の個性でも水中で溺れる。

 

「俺なんかよりヴィラン連合とかの悪党を掴まえろよ! ……クソッ、二車線以下のとこは追ってこれねーんじゃなかったのかよ」

「悪事に大も小もあるかぁ!」

 

 筆を走らせたように10階建てのビルの屋上へ逃げると、Mt.レディはつま先立ちで巨大化を起動し、頭部を終点に個性を解除。すると身体はあっという間に空中20数メートルに位置する。落下する前に屋上のフェンスを掴み、追撃を再開した。二車線以下云々で難しいのは対個性戦であって、戦闘能力の無いヴィランを追う事は可能だ。

 

「ウソだろ……人の恋路の赤信号め!」

「一方通行の恋路があるかっての、通行止め! あんたの人生も一時停止! ……このフレーズいいな。いやでもわたし、それほど交通系って個性でもないし」

 

 巨大化後、どこを終点に個性を解除するかを決定し、疑似的な高速移動を可能にしているのも個性制御の作用だ。

 水を放出する個性も、その水を極小の粒として放出すれば霧になる。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()基礎にして奥義なのだ。

 

 ガラスを伝う水滴のように壁を降りた先はアーケード街に繋がる噴水広場で、さすがに人が多い。空中に飛んで巨大化、着地前に足を終点に解除するにはややスペースが怪しい。

 非常階段を駆け下りるMt.レディを見上げて、ヤモリヴィランは鼻で笑う。

 

「俺の愛はアマゾンプライムでお急ぎ便……あんまり上手くないな、自分で言うのもなんだが」

 

 まあいいか、と人ごみに紛れて商店街へ姿をくらました。くらまそうとして夜色の触手に襟首を引っ掴まれて路地裏に姿を消した。

 そして底冷えのする、ガラリとした声の怪物に詰問される。

 

「頭と両手が黒いモヤの奴を知っているか」

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 わたしとしたことが、見失うなんて。と、Mt.レディは商店街に足を踏み入れる。踏み入れようとした時、ゴミが路地裏からぺいっと飛んできた。よく見るとゴミではなく、ボコボコにされた先ほどのヤモリヴィランだ。

 

 ひょいと路地裏を覗くと、マンホールを開けている夜色の巨体と顔を合わせる。顔と言っても目耳鼻口が無い。干してある美容室のタオルや室外機がひしめく狭い通路で窮屈そうにする身丈は2メートルをゆうに超えており、その体躯は暴力の為の鋭利な筋肉で構成されている。よく見ればそれは無数の触手のようなモノが形作っていた。

 

「……インブローリオ」

 

 固唾を呑んでそう呼ばれた怪物は、一言も発する事無くぬるりとマンホールに潜って姿を消した。

 

「待て! ……あーもう!」

 

 混濁する意識の中であっても何とか逃げようとするヤモリヴィランに気付き、その暗色の怪物を諦めた。

 

 

 

 ま! もとよりインブローリオとは一対一で相対してはならないっていう基本方針があるんだけどね。とヤモリヴィランを警察に引き渡してMt.レディはヒーロー協会の会議を思い出した。

 

 保須市での事件以来、脳無の脅威度が協会を通して定義づけられた。原則的に一対一の場合は即時応援を呼ぶ事、深追いは禁止事項。

 それに巨大化の個性使いが地下水道では戦えない。あの場で協会に連絡をして撤退が最上の判断。

 

 それに、と事務所ビルに戻って一息ついて付け加える。

 

 遊園地で確かに自らを脳無と名乗ったが、保須市で見た脳無との決定的な共通点が無い。むき出しの脳味噌という外見上の相違。この点が、まだ異形系のコピーキャットである可能性を残していた。(USJの事件が漏えいしていたと仮定して)

 

 ひと汗かいたので事務所のシャワーでサッと流してジャージに着替える。冷蔵庫の扉を尻で閉め、キンキンに冷えたスポドリ片手にソファへどっかりと腰を下ろす。ヒーロー活動中の花のある雰囲気とは打って変わって、完全にだらけている。

 

 ファンが見れば落胆するかも、と事務員は考えた。まあ、表に出さなければそれでいいか、とも。オフがズボラで女っ気が無いのはプロモーション的には構わなかった。男の気配の欠片も感じられない。職業ヒーローはアイドルに片足を突っ込んでいる。声優に求められているそれと同じだ。あまり色恋沙汰は匂わせたくない。

 事務所として()()()()()()()()()()()()だが、この様子だと問題無さそう。

 

「あー疲れた」

 

 プルタブを開け、クピクピやりながら録画していた「美女と野獣」を再生する。

 基本的に、個性を使ったヒーロー活動後は休憩を入れる。市民に被害が及ばないように個性を使うというのは、想像以上に神経を使う。無理に勤務を続けて、万一にでも人的被害を出さないためだ。

 

「やだやだ。あーいう女の気持ちとか考えないストーカー。大切に思ってるなんて口だけで、絶対、なにかあった時に助けてくれないタイプ。ってか被害者も気づかないもんかしらねー。数年間発覚しなかったって信じられない」

 

 そんなラフな姿に、事務員がおずおずと切り出す。何しろ岳山は、感情が高ぶるとはずみで個性を起動しかねない。巨大化の個性を室内で使えばどうなるか。この程度でそれほど不機嫌になるわけでもないが。

 

「あの岳山さん。今日捕えたヴィランの被害報告書なんですけど……」

「んあー大丈夫。何も壊してないから。特に書く事無いし、後でちゃちゃっとやっとくー」

「や、その。オフィスビルの窓ガラスが割れてるみたいなので、うちは壊してないと警察に届け出て主張しておかないといけなくて」

 

 ゾンビのように呻いて、クリップボードに挟まれた紙面の記入事項を埋めていく。発生日時、場所、状況、正当性の有無、個性使用の有無……

 

「というかさー、今日も居たわ。例のインブローリオ」

「えまたですか」

 とサードパーティから提案されたグッズの企画(Mt.レディの型を取って作る、3メートルほどの等身大足裏ベッド。買う奴いるのか?)を揉みながら事務員は怪訝な顔。

「遭遇率高いですね。この辺を拠点にしてるのかな」

 

「ムカつくわー。あいつがヴィランをボッコボコにするから、わたしの活躍の機会が減るのよ。楽なんだけどさ」

「まあ無事なだけいいじゃないですか。協会の基本方針を無視して病院送りにされたヒーローも多いですし」

「あいつ、()()()わたしには手を出さないのよねー」

「……捕まえようとしたんですか? 一人で?」

 

「ちょっと前に。退路を確保してからね」

「やめてくださいよ、危ないなー」

 

 でもほんと、なんでだろ。とテレビを見やる。ちょうどLady HairのCMをやっていた。思わずむふふと含み笑い。画面の中では、白いワンピースを着た自分が物憂げに自慢の長髪を搔き上げているのだから。

 

 ゆるやかなウェーブをえがくシルクのような髪には、エンジェルリングが浮かび上がっている。穏やかな草原の風に、湖面に反射する朝日の色を付けたかのような。繊細で柔らかい楽器の旋律を蓄えているとも見えた。

 

 プロの女性ナレーターが透明感のある声色で締める。

 

『シャンプーで、奏でる髪質。Lady Hair』

 

 

 

 ―――

 Bパート

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『シャンプーで、奏でる髪質。Lady Hair』

 

 地下水道を通った臭いをシャワーで落としたインブローリオは、ボロボロのソファに腰掛け、くりっとしたかわゆい小動物のような瞳を出し、テレビを指す。整った小さな口を作り出して言った。

 

「そういえばこいつ、また居た」

 こいつ? とくたびれたシャツにスラックスの自称博士は、ヤモリヴィランからいただいた財布や携帯端末を検める手を止めて顔をあげる。一瞬だけ、切なそうに振り向く岳山を視界に入れる。

 

「ああ、Mt.レディか。結構活動範囲が被ってんのかな……うおっ、財布に盗撮っぽい女性の写真が……大丈夫かよ、いろいろ」

「なんか今日また追いかけて来る気配みたいなのがあったけど、マジで手を出したらダメ? 最悪マンホール降りてきたらさー」

「だーめだって。随分前だけど、一日署長やるって発表があったからな。怪我でもさせてみろ、警察のメンツを潰すことになる」

「悪の秘密結社がなにビビってんだか」

 

 そうじゃないよ。と博士はクレジットカードを謎のスキャナーに読み取らせた。ラップトップにUSB接続されているヤモリヴィランの携帯端末で、アマゾンのカートに商品を入れていく。

 

「そうじゃないよ。結局、立法と行政の上層はまだ現場を理解してない。脳無が大暴れしたけど、ヒーローが何とか鎮圧したからな。街の被害は警察の責任でもない。けど一日署長を潰したら、警察に直接喧嘩を売る事になる。別にいいけどさ。おれが嫌なのは塚内って男を敵に回すには尚早って話」

「誰それ」

「凄腕の対個性犯罪の刑事だ、今は警部だったか? 個性知能犯罪組織からは、ある意味オールマイトより恐れられてるよ。一日署長もそいつの起案って噂だ。たぶん、Mt.レディに怪我させたら、警察の威信とかを理由に予算をもぎ取る算段なんじゃないか。で謎の改人、インブローリオが本当に脳無なのか、その背後関係も洗う。Mt.レディは情報地雷だよ」

 

「脳無って宣言したじゃん。てかわたし以外のヴィランにやられたら?」

「やられないくらいの実力はあるんだろ。きみ、他の脳無と違って脳味噌剥き出しじゃないじゃん、話せるし。一万以下でなんか欲しいものある?」

「え、芳香剤……じゃないアロマディフューザー! 丸見えはキモイからヤダ」

 

 そう、インブローリオは見た目はともかく精神は花も恥じらう年頃の女の子。脳味噌丸見えは女の子的にNGなのだ。

 

「その塚内ってそんなヤバいの? どんな個性?」

「個性よりも判断力と観察力がな。高校の頃から昼行燈って感じなんだが……まあとにかく今はめんどくさい相手だ。警察上層には、何人かのヒーローで対応できる脳無っぽいやつ、の認識のままでいてもらう。やつに人と金を回させないために」

 

 いいか、と博士は念を押す。

 

「いいか、だからM()t().()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。追われても振り切るだけにしろ」

 

「ふーん。おまえがそこまで言うんなら、わかった……あSwitch欲しい!」

「高いからダメ!」

「イカのやつやりたい!」

「まだ秘密基地として機能してないだろ、ここ。ようやく浴室を取り付けたばっかりだし」

 

 そう言われるとインブローリオは何も言い返せなかった。次は自分の部屋を用意してもらえる約束を取り付けてあるし、トラブルを避けるため、正式に賃貸契約を結んでいるので家賃が掛かる。(偽の戸籍はラブラバに手配してもらった)

 大人しくテレビに視線をやる。CMはとっくに明け、醜い獣と美女が好ましくない出会いから一転して悪くない関係を築いていた。

 

 誰もが恐れる人外に心ときめかせる乙女がいるだろうか。いない気がする。それこそが高潔で尊い愛だとでも言いたいのか。暗転時に反射する自分の姿が視界に入る。だとしたら自分には程遠い。何となく目を引っ込めてチャンネルを変えた。

 

『続いてのアレです』

 

 テレビの中のアナウンサーが真面目な口調で読み上げた。

 

『先日、歌羽地区で起きた出火事件について続報が入りました。警察発表によりますとアレは一連の連続放火と同一犯である可能性が高く、周辺での不審者情報について目撃情報を呼び掛けています』

 

 アナウンサーがタレント司会に話題を振ると、得意げな顔で返しが来る。

 

『ま、僕の方がツイッターで炎上した回数は多いんですけどね』

『その発言でまたアレしちゃいそうですね。理髪店を狙った犯行との見解ですが、一体犯人の動機は何なのでしょうか。われわれにはちょっと見当もつきませんが』

『早く捕まえてほしいもんですよ。行きつけの床屋が狙われたら困りますし。まったく、ヒーローや警察は何をしてるんだか。まあアイドル気取りと税金泥棒に何が出来るって話だけどな!』

『今のもアレですね。はい。続いてはタレント司会の、今しがた言った不適切なコメントに対する謝罪会見の生中継です。このまま現場からお送りします』

 

「これ身体の一部の体毛が少ない人が犯人だよ」

 

 そう言ったインブローリオの背後で、ガラス瓶が割れる音がした。博士の研究デスクの足元に炎が広がる。

 

「うあわー、燃えっ熱っつあつい」

「ええ!? なにやってんの! 燃えてる燃えてる! 水、水!」

 

 慌てて流し台でボウルに水を汲むインブローリオ。

 

「いやそれじゃ間に合わん!」

 

 博士は椅子に掛けてあった白衣を水に濡らし、火元の床を覆った。しゅうしゅうと音を立てて焦げ臭いが漂う。そこへさらに水を掛けてなんとか消火した。デスクに燃え移らなかったのが不幸中の幸いか。

 

「消えるもんだね、濡らした白衣で。てか身体をホースみたいにして蛇口と繋げばよかった。焦ると簡単な事に気が付かなくなるもんだね」

「まあ結局は酸素との化学反応だからな。酸素を遮断すれば、炎は燃焼する要素を満たさなくなる」

「そもそも気を付けてよ」

「きみがビックリするような事を言うからだろ」

 

「え?」 とインブローリオは逡巡し、博士の頭頂部を見やる。 「いや大丈夫。身体の一部の体毛は少なくなってないよ」

「あ、そう。いや気にしてないけどな」

「ギリギリ大丈夫」

「ギリギリってなんだよ! 気にする年齢なんだから気を使え!」

 

「もうおっさんだもんね」

「おっさんじゃねえよ!」

 

 

 xxxxxx

 

 

 

「うわ、おっさんじゃん。呪いの解けた姿、けっこう歳いってるわー。王子さまより王じさん?」

 

 何日か日を跨いで美女と野獣を見終わった岳山が、身も蓋も無い感想を言った。ま、ちょっと変わった()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って所にはグッと来なくも無かったけど。と、内心で付け加える。

 

 伸びをして、ソファから立ち上がる。手早くコスチュームに着替えて時計を確認する。そろそろ夕暮れ時。

 

「岳山さん。あんまり遅くにパトロールに出ると、足元暗いから活動しにくいですよ」

「あーわかってる。けど最近の連続放火魔がどーも気になってね。この辺の理髪店もなんかそわそわしてるし、安心するでしょ、ヒーローが見回ってたら」

 

 雑に見えて真面目なんだよなあ、人の気持ちを考えてるってか、と事務員は岳山を見直した。無茶苦茶やったり、しょっちゅう事務所を巨大化で破壊されたり、保険屋に嫌な顔されたけど。この人の事務所を選んで正解だった。

 

「あ、そだ。もしガチャガチャでシンリンカムイの盆栽フィギュアシリーズ見かけたら一回だけ回しといて」

「珍しいですね。他ヒーローのグッズに興味持つなんて」

「写真撮って煽る用。あれ死ぬほど売れてないんだって、だから探しても全然なくて」

 

 正解なのだろうか、この人の事務所を選んで。

 

 

『盆栽鉢の上で面白ポーズを取るシンリンカムイの四肢を、幹枝に見立てて葉を付けたスモール盆栽!

 全6種類+シークレット1種類。葉を剪定できるプレミアム仕様! きみだけのシンリン盆栽を完成させよう!

 発売日 :2019年1月未定

 ※発売日(予定)は地域・店舗などによって異なる場合がございますのでご了承ください。

 売り場 :

 価格  :500円(税込み)

 対象年齢:15歳以上』

 

 

 ターゲット層がわからん。等身大足裏ベッドがまともに思えてくる。

 

「あ、はい」

「それじゃーちょっと行ってくる」

「お気をつけて。あそれと、まだオフレコですけど二本目のシャンプーのCMが決まりました」

「マジ!? やったね~」

 

 たららーんとCM曲の鼻歌まじりで事務所を後にした。

 その後姿を電柱の影から窺う緒辰は鼓動の速まりを押さえられなかった。

 

 やはり、あの太陽のシルクのような髪質は岳ちゃん。本当にMt.レディとして活動していたのか。

 しかもあのロールと毛先からして、やはり俺と出会った日以降にどこかの理髪店に行っているな。おれがきみの自宅の向かいで床屋を構えているのに、なぜ……! 

 嫌だ……その天使の夢で紡がれた糸に触れ、ハサミを入れていいのはおれだけだ。許されない、他の誰にも。絶対に……おれ以外の理髪店に行くなんて。

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 てくてくと駅周辺をパトロールすると、部活帰りの女子学生がスマホを向けた。

 

「テレビより、より綺麗だわ、実物は」

Lady Hair(レディヘアー)、買うしかないね、買えるだけ」

「街灯に、煌めく髪は、天の川」

 

 その視線にありがとー、と答えて周囲を見渡すと、いつの間にか陽が落ちていた。最後に商店街を通って帰るかと歩みを向ける。

 噴水広場を通り、すっかりシャッターが降りて人がまばらな通りに、街灯の明かりが物悲しく照らしている。そう言えばこないだインブローリオと出会った所。

 

 なんとなしに、ひょいと例の裏路地を覗いてみる。屈み込んでごそごそと壁を弄る男が一人。

 

「どうしてそんな事をする!」

 

 Mt.レディが叫ぶよりも早く、そのセリフは彼女の背後から聞こえた。

 は? と、振り向くと今にも泣きだしそうな緒辰が居た。

 

 路地裏に居た男はその声にビビり、ライターを点けた。『均一化』の個性が発動し、二階建ての美容室の外壁がライターと同じ火力で均一に着火される。夜の街に炎の箱が灯されたようだ。

 犯人はそのまま逃げようとしたところ、マンホールから這い出た巨漢に捕まり、件の質問の後にボコボコにされてポイ。

 

「いやいや速い速い理解が追い付かないんだけど」

 とMt.レディ。

 

「どうしておっちゃん以外の店で髪を切るんだ」

 と緒辰。泣きながら続けた。

「あんなに足しげくおっちゃんの店に来てくれてたのに、どうして黙って北海道を出て行ったんだ」

 

「はあ? いやちょっと何言ってるか」

「探したよ、本当に探した。ご両親に居場所を聞いても断固として教えてくれないし道警呼ばれるし。だからヒーロー名鑑vol.5で岳ちゃんの髪を見るまでわからなかった」

 

「歌羽区の商店街で火災発生です。恐らく個性により外面全体にのみ火は回っていて、内部にはまだ燃え広がっていません」

 と、Mt.レディは手首に備え付けてある通信機で消防に連絡しながら思考を切り替えた。緒辰の事は考えたくなかったというのもある。

 どうする。ヒーローとしての災害マニュアルに沿うのなら、消火栓や消火器を探す。いや火の手は一瞬で建物を覆っている。初期消火の段階はとっくに過ぎた。

 

「うわどうなってんだよ」

 と、二階に住んでいた住人が慌てて飛び出してきた。もう中に人はいないらしい。

 

 個性の使用を前提とした新建築基準法をクリアした建築らしく、燃焼具合は抑えられているがここは商店街。今にでも隣の店に延焼するかもしれない。

 

「緒辰! ちょっと消火栓を」

「どうして、運動会には必ず応援に行ったのに。あの時の写真だってまだ財布の中に」

 

 ダメだ役に立たない。どうすれば。いまのところ燃えているのは外側だけ。建物全体を、水を含んだ何かで覆えば酸素量は減り、火の勢いも収まる。だがそんな都合のいいものがこの場に……

 ハッとして巨大化し、すぐ近くの広場の噴水に駆け寄り、髪の毛を浸した。たっぷりと水分を吸って重いそれを抱えて戻る。

 

 やるしかない。火の点いた建築物を濡れた長い髪で覆う。ぼたぼたと水が滴る髪を前身に持って来て掲げる。ちりちりと顔が乾燥していくのがわかる。ここで絞っても焼け石に水だ。酸素を断ち切る事が大事なのだ。

 

 察した緒辰が叫ぶ。

 

「やめろ岳ちゃん! それがどれだけ素晴らしいかわかっているのか!? 神の生み出した奇跡だぞ! それだけはやめてくれ、何でもする。割引券もあげるから!」

 

 何でもする? だったら今すぐ消火活動しろ! 言葉だけのストーカー野郎。Mt.レディは内心で毒づく。

 ツいてない。

 やりたくない。やりたくないが、やらなければならない。

 

「あーもう、2本目のCM決まってたのに!」

 

 Mt.レディが意を決した時、黒い大きな影が視界を横切って燃え盛る屋根の上に降り立った。反射的に嫌悪感が湧く。

 インブローリオ!? こいつ、こんな時に邪魔を!

 

 邪魔をしているのかと思った。

 違う。

 赤い画用紙に黒いインクを垂らしたかのように、インブローリオの四肢から黒い蔦のようなものが燃える建物を覆っている。焼け焦げた臭いと、煙を出しながら。

 

「えちょっと何、を」

 

 何って、消火活動に決まってる。Mt.レディはすぐにそう理解し、インブローリオの真上で髪を絞り、少しでも助けになればと段階的に水を降らせた。

 建物の側面をみっちりと這う『蔦』は『蛭』のぬめりも併せ持っているものの、その人工的な雨はインブローリオに延焼するのを防ぐのに役立った。

 炎が消費する酸素を遮断し、消防車が到着するよりも早く鎮火を成功させる。建物内部に燃え広がっている様子も無く、倒壊の心配もなさそうだ。

 

「なんとか、なったか」

 

 Mt.レディは個性を解除し、胸をなでおろした。その背後から鋭利なヘアカットハサミを両手に持ち、鼻息の荒い緒辰が迫る。

 振り返りざまの足払いで宙に浮かせ、鳩尾を打った。白目向いて泡吹いてぶっ倒れる。

 

 美容院の店長がしきりに感謝を述べている。

 念の為消防が内部を確認、警察がMt.レディに状況説明を求めた。

 

「あのボコボコにされてノビてるのがおそらく連続放火魔の犯人」

 

 なるほど、と警察官は相槌を打ってパトカーに乗せられた容疑者を見やった。

 

「このボコボコにされてノビてるのは……あー」

 

 ふむふむ、と警察官は相槌を打ってMt.レディの足元に転がる緒辰を見やった。

「ノビているのは?」

 

 どうしたものかな、と答えに迷う。

 幼少の頃、良くしてもらったのは間違いない。世話になったのだろう。正直引くが、一応はファン、なのだろうか。

 何年振りかの地元の人間に、同郷のよしみを感じなくも無い。

 

 部下の一人が身元を確認しようと財布を検めると、岳山の運動会の写真が出てきた。小学校の頃のものだ。

 

「こいつは極めて悪質なストーカーです。現行犯逮捕です」

 

 こうして、一連の理髪店を狙った連続放火魔事件の幕は降りた。

 悪は去った。

 

 

 

 ―――

 エンディング

 ―――

 

 

 

「それでは、ご協力ありがとうございました。送りましょうか? パトカーでよければ」

「じゃ、お言葉に甘えて。それにしても大変なんですねえ」

 

 Mt.レディは『猫』の個性使いが運転する車の後部座席に乗り込み、続けて言った。

 

「警部でもこんな時間の現場に出動なんて」

「んまあ、ちょっと色々と」

 

 助手席に座る塚内直正が答えた。

 

「懐かしい顔を見れるかと思いましてね」

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

「おかえり。珍しいな。きみがヒーローを助けるなんて」

 

 別に、とインブローリオはさっさとシャワールームに向かい、過去を反芻する。

 

 姉は自分なんかよりもずっと素敵だった。まだ姉が自分の中に居た時、あの肉体は二人の物だった。だから姉に相応しい肉体を努めていた。

 児童養護施設で出来る美容やオシャレは少なかったが、出来るだけ身ぎれいにしていた。女の命と言われる髪には特に気を使っていた。

 

 だからあの髪が悪意による個性で奪われるのが気に入らなかった。あれは相当に手を入れ、大事にしていると初めて見た時からわかっていた。自信と誇りが感じられるほど。

 

 シャワーを止めて、鏡の水滴を拭って見やる。悪意による個性で奪われた頭部がそこにあった。ひどく醜く、醜悪な。瞳と歯茎だけはあの時のままなのがアンバランスで、不気味を膨張させる。

 

 助けるつもりなんてさらさらなかった。なんとなく、感傷的な気分になっただけだ。それだけだ。似た苦しみを味あわせたくなかった。

 

 

 

 シャワーからあがると、博士が台所でインブローリオの夕食を作りながらニュースに耳を傾けている。

 

「別にいいのに、お腹減らないし」

「まあ俺の為だと思って食べとけよ。年端もいかない子供を差し置いて自分だけ食べるってのもな」

 

『速報です。例の理髪店を狙った連続放火事件のアレが逮捕されたことが、今日の警察発表で明らかになりました。すでに犯行を認めており、動機については、理髪店は身体の一部の体毛が少ない人に対する環境ハラスメントであり、どうしても許せなかった。などと意味不明な供述をしているようです』

 

「うわ当たってるし。きみには探偵の才能があるな」

 

 犯人の顔が映し出されたテレビを見て。確かめるように旋毛の辺りを触ってみる。

 

 

 

 ―――

 Cパート

 ―――

 

 

 

「今日のパトロールしゅーりょー」

 

 例によってジャージ姿の岳山が事務所のソファに寝っ転がる。

 

「お疲れ様です。それと、頼まれてたシンリンカムイの盆栽フィギュア、ありましたよ」

「そ、ありがとう」

 

 手渡されたカプセルを開ける。風情のある盆栽鉢の上で片足立ちになり、反らしたもう片方の足の裏と掌を合わせ、空いた片手を掲げている。

 折りたたまれた説明書を見るに、ナタラージャーサナというヨガのポーズらしい。

 どこにあったのこれ? と尋ねながら、髪の毛のように頭部にこんもりと生えている葉をむしる。

 

「近所のスーパーの一角に小さなゲームセンターがあって、そこに」

「ふーん」

 

 シンリンカムイのフィギュアを身体の一部の体毛を引き抜きながら、浅く思考する。

 

 あの時、なんでインブローリオはわたしに手を貸したんだろ。

 遊園地で悪の秘密結社(笑)とやらに属していると公言していたし、やってることはヴィランを襲うヴィランだ。そこに正義の心はなく、財産を奪っていく。そこがヴィジランテとは違う所だ。邪魔をしたり、追跡するヒーローも攻撃する。もちろん助けるなんて行動は確認されてない。

 

 それにわたしにだけ、攻撃してこないし。

 摘み取る手を止め、なんとなしに毛先を指で弄ぶ。コシのある繊細な髪が指の間をするりと流れる。

 

 わたしが大事にしてるモノ、守ってくれたし。()()()()()()()()()()()()。あの恐ろしい化け物の外見をしたやつが、わたしを。

 いつからなのだろう。脳無と言うのが事実なら、ヴィラン連合に改人にされた。きっと醜い外見にされたから、わたしに話しかけられないんだ。そう考えるとなんだかとても切ない。

 

 そんな岳山を見て焦燥感を覚えたのは事務員だ。

 

 なんかシンリンカムイさんのフィギュアを渡したらもじもじしだした!

 

 ま、マズい。プロモーション的に。スキャンダル、とまではいかないまでも。事務所としての計画を立てないと。

 とにかく事実確認をしなければ。

 

 この時、事務員は焦りと想定外の出来事に失念していた――

 

「岳山さんひょっとして今、意中の方がいたりいなかったり」

 

 ――岳山は感情が高ぶると、はずみで個性を起動しかねないという事を。

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 もう適当な空き地に青空事務所でも構えた方がいいのではないだろうか。

 

 ダンボールひしめく雑居ビルの二階フロアの中で、事務員は窓の外を眺めながら思った。

 

「あの、岳山さん。もう一戸建ての事務所を借りられないから、しかたなくワンフロアで済ましたので。お願いしますね、個性制御。一階には民間人が借りているので」

 

 うん、ごめんね。とデスクで物憂げに生返事。なんだかあいつが近くに居る気がして、胸を押さえた。そんな訳ないのに。

 

「それじゃー階下の方に引っ越しの挨拶に行ってくるので」

 

 想定よりも重症かもな、と事務員はのし袋に包まれた乾麺タイプの引っ越し蕎麦を持って階段を降り、一階フロアのドアを叩く。

 出てきたのはどこにでもいる中年男性だ。くたびれたシャツにスラックス。

 

「あ、おはようございます。上の階に事務所を構えましたMt.事務所の者です。引っ越しのご挨拶に参りました」

「ああこれはどうもご丁寧にままままうんと事務所ってMt.レディの!?!? えっ! えっ!?」

「ご心配には及びません。その……たびたび事務所を破壊してしまうのは事実ですが。あー、どこか一軒家を借りられるまでの仮という事で速やかに退去しますので。短いお付き合いになるとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」

 

 それだけ言うと、そそくさと二階へ戻る。

 ヤバいな、あの人めっちゃビビってた。まあいつ二階で『巨大化』が起動されるかわかったもんじゃないからな。

 

 事務員曰く一階の民間人こと、悪の秘密結社の博士はぱたんとドアを閉じ、目を白黒させる。

「どしたの?」

 とインブローリオが怪訝そうに尋ねた。

 

「わけがわからん。M()t().()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と考えてたら真上に来た」

「なにそれ怖い」

 

 それは偶然か、塚内の策謀の副産物か、それとも運命の赤い糸のなせる業か。

 

 それは都内にある雑居ビルのワンフロア。自称、悪の秘密結社の真の発足後の躓きの瞬間だった。

 




人間:緒辰 貝
個性:なんか髪に関するなんか
北海道弁で、おだつ=調子に乗る。がい=とてつもない。らしいぞ!

人間:放火魔のやつ
個性:均一化
触れたAとBの2点の状況を等しくするぞ!
取って付けたように生物を対象に取る事は出来ないぞ! あと出来るかもしれないけど個性制御がスゲー大変。って事にしておく。
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