この素晴らしい天界に祝福を!   作:勾玉

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これは、佐藤和真が異世界へと旅立つ数カ月前の物語

※挿絵が落書きレベル注意!


第1章 アクア編
第1話 女神たちの戯れ


【カズマ視点】

 

 

「っつ・・・」

 

目を覚ますと、ひとりの女性が俺の顔を覗き込んでいた。

傷一つない綺麗な白い肌、黒髪のロングのストレート、形が良く大きめの胸。

そしてこの世のものとは思えない程の美貌・・・

 

そう、例えるならば、それは女神のような美しさ。

 

後頭部に暖かな弾力を感じる。

ふむ、どうやら俺はこの美女に膝枕をされているらしい。

 

俺は美女の膝の柔らかさを堪能しつつ、ぼーっと彼女の顔を見る。

 

と、彼女が俺の視線に気づいた。

 

「あ、気がついた?具合はどう?」

 

・・・とりあえず、具合の悪いふりをしてこの時間を延長する作戦でいこう。

 

「ちょっと頭が痛いです。」

「あらそう?回復したつもりだったんだけれど・・・。でも、ごめんね。私、そろそろ帰らなきゃならないの。ちょっと上の人から連絡があって。ジャージを枕がわりに置いておくから我慢してね。」

「・・・・・・。」

もっと早く目を覚まさなかった俺の馬鹿!

 

「あなたのゲーム、ここに置いておくわね。しっかり守りなさいよ。」

彼女が微笑みながら手に持った袋を脇に置いた。

 

・・・ゲーム?あぁ、今日買ったゲームのことだろう。

 

周りを見渡すと、今いる場所は公園のようだった。

どことなく見覚えのある公園だ。

 

俺はベンチに横たわっている。

 

 

 

・・・えーと、今日何があったんだっけ。

 

すごく密度の濃い一日だった気がするが・・・

 

俺は今日の出来事を思い出そうとする・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・

 

 

 

■■■

 

 

【アクア視点】

 

 

ここは天界の一角。

 

日々、死んだ人にその後の転生や天国行きなんかを選択をさせるという、謂わば進路調査と裁決をする場所だ。

 

私は、その調査員的役割を担う女神アクア。

 

水の女神にして、数ある世界、数ある地域の中、日本という高度な文明、独特な文化を持つ地域を担当するエリート女神だ。

 

「そんな私は今、日常業務の合間をぬって、後輩女神の話を聴いてあげているところだった。」

「何突然一人語りをしてるんですかアクア先輩!」

 

「彼女の名前はエリス。胸パットを司る女神で、とある世界では通貨の単位になるくらいに崇められている胸パットの女神だ。おまけに幸運も司っている。」

「先輩、声にでてます!そして私は胸パットは司ってませんから!」

エリスが真っ赤になって叫ぶ。

 

「ごめんね、エリス。誰かがこの天界を覗いてるような気がして、一応、紹介しておいた方がいいかなぁって。」

「・・・何ですか、紹介って!それに、変な設定をねつ造しないでください!」

「えーっと、それで何の話をしてたんだっけ・・・確か、クルセイダーの子と一緒にクエストを受けたとかだったかしら?」

私は話題をエリスの冒険話に戻した。

 

エリスはとても優秀だけれども、冒険が大好きで、たまに冒険者に扮して下界で好き勝手やっているらしい。今日もエリスが下界に降りた時の話を聞いていたんだった。

 

「・・・それでですね、その子とクエストを受けたんですけど、途中でその子がブルータルアリゲーターっていうワニを見つけてしまって・・・嬉々としてそのワニのいる湖に突っ込んでいったんですよ。ですが、鎧の重さで溺れてしまって・・・なんとか岸まで引っ張りあげましたが、その子が顔を赤らめてハァハァ言い出して・・・」

「上級職のくせにワニごときに手こずるとか大丈夫なの?」

 

エリスは危険な冒険ことを随分と楽しそうに話す。

私はお菓子をポリポリ食べながらそれを聞く。

 

 

【挿絵表示】

 

 

それにしてもエリスは本当にやんちゃな子だ。

先輩の私から忠告のひとつくらいはしておいた方がいいだろう。

「前にも言おうと思ったのだけれど、そんな頭のイタい子と冒険なんてしたら、命がいくつあっても足りないわよ。もっと優秀な子は沢山いるでしょうが。」

「まぁ、確かに彼女との冒険は危険の連続ですけれど、簡単に敵を倒していってしまうパーティーよりドキドキして、よっぽど楽しいですよ。」

エリスはニコニコしながら応えた。

 

仮に私が下界におりて冒険をするとしても、絶対に、そんな地雷娘とパーティーを組まないと断言できる。絶対だ。

 

「まったく、冒険もいいけれど天界の仕事もあるんだから、あんまり危険なことばっかりするんじゃないわよまったく。」

「はい。気をつけます。」

エリスは口元に手を当てて苦笑しながら応える。

 

・・・あ。

 

エリスのその何気ない動作によって胸元が僅かにずれた。

 

「それにしても、エリス、今日は胸パットの調子が悪いんじゃない?なんか不自然に見えるわよ。」

「は、はい!?」

エリスは素っ頓狂な声を上げて狼狽する。

 

「あなたが担当している世界で売っているものかしら?日本でそんな不自然なパットしてたら、女装と間違われて女性専用車を追い出されて駅員さんに連れてかれるわよ。」

「だだ、だだから何度もパットでは無いと言っているじゃないですか!ほ、ほほ本物ですから!!!」

「その点、日本の技術力はハンパないわね。フィット感、通気性、軽さ、様々な点で優れているし、あなたの今のサイズよりふた周りくらいは盛ることができるわね!!アレね。超もるぜーっていう、アレね。」

「!!?」

 

エリスが、マジかよ!?という表情で私を見る。

 

そこで私は思いついてしまった。ちょうど下界の話を聞いていたからだろうか。

 

「そうだわ!あなたのために、私がちょっと下界におりて日本の胸パットを買ってきてあげるわ!ちょっとエリス!これから私が戻ってくるまで日本の死者の案内を代わって頂戴!」

「せ、先輩!?私もそろそろ帰らないと向こうの死者の案内があるんですから!」

「大丈夫よ!日本の案内のルールでわからないことがあったら、天使の子達に聞いてくれればいいから。私が面倒をみる子はね、みんな優秀なの!もちろんあなたもよ!」

「先輩!ドヤ顔で言わないでください!全然答えになっていません!!!!」

そうと決まれば、善は急げだ。こんなにも声を張り上げて喜んでくれている後輩のために急いで買ってきてあげるべきだろう。

私は慈悲深い女神なのだ。

 

「うーん。この透き通るような青い瞳や青髪、神聖なオーラを放つ羽衣姿じゃ、日本では目立って仕方ないわね。最悪、私を女神と特定されて騒動になるわ。きっとヤフーニュースのトップを飾って、イイね!されてしまうわね。ちょっと魔法で変装してから行きましょう!」

「先輩!話を聞いてくださーい!!!」

「じゃあ、ちょっと行ってくるわねー。」

「せんぱーーーーーーーーーい!!!!!!!」

 

後輩女神に見送られ、私は日本の地へと舞い降りる。

 




原作冒頭の数カ月前の話なので、女神たちの髪型が原作とちょっと違ってたりしてます。
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