本日は3話同時投稿です。
こちらは2話目です。
【エリス視点】
・・・・・・
・・・・・・
・・・トクン、
「・・・?」
私の心臓が大きく脈打った。
私の胸に炎が宿る。
私の胸に宿った炎はどんどん熱を増し、体全体を包み込んでいく。
「・・・これは、エリス教徒のみんなの信仰心?」
力が湧きだす。
崩壊寸前だった結界が厚みを増す。
そして徐々にハンスの毒を追い返していく。
ふと、私の胸の底から無数の言葉が浮かんでくる。
『エリス様!負けないでください!』『我々はいつもエリス様の味方です!』『エリス教に入信して祈りを捧げたら、彼女ができてモテモテになりました!』『今度は我々がエリス様を支える番です!』『ちょっとー、私のこともあがめなさいよー!』
私のもとに無数の祈りが届く。
祈りじゃないのも混ざっているけれども・・・。
『無事をお祈りしております!エリス様!』『私の祈りも受け取ってください!』『エリス様!頑張ってください!』
私の口から自然と言葉が漏れる。
「・・・これだから女神は・・・たまりませんね・・・・」
信者の想いが溢れんばかりに心の奥から湧きだす。
『どうか、ご武運を・・・エリス様!』
私は膨大な神気を結界として体にまとわせた。
これならハンスのもとに踏み込んでも毒に耐えることができる。
『私たちの祈りの力を存分にお使いください!』
ハンスがこちらの様子が変わったことに疑問の声を上げる。
「・・・ん?なんだ?」
『エリス様!エリス様!』
私は拳を握り、静かに脇に構え、腰を落とす
『負けないで!エリス様!』
信者の子たちがくれた熱を拳に集中させる。
抑えきれなくなった熱は実体化して炎の形をとり、ゆらゆらと揺れる。
「そ、その炎は・・・・」
ハンスは私の拳を凝視し、あからさまに動揺しだした。
「ま、まずい!もっと強力な毒で・・・!!」
私に放たれる毒の勢いが強まる。
しかし、私が纏う結界は揺るがない。
『がんばって!えりすさまー!』
私は足に力を籠め、一足飛びにハンスの懐に潜り込んだ。
「なっ・・・!!!」
突然目の前に姿を現した私にハンスは驚愕の表情を浮かべた。
『さぁ!!!』
『母なる女神エリス様へ!!!!』
『我らの祈りよ、エリス様に届け!!!』
私は短くハンスに最期を告げる。
「これがあなたの敵に回した宗教の力です・・・!」
そして・・・
・・・掛け声とともに、
全ての信仰心をのせた拳をハンスの身に叩き込む。
「ゴッドブローォォォォォォォォォォ!!!!!!」
拳がハンスの胴をとらえる。
拳が触れた先からハンスの体は浄化されて消滅していく。
浄化の光はさらに広がり、ハンスのすべてを飲み込んでいく。
「ぬおぉぉぉぉぉ、体が・・・体が浄化される・・・!!!」
ハンスの絶叫が天界に響く。
「・・・おおおオォォォォオォォォォ!!!!!」
「さぁ、地獄に旅立ちなさい!!!」
ハンスの体は四散し、その欠片も次々と浄化されていく。
「・・・また・・・女神に・・・やぶれる・・・の・・・・・・か・・・」
そして、ハンスは跡形もなく天界から消滅した。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
力を使い果たした私は、その場にドサリと崩れる。
「・・・か、勝った・・・」
そして、目を閉じ、私は呟く。
「・・・ありがとう。」
そのまま私は、深い眠りについた・・・