この素晴らしい天界に祝福を!   作:勾玉

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本日は3話同時投稿です。

こちらは3話目です。


最終話 この素晴らしい天界に祝福を!

【カズマ視点】

 

「おかえりなさい。食事にします?お風呂にします?それとも、あ・た・し?」

「エリス様、芸が増えましたね。」

 

スペランカーのごとく死んだ俺は見慣れてしまった一面真っ白な部屋で椅子に腰をかけている。

向かいには慈愛に満ち、神聖な雰囲気を放つ絶世の美女、エリス様が鎮座して、こちらに向かって微笑んでいる。

 

「エリス様が天界にいてくれてよかったですよ。もし、女神権限を失ってて、蘇生させてもらえなかったら・・・なかったら・・・あれ?なんか、それも悪くは・・・。」

「カ、カズマさん!思っても口に出さないでください!」

エリス様が慌てる。

まぁ、蘇生云々はいいとして、この女神様の顔をまた見ることができてよかった。

 

「無事に天界からの容疑が晴れたみたいで良かったですわ。」

「ありがとうございます、カズマさん。どうやら時を司る女神の先輩が私を庇ってくれたみたいです。タイムリープの件は勘違いだった、と上に説明してくれたようです。」

「タイムリープかぁ・・・そういや前にめぐみんがタイムマシンで過去に行ったとかなんとか言ってたなぁ・・・」

 

もしかして事の発端はめぐみんにあるのではないだろうか?

俺は何か重要なことに気づいてしまいそうになり、首を振る。

これ以上、思考を進めるとまた厄介毎に巻き込まれそうだ。

 

「い、今カズマさんが聞き捨てならないことを言ったような気がしますが、ここは敢えて聞き捨てます・・・」

秘密ですよ☆、のポーズをエリス様が俺にくれる。

俺の胸はその動作にドキッと高鳴る。

「・・・あ、天界に戻れなくなった私に部屋をお貸しくださったことにお礼を言わないといけませんね。ありがとうございました。」

エリス様は満面の笑みでお礼の言葉をくれた。

 

この非の打ちどころのない美女があの時俺にキスしようとしたんだよなぁ・・・

 

「エリス様、そういえばあの夜のことなんですが・・・」

「あの夜??」

「ほら、俺の部屋で飲んだじゃないですか。」

「えぇ・・・と、ちょっと記憶にないのですが・・・」

「えぇ!?エリス様、俺にキスしようとしましたよね!?」

「???」

エリス様は困惑の表情を浮かべる。

 

「???じゃないですよ!マジで記憶にないんですか!?」

 

もしかしてあの時のエリス様、もといエロス様の言動はただ酔っぱらった勢いの悪ノリだったのか。モテ期到来中の俺の『フラグ感知』スキルにビンビンきたのは間違いだったのか・・・

 

俺が一人落ち込んでいると、エリス様はクスクスと可愛く笑っている。

なんだか手玉にとられて、からかわれてないか俺。

 

 

項垂れる俺に、それから・・・、とエリス様が言葉を続ける。

「カズマさん、天界の危機にエリス教徒の子達を動かしてくれて、ありがとうございました。おかげでこの天界が救われました。」

「あぁ、うまくいったみたいで良かったですよ。アイリスがうまくやってくれました。」

 

まぁ、俺は毎度おなじみの他力本願を発揮しただけだが。

 

と、それにしても・・・

「それにしても、デッドリーポイズンスライムが暴れたにしてはその痕跡が無いですよね、ここ。天界って随分頑丈なんですね。」

俺はキョロキョロしながら疑問に思っていたことを口にする。

 

「天界の建造物は神気で結構簡単に修復可能ですから。」

何だか、紅魔族の里でも似たような展開なかったか?

 

「一時はここもボロボロだったんですよ。仮設の部屋で死者の案内を行っていましたが、天界の厳かさや神聖さを演出するのに苦労したものです。」

うちの駄女神もそうだが、女神というのは演出にこだわる性分なのだろうか。どっかの紅魔族みたいだ。

 

 

俺が考えていると、早くもうちの駄女神の声がこの場に響く。

 

『カズマさーん、カズマさーん、はやくきてー、ごはんがさめちゃうんですけどー』

 

 

「・・・いつもながら、騒々しくてすみませんね、エリス様。」

「いいえ、私も最近、これが無いと物足りなくなってきましたから。」

エリス様が微笑む。

もう少しこの微笑みを見ていたかった・・・

 

「さて、もっとゆっくりしていきたかったんですけど、戻りますかね・・・」

「カズマさん、もとの世界に帰る前に、少しだけ私の話を聞いてくれませんか。」

 

何だろう?告白だろうか。

座りなおす俺にエリス様は話始める。

 

「私は今回の一連の騒動で改めていろいろ考えさせられました。この天界が必ずしも安全ではないこと、エリス教も全てが清廉潔白ではないこと、私の女神としての使命・・・」

 

どうやら愛の告白では無さそうだ。

 

「そして私は改めて気づかされました。私は女神として人を祝福していただけではなく、多くの人から祝福を受けていたことを。」

 

そして真剣な表情で俺に語る。

「カズマさん、おそらくあなたにはこの先、魔王との決戦が控えていることでしょう。」

「控えてませんから!やめてくださいよ、そのセリフ、本物の女神様がいうと確実にフラグじゃないですか!」

 

アイリスのセリフといい、最近俺の周りで魔王戦フラグが乱立するのは何なの!?

 

「すみません。ですが、私は、魔王を討ち倒すのはきっとあなただと、そう確信しています。」

「その根拠のない自信はどこから湧いてくるんですか・・・」

 

俺、さっきバナナの皮を踏んで転んで死んだんだぞ。

 

「私の・・・女神の勘がそう告げているんです。」

「あー!『私の勘が・・・』とか、それ、シャレにならないセリフなんでマジで勘弁してください!!」

「そうなのですか?ふふふ・・・」

 

この女神様、確信犯だ。間違いない。

 

「はぁ・・・まぁ、魔王討伐はいつか、一生あるかないかの絶好調の本当にノリノリな時ってことで・・・俺は元の世界に帰りますね・・・」

「はい。期待していますね。」

 

何を期待しているのだろうか・・・

と思いつつ、俺はもとの世界に帰る門へと歩む。

 

「では、旅立つあなたに幸多き事を。」

 

エリス様の声に送られ、俺は元の世界への門へと飛び込む。

魂がもとの体へと引き寄せられる。

光の先へと進んでいく。

 

 

・・・そして、魂と肉体との一体化を感じた時、

 

ふいに幸運の女神様の声が俺の胸に届いた。

 

 

「カズマさん、」

 

 

「ときに弱音を吐きたくなるでしょう。」

 

 

「ときに耐え難い苦難に陥ることがあるでしょう。」

 

 

「誰かに支えて欲しくなることがあるでしょう。」

 

 

「本人が意図したにせよ、そうでないにせよ、苦痛を伴う決断に迫られることは必ずあるものです。」

 

 

 

「そんなときは、」

 

 

「カズマさん、」

 

 

「どうか、勇気をもって一歩を踏み出してください。」

 

 

「踏み出す勇気が出ないときは、どうか、思い出してください。」

 

 

「私が見守っていることを・・・」

 

 

 

俺はゆっくり目を開ける。

 

とある女神様の祝福をうけながら。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・この天界から、あなたを!」

 

 

 

 

 

 

 

 




一か月とちょっとにわたって連日投稿してきましたが、失踪せず完結まで至りました。これもひとえに多くの方にこの作品を読んでいただいたおかげであります。

少しずつではありましたが、UA数、PV数が増えていき、多くの方に読んでいただいていることを実感でき、作家としての喜びの一端に触れることができた気がします。

短い間でしたが、楽しんでいただけましたでしょうか。

このすばらしからぬシリアス要素を盛り込んだり、オリキャラを加えたり、キャラ崩壊をさせたりで違和感ありまくりだったかと思いますが、ここまで、お付き合いいただき、本当にありがとうございました。




今後の創作活動について・・・

まず、ウィズ編、ゆんゆん編、アイリス編ですが・・・アイディアが浮かんだら!ということで!


面白そうだなと思っているのは、コメディ全振りのこのすば現パロ学園モノverとかです。

■あらすじ■

佐藤和真は私立ベルゼルグ大学付属中高一貫校の高等部3年生である。
それまで引きこもっていた和真は、引きこもりを脱却し、青春を謳歌するために高等部3年の始業式の日に登校を決意する。しかし、登校中、トラクターに引かれそうになりショックで気を失うことに。目を覚ますと、和真の目の前に超絶美人の青髪女子生徒がいて・・・。

この青髪女生徒との出会いから、やはり和真の青春ラブコメは間違っていき、後輩の中二病貧乏女生徒やドМお嬢様教育実習生を巻き込んで和真の高校生活の歯車は大きく狂っていく。
更に、行き遅れ受付嬢系巨乳美人担任、商才ゼロの赤貧巨乳女研究員、その助手の怪しい仮面の大男、理事長の娘の妹系中等部女子、パット系女子生徒、ぼっち、ダスト、その他、強烈な個性をもつ教師や生徒達が和真の青春をおかしなものにしていく。

果たして和真は卒業までに正統派ラブコメのように青春の尊さとか甘酸っぱさとかを経験することはできるのだろうか・・・!

■■■


あと、密かに別の完全オリジナル作品の構想も練ってはいます。0からキャラクターを生み出し、設定を組み上げ、ストーリーを動かしていくというのはかなり大変な思考作業なのだと実感しています。

世の作家さん達はすげー!



まぁ、頭の中がこんな感じの作者ですが、またいつか別の作品で皆様と出会えたらうれしく思います。

繰り返しになりますが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。

読者の皆様に祝福を!

勾玉
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