やはり俺のクロスオーバーはまちがっている。 作:餃子の教え子
実質、本編はここからスタート!
俺ガイル以外のキャラが沢山出てくるよ〜!
(登場するとは言っていない)
突然だが、『目が覚めたら空から落ちていた』なんて経験をした事がある人はいるだろうか。
俺が思うに、世界中を探しても、そんな超激レア体験した人は少ないと思う。
高所恐怖症の人なんかは、目を開けた瞬間、また意識を失うんじゃないかって思う。
というか、そんな経験している時点で、何かしらのやばい事件に巻き込まれていると断言出来る。勿論、良い意味ではなく、悪い意味で。
なら、今の俺の状況も、良い意味には思えない。
何故なら俺、比企谷八幡は今、空から落ちている。
いや、目を開けた時は自分の目を疑った。さっきまでベッドの上にいたから。それで、最後にあの声が聞こえて気が付いたら、お空の上だった。
いきなり上空から落下とか、危うく再び意識を失うところだった。ボッチには刺激が強すぎる。
そして何故か俺には、この状況に何となく心当たりがあり、予想がついている。いや、ついてしまった。
その予想は、あまりに非現実的過ぎて確信が持てないが、隣の人物を目にしてからは、それを否定する要素が消えてしまった。
なので、聞いてみる事にした。やっぱり初対面だと、緊張するが、仕方がない。
「す、すみましぇん、こ、この状況についての説明が欲しいんですけど」
⋯⋯とりあえず、穴があった埋まりたい。
噛んでしまったが、言いたい事は伝えた。
隣にいる人物なら絶対に知っているはず。けど、その人物はニコニコしているだけ。絶対この状況を楽しんでやがる。
確かにこんな状況に突然陥れば、普通はパニックになると思う。
さっきまでベッドで寝ていたので、これは夢の可能性は否定出来ないが、風圧や風を切る音、壮大な景色など、ここまでの現実感を再現されると、夢だとは思えない。ボッチによって鍛えられた勘が現実だと告げている。
当然、遥か上空からの落下に耐えられるとは思っていない。現に今も本能で命の危機を感じている。
現実だとしたら、俺の命は持ってあと一分もないだろう。
なら、現実だとしたら何故パニックになってないのか。
それは、助かるという確信は持っているからだ。
俺らしくないと思う。初めて会った赤の他人を信じるなんて。
けど会ったことはなくても、この隣にいる中性的な人物だが見覚えがある。
数少ない現実の知り合いというわけではないし、ネトゲなんかのゲームでの知り合いでもない。遠い親戚ってわけでもないし、知り合いの知り合いってわけでもない。
でも、知っている。
まず、その人物を見た瞬間、『何でコイツが現実にいるの』と思った。
それと同時に、あの時の声の主にも合点がいった。道理で聞き覚えがあるはずだ。
この前、スマホで見たばかりだから。
知り合いではない。なれるわけがない。
俺が一方的に知っているんだ。
そして、この人物には前例がある。
「おっと、もうそろそろ地面だね」
そう言われ、俺は地面スレスレで停止させられる。
やっぱり止めてくれたようだ。少なくとも敵じゃないと思う。というか、素人が戦ってどうにかなる存在じゃないだろう。
そう考えてみたら、落ち着いてきた。
それに目の前の人物も、画面の奥の存在だと思うと余裕が出てくる。だから、踏み込んでみる。
「⋯⋯とりあえず、
「そうだね、ん? ん? 僕、君に名前教えたっけ⋯⋯あれ。な、何で知ってんのさ! え、どういう事⋯⋯え?」
どうやら、かなり動揺してくれたようだ。これは、
というか、俺自身もかなり動揺しているんだぞ。
何でフィクションである『ノーゲーム・ノーライフ』に登場するキャラクターが目の前にいるんだ。
彼、彼女というべきなのかは分からないが、この人物は、間違いなく『テト』。
『ノゲノラ』に登場する唯一神。ディスボードと呼ばれる異世界の神様。さらに、原作でもまだ謎に包まれていて、ラスボス的存在。
そして何より、主人公
それが一体どうして、今まさに、そのポジが俺なのかが分からん。都市伝説になるようなゲーマーでもない。小町とゲームする事はあっても、互いにゲーム漬けの生活を送ってるわけじゃない。
それにもしも、
俺と小町は固い絆で結ばれた千葉の兄妹だが、あそこまでチートなゲーム兄妹ではないんだ。
というか俺は、
俺は、ボッチはボッチでも学校へは行くボッチなのだ。どこかの引きこもり共とは違う。ココ重要。
「というか、『ノゲノラ』ってフィクションじゃなかったんだな」
俺はそう小さく呟く。落ち着いてはいるが、俺もまさか、テトが実在するとは思わなかった。当たり前だ。これが材木座なんかだったら、興奮して発狂している様子が目に浮かぶ。
⋯⋯想像しなければよかった。
すると、テトも余裕を取り戻してきたのか笑い始めた。
「アハハッ。君、面白いね! やっぱり呼んで正解だったみたい。僕が想像した以上に興味深い。それに、僕の事を知ってる事もだし、この状況に動じない。実に面白いよ! 」
動じてない訳では無いが、褒められたのだろうか。でも、確かに自分でも驚く程落ち着いている。
もしかして、自覚がないだけで俺自身、異世界に来れた事を嬉しがっているのかもしれないな。俺も人の事を言えないようだ材木座。
「そういえば、紹介が遅れたね。僕の名前は、『テト』。君の言った通りさ。それでいて神だ。この世界『ゾディアック』のね」
「⋯⋯ええっと『ディスボード』じゃなくて、ですか?」
「っ!? 何でその名前を⋯⋯」
はい、本日二度目の驚き顔、頂きました。
反応を見るからに、存在してそうだな。
「君には聞かなければいけないことが、沢山あるみたいだね」
テトは宙に浮き、笑いながらそう言った。
そう言われても、ラノベで読んだり、アニメを観て知りましたなんて言っていいのか。
テトは、俺に『何か』を求めている気がする。けど、俺はただの一般人。ぼっち体質なただの高校生。ラノベみたいに何かしらの能力を持っているわけでもない。
もしかしたら、異世界に来たことで俺の中に眠っていた能力が開花した可能性もあるが、そんな不確定要素は頼らない。
その間にも顔を近づけてくるテト。
見た目が少年ぽい分、新しい玩具を手に入れた子供みたいに見える。
「君は一体何者なんだい?」
っと言われても困る。
「俺は、ただの高校生ですよ」
そう答えたが、これはテトが期待しているような答えではない。テトは俺に何かを求めている。それは、普通ではない持ち得ないようなもの。
けど、俺はそれなりの進学校である総武高校に通うただの高校生二年生。あと、ぼっち。
そんな俺に期待しても意味があるわけない。
「アハハッ。そうだね言うわけにはいかないよね」
テトは一人で納得したように頷いている。それも面白そうに。だから、俺は大した人間じゃないんだ。
「じゃあ、当ててみるよ」
テトはそう言い笑顔で俺を指差す。
え、当てるも何もないんだけど。でも、ちょっと気になる。
「僕が思うに、君は何かしらの『眼』の保有者だね。それも、対象の事を見抜くような『眼』。君のその腐ったような眼が何よりの証拠だよ! その眼は他とは違う。君の能力が宿っていると、僕は推測するよ」
「⋯⋯」
その予想もしてなかった言葉に、しばらく唖然としてしまった。
遂に俺の腐った目は、神にも認められたみたいだ。確かに普通の人よりも、俺の目は腐っているが、中二病が憧れるような『眼』まで異端じゃないと思う。
けど、まさか本当に『邪王真眼』や『写輪眼』とかが俺の目には宿っているのか。
だとしたら、これから始まるのはオリ主による、異世界チート物じゃないか。
ちょっと自分で言って悲しくなってくる。八幡泣いていいかな。
というか、『眼』って言われても何が何だか。もしかして、よくある異世界物の《鑑定》スキルみたいな物なのか。分からん。分からんが、俺はそんなもの持ってない。俺の目は生まれつきで、至って正常だ。
「ふふっ、こういう言葉を知っているかい? 時に無言は肯定を表すってね」
テトは自慢げに胸を張り、言ってくる。
無言だったのは、俺がただショックを受けていただけなんだが、これは取り返しのつかない事になるかもしれない。だから、俺は慌てて訂正した。
「い、いや違う。俺にそんな能力はない。俺はただの高校生。それもぼっちの。それだけだ」
けど、テトは未だに笑顔のまま。何か嫌な予感がする。
「少年。遅かったね。言われた後に焦って言っても、それは疑いを確実なものにするだけ。君は自分で異端を認めたことになるんだよ」
⋯⋯あ、詰んだかもしれん。
テトは本気で俺が何かしらの能力者だと思っている。というか、俺が能力者なのは確定だという前提で話しかけている。だから、俺の言葉なんて気にしてすらいない。
というか言っておくが、そんなもの俺のいた地球には存在しないだろ。
コイツがいる世界がおかしいんだ。それを俺の世界で適用しないで欲しい。
「あはは、僕の目に間違いはなかったようだ! 最後に君を選んで良かった!」
そう言ってテトは喜び、俺に強い視線を送ってくる。そうして、テトは両腕を大きく横に広げる。
「実はね。最後の枠は君じゃなかったんだ。それこそ、調べて厳選した者達がいた。彼らの最終決定で日本に来ていたわけだけど⋯⋯君を見てその考えは吹き飛んだよ。君の隠密オーラもだけど、特に眼には惹かれたよ。そして、誰にも成し得ない可能性を感じた! そうこれは運命さッ!」
⋯⋯ということは、運命で俺はここにいると。
それも決め手は眼。俺の腐った眼ということか。
なんだよそれ。俺の眼は⋯⋯眼は⋯⋯グスッ。
「まあ、厳選した者達である『
確かに五人とも物語の主人公になるような人物だ。
俺みたいなどこにでも居る高校生とは⋯⋯
「⋯⋯え? 今なんて?」
「ん? どうかした? もしかして知り合いだった?」
んなわけあるか。
けど、今ので確信がついた。テトの奴、真面目に言ってやがる。
⋯⋯だとすると、いたのか日本に、彼らが。
てか、何で尊敬すべき人間強度先輩とか赤龍帝が、俺の世界にいるんだよ。
それに、潮田渚もいたのか。そういえば、昔、月が半分欠けたことがあったような気がする。なら、殺せんせーもいるのだろうか⋯⋯ダメだそれ以上は考えてはいけないと脳が告げている。
けど、最後のエレン・イェーガーって。巨人が実在するというのか。流石に俺は知らないぞ、そんな生物。勿論、巨人なんて、いて欲しくはないんだが。だが、何が起こってる。まさか、知らないうちに俺は世界線を⋯⋯。
「比企谷八幡君? 落ち着いたかい?」
気付くと目の前にはテトがいた。俺の頭に手を置き、俺の目をじっと見つめながら。
そのおかげか、幾分かは落ち着くことが出来た。
「あ、あぁ。落ち着いた」
「なら、良かった! まさか君が突然取り乱すとはね。僕には想像がつかないけど、君の能力が関係してそうだ! あはは、面白くなってきた! 是非、僕の手で君の能力を完全に暴きたいものだよ!」
そうは言われても、能力とかじゃない。
言っても信じてはくれないだろうけど。
「じゃあ、次にこの世界について説明をしようかな!」
テトは笑顔でどこか楽しそうだ。それを見て、俺は静かに、この展開を楽しもうと思った。
異世界に来たという事実から目を背けて。
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