やはり俺のクロスオーバーはまちがっている。 作:餃子の教え子
さてさてさぁ〜て!
今回は【ステータス】のお時間です。
いやはや、楽しみですなぁ〜!
それではどうぞッ!!
あまりの衝撃に驚いていた俺だったが、詳しく調べてみると《スキル》はさらにタップすることができ、詳細を見ることが出来た。
【ステータス】
比企谷 八幡
レベル:0
職業:勇者
スキル
《
早熟する。
単独での戦闘時、全能力向上。
パーティー参加不可となる。
《
戦闘時における、身体能力向上。
頭のキレが良くなる。
他人の感情を読み取る事が苦手になる。
《
隠密行動の効果超向上。
察知系統無効化。
常時、存在感が薄くなる。
《
状態異常無効化。
異性からの評価補正。
目付きが悪くなる。
《
⋯⋯なんか冷静になって見ると、俺の【ステータス】がやばいと感じてきた。
詳細を見ないならば、どれも少々ツッコミたい《スキル名》ではあり、明らかに俺の事を馬鹿にしているんだが、効果は完全にチートだ。
正直、チート過ぎて八幡、自分自身がこわい。
それに殆どの《スキル》にデメリットがあるが、それらをカバー出来るほど、スキルの効果が優れているように感じる。
はっきり言って、強すぎる。
「あ、あのぉ〜テトさん? この【ステータス】って大丈夫何ですか?」
「⋯⋯⋯⋯はッ!? あぶない、意識が飛びかけたよ」
まじか、これを見て意識が飛びかけていたなんて、俺よりも深刻だな。
けど、やっぱりテトも俺と同様、この【ステータス】には驚いたようだ。という事は、期待してもいいのかもしれない。
八幡TUEEEEを。
テトは今は、冷静になる為か首を横に振っている。
そして、何度も自分の画面と俺の画面を交互に見るようにしてから、遠い目をして深く溜息を吐いた。
「君、チート過ぎるよ⋯⋯ここまで来るとバクだよ、反則だよ、これ」
それには同感だ。
俺自身、思わず頷いてしまった。
「だって考えてみて。まず、《
そうテトは早口かつ興奮気味に説明してくれた。そうして、頭を抑えてしまっている。もう神様としての威厳とかオーラとかがない。
こんなの見るに見ていられない。キャラ崩壊だ。テトのキャラが崩壊しかけている。
そんな、キャラ崩壊の原因である俺のスキル。
俺自身もそこまで凄いとは思っていなかった。
けど、
まず、これだけで物語の主人公が形作れる。
というか、存在する。その事を俺は知っている。
あれだろ?
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』に登場する主人公ベル・クラネルの《スキル》。
《
このスキルの中に出てくる効果じゃねぇか。
その効果は、早熟する。
正確には、向こうだとさらに、おもいの丈で効果が向上するので全く同じというわけではないが、それでも俺の《
これを発現した主人公ベル・クラネルは、この《スキル》のおかげで、戦闘の成長速度が急激に上がり、世界最速でlevel2になった。
それを誰にでも分かるように言い換えるならば、その主人公は常人では考えられないスピードで成長し、数年はかかるであろう境地に数ヶ月でなったということだ。
正直、こんな有難いスキルが俺の中に宿っていたことが嬉しい。
「それに、次のスキルもだ。《
いや、俺は他人の感情を知りたいというより、知っていたいと思っている人間だ。
他人の感情が分からなくなるのは⋯⋯。
まあ、今話すことではないのだが。
けど、身体能力向上と頭のキレが良くなる効果は、確かに期待できる。
地球での身体能力では、異世界チートには心許ないと思っていたので嬉しいし、頭のキレが良くなるというのは、ここに来てからもう実感している。
それは、今こうやって思考出来ているのが証拠だ。普段よりも、かなり頭が回り冴えている気がする。
「それから、《
⋯⋯些細なことか。確かにいつも通りだけどさ。
けど、ステルスヒッキー本当にあったんだな。
やはり伊達に、ぼっちの経験を積んできたわけではない。今までの経験がこうやって現れたと思うと感慨深くなる。
けど俺は、遂に存在感を薄く出来る程に、ぼっちを極めてきていたのか。
「あとは、《
気にするな。生まれつき俺の目付きは悪い。
それこそ、死んだ魚のような眼と比喩されるだけのことはある。まさか、それ程までに規格外だとは思ってなかったけど。
しかし、これもまた強力な《スキル》だったとは思わなかった。
だが、状態異常無効化を考えてみると納得出来る。状態異常を主とした類いの攻撃は効かないというのは、不意打ちを防ぐことにもなる。良いものが手に入っただろう。
異性からの評価補正は⋯⋯分かってる。どうせ悪くなるんだ。こんな眼だ。良くなるはずがない。
大丈夫だ。期待はしていない。
「そして最後の《
何を言う。テトは、この《スキル》の有能性に気が付けないのか。
マッ缶とは、俺──比企谷八幡のソウルドリンク。
知らないなら調べて欲しい。
主に千葉県で販売されているはずだ。
特徴としてはとてつもなく甘い。
多分そんなマッ缶を、俺はこの《スキル》のおかげで、無限に創り出せるんだぞ。
それも無料で、毎日いつでもどこでも何本でも飲みたい時に、だ。
これは本当にやばい。神スキルじゃねぇか。
「⋯⋯なんかニヤけてるのキモいよ?」
おいテトさん、そんな事言わないでくれ。分かってるから。
確かに嬉しさのあまり表情が崩れてしまっていた。でも、これは多分《
「話を戻すけど、ここまで君が強いとは思わなかったよ」
そう言って苦笑いするテトには、正直同感だ。俺も自分自身がここまでチートだとは思わなかった。
この世界のスキル事情は知らないが、反応を見るに、これは強そうだ。
「だからと言って《スキル》を無くすなんて言うなよ」
「あはは、本当はそうしたい所なんだけど⋯⋯世界の危機だから見逃すしかないんだよね」
よし危なかった。何とか没収されるような事態ではなかったようだ。これで、八幡TUEEEEが現実として見えてくる。
「はぁ、とんだ規格外が来てしまったものだよ。それじゃあ忘れてるかもだけど《能力》を与えるよ?」
待ってました。
テトはそう言うが、俺は異世界特典としての《能力》のことを忘れてなんかいない。
何となくだが、《
もしかしたら、完全記憶能力とかゲットしちゃってたりして。
「さて早速だけど始めようか。僕も気になってきたよ、君の《能力》がね」
そう言いつつテトは両腕を大きく横に広げる。そうして次に大きく深呼吸をし、
「《能力発現ッ》」
あ、なんかカッコイイなそれ。
テトがそう叫んだ瞬間、光り輝く魔法陣が俺の下に現れた。そこからは煌びやかな白色の光が溢れ出てきて、次第それらは俺自身を包み込んでいく。
その光は暖かく、俺の内側へと入り込んでいく。
このまま俺の捻くれた心も浄化してくれないかな。
『ッ!?!?』
ん? なんか暖かな光の雰囲気が変わったな。
『や、やばいかも。僕でもこれは、制御出来ないッ! み、右手が⋯⋯僕の右手が疼くッ』
んん? なんか脳内に直接テトの声が聞こえてきたんだが⋯⋯。何かトラブルでも発生したのだろうか。
というか、右手っていい歳して何言ってんだ。笑ってしまいそうになる。
テトは何千年と生きてるわけだが、未だにそんな病を引きづっているのか。
勿論、俺は卒業したぞ。
けど、何だこの胸騒ぎは。なんか嫌な予感がする。
『クッ僕ともあろう存在が、闇に⋯⋯闇の炎に飲まれるッ!』
⋯⋯え?
『まさか、ここまで君の心が⋯⋯捻くれて、いたなんて』
すると次の瞬間、目の前の光は黒炎へと変化する。
全身が身を焦がすように作り替えられていくのが、わかる。同時に俺の着ていた総武高校の制服は焼け焦げていく。意識も持っていかれそうだ。けど、俺は歯を食いしばって耐える。
そして、終わりは突然だった。
俺を包んでいた黒炎は、何事もなかったかのように俺の中へと一気に吸い込まれて行った。
それと同時にテトは地面にへたり込んでしまった。
「きみは、ほんとうになにものなんだよ?」
呂律が上手く回っていないテトだったが、何とか聞き取れた。一体俺の中で何があったというのだろうか。
いや、本当は想像がついている。けど、認めたくない。
でも、逃げられない。覚悟を決めるしかない。
「【ステータス】」
【ステータス】
比企谷 八幡
レベル:0
職業:なし
スキル
《
《
《
《
《
能力
《
おふ、やはり俺の中に封印されていた能力が発現してしまったか。
俺もそれを見て、テト同様にその場にへたり込んでしまう。暫くこのままにして欲しい。誰にも話しかけられたくない。
黒歴史の一つがここで再発するなんて。
その頃テトはというと⋯⋯ダメだ。あれは見てはいけない。右手を必死に押さえているテトなんて見たくもない。
まさにこの状況を四文字で表すならば、『地獄絵図』だな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから少し時間が経ち、俺もテトも落ち着いてきた。
テトは息が荒く、俺も精神ダメージを負ってしまったが、もう大丈夫だ。
それで冷静になってみて、気付いたがこの《能力》。
どんな効果なのかが気になる。
いつまでもウジウジして、現実から目を逸らし、効果を見ないなんて選択はない。
「さあさあ! 早くポチってしちゃいなよ!」
それについてはテトも同じだ。もう右手の疼きは収まったようで、今は《能力》の効果に興味を示している。
仕方がない、押しますか。
ポチッと。
すると、突如足元から俺を包み込むように黒炎が襲ってきた。その勢いは凄まじく、俺は先ほどと同様に飲み込まれた。
「え? 比企谷八幡君ッ!? だ、大丈夫かい!?」
テトが俺の名前を震えた声で叫んでいるのが聞こえる。
大丈夫、まだ生きているぞテト。ここは俺に任せておけ。
けど、五秒もしないうちに黒炎は消え去った。先程とは大違いだ。
しかし、テトに質問したい。
何故俺に対して、そんなキラキラとした目を向けている?
「なっ⋯⋯かっこいい」
⋯⋯遂にテトの頭はおかしくなったか。
けど、目線を見るに俺に対して言っているようには感じない。というか、いきなり何言ってんだ。
テトの目線は下を向いている。
だから、俺は目線を下へと向けてみる。そして、後悔し絶句した。
そこにあったのは、漆黒のオーブに包帯の巻かれた右腕、両手には黒い革手袋。さらには靴は革ブーツに変化している。
そんな中二病衣装一式を俺自身が着込んでいた。
何でこんな格好をしなければならないんだ。それに、かなり恥ずかしい。そして、俺の黒歴史耐性のない心を抉ってくる。
「い、異世界のファッションは、馬鹿に出来ないね」
テトは⋯⋯もう放置でいいだろう。
若干気持ちの悪いテトを無視して、俺は目の前に浮かぶ【ステータス】を確認してみようと思う。
百パーセント、この衣装は《能力》が関わっていると見るべきだ。さて、俺の黒歴史は《能力》として、どうなったのやら。
《
闇属性魔法使用可。
一定時間、ダークフレイムマスター化。
●ダークフレイムマスター化
身体能力と魔力の超絶向上。
闇魔法威力超向上。
常時、闇魔力障壁展開。
闇炎の支配者へ衣装チェンジ。
中二病となる。
⋯⋯あ、やばいチート過ぎて右手が疼いてきた。
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