やはり俺のクロスオーバーはまちがっている。   作:餃子の教え子

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さてさてさぁ〜て!
今回は【ステータス】のお時間です。
いやはや、楽しみですなぁ〜!
それではどうぞッ!!


第4話:俺がチートだった件

  あまりの衝撃に驚いていた俺だったが、詳しく調べてみると《スキル》はさらにタップすることができ、詳細を見ることが出来た。

 

 

【ステータス】

  比企谷 八幡

  レベル:0

  職業:勇者

 

  スキル

 《孤独に認められし者(エリートぼっち)

 

  早熟する。

  単独での戦闘時、全能力向上。

  パーティー参加不可となる。

 

 《理性の化け物(モンスターオブセンス)

 

  戦闘時における、身体能力向上。

  頭のキレが良くなる。

  他人の感情を読み取る事が苦手になる。

 

 《消滅しつつある存在感(ステルスヒッキー)

 

  隠密行動の効果超向上。

  察知系統無効化。

  常時、存在感が薄くなる。

 

 《死んだ魚のような眼(アンノウン・アイ)

 

  状態異常無効化。

  異性からの評価補正。

  目付きが悪くなる。

 

 《極甘珈琲創造(マッカンクリエイト)

 

  極甘珈琲(マッカン)を創造できる。

 

 

  ⋯⋯なんか冷静になって見ると、俺の【ステータス】がやばいと感じてきた。

 

  詳細を見ないならば、どれも少々ツッコミたい《スキル名》ではあり、明らかに俺の事を馬鹿にしているんだが、効果は完全にチートだ。

 

  正直、チート過ぎて八幡、自分自身がこわい。

 

  それに殆どの《スキル》にデメリットがあるが、それらをカバー出来るほど、スキルの効果が優れているように感じる。

 

  はっきり言って、強すぎる。

 

「あ、あのぉ〜テトさん? この【ステータス】って大丈夫何ですか?」

「⋯⋯⋯⋯はッ!? あぶない、意識が飛びかけたよ」

 

  まじか、これを見て意識が飛びかけていたなんて、俺よりも深刻だな。

  けど、やっぱりテトも俺と同様、この【ステータス】には驚いたようだ。という事は、期待してもいいのかもしれない。

 

  八幡TUEEEEを。

 

  テトは今は、冷静になる為か首を横に振っている。

 

  そして、何度も自分の画面と俺の画面を交互に見るようにしてから、遠い目をして深く溜息を吐いた。

 

「君、チート過ぎるよ⋯⋯ここまで来るとバクだよ、反則だよ、これ」

 

  それには同感だ。

  俺自身、思わず頷いてしまった。

 

「だって考えてみて。まず、《孤独に認められし者(エリートぼっち)》なら、早熟する(・・・・)という効果と、これは単独時だけど、全能力向上(・・・・・)だよ? 君、早熟するって意味わかる? 多分僕の予想だと、君を急速に成長させるような効果。それが、もし全てに適応するなら、君は天才になれるよ。それもあらゆる分野の天才さ。それに全能力向上だってチート過ぎ。全能力だよ? それこそ全ての能力を指す。こんなレアスキル、長いこと生きているけど初めて見たよ」

 

  そうテトは早口かつ興奮気味に説明してくれた。そうして、頭を抑えてしまっている。もう神様としての威厳とかオーラとかがない。

  こんなの見るに見ていられない。キャラ崩壊だ。テトのキャラが崩壊しかけている。

 

  そんな、キャラ崩壊の原因である俺のスキル。

 

  俺自身もそこまで凄いとは思っていなかった。

  けど、早熟する(・・・・)っていう効果を考えると、納得してしまった。

  まず、これだけで物語の主人公が形作れる。

 

  というか、存在する。その事を俺は知っている。

 

  あれだろ?

 

  『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』に登場する主人公ベル・クラネルの《スキル》。

 

 《憧憬一途(リアレス・フレーゼ)

 

  このスキルの中に出てくる効果じゃねぇか。

 

  その効果は、早熟する。

 

  正確には、向こうだとさらに、おもいの丈で効果が向上するので全く同じというわけではないが、それでも俺の《孤独に認められし者(エリートぼっち)》と同じような効果を持つスキル。

 

  これを発現した主人公ベル・クラネルは、この《スキル》のおかげで、戦闘の成長速度が急激に上がり、世界最速でlevel2になった。

 

  それを誰にでも分かるように言い換えるならば、その主人公は常人では考えられないスピードで成長し、数年はかかるであろう境地に数ヶ月でなったということだ。

 

  正直、こんな有難いスキルが俺の中に宿っていたことが嬉しい。

 

「それに、次のスキルもだ。《理性の化け物(モンスターオブセンス)》の効果の戦闘時における、身体能力向上(・・・・・・)。これも正直強い。どれ程向上するかは分からないが、こういう効果のスキルは中々ない。かなり良い効果を持つスキルだ。あと、頭のキレが良くなるというのも未知数だが、期待出来るかもしれない。まあ、他人の感情の件は、別に大した事ではないさ」

 

  いや、俺は他人の感情を知りたいというより、知っていたいと思っている人間だ。

  他人の感情が分からなくなるのは⋯⋯。

  まあ、今話すことではないのだが。

 

  けど、身体能力向上と頭のキレが良くなる効果は、確かに期待できる。

  地球での身体能力では、異世界チートには心許ないと思っていたので嬉しいし、頭のキレが良くなるというのは、ここに来てからもう実感している。

 

  それは、今こうやって思考出来ているのが証拠だ。普段よりも、かなり頭が回り冴えている気がする。

 

「それから、《消滅しつつある存在感(ステルスヒッキー)》も相当な物だよ。特に隠密行動の効果超向上(・・・・・・・・・・)察知系統無効化(・・・・・・・)。この、超向上なんて僕も早々見れるものじゃない。激レアだよ。それに察知系統を無効化するなんて、気配察知に引っ掛からないことは勿論、罠魔法なんかも察知されず、不発に出来ると思う。だから、これらの効果はかなり役に立つと思う。正直、破格の効果。常時、存在感が薄くなるなんて些細なことだよ」

 

  ⋯⋯些細なことか。確かにいつも通りだけどさ。

  けど、ステルスヒッキー本当にあったんだな。

 

  やはり伊達に、ぼっちの経験を積んできたわけではない。今までの経験がこうやって現れたと思うと感慨深くなる。

 

  けど俺は、遂に存在感を薄く出来る程に、ぼっちを極めてきていたのか。

 

「あとは、《死んだ魚のような眼(アンノウン・アイ)》ね〜。名からして多分、世界すらも解読不明の眼だったんだと思う。あはは、この時点で規格外だよね。そして、その効果の一つは状態異常無効化(・・・・・・・)。これも激レアな効果だ。この世界の状態異常と呼ばれるものは厄介だからこそ、この効果はここぞという時に役に立つよ。あとは、異性の評価補正? これは僕も、よく分からないな。良くなるのか悪くなるのか。いや、目付きが悪くなるから多分⋯⋯」

 

  気にするな。生まれつき俺の目付きは悪い。

  それこそ、死んだ魚のような眼と比喩されるだけのことはある。まさか、それ程までに規格外だとは思ってなかったけど。

 

  しかし、これもまた強力な《スキル》だったとは思わなかった。

  だが、状態異常無効化を考えてみると納得出来る。状態異常を主とした類いの攻撃は効かないというのは、不意打ちを防ぐことにもなる。良いものが手に入っただろう。

 

  異性からの評価補正は⋯⋯分かってる。どうせ悪くなるんだ。こんな眼だ。良くなるはずがない。

  大丈夫だ。期待はしていない。

 

「そして最後の《極甘珈琲創造(マッカンクリエイト)》は⋯⋯君の趣味だったりでもするの? はっきり言って、物凄い甘い珈琲を創ることが出来ることしか読み取れないんだけど⋯⋯」

 

  何を言う。テトは、この《スキル》の有能性に気が付けないのか。

 

  マッ缶とは、俺──比企谷八幡のソウルドリンク。

  知らないなら調べて欲しい。

  主に千葉県で販売されているはずだ。

  特徴としてはとてつもなく甘い。

 

  多分そんなマッ缶を、俺はこの《スキル》のおかげで、無限に創り出せるんだぞ。

 

  それも無料で、毎日いつでもどこでも何本でも飲みたい時に、だ。

 

  これは本当にやばい。神スキルじゃねぇか。

 

「⋯⋯なんかニヤけてるのキモいよ?」

 

  おいテトさん、そんな事言わないでくれ。分かってるから。

 

  確かに嬉しさのあまり表情が崩れてしまっていた。でも、これは多分《死んだ魚のような眼(アンノウン・アイ)》が悪いんだ。スキルにもあるでしょ。これは、スキルのせいだ。そうに違いない。

 

「話を戻すけど、ここまで君が強いとは思わなかったよ」

 

  そう言って苦笑いするテトには、正直同感だ。俺も自分自身がここまでチートだとは思わなかった。

  この世界のスキル事情は知らないが、反応を見るに、これは強そうだ。

 

「だからと言って《スキル》を無くすなんて言うなよ」

「あはは、本当はそうしたい所なんだけど⋯⋯世界の危機だから見逃すしかないんだよね」

 

  よし危なかった。何とか没収されるような事態ではなかったようだ。これで、八幡TUEEEEが現実として見えてくる。

 

「はぁ、とんだ規格外が来てしまったものだよ。それじゃあ忘れてるかもだけど《能力》を与えるよ?」

 

  待ってました。

 

  テトはそう言うが、俺は異世界特典としての《能力》のことを忘れてなんかいない。

  何となくだが、《理性の化け物(モンスターオブセンス)》の頭のキレが良くなる効果が生かされているんだと思う。以前に比べ、格段に物覚えも良くなったと実感できる。

 

  もしかしたら、完全記憶能力とかゲットしちゃってたりして。

 

「さて早速だけど始めようか。僕も気になってきたよ、君の《能力》がね」

 

  そう言いつつテトは両腕を大きく横に広げる。そうして次に大きく深呼吸をし、

 

「《能力発現ッ》」

 

  あ、なんかカッコイイなそれ。

 

  テトがそう叫んだ瞬間、光り輝く魔法陣が俺の下に現れた。そこからは煌びやかな白色の光が溢れ出てきて、次第それらは俺自身を包み込んでいく。

  その光は暖かく、俺の内側へと入り込んでいく。

 

  このまま俺の捻くれた心も浄化してくれないかな。

 

『ッ!?!?』

 

  ん? なんか暖かな光の雰囲気が変わったな。

 

『や、やばいかも。僕でもこれは、制御出来ないッ! み、右手が⋯⋯僕の右手が疼くッ』

 

  んん? なんか脳内に直接テトの声が聞こえてきたんだが⋯⋯。何かトラブルでも発生したのだろうか。

  というか、右手っていい歳して何言ってんだ。笑ってしまいそうになる。

  テトは何千年と生きてるわけだが、未だにそんな病を引きづっているのか。

 

  勿論、俺は卒業したぞ。

 

  けど、何だこの胸騒ぎは。なんか嫌な予感がする。

 

『クッ僕ともあろう存在が、闇に⋯⋯闇の炎に飲まれるッ!』

 

  ⋯⋯え?

 

『まさか、ここまで君の心が⋯⋯捻くれて、いたなんて』

 

  すると次の瞬間、目の前の光は黒炎へと変化する。

  全身が身を焦がすように作り替えられていくのが、わかる。同時に俺の着ていた総武高校の制服は焼け焦げていく。意識も持っていかれそうだ。けど、俺は歯を食いしばって耐える。

 

  そして、終わりは突然だった。

 

  俺を包んでいた黒炎は、何事もなかったかのように俺の中へと一気に吸い込まれて行った。

 

  それと同時にテトは地面にへたり込んでしまった。

 

「きみは、ほんとうになにものなんだよ?」

 

  呂律が上手く回っていないテトだったが、何とか聞き取れた。一体俺の中で何があったというのだろうか。

 

  いや、本当は想像がついている。けど、認めたくない。

  でも、逃げられない。覚悟を決めるしかない。

 

「【ステータス】」

 

 

【ステータス】

  比企谷 八幡

  レベル:0

  職業:なし

 

  スキル

 《孤独に認められし者(エリートぼっち)

 

 《理性の化け物(モンスターオブセンス)

 

 《消滅しつつある存在感(ステルスヒッキー)

 

 《死んだ魚のような眼(アンノウン・アイ)

 

 《極甘珈琲創造(マッカンクリエイト)

 

  能力

 《闇の炎に抱かれて消えろ(ダークフレイムマスター)

 

 

  おふ、やはり俺の中に封印されていた能力が発現してしまったか。

 

  俺もそれを見て、テト同様にその場にへたり込んでしまう。暫くこのままにして欲しい。誰にも話しかけられたくない。

 

  黒歴史の一つがここで再発するなんて。

 

 

  その頃テトはというと⋯⋯ダメだ。あれは見てはいけない。右手を必死に押さえているテトなんて見たくもない。

 

  まさにこの状況を四文字で表すならば、『地獄絵図』だな。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

  それから少し時間が経ち、俺もテトも落ち着いてきた。

  テトは息が荒く、俺も精神ダメージを負ってしまったが、もう大丈夫だ。

 

  それで冷静になってみて、気付いたがこの《能力》。

  どんな効果なのかが気になる。

  いつまでもウジウジして、現実から目を逸らし、効果を見ないなんて選択はない。

 

「さあさあ! 早くポチってしちゃいなよ!」

 

  それについてはテトも同じだ。もう右手の疼きは収まったようで、今は《能力》の効果に興味を示している。

 

  仕方がない、押しますか。

 

  ポチッと。

 

  すると、突如足元から俺を包み込むように黒炎が襲ってきた。その勢いは凄まじく、俺は先ほどと同様に飲み込まれた。

 

「え? 比企谷八幡君ッ!? だ、大丈夫かい!?」

 

  テトが俺の名前を震えた声で叫んでいるのが聞こえる。

  大丈夫、まだ生きているぞテト。ここは俺に任せておけ。

 

  けど、五秒もしないうちに黒炎は消え去った。先程とは大違いだ。

 

  しかし、テトに質問したい。

  何故俺に対して、そんなキラキラとした目を向けている?

 

「なっ⋯⋯かっこいい」

 

  ⋯⋯遂にテトの頭はおかしくなったか。

 

  けど、目線を見るに俺に対して言っているようには感じない。というか、いきなり何言ってんだ。

 

  テトの目線は下を向いている。

  だから、俺は目線を下へと向けてみる。そして、後悔し絶句した。

 

  そこにあったのは、漆黒のオーブに包帯の巻かれた右腕、両手には黒い革手袋。さらには靴は革ブーツに変化している。

  そんな中二病衣装一式を俺自身が着込んでいた。

 

  何でこんな格好をしなければならないんだ。それに、かなり恥ずかしい。そして、俺の黒歴史耐性のない心を抉ってくる。

 

「い、異世界のファッションは、馬鹿に出来ないね」

 

  テトは⋯⋯もう放置でいいだろう。

  若干気持ちの悪いテトを無視して、俺は目の前に浮かぶ【ステータス】を確認してみようと思う。

 

  百パーセント、この衣装は《能力》が関わっていると見るべきだ。さて、俺の黒歴史は《能力》として、どうなったのやら。

 

 

 《闇の炎に抱かれて消えろ(ダークフレイムマスター)

 

  闇属性魔法使用可。

  一定時間、ダークフレイムマスター化。

 

  ●ダークフレイムマスター化

  身体能力と魔力の超絶向上。

  闇魔法威力超向上。

  常時、闇魔力障壁展開。

  闇炎の支配者へ衣装チェンジ。

  中二病となる。

 

 

  ⋯⋯あ、やばいチート過ぎて右手が疼いてきた。




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