*ロズレイドside
リーフィアの話を遮って攻撃したのは陽が沈むからというのもあるが、何よりポケモンの魂を弄ぶミカルゲに我慢できなかったからだ。
でも最低限の冷静さは残っていてよかった。冷静でなければ子供達も傷付けてしまう結果になっていただろう。操られているとはいえ、それだけはあってはならない。
だがその点についてはもう安心だ。リーフィアが草のゆりかごで守ってくれている。リーフィアという戦力を失うのは正直きついが、いつ盾にされるかも分からない、2匹いるから片方に手を出されるかもしれない、そんな不安要素が解消されるのは大きい。
これで漸く行き場のない怒りをぶつけることができる。
「ミカルゲ、私はお前を許さない。魂はどんなポケモンにも1つ、神から唯一平等に与えられた宝だ。決して1匹のポケモンが奪っていいものじゃない!」
"シャドーボール"
今度はありったけの威力を込めた。より大きく、より高密度に。
「それなら尚更、魂を統べる我こそが神に相応しい」
"シャドーボール"
ミカルゲも同様のシャドーボールを放ち、2匹の中間地点で衝突する。
ーーそして相殺した。いとも簡単に。
「くっ…」
「ゴーストタイプにシャドーボールで勝てると思うな。
ーーああ、それとゴーストタイプだからといって我にシャドーボールが有効だと思っているならそれは大きな間違いだ」
「何っ!?」
ゴーストタイプであるのにゴーストタイプが有効ではない。その事実から導き出される答えは…
「我はゴーストと悪の複合タイプ。よって弱点などない、全てにおいて完璧なのだ。大方堅い守りを弱点で崩そうなんて思っていたのだろうが、残念だったな」
普通、ポケモンには苦手なタイプーーいわゆる弱点ーーが存在する。例えどんなに強い伝説のポケモンであったとしても。しかしゴースト・悪の複合タイプだけは例外で今現在、唯一の弱点が存在しない組み合わせ。それだけならまだいい。そこにミカルゲの耐久が加わることで難攻不落の要塞となる。毒を入れておいてよかった。
「今度はこちらからだ。精々足掻いてみせろ」
"シャドーボール"
ミカルゲが低速の大きい弾を撒く。
ん?
これなら隙間は広く避けるのは容易いし、そもそもこちらに届くのに何秒かかるかというレベルだ。正直拍子抜けである。
何か爆発するような仕掛けでもあるのかとシャドーボールをぶつけてみるが、乱回転に掻き消されるだけで特に仕掛けは無さそうだ。威力が高くても当たらなければ全く意味を成さない。一体何が狙いだ…?
そんなことを考えていたらミカルゲが追加で速く小さい弾を大量に撒いてきた。
単体で見れば避けられないことはないが、とにかく量が多く、あっという間に視界が紫で埋め尽くされる。1つ避けたらまた新しい弾、息つく暇もない。大きい弾だけには当たらないように注意して、どうしようもない速い弾だけは毒突きで相殺していく。
リーフィアの方はーー流れ弾をはっぱカッターで対処してくれている。あれなら大丈夫そうだ、信頼して任せられる。
私も一見対処はできてはいるが、このままではまずい。現状避けるので手一杯だし、避ける体力も無尽蔵ではないからだ。それにミカルゲから出ている"プレッシャー?"からかいつもより体力の消費が激しい。対してミカルゲがこんなに大量の弾幕を撒き続けられるのは元々のスペックに加え魂が複数あるからであろう。よって、避けているだけでは勝てない。
しかしどんなに完璧に見える攻撃であっても攻略法は必ずある訳で。当然のことだが、こんなに広範囲にバラ撒いていれば量の密度はあったとしても威力の密度は分散する。だから弾幕の中心目掛けて
「華麗に貫け、"花吹雪"」
螺旋状に渦巻く
○
*ミカルゲside
中々頑張って避けているようじゃないか。弾幕でお互い見えてないはずなのに何で分かるかだって?
言ったろう?我は魂を司る。目で見えずとも魂の動きで分かるという訳だ。
だから我こそが魂を司る神として相応しいはずだった…!
だがそんな憂いも今日で終わり。復活したからには今度こそ完全体になって神の座を奪い取ってやる。
おっと、避けるのをやめて攻撃してくるようだな。
○
*ロズレイドside
ミカルゲには避けられたようだが、充分。
弾幕は一瞬止み、
今度は躱させない。
ミカルゲの目の前に
"花吹雪"
○
*ミカルゲside
かかったな、それを待っていた。弾幕を撒けばまた接近戦を仕掛けてくると思ったよ。
"無限暗夜への誘い"
無情にも影はロズレイドを包み込む。
「これで3つ目」