*リーフィアside
「レタス、もう終わりか?」
「ふふふっ、リーフィアさんがレタスですって。ふふっ」
タマンタが笑いを堪えきれずにいる。
「誰がレタスだ」
「あーはっはっはっ、ははっ…あーおかしい。いくらお腹が空いてるからってリーフィアをレタスって呼ぶポケモンは初めて見たわ」
グレイシアに至っては笑いを堪える素振りすら見せない。
「次の相手は氷の嬢ちゃんか?まだまだメインディッシュが味わいたりねえなぁ」
「誰が前菜よ!」
そもそもメインディッシュ"レタス"って何だよ。ベジタリアンか。
「俺はメインディッシュ2つでも構わない。寧ろ大歓迎だ」
「「「うわぁ、胃もたれしそう…」」」
「だがよぉ、この砂嵐の中でまともに戦えるのか?」
"砂嵐・砂隠れ"
ガブリアスの姿が砂嵐の中に消えていく。ガブリアスも苦手な氷タイプ相手だからなのか、警戒して姿を隠すことで的を絞らせない。
「それはこっちのセリフ!何も分からないまま冬眠させてあげる」
"霰・雪隠れ"
グレイシアもまた霰を展開し、吹雪の中に消えていく。対極に位置する砂嵐と霰が炎の円を半々に分かつ。…まるで天変地異だ。
「リーフィア、最初から全力で行くわ。長くはもたないから」
だからこそ、その差を埋め、上書きする行為は相当なエネルギーを消費する。グレイシアの言葉通り数分もてばマシといったところだろうか。
「冬眠するにはメインディッシュで栄養を蓄えとかねえとなぁ!」
"ドラゴンダイブ"
ガブリアスはグレイシア目掛けて一直線に飛翔する。
「冬眠する気なんて無いくせに!」
"れいとうビーム"
"ワイドブレイカー"
ガブリアスが尻尾を高速で振るった反動でれいとうビームの軌道から外れ、砂へと突っ込んでいく。
「ふぅ、危ねぇ…よく正確な位置が分かったな」
「感知は私の得意分野よ?私の前では砂嵐なんて何の障壁にもならない」
「おめえルカリオみたいなことを言いやがるな。正直おめえみたいなタイプは苦手だ」
「そっちこそよく避けられたわね。脳筋のくせに感知能力まであるの?」
「感知?そんなめんどくせえもんできる訳ねぇだろ。俺様のは勘だ」
「「は?」」
「…いや、ガブリアスの言うことも一理あるかもしれない。例えば熱いものに手を触れたら考えるより先に手を引っ込めるだろう?それと同じだ。ガブリアスにとって氷は苦手だからこそ、より過敏に感じとることができる」
「だから反射的に避けられるって?」
「ああ」
「ああじゃないですよリーフィアさん。だとしても瞬発力化け物すぎませんか?」
「今に始まったことじゃないだろ?」
「「そう
「俺様にも分かったことがある。おめえの感知はこのキラキラした"オーロラベール"でしてるんだろ?」
(頭空っぽのくせに鋭い…)
「べべべ別にただ綺麗なだけですけど???オーロラベールの反応で感知なんかしてませんけど???」
(嘘下手すぎませんか…)
「そうだったのか!じゃあ何で感知してるんだ…?さっぱり分からねえ…俺様と同じ勘ってやつか?」
「「「な訳ないだろ」」」
「まぁいい。感知できる相手には感知させないまでだ」
"穴を掘る"
○
*ルカリオside
「でもよぉ、俺はアカギ様のエースだ。こんなところで情けなく逃げる腑抜けにアカギ様のエースは相応しくない。絶望的だからこそ、俺はこの状況を乗り越えみせる!」
マニューラの波導が大きな変化を見せる。黒い淀みの中に垂らされた
「いいだろう。その勝負、守護者として全力で引き受けよう」
今まではウォンシ地方に災厄をもたらす邪悪なポケモンとして排除しようとしていた。
だが、今からは違う。その確固たる意志が折れないか、守護者として確かめさせてもらう。意志は固くて脆い。辛い時ほど擦り減らされて折れるもの。ここで折れてしまうのであればそれまでのポケモンだったというだけだ。再度心が淀む前に排除しなければならない。
ーーお前は意志の試練を乗り越えられるか、マニューラ