*リーフィアside
「穴を掘る…厄介な技ね」
「土ならまだしも、砂はすぐに塞がってしまいますからね。どこにいるか全く検討もつきません」
砂嵐×砂隠れ、穴を掘る×砂漠ーーガブリアスの性格からはまず考えられない隠密スキル…それらはフカマル達やガブリアス自身の発言から、感知が得意なもう1匹の守護者『ルカリオ』との手合わせによって培われたものなのだろう。ただでさえ最強クラスのパワーを持ちながら、それにかまけることなく鍛錬を積み続けた。格上のポケモンにもめげずに挑み続けた。道理で強いはずだ。
とにかく、あのパワーを直に喰らうのはマズい。
「グレイシア、地面と距離をとれ!」
「どうやって?」
「氷の足場を作るんだ」
「なるほど!氷は砂と違って透明ですからね。ガブリアスの攻撃を見てから対処する余裕が生まれる訳ですね」
「簡単に言ってくれるけどね。灼熱の砂漠で炎の渦に囲まれてるのよ?」
「グレイシアならできるだろ?」
「まぁ?私くらいになるとこれくらい朝飯前だけどね?」
"れいとうビーム"
グレイシアがジャンプして地面に向けて"れいとうビーム"を放つ。即席の氷の足場の出来上がりだ。私とタマンタもその足場へと飛び移り、引き続き指示を送る。
「そのまま周りの地面にも"れいとうビーム"だ!」
「私の周りは温度を下げてるからまだしも、すぐ溶けちゃうわよ?」
「そうですよ。貴重なエネルギーの無駄遣いはよくないです!」
「それでいい」
「ああもうっ、本当ポケモン使いが荒いんだから!」
"れいとうビーム"
足場から円を描くようにれいとうビームを放つが、炎の渦に近い外周からたちまち溶けていく。
「本当に意味あるんですか…?」
タマンタはイマイチ信じられないようで、こちらを訝しげに見つめる。氷が円を埋め尽くしそうになるその時、
バキバキっと氷の割れる音
ガブリアスが泥を纏って氷を突き破る。
砂漠は暑いイメージしかないかもしれないが、日差しの途絶えた夜は存外寒いもの。熱を吸収した地中を急激に冷やすことで擬似的に夜の砂漠を作り出したという訳だ。加えて氷が溶けて砂が泥になることで2つの隠密スキルを弱体化させることにも成功した。
「決めろ、グレイシア!」
「言われなくても!」
"れいとうビーム"
「クソっ、寒いなぁ!」
"大文字"
○
*マニューラside
「いいだろう。その勝負、守護者として全力で引き受けよう」
改めて感じる守護者のプレッシャー…関係ない。ルカリオも俺と同じポケモンなのだから。
"高速移動"
速さで圧倒しろ。
"氷の礫"
"ボーンラッシュ"
隙が無いなら作り出せ。
"ローキック"
「甘い」
ルカリオはジャンプで躱し
"真空波"
速い中距離攻撃。砂の絨毯に叩き付けられる。攻撃自体は軽いが弱点なのもあり、ダメージは少なくない。だが、怯んでいる暇など一瞬も無い。空中に浮かせたルカリオに追撃する。
"氷柱針"
"電光石火"
ドンカラスのエアスラッシュの時と同じだ。氷の礫よりも威力を上げる代わりに速さを落とした氷柱針がルカリオを掠めることはない。しかし、氷の礫では大したダメージにならない。どうすればルカリオに大ダメージを与えられる…?
"ボーンラッシュ"
ゆっくり考えてる時間は当然無い。寝返りをうつことによって、すんでのところで回避。
ルカリオは回避行動に対しても反応速度ーー否、感知して動き始めるのが早い。こちらも攻撃を予測して
"ボーンラッシュ"
"メタルクロー"
硬化させた爪でボーンラッシュを掴み、そのまま遠心力を使い
"けたぐり"
ルカリオに初めてクリーンヒットが入り数メートル後退する。
「「面白くなってきた」」