公安特捜班俊作集 ひかり最終便の女   作:新庄雄太郎

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寝台特急北斗星でも捜査はするのかと思うが前回投稿した公安特捜班でも引き続き寝台特急「北斗星」でも捜査をすることにしました、今回は上りの北斗星で事件を解決します 


寝台特急「北斗星」57分の殺意

北海道・札幌

 

時計台は北一条西二丁目にあり、札幌のシンボルと言われている。明治11年に札幌農学校の演武場として建てられたもので、今でもそのままの形で残っている。

 

佐藤新次郎も、2年前に札幌に単身赴任して、初めてこの時計台を見た時には、がっかりした。

 

「札幌市で何とかならないのかしら」

 

と観光客の女性は言った。

 

「これが札幌のシンボルなの」

 

「がっかりね、でも記念写真くらいは撮っておかなくちゃね」

 

 時計台もカメラに収めるには、歩道を出なければならない。背後の車道にはひっきりなしに車が通っている。

それに歩道は観光客だけでなく、地元の札幌の人が通っている。シャッターチャンスがなかなかない。カメラに気付いて足を止める通行人もいるが、無視する人も多い。

 

「時計台がこれじゃ、札幌もたいしたことはないわね」

 

「札幌はやめて、登別温泉でも行って見ない。」

 

「でも、今からじゃ、ホテル取れるかしら。」

 

「夜のススキノだってたいしたことないわよ。東京と変わらないんじゃない。」

 

翌日佐藤は、札幌から特急「オホーツク」に乗って網走へ向かい、知床半島へ向かった。

 

知床五胡

 

「ロマンチックな湖ね。」

 

「ホントだ、私は2回目何ですよ。」

 

「そうなんですか、いつ頃ですか。」

 

「大学の時にね。」

 

「へぇーっ。」

 

札幌駅

 

「北斗星6号」は札幌を19時19分に発車する。

 

午後6時過ぎには、新次郎は札幌駅に来ていた。

 

「あっ、どうでした釧路は。」

 

「ええとても。」

 

「私は網走ヘ。」

 

新次郎は寝台特急「北斗星6号」に乗り、19時19分に発車した。札幌を19時19分に発車し、千歳空港、苫小牧、登別、東室蘭、伊達紋別、洞爺、長万部、八雲、森、函館、盛岡、仙台、福島、郡山、宇都宮、大宮、終着上野には翌朝の11時12分に着く。

 

彼女は、ロイヤルAに入った、その時事件は起きた。

 

「あれ、いないわ。」

 

「どうしたんですか。」

 

「実は、私の友人がロイヤルにいないのよ。」

 

「本当か。」

 

新次郎は、車掌を呼びロイヤルの女性を捜索した、しかし見当たらなかった、そして事件は起きた。

 

「あっ、真由美、真由美。」

 

と絵里は叫んだ。

 

11時12分、「北斗星6号」は上野に到着した。

 

そこへ公安特捜班の南と高山と桜井が公安隊員を連れて現場にやって来た。

 

「被害者は若狭真由美さん、24歳です。」

 

「うん、じゃあ発見者の佐藤新次郎さんと五島 姫さんと一緒に発見されていたんですね。」

 

「はい。」

 

「俺はロイヤルの隣にいたのでおかしいと思って読んでみたら、その場で死んでいたんです。」

 

「なるほど。」

 

南と高山と桜井は、北斗星の殺人事件をことを高杉班長に報告した。

 

「犯人はどうやって殺害したのかね。」

 

「佐藤は北斗星のロイヤルにいたって言ってたな。」

 

「アリバイは成立だな。」

 

「南主任。」

 

「どうした桜井。」

 

「仙台駅で、不審な男を目撃したと報告がありました。」

 

「何だって。」

 

「その男は、仙台駅で別の列車に乗り換えたと。」

 

「列車に乗り換えていた。」

 

「ちょっと引っかかるな。」

 

次の日、南と高山と桜井は早速1人の北斗星の客に話をすることになった。

 

「ええ、私は札幌へ出張の帰りで仙台で下車して常磐線経由のひたちに乗って水戸へ行きました。」

 

「そうですか。」

 

「実は北斗星の殺人犯にそっくりなんですが、別人ですか。」

 

「ええ、申し訳ありません。」

 

犯人は別にいるのだろうか、そして高山はその男が犯人かと睨んだ。

 

「南主任、犯人は仙台で乗り換えたんじゃないでしょうか。」

 

「恐らく犯人は東北新幹線「やまびこ」か常磐線の「スーパーひたち」に乗り換えたんですかね。」

 

「えっ。」

 

「どういう事なの、高山。」

 

「犯人はやまびこかスーパーひたちに乗って逃げたことになるよ。」

 

「なるほど。」

 

次の日、高山と桜井は南主任と共に犯人を追う事にした。

 

「すみません、鉄道公安隊の者ですが。」

 

「何なんですか、あなたは。」

 

「それは何ですか、その瓶。」

 

「あっ、これ風邪薬だよ、北海道は寒いからね。」

 

「じゃあ、鑑識に見せてもそれ見せれるよね。」

 

「えっ。」

 

「その薬の瓶は、睡眠薬ではないかと思うが。」

 

「くそっ。」

 

その後の警察の調べで薬瓶の中身は睡眠薬と判明した、犯人は向井勝さん36歳が若狭真由美さんを殺害したと自供した。

 

 

 

 

 

 

 




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劇中の寝台特急「北斗星」の時刻は平成元年の時刻を使用しています。


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