ブルーム・エール!   作:コリーヌ

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4月10日〜新入生について〜

「えっと、知ってると思うけど、新入部員の今井リサです!

 

よろしくお願いしま〜す☆」

 

 

「白鷺 千聖です。よろしくお願いします。」

 

 

友希那は胸中でほくそ笑んだ。

 

大勝利だ。

 

 

「それで友希那ちゃん、私達は何の楽器を担当すればいいのかしら。」

 

 

それが問題だ。

 

このメンバーの中で考えると、金管楽器が欲しいところだ。

 

しかし、楽器には向き不向きがある。

 

不向きだったら元も子もない。

 

しかも、今の部には何故かクラリネットがいない。

 

リサにはクラリネットを担当してもらおうか…。

 

 

「千聖はバイオリンをやって居ただろう? コントラバスはどうだろうか。」

 

 

「コントラバスって…。」

 

 

「バイオリンと同じ、弓で弦を擦って音を出す弦楽器ですね。

 

大きさはバイオリンの3倍くらいですが、重さは約20倍です。

 

低音域を担当する楽器で立って演奏する事が多いです。」

 

 

「麻弥、良く知っているわね。」

 

 

「ふへへ…ありがとうございます。」

 

 

この笑い方と眼鏡をやめれば超美少女なのにな。

 

と、友希那は思う。

 

 

「一度見てみたいわね。」

 

 

「それもそうね。薫。」

 

 

「ああ、分かっているよ。千聖、準備室に行こうか。」

 

 

「ええ。」

 

 

これで、千聖の楽器はほぼ決定だ。

 

あとはリサ。

 

 

「リサ、木管と金管、どっちがいい?」

 

 

「え、ええ?」

 

 

まあ、戸惑うだろう。

 

初心者は金管、木管と言われても、何が何だかさっぱりわからないのだと言う。

 

 

「クラリネットとかが木管で、トランペットとかが金管よ。」

 

 

「じゃあ、木管で!」

 

 

何故だろう。

 

派手な物好きの彼女の事だから、トランペットとか言うと思ったのだが。

 

 

「金管って唇ブルブルするんでしょ? アタシ、アレ出来ないからさ…。」

 

 

アレが出来ない人なんているのか。

 

致命的ではないのか。

 

 

「紗夜、クラリネットを1台持ってきてくれないかしら。」

 

 

「はい、わかりました。」

 

 

この学校は昔強豪だったこともあって、楽器は揃っている。

 

それだけが唯一の救いだ。

 

今までそれが手持ち無沙汰になって居たのは、少し悲しい気がする。

 

演奏してもらえないなんて、楽器が可哀想だ。

 

取り出した自身のフルートを眺め、ふとそんな事を思った。

 

友希那の楽器は学校の楽器ではない。

 

マイ楽器というやつだ。

 

初めて楽器を買ってもらったのは小学生の頃。

 

その楽器をずっと使って居たのだが、中学卒業と同時に新しい楽器を買ってもらった。

 

アベルというアメリカ製のフルートだ。

 

このメーカーは柔らかく暖かい音色が出るのだが、

 

友希那が頑張れば艶やかで大人っぽい音色も出せる。

 

そういう所が気に入っている。

 

まぁ、値段はあまりにも高いのだが。

 

 

 

そんな事を考えている間に、初心者2人は試して吹き…もとい試し弾きをしているようだ。

 

リサの担当する(予定)のクラリネットはリード楽器だ。

 

これは紗夜が担当しているアルトサックスと同じなので、任せておいて構わないだろう。

 

細かい所を言うと全然違うのだが。

 

初めてにしては音も出ているようだ。

 

先は明るいだろう。

 

…さて、千聖はどうだろうか。

 

コントラバスの方へ目をやる。

 

コントラバスは大きいので目立つ。

 

在るだけで凄い存在感を放つ楽器だ。

 

そんな楽器を小柄な千聖が弾きこなせるのだろうか。

 

友希那の思いとは裏腹に、基本的にはバイオリンと同じなのか。

 

運指表を片手に力強い音色を奏でている。

 

悩みは杞憂に終わりそうだ。

 

 

さて、と、友希那は思考を別の事に移す。

 

あとは新入部員の勧誘だ。

 

各学年に何人かは音楽好きな子がいるので、少なくとも5人は入ってくれるだろう。

 

…多分。

 

今年のA組に音楽に秀でた子はいるのか。

 

友希那は心を踊らせて居た。

 

 

 

 

 

 

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