『はて……?』
七月の末とは思えないほどの暑さの中、僕は一人で首をかしげる。
『これは……』
その姿はさぞ間抜けに見えるだろうと頭の片隅で考えながら。
『なんだ……?』
目の前に突き刺さる金属製らしき柱を見上げていた。
よし、まずは状況の再確認だ。
今日は大学の講義もないので、無意味な時間を過ごしていた。さーて録り貯めたアニメでも消化しようかなと思ったその時、轟音と共に天井をぶち破ってなんか降ってきた。
以上。僕も特に状況とかわかってなかった。
金属製らしく、鈍色に光っている柱。流石に近づいてぺたぺた触ったりする勇気はないが、見た感じとてつもなく熱いとか冷たいとかそういうことはなさそうだ。
そして何より大きい。人一人なら余裕で入ってしまいそうな大きさがある。ところどころにボルトのようなものや隙間がある上に、どう見ても蝶番が付いているので、開いて何かしらが出てきたりするんだろう。
やたら頑丈な南京錠でがっちがっちに固められているのは、見なかったことにした。
さて、これらの状況を鑑みて結論。
無視。
今の所実害はないし、落ちてきた時にできたはずの天井の大穴もいつの間にか塞がっている。かなりの轟音がしたはずだが、今のところ大家がやって来る様子もない。きっとこのビッグ電池の謎パワーでどうにかしたのだろう。うんもーまんたい。
ならばよし。もうアニメを見る気分でもないので、また惰眠を貪ろう。そう思ってビッグ、もう電池でいいや、に背を向けて寝転ぼうとした時、
『ぶっしゅうううううううううう!!!』
ええ……。もう終わったじゃないか、この問題。くどい男は嫌われるぞ、いや知らんけど。
しかし、こうなると何か対処する必要があるだろう。かなりやばい音がしたし。というかこれはあれじゃないか、なんかよくあるドア開いたらめっさ蒸気とか出て来る時のあの音じゃないのか。それなら問題ない、この部屋は先日バ◯サンを炊いたばかりだ。あれ自分いる時にやったら死にそうになった。真似しないでね。
ともあれ、まず見てみないことには始まらん。
そして振り返った僕が目にしたのは、
『ぶっしゅううううううううううッヴエッッグゥエッフッオ……はあ。』
窓から顔を出して僕の部屋に向かって顔を真っ赤にして叫ぶ大家(男性、45歳独身)の姿だった。
あれほど美しいローリングソバットを決められたのは、後にも先にもこの時だけだろう。
『で、結局あれなんなんです?』
『はて……?』
いや知らんのかい。
続きません。