みーくんの退屈じゃない日常   作:赤瀬紅夜

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今回は、短編です。

学園生活部の話ではなく、事件が起きる前の、平和な頃の世界の話です。

ちょっとだけクロスオーバーするかもしれません!

みーくんの退屈じゃない日常、始まります!


クロスオーバーな日常
さぷらいず


教室の出口で、

 

私は圭と帰る支度をしながら話をしていた。

 

 

「うーん・・・あたしってなんで高校生やってるんだろうな~。」

 

「ねぇ、美紀もそう思うでしょ。」

 

そう、聞いてきた圭に対し、私は首を振りながら答えた。

 

「いや圭、そんなこと言ったって今日帰ってきたテストの結果は変わらないよ。」

 

「だから諦めて勉強しなよ。」

 

巡ヶ丘高校は、夏休み明けにテスト(という名の課題の確認)があり、

美紀の結果は上々だったが、

 

圭のテストの結果は赤点をギリギリ免れたような点数だった。

 

「美紀は勉強できるからいいけどさ、あたしなんて一夜漬けだったんだから。」

 

今年の夏はいっぱいあそんだからな~と、夏休みに先輩たちと遊んだことを思い出しているようだった。

 

教室から出て、廊下で並んで歩く。

 

「どうする圭、また一緒に勉強する?」

 

圭自身の成績は、そこまでは悪くはなっかった。

 

しかし、高校2年生でありながら、この夏休み中に一つ上の先輩たちと、山に行ったり、海に行ったりしていたおかげで、圭は、課題を自分から進めようとしていないようだった。

 

しかし、美紀自身もそんな圭を見ていられなくなり勉強をしようと、提案した。

 

廊下を過ぎ、下駄箱の置いてある昇降口で、圭が立ち止まった。

 

圭は、しばらく考えた後、

 

「う~ん、そうしようかな。」

 

「なんだかんだ言って、美紀って教えるのがうま・・・・・・って、ハッ!」

 

「?、どうしたの、圭?」

 

圭は、慌てふためいた様子で、廊下の反対側、つまりは帰路ではなく教室があるほうへ目線を向けた。

 

「そ、そうだ、あたし忘れ物してたんだ~!」

 

「取りに行くから、先帰ってていいよ!」

 

またあした、そう言って圭は教室のほうへ戻ってしまった。

 

なんかいつもの圭らしくないような…。そう思った美紀だったが、

 

「ま、たまには一人で帰ろうかな。」

 

そう呟き、美紀は学校から出た。

 

 

 

忘れ物を取りに行った圭は、自分のクラスのC組には入らずにその隣のB組の教室に入っていこうとしたが、中の様子を窺ってみる事にした。

 

その教室には二人の生徒が圭を待っていた。

 

1人は、狭山 真冬といい、肩のあたりまで綺麗な黒髪が伸びていて、

どこかクールな印象を持つ少女。

 

もう1人は、紗巴 果夏といい、二本のピンで前髪を留めて茶髪を、ポニーテールにして赤いシュシュを着け、黒髪の子とは違い、明るそうな印象を持っている少女がいた。

 

果夏が口を開いた。

 

「真冬ちゃん、ホントに圭ちゃん来るのかな〜?」

 

「ねぇー、聞いてるの〜〜?」

 

真冬がめんどくさそうに応える。

 

「うるさいよ、カナ、もしかしたらそのまま美紀と帰っちゃったのか

もね。でも、ボクは、せっかく驚かすもの持ってきたのにな。」

 

「驚かされるようなもの持って集合って、何やるんだろうね〜。」

 

真冬の答えに果夏が、困ったような表情をしながら応えた時だった。

 

圭が、タイミングを見計らってB組のドアを開けた。

 

ガラガラッ!

 

「やあ、やあ、集まっているようだね!2人とも!」

 

と、声を掛けられた2人がドアの方を見やった。

 

「遅かったね、お嬢ちゃん、待ちくたびれたよ……。」キリッ

 

「イヤ、それ誰なのモノマネなの?カナもふざけないでよ…。」

 

果夏のおふざけに、真冬がツッコミを入れた。

 

 

3人が揃い、さっそくと言うように圭が口を開いた。

 

「今回、集まって貰ったのはある目的があったんだよ!」

 

と、3人が集まってすることの説明をし出した。

 

「今日は、あたしの親友である、美紀を驚かせたくてね!

 

「美紀の誕生日が今日でサプライズがしたくて、

 

「そこで、あたしたち3人で、1人ずつ誕生日おめでとうって、言いな

 

がら美紀をびっくりさせたいんだ!」

 

そのことを聞いた2人は、美紀が今日誕生日だと知らなかったらしく、

驚いていた。

 

「じゃあ、早くしないと。美紀は、もう家に帰ってるかもしれない。」

 

真冬が、サプライズだと知って、2人を急かした。

 

しかし、大丈夫と圭が真冬を止めた。

 

「真冬、大丈夫だよ。きっと美紀はデパートの書店に寄ってると思うから。」

 

デパートに向かおうと、3人は、学校を出た。

 

 

一方、1人で帰ることになった美紀は、途方に暮れていた。

 

「暇になったな……。」

 

美紀は、圭が忘れ物を取りに戻ったことで暇になっていた。

 

(なんとなく、圭とよく行ってる書店に入っちゃたな)

 

書店の中を歩いていると、ある本が目に留まった。

 

(この本、よく読んでる作者の本の新刊だ!)

 

その本に、近づき、思わず手に取った。

 

「ギャルゲーのノベライズ…?」

 

この作者は、こんな本を書くような人だっけな?と考えていると、

 

「あの〜、その本って今から買ったりします?」

 

と、声を掛けられた。

 

隣を見ると、巡ヶ丘高校とは違う制服を着た、

 

髪をツインテールにし、片方の髪に大きな白いリボンを付けた子がい

た。

 

「こんにちは、わたくし、百地 たまてと言います!気軽にたまちゃん

と呼んでください〜。それで、ご相談なのですが、その本を譲って頂

けないでしょうかね〜〜?」

 

棚を見ると、手に取っている本が最後だったようだ。

 

この作者の本は読んでいたけど、今回はいいかな、と思い譲ることに

した。

 

「大丈夫ですよ、手に取っていただけなので。」

 

あっりがとうございました~~そう言いながら、美紀から本を譲り受け、たまてはレジへと向かって行った。

 

よくしゃべる子だったな……。そんな印象を美紀は持った。

 

 

そして、書店が入っているデパートに圭、真冬、果夏の3人で向かい、デパートの近くまで来ていた。

 

天気は、夏休み明けにもかかわらず、夏真っ盛りだった。

 

真冬が、苦しそうに声を上げる。

 

「暑くて溶けそう…あーでもカナの頭よりはだいぶマシかも………。」

 

「いや、真冬ちゃん、わたしの頭は溶けてないよ!頭がいいからってバカにしすぎだよっ!」

 

「ふふっ!」

 

2人のやり取りに思わず圭は笑ってしまった。

 

「「なにか!?」」

 

2人の息がシンクロし、そのことにも圭は笑った。

 

「あははっ、仲が悪い風に会話してるのに、2人とも本当はすごい仲が良くて笑っちゃったよ。」

 

圭の言葉に、2人はキョトンとお互いの顔を見合った。

 

「そ、そりゃわたし達は、親友だからね!」

 

「ボクは、そこまでは思ってないけどね。」

 

親友だよ〜と、真冬の言葉に対して果夏が言い返している時だった。

 

「Excuse me! スミマセン、今いいデスカ〜?」

 

金髪の少女が、圭に声を掛けて来た。

 

「外国人!あたし英語喋れないじゃん!」

 

圭がテンパっていると、真冬が金髪の子に話しかけた。

 

「いや、圭、最後日本語だったじゃん」

 

「ナニ?何か用でもある?」

 

金髪の子が、自己紹介を始めた。

 

「ワタシ、イギリスから来ました、九条 カレンともうすデス」

 

「ジツは、髪を後ろでまとめたいのデスガ、まとまるものが無くて困ってたデス。」

 

どうやら困りごとらしいと分かって、真っ先に行動したのは、果夏だった。

 

「それじゃ、わたしが手首に付けてる、この赤いシュシュを授けよう!」

 

果夏が、左手首に付けていた、シュシュをカレンに渡すと、カレンは、嬉しさで瞳を輝かせてお礼を言った。

 

「アリガトウゴジャイマ〜ス!感謝デース!」

 

「トモダチが待っているので、また今度デース!」

 

そして、髪を後ろでまとめて、手を振りながら去って行った。

 

「凄い子だったね〜〜。」

 

という果夏の感想に、他の2人も同意し、頷いた。

 

すると、デパートの入り口が見えてきた。

 

「! 2人とも、入り口に美紀がいるから、驚かす準備して!」

 

 

書店で圭が来ると思い、待っていたが、来なかったので美紀は帰ることにした。

 

デパートのエスカレーターを降り、入り口まで歩くと、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッ!

 

 

 

 

 

パパンッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入り口で、圭と、真冬、果夏がクラッカーを鳴らした。

 

「誕生日おめでとうっ!美紀!」

 

圭が、祝ってくれた。

 

私は、嬉しくて一瞬、頭の中が真っ白になった。

 

「え、圭、どうしてデパートに?忘れ物したんじゃないの?」

 

「実は、美紀の誕生日を祝おうと計画していたんだ〜!」

 

嬉しそうに、圭が答えた。

 

私は、嬉しかった。

 

けれど、周りの人達の目が気になって、それどころじゃなかった。

 

「ありがとう、圭、でもこういうのは家でやって欲しかったな。」

 

「そ、それもそうだね!じゃあ行こうか!」

 

私はその言葉に疑問を持った。

 

「え、どこに行くの?」

 

「美紀の家!ほら、真冬も果夏も行ったことなかったし一緒に行こう!」

 

 

美紀の家に着き、美紀のお母さんが用意していたケーキをみんなで食べながら、今日あった事を語り合っていた。

 

「圭、今日本を買おうとしたら面白い子がいて…」

 

「あたしも、デパートの近くで金髪の子とあって…」

 

「真冬ちゃんも誕生日は、一緒に祝おうね〜。」

 

「カナに祝われてもね…。」

 

美紀自身、今日という日が、こんな日になるとは思っていなかった。

 

でも、ひとつだけ、確かなことがあった。

 

(圭とは、いつまでも友達でいたいな……。」

 

でもその言葉は、今は口には出せない。




いかがでしたでしょうか?

今回クロスオーバーしたのは、

チモシーさんの「軌跡〜ひとりからみんなへ〜」から、狭山 真冬ちゃんと、紗巴 果夏ちゃんの2人。

きんいろモザイクから、九条 カレン。アクが強かったです!

スロウスタートから、百地 たまて という言い方は嫌っていたので、たまちゃんと、言い直しましょうかね。

最後に謝辞を。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

読んでくれただけで、とても嬉しいです!
(でも感想も書いて貰えると、励みになります)

チモシーさんにも、可愛らしい2人を使わせて頂き、感謝です!

チモシーさんの書いている小説は、僕のお気に入り小説から飛べるは

ずですので、読んでみて下さいね!←ロコツな宣伝

また、書く機会があれば、お会いしましょう。

それでは!

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