絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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戦えば生き残れるとは言っていない。


第四七章 戦わなければ生き残れない (アリス、浅倉、セリュー、颯ちゃん)
戦わなければ生き残れない


「あ、あの…浅倉?さん」

「……何だ」

 

どうやらデイパックにあった記載の通り、目の前の男は浅倉という名前らしい。

そう思いながらアリス・カータレットはか細い声を上げた。

 

 

「何をしてるんですか?」

「鏡だ」

 

 

一瞥もせず答え、浅倉はゴムひもを握って作業を続けた。

掌に収まるサイズのコンパクトな鏡を利き手とは逆のほうに括り付け、固定しようとする。

しかし、片手ではうまくいかない。結果、イライラが募る。

アリスは浅倉が何をしたいか分からなかったが、とりあえず鏡をすぐに見れるようにしたいらしいというのは察することができた。

 

 

「……ちょっと待っててください」

 

 

焼きそばを食べるために座っていた椅子から降り、寝室に向かう。

イラついてる浅倉が何か言わないか不安だったが、意外にも彼は何も言わなかった。

枕元にそのまま置いてある救急箱を持ってまたキッチンへ。

その時に頭部の怪我の影響か、足がふらつき危うく転びそうになった。

 

 

「…何だこれは」

「怪我した所を固定するためのネット型包帯です。

こうして腕を通して、リストバンドみたいに」

 

 

鏡とヘビ柄のジャケットの袖を掴んで、ネットに通す。

一つだけだとすっぽ抜けるかもしれないので、重ねて巻いて固定する。

試しに二、三度腕を激しく降ってみても落ちる気配は無かった。

 

「どうですか?」

 

 

嘘をついた後ろめたさからの行動だったが、軽率だっただろうかと今更に思う。

しかしそんなに鏡が見たいとは、もしかしたら目の前の男は存外お洒落さんなのかもしれない。

そんなアリスの考えを知る由もなく、浅倉はネットに鏡が被らないように無言で調節する。

鏡がちょうどいい位置に来ると、心なしか満足げな顔を浮かべた。

その後デイパックからカードケースを取り出し、据え付けられた鏡の前に掲げる。

鏡写しの世界よりベルトが現れ彼の腰へと収まったのは、その直後の事だった。

「えっ!?」

突然現れたベルトに背後でアリスが驚愕の声を張るが、気に留めず叫ぶ。

 

 

「変身!」

 

 

部屋に短く、しかし力強い声が響いた。

素早くデッキが現れたベルトに差し込まれ、男の姿が変わっていく。

――そして、人の姿をした怪物(モンスター)、仮面ライダー王蛇が現れた。

 

 

 

「あ、あぁ……」

 

 

それを見たアリスは、まさに蛇に睨まれた蛙だった。

嘘がバレ、怒った浅倉が何かアニメの様に変身して自分を殺そうとしているのではないか、

王蛇を見てそんな妄想が駆け巡り、再び精神が恐慌状態に陥りそうになる。

しかし浅倉はそんなアリスを見ても何も感情を抱かず、仮面の下から冷厳に命じた。

 

 

「戻ってくるまでここにいろ」

「えっ、えと、ど、何処へ…いやっ、はい!分かりました……」

 

 

ガタガタと震えて慌てて返事をするアリス。

あえて少女を置いていくのはこの様子とケガならば、命令は守るだろうと浅倉は判断したからだ。

もし破って外に出たならば、その時はその時で両足をへし折ってやるつもりである。

今やってもいいがまだ祭りは始まったばかり、歩けないお荷物を連れていたらフットワークが悪くなってしまう。

転がしておくにしてもあの城戸真司のようなイライラするお人よしがいれば、

此方が戦っている間に勝手に捕まえたキープを持って行ってしまうかもしれない。

それを想像するだけでさらにイライラした。

 

 

「……お前はあいつの見張りをやれ。こっちが呼んだら来い。あと勝手に食うなよ」

 

 

念のため鏡の中のエビルダイバーにアリスの見張りと護衛を命じる。

自分は取り敢えず、このあたりにいる獲物を襲って回る腹積もりだ。

そう決めて窓を開けると浅倉は今は装甲に覆われた鏡のある左腕を一瞬見て、気まぐれに振り返った。

 

 

「これは、中々悪くない」

 

 

それだけ言うと、彼はアリスの反応も聞かずに飛び出していく。

台風の様に外へ消えていった浅倉の後ろ姿をアリスは呆然と見送る事しかできなかった。

逃げようか、と考えるが信じられないスピードで遠ざかっていく浅倉を見て、ケガをしている自分では確実に逃げ切れない事を悟る。

それに、出ていくとき彼が言ったのはお礼だったとアリスは思っている。

自分をここへ運んでくれたみたいだし、もしかしたら怖い人ではあるけれど、悪い人ではないのかもしれない。

出て行ったのも、外のみんなを守るためかもしれない。

善良な人々に囲まれて成長してきた彼女は、そう思ってしまったのだ。

その結果、彼を待とうという結論を出してしまった。

 

 

……周囲の人間から必要とされ、また自分も周囲を必要として生きてきた善良なアリスには想像もつかない。

浅倉威という男は誰もからも必要とされず、また彼も誰も必要としていないことを。

アリスに向けた行動の全てが、情の通わない気まぐれと打算でしかないことを。

 

 

【E-07/01時25分】

【アリス・カータレット@きんいろモザイク】

[役]:親

[状態]:顔に打撲傷。額から出血(止血済み)。恐怖。

[装備]:

[道具]:無し

[思考・行動]

基本方針:元の世界に戻って、みんなで修学旅行へ行く

1:浅倉さんを待つ。

2:浅倉さんについたウソがバレないようにする。

 

※その他

※アルシアの顔を把握しました

※桐山の顔を把握しました

※アルシアと桐山を鬼役だと思っています

※エビルダイバーが彼女を見張っています。

 

※原作での修学旅行エピソード前からの参戦です。

 

 

 

 

黒光りするライフルを抱えて沖木島を爆走する影が一つ。

 

 

「何処へ隠れようと絶対に悪は殲滅してやる…!」

 

 

影の主――セリュー・ユビキタスは歪み切った醜悪な笑みを浮かべて、疾走を続けていた。

相棒である帝具のコロがいないのは痛手ではあったが、正義に燃える精神力だけは彼女にとっていつも傍にある無限の武器である。

悪はサーチ・アンド・デストロイ。

常人から見れば、彼女もまた鬼と変わらない、停止不能の怪物のように映っただろう。

 

 

そして、そんな彼女だからこそ、運命はもう一人の怪物を引き寄せたのかもしれない。

 

 

―――SWORD VENT―――

 

 

民を見つけ守るために、悪を見つけ滅するために周囲を警戒していた彼女の聴覚を奇妙な音を捉える。

その音に不吉なものを感じ、一旦停止して辺りを睥睨。

その直後の事だった。

 

 

「ハハハハハァァッ!」

 

 

蛇のような紫と銀の装甲を身にまとい、黄金のサーベルを備えた何者か……声から推察すると男か、が襲い掛かって来たのだ。

セリューは笑いながら襲いかかってきたという事実を元に、蛇男を悪と断定する。

振り下ろされるサーベルを身をひねって躱し、安全装置を外したライフルのトリガーを一片の容赦なく引いた。

しかし――、

 

 

「フッ、いいぜ……いい反応してるな。お前」

(チッ、この鎧、帝具クラスの装備か!)

 

 

ライフルの弾丸も、超常の存在である仮面ライダーにとって脅威ではあるが、決定打にはなりえない。

撃った弾はベノサーベルに防がれ一発として王蛇を貫けず、金属音を立てて地面へと落ちた。

コロがいれば、そう考えながらセリューは参加者間の格差に歯がみして後退する。

そんな彼女の焦りに付け込む様に、浅倉は嘲りの声を投げた。

 

 

「どうした、戦えよ」

「黙れ悪め…お前は、『鬼』だな」

「いや…俺は親だぜ。デイパックを持ってるってことは、お前も親だろ。

弱い親は食われる。それがルールだ!」

 

 

一度交錯しただけで分かる、セリューから向けられる心地よい殺意は、浅倉の精神を昂らせ、飢餓感を満たす。

それが、更なる闘争心をもたらす呼び水となるのだ。

セリューが放つ銃弾の雨を避けつつ、素早くデッキからカードを抜いて装填する。

 

 

―――ADVENT―――

 

 

再び響く電子音、それに伴い現れたモノにセリューは戦慄した。

 

 

(鎧型の帝具かと思ったら…コロみたいな生物型まで!?)

 

 

現れたのは白銀の装甲を備えたサイ型のミラーモンスター、メタルゲラス。

食っていいぞと浅倉に命じられ、空腹を満たそうとセリューに猛スピードで襲い掛かる。

しかし、セリューも帝都が誇る達人・オーガの元で修業した身だ、簡単に遅れは取らない。

メタルゲラスのパワーに任せたパンチをスウェーで躱して、僅かにできた半秒の隙に食い込む。

 

 

「オラアアアアアッ!!!」

 

 

裂帛の気合で放った正拳に確かな手ごたえを感じ、メタルゲラスがたたらを踏む。

そのまま攻め手を緩めず再びメタルゲラスの懐へと前進。

そしてもう一撃、速度に体重を乗せ、腕を振るう。

その拳は届いていただろう―――脇からやってきた王蛇の妨害さえなければ。

 

 

 

 

 

「ぐっ……!」

 

 

顔に苦みを浮かべて後退しようとするが、王蛇に掴まれた腕はビクともしない。

そして腕を掴まれているため、目の前でベノサーベルが構えられても動きようがない。

次の瞬間、鋭く大きい衝撃がセリューの鳩尾を叩き、思考が痛みでスパークする。

ゴロゴロと吹き飛ばされ、数メートル転がってようやく止まった。

此処にいたり、目の前の『悪』は強敵であることを悟る。

ましてや今はそのコロさえいない、撤退の二文字が脳裏をよぎった。

 

 

(悪に背を向けるわけにはいかない)

 

 

屈辱に顔を歪ませて、それでも頭は冷静に接近してくる蛇男を迎え撃つ。

 

 

「クハハハハァッ!」

 

 

狂笑の声を上げて此方へ駆ける蛇男とサイの怪物。

セリューは負けじと鬼女の表情でそれを見つめ、口腔の銃へ弾丸を装填し放とうとする。

今まさに血を血で洗う激突がなされようとした時―――新たな闖入者が現れた。

 

 

「待てぇええええええ!!」

 

 

声と共にメタルゲラスが音を立てて吹っ飛んでいく。

浅倉はそれを見送ってから、乱入してきた者へと向きなおった。

現れたのは、竜のミラーモンスターと痴女を足して二で割ったような格好の女。

女は今しがた戦っていた女を庇うように前へ出て、名乗りを上げた。

 

 

「我が名はラピュセル!蛇の戦士よ、それ以上女性に狼藉を働くなら、私が相手になろう!」

「あぁ~…?」

 

 

漫画やゲームの様な名乗りを受け、怪訝そうな顔を仮面の下で浮かべる浅倉。

デイパックも持っておらず、今しがた襲っていた女程の年齢にも見えない。

こいつは『子』だろうか?と一瞬考える。

まぁいい、子であっても邪魔をするならこいつも獲物だ、次の瞬間にそう結論付けていたが。

 

 

「あなたは……?」

「心配しないで、貴方の味方です」

 

 

騎士のロールプレイにこれまでになく没入しながら魔法少女ラ・ピュセル――岸辺颯太は答えた。

目の前には見るからに悪そうな、鎧を着た何者か、背後には守るべき女性。

まさに自分が魔法少女アニメであこがれ続けてきたシチュエーションだ。

 

 

「そうですか!貴方も正義のために戦うんですね!なら私と一緒に悪を殲滅しましょう!」

 

 

……帰ってきた答えは感謝ではなく、かなり物騒なものだった。

喉まで出かかった「思ってたのと違う!」という叫びをこらえて、剣を引き抜きぬく。

対する蛇男はもう自分に対して獲物が増えたくらいにしか思っていないようで。

 

 

「フッ、二人纏めてか、いいぜ……」

 

 

そう呟くとまたベルトから新たなカードを取り出す。

 

 

―――ADVENT―――

 

 

電子音が響き、六メートルはある巨大な蛇、ベノスネーカーがミラーワールドより現れ二人の前に立ちはだかる。

後方を見れば、メタルゲラスも怒りに満ちた表情で復帰しているのが見えた。

ラ・ピュセルもセリューも二体の怪物を従える蛇男に息をのんだが、退く事はしない。

戦端が再び開かれたのは、その二秒後の事だった。

 

 

 

【E-08/01:30】

 

【浅倉威@仮面ライダー龍騎】

[役]:親

[状態]:健康、イライラ(大)

[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎

[道具]:手鏡

[思考・行動]

基本方針:皆殺し。今は目の前の奴らを殺す。

1:アリスの他にもう一匹子を見つけてキープする。

2:北岡が居たら殺す。

※その他

※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

※アリスを『子』だと思っています。

 

【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!】

[役]:親

[状態]:ダメージ(小)

[装備]:口と腕に仕込んだ内蔵銃

[道具]:八十九式小銃、予備弾倉。

[思考・行動]

基本方針:鬼ごっこを止める。悪は殺す

1:正義の女騎士さんと協力して悪(蛇男)を殺す。 

※その他

※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

※コロは異能と判断されたのか没収されました。

※十王の裁きは五道転輪炉(自爆用爆弾)以外没収されています。

※他の武装を使用するにはコロ(ヘカトンケイル)@アカメが斬る!との連携が必要です。

 

【ラ・ピュセル(岸辺颯太)@魔法少女育成計画】

[役]:子

[状態]:健康

[装備]:『スマートフォン(子)』

[道具]:マジカルフォン(私物)

[思考・行動]

基本方針:スノーホワイトの騎士として人々を助け、N市に帰る。

1:目の前の怪人に対処

2:出会った女性を守る?

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握




『子』の中では最強クラスのはずなのになぜか負けそうなイメージのあるラ・ピュセル=サン。
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