絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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灰は灰に、塵は塵に

「……時間じゃな。確認するぞ」

 

Dr.ヘルはスマートフォンを起動し、グループトーク・アプリを開く。既に使い方は習得済みだ。天才ゆえに。

ターニャと、ウェカピポの妹の夫(以下、義弟と略称)も頷く。後者はよくわかっていない。

 

グループトークのメンバーの名が、顔写真付きで表示される。こいつら12人が、このゲームにおける『鬼』だ。

 

 ペニーワイズ

 ヤン・バレンタイン

 Dr.ヘル

 ジェイソン・ボーヒーズ

 吉良吉影

 夜神月

 チャッキー

 ギーグ

 三日月・オーガス

 堕姫(妓夫太郎)

 アルシア

 DIO

 

アルファベット順でも五十音順でもない。何人か日本人らしき名前もある。ターニャは眉を顰めた。

「ペニーワイズ? ジェイソン・ボーヒーズ? チャッキー? なんだこれは。ホラー映画やスプラッタ映画の登場人物か」

 

現代日本のエリートサラリーマンから異世界の幼女に転生させられた彼女には、聞き覚えのある名だ。

当該映画を見たことはたぶんないが、名前と容姿程度は知っている。特にジェイソンなど、ホッケーマスクの殺人鬼としてあまりにも有名だ。

白塗りピエロのペニーワイズ、人形に憑依したチャッキーも、それなりに知られている。こいつらが鬼なら、親や子は随分死ぬだろう。

訝しむヘルと義弟に、ターニャは彼らについて軽く説明する。また『ギーグ』のアイコンは、顔なのかどうか判別がつかない。そして……

 

「こいつです。『堕姫(妓夫太郎)』が、私とリュウを襲った二人一組の鬼。女の方が堕鬼で、背中から出て来た男の鬼が妓夫太郎というらしい」

「ほう。……そやつも含めて、まあ当然、本部に逆らってやろうという鬼はそうおるまい。子や親を集めるということになるか」

「ですね。鬼がゲームを放棄するメリットは皆無。単なる殺したがりの鬼も多いようですし……」

 

 

 

さて、どうするか。鬼限定のコミュニケーションツールとはいえ、我々がここにいます、と告げ知らせるのはよくあるまい。鬼が来ても困る。

仮に「善良な」……親や子を殺したくないという鬼がいたとしても、そいつとの対話は他の鬼全員に筒抜けだ。密談は出来ない。

誰もまだメッセージを発信していないようだし、だんまりを決め込んでもよい。対話している連中の動向を知ることが出来るだけだ。

 

「ともあれ、これで鬼全員の名と姿はわかった。次じゃな」

「はい。私が襲撃された場所へ行きましょう」

 

 

同じくC-05、ターニャが一度目の気絶から目覚めた地点。リュウと出会い、堕鬼に出遭った場所から、そう離れてはいない。

 

犯人は犯行現場に戻る、と言うが……幸い、堕鬼は襲撃現場から既に離れていた。ターニャとヘルは移動しながら対話を重ね、推理する。

無防備に気絶していたターニャにトドメを刺さなかったのは、なぜか。可能性としてはリュウに殺されたか、重傷を負わされ、逃走したのだ。

では、リュウはどこへ。あのヤクザ者が、ターニャを上回るほどの戦闘能力を持つ堕鬼を、なんの武器もなしに倒せるとは考えにくい。

ターニャが持っていた『お守り』のような、強力な支給品を使ったと考えられよう。それはどこか? 今も彼が持っているのか?

 

「……なんじゃ、この灰は」

 

ヘルが、道路上に残った灰を発見する。衣服も灰化したのか失われていた。わずかに人の形を残している。リュウか、堕鬼か。

「……リュウでしょう。彼が持っていたドスを見つけました。それと、これを」

義弟を連れたターニャは、ドスを手に、無感情に言う。義弟は頑丈なアタッシュケースを抱えている。

「おい、ターニャ……それじゃあこのケース、持っただけで灰になるとかじゃあねーよな……」

「大丈夫でしょう。中身を確認して下さい」

 

言われるままに義弟がケースを開くと、ゴテゴテとした謎の金属製のベルトと、携帯電話などのアイテムが入っている。

「なんじゃ、これは……通信機器か?」

「ケースの裏面に着用法が書いてありますね。……これは……『仮面ライダー』の変身ベルトってやつ、でしょうか」

「はァ?」

 

義弟が聞き返す。ターニャは彼にもわかるよう言葉を選び、淡々と話す。

「フィクションの変身ヒーローですよ。本物かおもちゃか知りませんが、もし本物なら……リュウはこれを使って変身し、そして……」

「死んだ、と。鬼に殺されたのなら、ターニャは生きておらん。鬼を倒すか撃退した後、なんらかの理由で灰になったと?」

「たぶん……このベルトのデメリットなのでしょう。装着すれば鬼を圧倒する戦闘力を手に入れ、戦闘終了後に死ぬ。灰になって」

 

 

ターニャは無意識に、ドスを握りしめる。義弟が鼻を鳴らす。

「……なんじゃあそりゃあ。結局、鬼に殺されるのと大して違いがねえじゃあねーか」

「鬼を倒し、仲間を守ることは可能です。でなければ、私はここに生きていない」

 

正義など、義憤など、戦場での感傷など、柄にもない。

死んだのは今まで面識もなかったヤクザ者で、共にいたのも10分にもなるまい。涙は一滴も出ない。それでも。

彼は自分を救い、死んだ。それが事実。それで充分だ。

 

 

【チーム・ヘルインザ地獄】

【C-05/01時15分】

 

【Dr.ヘル@真マジンガーZERO】

[役]:鬼

[状態]:超健康

[装備]:バードスの杖(ただし現在は機能が停止しているため実質は頑丈な棍棒程度、本人はまだ気がついていない)

[道具]:四次元っぽい紙袋、『スマートフォン(鬼)』、不明支給品2つ(確認済み)、島の地図2枚、

     『お守り』(ターニャから説明書ごと奪取)、モンドラゴンM1908(小銃。ターニャから奪取)

[思考・行動]

基本方針:戦いに勝利し、この企画の主催にいるであろう兜十蔵をぶち殺す。その後に改めて世界征服に乗り出す。

1:従来のルール以外にゲームをクリアする方法があれば、兜十蔵の鼻を明かす為にもそちらを優先したい。

2:自分の対主催計画に他の参加者を巻き込み、情報と手駒を集める。敵対者は打倒する。

3:アタッシュケースの中身(カイザギア)を解析する。

※その他

ウェカピポの妹の夫及びターニャと情報を共有。

 

【ターニャ・デグレチャフ@幼女戦記】

[役]:子

[状態]:健康、顔面負傷、静かな怒り

[装備]:コルトSAAピースメーカー、M84スタングレネード、ドス

[道具]:

[思考・行動]

基本方針:このゲームから早期の脱出を目指す。

1:ヘルの対主催作戦に乗る。そのために準備を整える。

※その他

Dr.ヘル、ウェカピポの妹の夫と情報を共有し、鬼と親の持つ情報をある程度獲得。

 

 

【ウェカピポの妹の夫@ジョジョの奇妙な冒険 第7部 SBR】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:鉄球、剣、コルトSAAピースメーカー

[道具]:デイパック、カイザギア@仮面ライダー555

[思考・行動]

基本方針:決闘を汚した主催者に責任をとらせる(女なら殴りながら犯す)。

1:逆らえば殺されそうなので、Dr.ヘルとターニャについて行く。

※その他

Dr.ヘル及びターニャと情報を共有。

名が長過ぎるので、地の文では義弟と略称することにする。本名は不明。

ヘルやターニャには名乗ったと思うが、誰にも名前で呼ばれない。これからも呼ばれないだろう。

 

 

 

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