絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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武将の誉れ。


第七章 唯才是挙 (翼、マニッシュボーイ、賈ク)
(賈ク登場話)未踏の地、未知の群狼


「ふむ。わけが分からんが、おおよその規則は理解した」

 

建物の中、灯火の下。男は、紙に書かれた文字の内容を確認し、そう呟いた。

幸いに漢字が多いが、妙な文章で、異国の文字や言語が混じっている。支給品も、彼のいた時代にはまず存在しなかったものばかりだ。

だが、なぜか読めるし、内容も使用法もおおむね理解出来る。そういうものだろう、と彼は疑問を飲み込んだ。

なにしろ、自分をここに呼び寄せ、『鬼』と戦わせようというのだ。主催者には、そのようなことも出来るのだろう。

とすれば、ここは幽冥界か。寝ておる間の夢か。いや、考えるまい。今は何より、この現状に基づいて策を考えよう。

 

「鬼、のう。俺の主君は鬼よりこわい。早う戻らねばな」

 

皺を寄せ、苦笑いする男。その頭は巾で覆われ、髪や髭には白いものが交じる。

身に纏うのは質の良い絹の衣服。腰には剣を帯びる。見るからに現代の人間ではない。

 

―――ここは異国だ。目立つであろうから、どこかで現地の衣服を調達したがよいか。鬼と間違えられても困る。

さてさて。人がおり、この頭脳と肉体さえあれば、俺はどこでも生きていける。

主催者が何を企んでおろうと、俺は生き延びてみせよう。まずは手勢と情報を集めるか。地図があると良いのだがな。

 

悪相の男は伸びをし、肩をほぐした。この戦は、よい気晴らしになるか。

 

 

【???/深夜】

【賈ク@蒼天航路】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:漢服、直剣

[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)

[思考・行動]

基本方針:生き残り、現世へ帰還する。

1:鬼を減らし、親を勝利させる。

2:そのために多くの親や子と早めに提携し、場合によっては鬼や主催者とも交渉する。

3:他人が死のうと、最終的に自分が生き残ればそれでよい。戦力や数の配分を気にはする。

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

 

『人物解説』

漫画『蒼天航路』10巻以後に登場する後漢末の人物。名の本字は[言羽](く)。字(あざな)は文和。涼州武威郡の人。

董卓やその残党を経て、仇敵であった曹操に仕え、軍師として活躍した。張良・陳平の如き智謀の持ち主。

処世術にも定評があり、舌先三寸と先見の明で幾度も虎口を逃れ、乱世にも関わらず天寿を全うした。

『蒼天航路』では悪人面の禿頭で、軍略にも策略にも秀でたドライな悪党だが、破天荒な曹操に魅了されつつ振り回される苦労人でもある。

時系列上は単行本27巻で無頼の中軍を編んでいる最中(西暦211年)、一寝入りした隙に喚び出され、パラシュートで投下された。年齢は60台半ば。

それなりに鍛えているが、戦闘力は期待できない。なお彼は知らないが、ここで彼が死のうが本人は無事なので歴史は変わらない。




処世術というこの場で最も必要なスキルを持つ男。

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