絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

26 / 114
実写化作品が結構多いこの企画。


第八章 このクソったれなパーティに祝福を (阿部さん、月、桜井悠、チャッキー)
(夜神月登場話)あの素晴らしき救世をもう一度


 アミューズメントフロアと書かれたその一画にはゲーム機が並び賑やかな音を立てている。地図上ではF-05とされた神塚山山頂、その地図上には記されていない地下部分に主催者本部・鬼の牢獄がある。参加者に解放されているだけで六階もの階層を持つショッピングモールだ。北東側に一つだけある入口を一階とすると地下一層地上五層の建物として見ることもできる。このショッピングモール全体が、鬼の勝利条件である『子』を捕らえるための牢獄であるのだが、それがなぜショッピングモールかを知るものは少ない。といっても、単に主催者側が別の鬼ごっこで使う予定だったものを流用したというだけなのだが、とにもかくにもそこにはその名の通りの機能がある。武器として有用なものは乏しいが雑貨の類は多いという、鬼役への一つの便宜だ。

 そのショッピングモールの最上階がアミューズメントフロアであり、そこにある映画館の座席に座った夜神月は売店から拝借した紙にこれまた拝借したペンを走らせていた。

 

「子が36人、親が24人、鬼が12人。この三つの役毎にそれぞれの勝利条件を満たすために戦う――同着なら鬼・親・子の順……」

 

 書いてまとめていっている内容は、この鬼ごっこのルールだ。

 

 月がルールをわざわざ書き起こしているのには理由がある。

 それは主催者への不信だ。

 デスノートを使用したものは天国にも地獄にも行くことはない――その自らが知る知識との乖離した状況、それが月の足を止めた。自身は恐らく、キラであることが露呈し射殺されたはずである。そのことは鮮明な記憶として実感できる。であるのに、今こうして地獄とされる場所で鬼ごっこをしようとしているのはどういうことなのか。そして自身の記憶を辿り鬼ごっこの説明の際の状況を強く思い出そうとしたことで、更に疑念は深まった。

 単純に言うと、月は鬼ごっこの説明を受けた記憶があやふやである。まるで夢の内容を思い出そうとするような困難さがそこにつきまとうのだ。そもそも時系列に脈絡なく記憶が差し込まれているような感じすらあるが、なにぶん死んでいるときのものの感じ方の知識などあるわけないのでなんとも言えない。現状では、自分が状況をよくわかっていないということしかわからないのである。

 

「単純に考えるなら、島一つを丸一日使ってやる鬼ごっこ……じゃないな。リューク。」

 

 月は、自分の支給品である四次元っぽい紙袋とその上に乗っている黒いノートを見ながら言った。応える声はなかった。

 月の支給品、デスノート。それはこの地獄でも彼の手に渡っていた。しかし、月はそれすらも懐疑的な目の対象とする。このノートの近くにいるはずの死神が姿を見せない今、これを本物とみなす理由は何一つといってないのだ。

 今のところ安全に試す方法もなく、そもそも自分と同じような存在を人として殺せるのかも不明だ。加えてこの会場にいる自分以外の71人の顔と名前を把握するメドもない。そしてもし本物のデスノートが会場に配られていた場合、人との接触自体が危険である。またデスノートが人の行動をある程度操れる以上、時間が経って所有者に情報が渡ることは大きな影響を持つのだ。

 

(まずはノートが本物か偽物かを確かめる。できれば鬼で試したいが……)

 

 月は二冊のノートとペンを紙袋に入れて立ち上がる。この紙袋、一度出したものや元から外にあったものは中に入れても小さくはならないが、それはそれとして通常の紙袋のように使用できるようだ。このショッピングモールのロゴが入っているため一見して通常の紙袋と区別がつかないことを何かに使えないかと考えながら慎重にドアを開ける。ノートが本物だとしても銃には勝てない、一応ここは鬼のテリトリーだが、そもそも鬼自体信頼できる相手ではないのだ。

 

(神を鬼と同等に扱うとは……まあ、神話じゃよくあることか。)

 

 微妙に持ちづらくかさばる紙袋片手に月は賑やかな音を立てるゲーム機の林を歩く。神は、死んでも復活するのだ。それは月が創る新世界の神話でも同様なのである。

 

 

 

【F-05地下『主催者本部・鬼の牢獄』/00時10分】

【夜神月@DEATH NOTE】

[役]:鬼

[状態]:健康

[装備]:なし

[道具]:デスノート@DEATH NOTE・スマートフォン(鬼)@オリジナル・不明支給品1・ノートとペン@現地調達の入った四次元っぽい紙袋

[思考・行動]

基本方針:まずデスノートの真贋を確かめる。

1:鬼を含んだ他の参加者でノートを試す。

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。

人物解説……DEATH NOTEの主人公。原作終了後からの参加。名前を書いた者を殺すデスノートを手に入れ、新世界を夢見て大量殺戮を起こし、最期にはデスノートを落としてきっかけをつくった死神に殺された哀れな男。頭脳明晰容姿端麗文武両道を地で行く好青年だが、いかんせん煽りや挑発の類にのせられるきらいがある。




これでだいたい3分の1が登場しました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。