絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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章タイトルが長すぎて登場キャラが書けなくなったのが困りもの。50字って案外短いですね。


Know Your Enemy

沖木島北部、座標D-06、鎌石小中学校。

 

学校の傍らの用水路から、ぬうっと顔を出すものあり。白塗りの顔、赤い鼻のピエロ。『ペニーワイズ』だ。

「それ(IT)」は独特の感覚により、この場所に『子』がいることを嗅ぎつけている。しかし……。

 

「このにおいは……『鬼』もいるな……それも、子どもの鬼……」

 

気配を遮断していても、微かに感じ取れる。ドブのにおい。死のにおい。屍のにおいだ。よく嗅いだことがある。存在として自分に近い。

ただ、幼い。悪霊として、悪魔として、存在として、幼さを感じる。ややこしいやつだ。

まあいい。同業者がいるなら、獲物を横取りされないよう急いだがよかろう。この学校にいる子や親を殺し、喰らうのだ。

 

 

その西側。

少女と共にいる幼女が、ふと立ち止まり、臭いを嗅ぐようなしぐさをする。

 

「……どうしたの? るーちゃん」

「んー……なんか、わたしたちと似たようなのがいる」

 

幼女は『それ』に気づく。彼女こそは『ジャック・ザ・リッパー』。

その正体は、ドブに捨てられた数万の堕胎児の霊の集合体。それゆえに、彼女の一人称は「わたしたち」だ。大勢だからだ。

彼女を「るーちゃん」と呼んだ少女は、虚ろな瞳で小首を傾げる。

 

「へえ。やっぱり、誰かいるんだ。わたしたちと似たような人たちが」

 

彼女、『若狭悠里』は、一般的な意味でそれを理解した。誤解した。

自分たちと同じような、子や親の役の人がいると。それはそれで間違ってはいない。

なぜ「るーちゃん」がそんなことを察知したのかは、思考の埒外にある。

 

 

 

ギコギコギコギコ……鋸が木材を切断し、おがくずを散らす。コンコンコンコン……彫刻刀が形を整える。

少年『間田敏和』は、自分の切り札となる『クロッキー人形』を自分で造ることにした。

木工などやったことはないが、やるしかない。簡易罠を張り終えたヒデノリにも手伝わせる。

 

「間田さん。この人形、なんなんスか?」

「ま、黙って手伝ってよ……説明は難しいんだが、おれの切り札になるからさ」

 

やや小ぶりで、廃材や椅子を組み合わせた程度のものだが、少しずつ形にはなってきた。

スタンド能力は意志の力、できて当然と思い込む精神のパワーだ。市販のクロッキー人形でなくても、発動できると信じよう。

精神力次第ではフィクションの陰陽師みたいに、紙の札とかでもできるかもしれないが、そんな精神力は彼にはない。

また一度に動かせるのは一つだけだと、かつていろいろ試してわかっている。でもスペアがあった方がいいか。

 

少し汗をかき、制服の上着を脱ぐ。と、ひらりと何か落ちた。

「……ん」

「どうしました?」

「いや……なんか、上着のポケットに入ってた」

 

間田が取り出したのは、一枚の紙。それに、なにか挟まれている。紙には次のような文章があった。

 

『「式札」……参加者の死体を一つ対象に選んで発動する。死体に乗せると参加者の役がわかる。

  この時対象の役が『鬼』だった場合、濃い霧が発生しその死体のあるエリアを即座に禁止エリアとする。使用後自壊する。』

 

「「…………」」

 

間田とヒデノリは顔を見合わせた。『子』であろう間田にも支給品があったとようやく判明したが、どうすればいい。

これを使うには、死体が必要だ。禁止エリアを発生させるトラップに使うとしても、『鬼』の死体でなければ意味がない。

しかも、これをのせた本人は禁止エリアに取り残されるだろう。エリアをどう区切っているのかすら不明だし、禁止されたらどうなるのか。

 

「……ま、まあ、なんかの役には立つだろ。おれが『子』だってことの証明にはなるしさ……たぶん」

「親も持ってるかも知れませんけど、まあ……っつうか『鬼』も死ぬんですね」

「そりゃ、鬼の役も人間なんだろーしな。殺し合いになるぜー」

「鬼ごっこなんだし、逃げりゃいいんでしょ。鬼役が何人いるか知りませんけど」

 

 

 

「注意して」

「うん。……うん?」

 

ただならぬ気配に、悠里は訝しむ。ジャック・ザ・リッパーは、武器を構え、ランタンから硫酸の霧を発生させる。

殺意のにおい。子どもを狙い、騙し、ドブの中へ引きずり込むような、悪意を感じる。ドブに捨てられ続けた彼女にとっては好ましくない感覚。

ここから離れるか。いや、むしろ危険。わたしたちを狙わなくとも、りーねえを襲う危険は充分。目を離した隙に彼女はドブの底だろう。

 

ここで始末する。こいつは、「わたしたち」の敵だ!

 

 

【D-06(鎌石小中学校)/01時10分】

 

【ペニーワイズ@IT/イット “それ”が 見えたら、終わり。】

[役]:鬼

[状態]:ダメージ(中)、ペニーワイズの姿で行動中、川尻早人への怒りと恐怖

[装備]:

[道具]:四次元っぽい紙袋(不明支給品3つ)

[思考・行動]

基本方針:恐怖させ、喰らう

1:喰いやすそうな獲物を狙う。手頃な相手は幻術で追い詰める。

2:鎌石小中学校へ向かう。

※その他

下水道で繋がっている場所なら何処からでも出現できます。

川尻早人の最も恐怖するもの(川尻しのぶの死)を把握しました。

同類(ジャック・ザ・リッパー)の気配を感じました。鬼だと誤認しています。

 

 

【ジャック・ザ・リッパー@Fateシリーズ】

[役]:子

[状態]:健康、魔力消費(小)

[装備]:ボロボロのコート、ナイフ数本

[道具]:ランタン、不明支給品(式札か水晶、ベルトポーチの中)

[思考・行動]

基本方針:りーねえ以外は全員解体する。

1:美味しい魂の持ち主がいたら食べる。

2:りーねえ(若狭悠里)についていく。

3:こいつ(ペニーワイズ)は敵だ。ここで始末する。

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと思っている。

霊体化、及び神秘を纏っていない攻撃の無効化は制限されています。レギュレーション違反っぽいため、牛頭鬼が始末に来るかもしれません。

気配遮断、霧夜の殺人(夜間のみ先制攻撃)、情報抹消(目撃者の記憶を消す)、精神汚染(精神干渉魔術を遮断)、外科手術のスキルを持ちます。

弱体化の程度は不明。ここが地獄であるためか魔力はそれほど消費しませんが、大規模な術の行使には魂喰いなどを必要とするでしょう。

 

同類(ペニーワイズ)の気配を感じ、敵と認識しました。恐怖を感じなさそうですが。

ランタンから宝具『暗黒霧都(ザ・ミスト)』を周囲数メートルに展開しました。幻惑等の効果を持ち、吸い込むと常人なら数分で死にます。

標的を選んだり外したりすることも可能で、りーねえには効果を及ぼしません。風が強ければ吹き流されます。

 

【若狭悠里@がっこうぐらし!】

[役]:親

[状態]:健康、精神錯乱気味

[装備]:ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎

[道具]:チョコレート×10

[思考・行動]

1:るーちゃん(ジャック)を守り抜く。

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

精神が錯乱してジャックをるーちゃん(妹)だと思っています。

 

 

【ヒデノリ@男子高校生の日常】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:真田北高制服(ブレザーの冬服、上着なし)、鉈@ひぐらしのなく頃に、うまい棒@支給品、フライパン(民家から拝借)

[道具]:デイパック、医薬品少々、発煙筒、消火器などなど

[思考・行動]

基本方針:生き残り、現世へ帰還する。

1:使えそうな道具を探し、罠を張る。

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。学校内部にいくつか罠を張りました。

 

【間田敏和@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】

[役]:子

[状態]:健康

[装備]:

[道具]:『サーフィス』(スタンド能力)、即席の木製人形、式札

[思考・行動]

基本方針:家に帰りたい。

1:使えそうな道具を探し、罠を張る。

2:スタンド能力のことはとりあえず秘密。

※その他

各役の勝利条件・制限時間を把握。自分の役を子だと推測。

実は16歳以上なので、レギュレーション違反に気づいた管理者から追手がかかっている。そのうち殺しに来るかも知れない。

 

※アーチャー・インフェルノ(巴御前)&君原姫乃が校内にいるかどうかはルート次第。

 

 

 

「……フーッ、ビビらせやがって。馬頭鬼、あと何人だ。近くに誰かいるか」

『ちょい待て……データを照合して……あれ、これどうなってんだ』

「早くしてくれよ」

 

島内某所。バズーカと金棒を装備した主催者側の鬼・牛頭鬼は、ギーグの襲撃を回避し、馬頭鬼と通信していた。

彼は人知れずレギュレーション違反者を始末する仕事を担っている。落選者もたぶん彼によって始末されるのだろう。

あるいは、既に他の次元へ転送されたか。

 

『……近くに学校がある。鎌石小中学校。そこに二人いるな』

「二人?」

『ああ。「間田敏和」と「ジャック・ザ・リッパー」。間田は子だが、違反は16歳以上ってだけだ。

 多少の超能力も持ってるが大したことはない。―――問題は後者だな。子なのに並の鬼よりやべえ。なんでこいつ鬼じゃねえんだ』

「……てこたアレか? ジャック・ザ・リッパーは放置して、間田をそいつが殺すのを待ったがいいか?」

『かもな。でもまあ、排除しとくに越したこたねえ。返り討ちにされねえよう気をつけろ』

 

ふん、と鼻を鳴らす。鬼を返り討ちに出来るぐらいの奴か。詳しいデータを送信してもらう。敵を知り己を知れば、なんとかだ。

 

『あ、それと―――源元気は死んだが、マジェント・マジェントは生きてるらしい』

「やっぱそうか」

『今んとこ、残ってるレギュレーション違反者はそいつらだけだ。全部殺さねえと回収しねえぞ』

「今んとこ? まだ増えたりする?」

『さーな。超能力者はぽつぽついるんだが、なぜかそいつらは違反になってねえし……』

 

牛頭鬼はため息をつく。まったく、上は何を考えているんだ。いや、考えるな。命じられた仕事をするだけだ。

 

「……じゃ、行くか。学校へ!」




牛頭鬼喋りすぎじゃね?と思う絶望鬼ごっこファンの方もいるでしょうがうちの牛頭鬼は喋るんです。
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