絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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ジェイソンでも『鬼』全体の中では中堅という絶望的な戦力が『親』と『子』を襲います。


第三二章 【最初からハードモード】 (蕨、檸檬、ジェイソン)
※二話投稿『(ジェイソン・ボーヒーズ登場話)【13日の金曜日】』&『(花酒蕨登場話)見た目は子供』


   Ki…ki…ki mu…mu…m…

 

ki…ki…ki mu…mu…mu…

 

   ki…ki…ki mu…mu…mu…

 

 

 

―――――“Kill mum"

 

 

 

 

深夜、霧の立ち込める森の中を怪人が、のしのしと歩いていた。

大柄な体格と、何よりも素顔を覆い隠すアイスホッケーマスクが目立つ。

 

「……」

 

彼は鬼だ。現世で復讐のために人をひたすら殺し続けた怪物。

不死身の肉体と、人間の肉体を容易く破壊する怪力を備えた、伝説の殺人鬼。

名をジェイソン・ボーヒーズ、クリスタルレイクに潜む殺人鬼である。

 

今回、地獄から鬼役として復活したジェイソンの行動方針は至ってシンプルそのもの。

 

ーー殺す。

 

親も子も、同じ鬼ですらも区別がついているのかも怪しい純粋な殺意こそが、彼を突き動かしているパワーであった。

悩むことなど何もない。

彼は幾度も死から蘇り、惨劇をもたらしてきた。

ここでも同じことをするだけだ。

殺戮の舞台がクリスタルレイクから沖木島の、正確にはその島を再現した地獄に代わろうと、何一つ変わらない。

 

解き放たれた殺人鬼は獲物を求めて歩き続ける。

子か、親か、もしくは鬼か。

誰の血が(もしくは命が)彼によって流されることになるのかは、まだ、わからない。

 

【???(深い森の何処か)/深夜】

【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ】

[役]:鬼

[状態]:健康

[装備]:アイスホッケーマスク、マチェット

[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ

[思考・行動]

基本方針:殺す。見敵必殺。

 

『人物解説』

ホラー映画『13日の金曜日』シリーズに登場する架空の殺人鬼。

11歳の時から先天的な障害による顔の奇形と脳の小ささが原因による虐めを受けていたが、その虐めが原因で溺死したと思われていたが実は生存していた。

息子を失って狂ってしまった母親が次々に凶行を重ねるも殺害される原場を目撃し、以降殺人鬼として400人近くの人間を殺害する。

初期は異常に頑丈なだけの人間であったが、途中から不死身化。

何度死亡しても、落雷や超能力、サイボーグ化などによって毎度のように復活を繰り返し、死亡する度に人間離れした怪物へと変貌している。

弱点は、母親と同じ恰好や話し方をする女性や、幼い頃の自分と重なる相手と相対すると戦意を喪失する事がある事と、溺死したため水が苦手とされるが、彼自身は大嫌いなだけで致命的な弱点ではない。

 

 

 

 

 

 

 

海岸をてくてくと歩く少女が一人。周囲を見回しながら海沿いに歩いている。

 

「むう…。訳がわからん。気がついたらこんな処に居るし、それに…………」

 

見上げた空は血を溶かし込んだ様に赤く、所々で火花が散っていた。

 

「何とも面妖な空よ………。超帰りたいぞよ」

 

とは言え帰り道がわからないのでどうしようもないのだが。

思わず腰に帯びた太刀と、隠し持った某手裏剣を確かめ、その感触と重さに安心感を覚えた。

 

「まあ何か起きても対処は出来そうじゃが………ひょ?」

 

気が付けば、空からひらひらと舞い落ちる無数の紙。

何処からか降ってくる得体の知れない紙に、益々面妖なものを覚え、少女は眉を顰めた。

 

「一体何ぞよ?」

 

舞い落ちる神を一枚掴み取ると、訳の分からない事が書いてあった。

 

『ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』

『ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。』

『ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。』

『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げきれれば、子供の勝ちとなる。』

『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』

 

「鬼ごっこか………。これも因果というやつかのう………………」

 

過去に己の武力と権限を用いて、男共に行って来た熾烈な虐待を思い出し、少女の口元に自嘲の笑みが浮かぶ。

 

「妾の役は何じゃ?鬼などになった覚えは無いし…。親が子のいずれか。この何も教えずに、只右往左往して逃げ回れと言わんばかりの状況は………。子か」

 

似た様な事を実行して来た少女は、自分に振られた役割をそう推測した。

子などを振られる年齢でもないが、外見が小学生と変わらない身では仕方ない。

短く苦笑した少女は、左右を見回して誰も居ない事を確認する。

未だに釈然としないが、自分の置かれた状況と、腰の太刀ゆ考えれば、この鬼ごっこはかなり物騒なものだと推測できる。

武装した自分の抵抗を捩じ伏せられる強さか装備の鬼が徘徊しているのは確かな事実だろう。

親なり子なりと合流して、情報を交換したいところだが、鬼とも遭遇しておきたかった。

何しろ対策を立て様にも、どんな相手か知らなければ、立て様が無いのだから。

 

【???/00時01分】

【花酒蕨@武装少女マキャヴェリズム】
[役]:子

[状態]健康

[装備]:太刀・棒手裏剣

[道具]:不明

[思考・行動]

基本方針:親か子と合流する。鬼がどんなものか確認しておきたい。

※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。

 

人物情報

CV日高里菜

元々女子高だった学園が共学になった際に男子生徒を恐れた女子生徒のための風紀組織、愛知共生学園“天下五剣”の最年長生。要するに高校三年生。

ただし外見は小学生並み。

気分屋かつ奇矯な振る舞いをする少女。ドーモー(cv藤田咲)というクマを飼っている。

学園の治安維持を理由に矯正対象の関係者も平気で巻き込む"ワラビンピック"なる催しを行い。

他の五剣担当領域にも干渉してくるため、生徒達からも話の通じる相手ではないと認識されている。そうした行動は熊を飼うことを通すために誰よりも恐れられようと露悪的に振る舞っているためで、根は理知的で最上級生としての責任感を持つ。が、一番風呂を巡って他の五剣と喧嘩したりする。

精神的な揺さぶりを掛けたり、強敵相手には数を用いたりと知恵を用いた(本人は老獪と称する)戦い方をする。

タイ捨流を修得していて、戦闘では身軽さを活かして戦う。

モチーフは天下五剣の一つ"童子切安綱"。




殺人鬼と剣鬼がどのように出会いどのように戦うのか。
それは二三話後ぐらいに明らかになったりならなかったりします。

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