絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

83 / 114
TDKR(の履いてる野原ひろしの靴)の臭いで発生するピンチ。


第三三章 Beyond The Century (レナ、まな、夜叉猿Jr.、雲雀、堕姫、大翔)
Beyond The Century


「とりあえず、私と大猿さんがいた『菅原神社』周辺には、鬼はいないみたい。あっちの、山の中だね」

「そこから、この村とは逆方向へ移動すれば……」

 

島の北西、座標C-02、海沿いの民家。竜宮レナと犬山まなは、情報を交換しつつ、必要な物資を集める。

水と食糧、医薬品、武器になりそうなものを、民家で調達したリュックサックに詰めていく。荷物持ちはいるが、あまり多くは必要ではない。

基本的には、鬼から制限時間いっぱいまで逃げ切れば勝ちだ。ただ……大猿のデイパックの内ポケットには、こう書いてあった。

 

『貴方の役は『親』です。

 子の勝利条件:制限時間まで一人でも逃げ切る、もしくは、『鬼』が全員死ぬ。

 親の勝利条件:『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い(このとき『親』のみ勝利する)。

 鬼の勝利条件:制限時間までに生きている『子』の過半数を主催者本部(F-05神塚山山頂地下)に捕まえる、もしくは、生きている参加者の内過半数が『鬼』になる。

 制限時間は24時間です。』

 

雲雀はあまり興味なさそうだったが、レナとまなは顔を曇らせた。

各役の総数は不明だが、今ここに子が二人、親が一人(一頭)、鬼(自称)が一人いる。

仮にこのまま制限時間が来た場合、親が子よりもともと少なければ、子が勝利することは出来ない。すなわち、生還出来ない。

と、言うことは……考えたくないが、子が勝利するには、子の数がある程度「減る」……殺されるか、捕まるかは別として……必要がある。

そうならないような、親と子が両方助かるような方法もあるはずだ。あるようにせねばならない。

 

また、本部がF-05ということは、会場をアルファベットと数字で格子状に区分しているのだろう。どっちがAで01かは不明だが。

ただ、鬼に捕まって本部へ送られた子は、殺されるのか? 子が勝利した場合、死んだり捕まったりした子はどうなる?

現状、わからないことばかりだ。神塚山には近づかないようにし、情報収集につとめるしかない。鬼の情報も聞きたいが、雲雀とはどうも会話が噛み合わないし……。

 

 

回想と物思いをやめたレナがまなの方を振り返ると、なにやら仏の顔がついた板をいじっている。

 

「うーん……やっぱり、スマホアプリ開けないや……まだネット繋がってない……」

「スマホアプリ? ネット? まなちゃん、なにそれ?」

「へ? スマホはスマートフォン、アプリはアプリケーション、ネットは……インターネットだけど」

「? ? ?」

 

平成30年(2018年)の中学1年生と、昭和58年(1983年)の中学2年生。30年以上もの、文字通りのジェネレーション・ギャップがある。

レナは多分まなの両親よりも年上だ。1983年といえば、アメリカや北欧でようやく携帯電話が多少普及し始めた時代。

当時の日本ではコードレスフォンがせいぜいで、ネットといえばパソコン通信が一部で利用されていた程度だ。

レナにはまったく馴染みのない謎めいた電子機器を、ひとつ下のまながやすやすと使いこなしている。レナは眉根に指をあて、もう一方の掌を向ける。

 

 

「えー……ちょっと待って、今年って昭和何年かな?かな?」

「昭和? 今年は平成30年だよ。西暦だと2018年」

「へ? へいせい? にせんじゅうはちねん?」

「昭和って、えーと、64年で終わりだっけ。その年が平成元年で」

「……よーし、わかったわかった。タイム・リープ(時間跳躍)ね。筒井康隆の『時をかける少女』。今年(1983年)の7月に映画化するやつ」

「?」

 

レナは持ち前の推理力で一人合点した。なにしろここは地獄めいた異常な空間で、大猿とか吸血鬼とかがうろちょろしているのだ。

30年以上も未来から来た少女と出逢ったって不思議はなかろう。実際その理解は正しかった。

なお映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は1985年なので、レナはまだ知らない。

 

「何の話?」

「あー……私ね、あなたから見てだいぶ過去から、ここへ来たみたい。だから、そのスマホっていうのも、知らない」

「そう……なんだ」

 

まなにとっても、不思議なことは比較的慣れっこだ。地獄だし、吸血鬼や大猿とも遭遇しているし、そういうものか、と呑み込んだ。

 

 

少女たちが物資を集め、情報を交換している頃、雲雀恭弥と夜叉猿Jr.は周囲を警戒していた。

というか、夜叉猿Jr.にとっては雲雀こそ警戒対象だ。鬼と自称しているこの人間は、どう見ても危険人物だ。

まなという少女を鬼から庇っていたかと思えば、自分に襲いかかろうとしてくる。好戦的な男らしい。

今は幸いにおとなしくしているが、いつ何時暴れだすか。しかし、味方につけておけば充分な戦力とも言える。

 

雲雀は……座って頬杖を突き、あくびをひとつ。やや退屈を感じ始めている。ヒバードもいないし、携帯も通じない。

あの鬼はやや期待はずれだった。この大猿と戦ってもいいが、あっさり倒せそうでもあるし。あるいは、ここに鬼を呼び寄せるか。

だいたい不本意にも、貧弱な草食動物たちと群れて行動してしまっている。なぜこの自分が鬼から逃げ回らねばならないのか。

犬山まなは「私と一緒なら鬼の方から寄って来ます!」とか言っていたが、思い返せば信じがたい。

F-05……神塚山山頂地下にあるとかいう鬼の本部とやらへ、直接殴り込んだが手っ取り早いのではないか……と、思った矢先。

 

 

「「…………!」」

 

大猿と少年は顔を同時に、同じ方向へ向ける。殺気。鬼の気配。子供の叫び声。菅原神社とは真逆の方向。

大猿はその場にとどまり、低い唸り声をあげ、少女たちに異変を知らせる。少年は、すでに飛び降り、飛び出している。いい笑顔で。

 

「雲雀さん!」

 

まなが叫ぶ。自由すぎる人間だが、ほっておくのもどうか。レナは引き留めようとしたが、まなは結構な勢いで駆けていく。

レナは後を追い、夜叉猿Jr.もやむなく追う。一行は――――

 

 

「くさぁい、くさい。におう、におう。なにやら子どものにおいがするねえ」

 

鬼の鋭敏な嗅覚が、周囲の様々な臭いを情報として伝える。堕鬼は既に―――近くにいる少年、大場大翔を嗅ぎつけている。

樹木の上へ登り、目でも確認する。しゅるしゅると帯が伸び、彼が潜んでいるあたりへ近づいていく。

 

「う……うわっ!? な、なんだこれ!? 布!? 鬼か!?」

 

大翔が帯に囲まれた。帯は、まだ大翔を捕獲しない。逃さぬように取り囲み、大声で騒がせる。これは罠で、釣りの餌だ。

遠目に大翔の姿を確認した堕鬼は、鼻で嗤った。

 

「不細工」

 

ここには一匹だけだが、少し北と少し南に、固まって複数いる。臭いでわかる。子以外にも何匹かいるようだ。

そいつらをここへ誘き寄せ、一網打尽といこう。いや、さっきのように反撃を喰らう可能性もある。疑心暗鬼を煽り、殺し合わせたがいいか。

汚い年寄りと不細工は、そのまま死ねばいい。美しいのがいれば、帯で捕らえて喰ってしまおう。

 

近づいてくるのは……南の方。この北は崖で、行き止まりだ。北の方もいずれ来る。逃げ場がない方へ、追い詰める。

 

 

【C-02/01時00分】

 

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】

[役]:子

[状態]:健康(雛見沢症候群に感染、無自覚)

[装備]:デイパック(夜叉猿Jr.より譲り受ける 中身は支給品2つ、医薬品や水、食糧など)

[道具]:お守り

[思考・行動]

基本方針:帰還する。子や親と合流し、共に脱出を目指す。鬼からは逃げる。

1:まなと雲雀を追う。

※その他

制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。

雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。

雛見沢症候群は空気経由や皮膚・粘膜・体液との接触で感染し、疑心暗鬼などを契機に発症する。

 

【犬山まな@ゲゲゲの鬼太郎(6期)】

[役]:子

[状態]:健康

[装備]:リュックサック(現地調達、医薬品や水、食糧など)

[道具]:スマホ(自分の)、支給品(未確認)

[思考・行動]

基本方針:生還する。子や親と合流し、協力する。鬼からは逃げる。

1:雲雀を追う。

※その他

制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。

雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。

 

【夜叉猿Jr.@刃牙シリーズ】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:

[道具]:

[思考・行動]

基本方針:鬼は殺す。子を守護る。

1:レナとまなを守護る。鬼らしき少年(雲雀)には警戒する。

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。鬼ではないと自認。

人語は多少解するが話せないし、文字の読み書きも出来ない。ノンバーバル・コミュニケーションは可能。

 

 

【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN!】

[役]:子

[状態]:健康、高揚

[装備]:雲雀のトンファー@家庭教師ヒットマンREBORN!、雲のボンゴレリング@家庭教師ヒットマンREBORN!

[道具]:携帯電話(ガラケー)

[思考・行動]

基本方針:親、子、鬼を咬み殺す。他者とは群れない。

1:強者と戦う。鬼が来るなら好都合。

2:鬼のもとへ走る。

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと誤解している。

そもそも把握したところでルールに従って行動する気がない自由過ぎる男。式札はポイ捨てした。

 

 

【B-02/01時00分】

 

【堕鬼(妓夫太郎)@鬼滅の刃】

[役]:鬼

[状態]:負傷(再生中)

[装備]:

[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ

[思考・行動]

基本方針:殺し、食らい、現世へと復活する。

1:幸せそうな子や親を食い殺し、取り立てる。

2:帯で大翔を取り囲み、この場に周囲の親や子を誘き寄せ、一網打尽にするか殺し合わせる。

3:今度は反撃を受けないよう慎重に観察する。

※その他

スマートフォン(鬼)の所在は不明。落としたのかも、元から入ってなかったのかもしれません。

 

【大場大翔@絶望鬼ごっこ】

[役]:子

[状態]:健康、混乱

[装備]:『お守り』

[道具]:若干のお小遣いなど

[思考・行動]

基本方針:とにかく人と会う。幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。

1:鬼と異臭を警戒。

2:なんだこの帯は!?

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。




頭のキレる中学生が集まってるここはかなり有力な『子』のチームではあります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。