絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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運が良いのか悪いのかわからない男。


第三九章 【ビー・スティル・マイ・ビーティング・ハート】
【ビー・スティル・マイ・ビーティング・ハート】


「Y-12殿ォ!位置を変えますっ!」

 

屋根の上から、押し殺し、動揺した声。彼女がすぐベランダへ飛び込んで来た。

「なにかありましたか」

「こ、子供が! 少年が拳銃で、男性を撃ちました!」

「人数は」

「二人! 共に銀髪! 拳銃を撃ったのとは別の子供が、少女が、『こっちを見ました』!」

 

それを聞くと、銃や荷物を担ぎ、二人で急いで家を出る。彼女が見ていたのとは逆方向へ。

子供が、人を拳銃で撃つ。ネオサイタマならチャメシ・インシデントだ。だが……『こっちを見た』とは。

自分もサイバーサングラスで動く人影を確認していたが、彼女の軍用スコープほどに遠くがはっきり見えるわけではない。

相手がこっちを見たのは、偶然か。彼女の声や物音が届く距離ではないはず。ならば、その子供は、子供たちは何者か。

 

……もしや、『ニンジャ』では。

 

ニンジャ。自分は彼らの実在を知っている。超常的なカラテやジツを振るい、常人をたやすく殺害する恐るべき戦士だ。

身体能力も極めて優れている。数百メートル離れた我々を見つけることもできよう。それが、最悪二人。

もしも彼らが鬼で、こちらが標的となったとしたら、我々では……。

 

「鬼の可能性があります」

「ええ。子だとしても、危険人物です!」

 

最悪ニンジャであった場合、そうでなくても、対処法は。いわゆる「武田信玄のサンダンウチ・タクティクス」。

狭い場所に誘い込み、ニンジャでも回避出来ない状態で、ありったけの銃弾を叩き込むこと。そう研修されている。

我々クローンヤクザの強みは、単純な物量と一糸乱れぬ一斉行動、感情に乏しく死を恐れぬことだ。

しかし今、クローンヤクザである自分はひとりだけ。相手も銃で武装している。

ヤマト=サンは銃器の扱いこそそれなりだが、殺人の経験はなさそうだ。

 

ならば、今は逃げるしかない。幸いに機関銃はある。迎撃に適した場所を探そう。

フーリンカザン(訳注:地の利、環境、状況など)を味方につけるのだ。

「追って来ますか」

「……いまのところ、来ませんね。しばらくは警戒しましょう」

 

 

 

「……どうかした?」

「気の所為。それより……向こうの方で、声がした。ノイズ混じりの、『拡声器』を使ったみたいな声」

「ふーん。この状況で拡声器使うようなバカがいるの? 戦いはやめましょう、とか言ってる?」

「そこまでは。だいぶ遠いけど……そっちの方へ、車が走るような音もする。あと、別方向で何か大きな音……」

 

月夜がそれぞれ指差す。ヘンゼルは、鼻を鳴らす。それはまあ、いろいろ面白そうだ。

どうやら彼女は、平瀬村に誰かが潜んでいるのを察知し―――そこから自分の意識を逸らさせようとしている。

その拡声器を使ったバカや、車に乗った連中を、代わりの犠牲にしても構わないというのか。

 

「いいよ、じゃあ拡声器の方へ行こう。この男はどうする?」

「武器を取り上げて、放っておく。死ねばそれまで」

「そう。薄情だね」

 

月夜は―――「ビラに書かれていた」とヘンゼルから聞いたことを、全て信じたわけではない。

見ず知らずの男に躊躇いなく銃を発砲するような人間だ。まず間違いなく悪人。鬼かどうかはともかく、危険な奴だ。

こちらを攻撃しようとしても、少なくとも剣の間合いにいれば、斬り捨てるか無力化することは出来る。

……とにかくも、信頼できる人間から詳しく話を聞かねばならない。彼を斬るか否かはそれまで保留しよう。

 

「親を探す。もっと詳しい情報が必要」

「こいつは『親』じゃないかな? ……とりあえず、こいつの銃とデイパックは貰っていこう」

 

目が見えないというのは嘘じゃなさそうだが、鋭敏な聴覚がそれを補っている。便利な奴だ。

じゃあ、聴覚を封じたら? 嘘を教えて、取り返しのつかないことをさせたら? その時、彼女はどんな顔をするか。

ヘンゼルはサディスティックな笑みを浮かべ、気絶した川田を蹴り転がし、銃を奪い、デイパックを背負う。

 

その時、月夜の顔色が変わった。この……『音』は!

 

 

重低音が、近づいてくる。大型トラックがエンジンを鳴らすような轟音が。

荒い息遣い。足音。そして凄まじい威圧感。ヘンゼルにも感じ取れた。戦慄し、冷汗が滴り落ちる。

 

 

ドッドッドッドッドッドッドッド

 

ドッドッドッドッドッドッドッド

 

ドッドッドッドッドッドッドッド

 

 

「車じゃ……ない……? これは……?」

 

 

【F-02北西端/01時14分】

 

【大和亜季@アイドルマスター シンデレラガールズ】

[役]:親

[状態]:戦慄

[装備]:ACOG(銃器用照準器)@現実、ドス・ダガー、チャカ・ガン

[道具]:デイパック

[思考・行動]

基本方針:帰還する。親や子と合流し、情報を集め協力する。

1:Y-12殿をひとまずは信用する。

2:銀髪の子供達(ヘンゼルと月夜)から逃げる。

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

 

【クローンヤクザY-12型@ニンジャスレイヤー】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:埋込式サイバーサングラス、ヤクザスーツ、M60機関銃@現実

[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)、飲食物・医療品少し

[思考・行動]

基本方針:子を探し、守る。親とは協力する。鬼と遭遇したら排除するか、子を連れて逃走する。

1:ヤマト=サンをとりあえず護衛する。

2:銀髪の子供達(ヘンゼルと月夜)から逃げる。襲ってくれば迎撃。鬼かニンジャ、あるいは両方ではと疑う。

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。個人名がないため、仮に「Y-12」と名乗る。

このゲームを「ヨロシサンによる自分の機能テストか、非合法組織による殺人ゲーム、あるいはその両方」と認識。

生き残るつもりだが、ヨロシサンの株価が下がりそうな行い(自分の正体をバラすなど)は基本的にしない。

 

 

【F-02/01時15分】

 

【ヘンゼル@BLACK LAGOON】

[役]:子

[状態]健康、戦慄

[装備]:拳銃、鉈、金槌、S&W M19@現実(川田から奪取)

[道具]:釘、川田のデイパック(ハリセン@バトル・ロワイアルが入っている)

[思考・行動]

基本方針:皆殺し。

1:因幡月夜と同行する。機会が来れば、或いはグレーテルと合流したら月夜を殺すつもり。

2:重低音と共に近づく謎の人物に警戒。

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。特別支給品の有無は不明。

 

【因幡月夜@武装少女マキャヴェリズム】

[役]:子

[状態]健康(盲目)、戦慄

[装備]:摸造刀(亜鉛合金製)

[道具]:不明

[思考・行動]

基本方針:信頼できる人間を探し、確かな情報を入手する。

1:ヘンゼルを警戒しつつも同行する。人殺しは阻む。襲ってくれば斬る。

2:重低音と共に近づく謎の人物に警戒。

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。

盲目のため、文字の読解や顔の判別等は不可能だが、優れた聴力で広範囲の探知が可能。

ビラに書かれていた事はヘンゼルに尋ねて把握したものの、ヘンゼル自身が怪しいため内容についても疑っている。

 

 

【川田章吾@バトルロワイアル】

[役]:親

[状態]:頭に打撲、失神

[装備]:なし

[道具]:なし

[思考・行動]

基本方針:状況を把握する。

1:???

 

【キング@ワンパンマン(リメイク)】

[役]:親

[状態]:ゴメオによる催淫、キングエンジン

[装備]:

[道具]:デイパック(タブレット@絶望鬼ごっこ、醤油、ゴメオ@現実)

[思考・行動]

基本方針:帰りたい……

1:子どもたち(翠と中沢)の誤解をときたい。

2:一応、自分のできる範囲で子と親を保護する。

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。




全体的に絵面がいかつい。
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